超入門カーボンニュートラル (講談社+α新書)

  • 講談社 (2021年5月21日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (208ページ) / ISBN・EAN: 9784065235041

作品紹介・あらすじ

脱炭素社会の基礎知識
次のビジネスはこの知識が武器になる。
カーボンニュートラルに世界の投資マネーが殺到!
第一人者による決定版!

いまや環境問題は大きな経済問題として認識されるようになった。金融界も「カーボンニュートラル」を意識するようになり、株価や金融政策にまで影響を及ぼすようになった。この言葉が持つ「破壊力」を理解しなければ、まともな事業計画を立てることも、経済政策を議論することも、さらには良い就職先を選ぶことも、良い投資することも、これからはできなくなる。
状況の展開が急すぎて、何が起きているかを飲み込めずにいる人が少なくないかもしれない。だが、菅政権が「2050年カーボンニュートラル」を不意に打ち出した背景には、世界規模での経済競争や地政学観点による事情があった。菅政権はそれを自ら打ち出したのではなく、日本経済を守るために打ち出さざるをえなかったのだ。
わたしたちは今、とてつもなく大きな時代の転換点にいる。それに早く気づいた者だけが、これからの時代をリードしていくことができる。あなたはこの動きを追い風にできるか、それとも追い込まれてしまうのか?

◆担当編集者より
管総理の宣言で「カーボンニュートラル」は国策となった。経団連もこれを無視はできず、今までは懐疑的に見られていた「気候変動対策が次の経済成長のエンジンになる」という認識が広まりつつある。
今、この変化を追い風にできる会社と、逆に追い込まれる会社に、くっきり分かれつつある。二酸化炭素排出量が多い火力発電はもちろん、取引先を含む製造過程での排出量が多い製造業から、気候変動で投資先が製造ライン崩壊やサプライチェーン寸断など予測できない損失にあうリスクを抱える金融機関まで、カーボンニュートラルを目指した事業構成にしないと生き残れない。あの日本製鉄でさえ、高炉依存を脱却して電炉にも投資するなど大きな事業再編を強いられている。
一方で、環境技術やEV分野の技術で世界に先行する日本企業は数多く、重厚長大産業といわれてきた分野でも事業を切り替えて成長している会社が多い。スタートアップにもチャンスが巡ってきている。
このように、これからのビジネスパーソンは、カーボンニュートラルに対する基本的な知識なしには、先進的なビジネスに携わることはおろか、事業を継続することもできなくなってきた。本書はこの分野の第一人者が、カーボンニュートラルとは何かから始まって、気候変動が与える経済へのリスク、産業界の動向、そして新たに生まれた地政学的リスクをわかりやすく解説した入門書。

みんなの感想まとめ

カーボンニュートラルの重要性とその影響をわかりやすく解説した本書は、環境問題が経済問題としても捉えられる現代において、必須の知識を提供します。温室効果ガスの排出をネットゼロにすることが求められる中、各...

感想・レビュー・書評

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  • カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出をネットゼロにしようということである。

    もしこのまま何も対策をうたずに、人口増加と経済成長を今の形で続けていけば、温室効果ガスの排出量は、2100年には現在の2倍から3.5倍になると言われている。その場合、地球の平均気温は、産業革命前の1800年代後半と比べて4.1℃から4.8℃上昇すると推測されている。4℃台の気温上昇は、地球環境にとって破滅的な結果をもたらし、同時に経済にも致命的な影響を与える。
    そこで2016年のパリ協定では、国際目標として気温の上昇を2℃、可能であれば1.5℃に抑えることを設定したわけである。そして、それを実現するためには、おおよそ2050年頃までのカーボンニュートラルが必要とされている。

    カーボンニュートラルの実現は簡単なことではない。各産業で、イノベーションやビジネスモデルの転換が必要であり、それを担う各企業にとっては簡単な話ではない。ただ、これまでは、カーボンニュートラルを実現するための技術を開発すること自体は、ビジネスチャンスであるという言われ方をされてきたが、状況は変わりつつある。年金基金や機関投資家などの資金の貸し手が、カーボンニュートラルに貢献しない企業にはお金を貸さないという流れになりつつあるのだ。要するに、企業にとってカーボンニュートラルに貢献することは、生き残るための必須要件になりつつある。

    そういったことを、本書の「はじめに」で筆者は、「カーボンニュートラルという言葉は環境問題から経済問題としても認識されるようになった。また、この言葉が持つ"破壊力"を正確に理解することが必須」と説明している。
    これは、カーボンニュートラルの本質の一つであると思う。
    カーボンニュートラルについて基本的な知識を得たい人にとっては、非常に良い入門書だと思う。

