- Amazon.co.jp ・マンガ (248ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065234174
作品紹介・あらすじ
巨人がすべてを支配する世界。巨人の餌と化した人類は、巨大な壁を築き、壁外への自由と引き換えに侵略を防いでいた。だが、名ばかりの平和は壁を越える大巨人の出現により崩れ、絶望の闘いが始まってしまう。
パラディ島以外の土地を踏み潰し、次々と命を奪っていく「地鳴らし」。一方、エレンの攻撃目標地点を見定めたアルミンやミカサ達。敵、味方、かつての仲間、数多の命を失いながらもついにエレンに追いつくが……。
「進撃の巨人」ついに完結。
感想・レビュー・書評
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28-33巻を読み返し、最終巻を読み終わった。傑作。
このマンガを読んだからと言って、貴方が賢くなるわけではない。この残酷な「貴方の世界」の仕組みが分かるわけではない。この残酷な「貴方の世界」の過去や未来が分かるわけではない。
例えば、32巻でマーレのマガト元帥は、マーレの正義を語ったことをエルディア人に率直に謝っている。
「同じ民族という理由で過去の罪を着せられることは間違っている」
マーレ人は、巨人能力で過去に大殺戮を行ったエルディア人をずっと恐れて「悪魔の民族」と呼んでいた。一方で、その力を利用し支配し侵略の道具としようとしていたのである。
作者は、今までお互い戦ってきたマーレ側とエルディア側とが共闘を組む直前に、お互い言いたいことを言い合う場面を作った。
エルミンは、死地に赴こうとする元帥に言う。
「手も汚さず、正しくあろうとするのは断りたい(←私も手を汚す)」。
「この物語において」の「落とし所」はこうだったのかもしれない。けれども、それが世界の(例えば日本とか韓国とかの)民族対立の「落とし所」になるかと言うと全然ならない。
例えば、パラディ島の壁内世界の話は、「ひきこもり問題」「イジメ問題」「ブラック企業問題」を反映していると思ってはいけない。
例えば、マーレ攻略を目指して、調査兵団側と反マーレ義勇兵の分裂は、日本戦中の皇道派と統制派を想起させる。「地鳴らし」という巨人最後の手段は核兵器等の究極兵器を想起させる。また、それが「抑止力」という考えにも繋がっている。「悪魔のエルディア人教育」は、かつてのいや、これからの洗脳教育をも想起させる。
‥‥でも、それをいくら分析しても、現代の問題の分析には役立たないだろう。
それでも、いやそれだからこそ、「進撃の巨人全34巻」は、物語で完結していて普遍性を持っているということもできるだろう。現代世界を寓話で鋭く批判すれば、その射程は数十年間しか保てない。「ガリヴァー旅行記」のように、現代社会から離れれば離れるほどに、その射程は遠くまで延びるだろう。このマンガは、平成時代後期の代表的な漫画として確固とした地位を築くだろう。
最後の16頁は、「天と地の戦い」の後の「人類」のおそらく100年間の歴史を駆け足で見せた。アルミンの予想通り、戦いを終わらせた彼らはいっときの平和をもたらしたが、戦争がなくなるわけではない。最後の場面が、自然と少年だったのは、作者の立ち位置がわかった。「良きかな」と思う。
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職場の後輩に かりて
読了
いやぁ 終わっちゃいましたね
命の尊さ、存在意味、争いの無意味さ
色々と考えさせられますね
終わりかたも良かったと思います
個人的には、前巻のハンジの最後だけ違和感感じましたが…逃げる仲間達に迫る地ならし(巨人の大行進)
皆を逃がす為に、ハンジが巨人の大群に1人で突っ込…
「人間1人突っ込んで、時間稼げないでしょ…」
見せ場作る無理矢理感が…
仲間の巨人が誰1人 時間稼ぎしないと逃れられないよ(温存とはいえ…)と思ってしまった… -
進撃の巨人もとうとう終わってしまった。
絵はお世辞にも上手いと言えなかったが、奇想天外な世界観に魅了された。
ドキドキの12年間にリスペクトを込めて星5。 -
多分読まないのですが、、、
ダイヤが埋め込まれている町 人気漫画『進撃の巨人』のモデル
島村英紀『夕刊フジ』 2021年6月18日(金曜)。4面。コラムその401。「警戒せよ! 生死を分ける地震の基礎知識」
http://shima3.fc2web.com/yuukanfuji-column401.htm
『Mikakoのドイツ語通信 2021年第16号 Reiselust Nördlingen』(林フーゼル美佳子)より一部転載
「ネルトリンゲンは3年に1度、Stadtmauernfest 城壁祭りが開催されるのですが、その際には完全に中世に逆戻りします。
次の城壁祭りは2022年9月9日~11日ですので、対新型コロナの制限が緩和されていたら、訪れてみませんか?」
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終わると聞いてから読むのを我慢して1巻から一気読みしました。面白かった。1回目に読んだ時には分からなかったけれど2回目で理解できた所が沢山あって、より物語に入り込むことができました。暫くしたらまた読み返したいな。
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すごい作品だった。
だいぶ前に序盤で1回脱落して、最近になって一から読み直したんだけど、最初の方と最後の方はもはや別の作品だね…。
ファンタジーだけど、現実以上に現実的。
奇跡のような現象はたくさん起こるのに、都合の良い奇跡は起こらない。
こんな作品が少年漫画として掲載されて、ものすごい数の人に指示されたということが、なんか不思議(ディスってるわけではなく)。
一歩間違ったら大変なことになるのでは?という内容がずっと続くっていう…。諫山さん、凄いわ。 -
地鳴らしを止めるため、エレンとの最終決戦が始まる!しかし、要となるアルミンが捕らえられ、奪還を阻むのは歴代の九つの巨人たち。絶望的でかつ圧倒的なスケールで描かれる戦いの行く末は、エレンたち三人の決断へと収束していく。
世界の在り方、生命とは何なのかと問いかける物語だった。ジークの言う通り、生命の性質や本能としては「増える」こと。しかし、人類はその結果として恐怖を得て、争い憎しみ合うようにもなった。そのなれの果てが地鳴らしと言える。自分たちが生存するために、同じ種族を駆逐しようとするのは、種や歴史という大きな視点で見れば皮肉でしかない。
人間は知能を持っている。そこから生まれた恐怖や憎しみという負の感情もある。でも、愛や幸福という感情もみんな持っている。ぼくは正も負もすべてを繋げる道は「愛」だったのかなと感じた。エレンが仲間たちのために地鳴らしをしたのもそう。理屈や本能ではない。でも、そんな個人的なものが積み重なって世界は作られ、誰しも生きているのだと。
地鳴らしの是非については何とも言えない。ぼくは地鳴らしをどうにか食い止める方向でラストを見てみたかったというのが本音。現実世界では難しい憎しみの連鎖、その森から出たところを見てみたかった。でも、フィクションだからこそ地鳴らしを描き切り、憎しみの連鎖の果てを体験させることで、読者に問いかけを残すという形も一つの答えだと思った。どちらにせよ、大きく爪痕を残してくれる作品であったことに間違いはない。
とりあえず、現状ではこんな印象。また一巻から読み直してみる予定なので、その後で意見が深まったら追記させてもらおうかと思う。 -
完結してからの一気読み!!
顔に陰影入りのギャグが最初違和感だったが、慣れたらハマった(笑笑)
特にハンジによる“年頃いじり”がツボ。
人気の通り、世界観は秀逸です。
兵団の制服のデザインが好き。
子ども→大人へのキャラクターの成長の描きわけも、“長い戦いに寄り添って来た感”があり魅力のひとつ。
著者プロフィール
諫山創の作品