  • この頃大きく取り上げられてきた「カーボンニュートラル」についてちゃんと理解すしておくべく、
    まずは入門書(と思われるもの)を手に取ってみました。
    読んでみての感想は、(この本がファーストチョイスなのかどうかは判断できませんでしたが、)
    結構基本的なところから比較的分かりやすく書いてある本のように感じました。

    著者の大雑把な主張は、以下の通りかと思います。
    ①気候変動の影響の大きさが無視できない
    ②その原因(の多くを占めるものは)は温室効果ガスである
    ③温室効果ガスは、ほとんどが二酸化炭素
    ④だから、二酸化炭素が温暖化に主要な(多大な)影響を与える
    ⑤二酸化炭素の排出を削減すること(ニュートラルにすること)と経済成長は両立でき、今後は両立できない企業・国は生き残っていけない

    個人的には、④が本当に言えるのかどうかは、
    著者の本からははっきりとは理解できませんでした。
    (自分だけかも…。)
    だからといって、トランプさんのように、
    二酸化炭素はジャンジャン排出すべき、というスタンスでもないんですが。。
    著者の出した資料からは、二酸化炭素以外の温室効果ガスの方が
    (ボリュームは少ないにもかかわらず)影響が多大にあるようにも読めたので。。
    この辺りはもう少し自分自身、勉強が必要です。

    ⑤については、人によっては意見が異なりますね。
    比較的、著者のようなスタンスを取るSDGs系の人は多いように思いますが、
    斎藤幸平さんとかはちょっと違うスタンスのようですし。

    ※人新世の「資本論」
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4087211355#comment

  • この本が発行された2021年から比べると、世の中少しは「ニュー資本主義」に近づいたのかな?
    経済成長と環境影響はデカップリングが可能ということなのだけれど、その後、現実はそうなっていたのだろうか。

  • カーボンニュートラルがなぜ求められるのか、避けられないのか、どのような影響を及ぼしていくのかなどが分かる一冊。
    特に経済や産業分野での影響についての解説がわかりやすい。このままのペースで気候変動が進むと金融が成り立たなくなる、との言葉が印象的。
    初心者にも読みやすく、さくさく読める。

  • 新聞やニュースでカーボンニュートラルを見ない日は無いが、なぜカーボンニュートラルに政府・企業が取り組むべきなのかまで、踏み込んで説明されていることは少ないと思う。
    気候変動は単に地球環境の保護だけでなく、災害リスクが高まれば、サプライチェーンが断絶され、我々の生活が脅かされるという点で、経済界からしてもリスク回避のためには、気候変動対策にコミットしなくてはならない。
    金融業界でも、資産運用額トップの年金基金も国際的な団体を設立し、投資先および投資先の取引先の二酸化炭素排出量をモニタリングし、排出量削減目標を課している。このため、株主・投資家への説明責任を果たすためにも、カーボンニュートラルは日本企業にとっても重要事項となる。
    一方で、経済成長とカーボンニュートラルは両立しないため、脱成長が望ましいという主張もある。経済成長が加速化すれば、生産が拡大し、結果的に二酸化炭素排出量も増加すると考えれている。しかし、著者によると、経済成長によって生産性が向上することで、排出量削減につながるデータも提示されている。
    カーボンニュートラルは国際的な目標と言えるが、ヨーロッパは先進地域になろうと意欲的である。EU域内の雇用促進のために、域内企業に排出量削減の目標を課すだけでなく、排出量目標の低い国へ海外移転するインセンティブを下げる取り組みも並行している。

  • タイトル通り、カーボンニュートラル入門

  • 善悪ではなく損得という観点からカーボンニュートラル化促進を説明しているのも良い。

  • カーボンニュートラルの立ち位置がよく分かった。特に金融面からこの動きを推し進めようとする観点が興味深い。環境面での不確実性が増すと、投融資、保険などの金融機能がリスク増大から成り立たなくなる。だから国から言われる前に各国中央銀行さえも積極的にうごく。
    ただ、まだ何となくこの動きが欧州によるルールチェンジの側面が強いように見える。本書後に起こったウクライナ戦争、物価高、エネルギー不足からくる欧州の原発再稼働等。待ったなしの環境の危機を見据えつつ、国家の論理とは一線を画し国境を超えた企業の取り組みがより重要になるか。環境、社会への貢献と利益創出をいかに結びつけるか。

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/771992

  • 東2法経図・6F開架:519.1A/F87c//K

  • 気候変動懐疑論は世界の科学者たちにはほとんど支持されていない。
    環境省の気候変動影響評価報告書でまとめてある
    気候変動による金融システムへのインパクトは、世界で同時多発的に起きる。気候変動による資源、食料の価格高騰は金融政策では対処できない。気候変動は資産価格を変動させ、金融システムを脆弱化する。

    原子力と再生可能エネルギーをゼロエミッション電源と考えられる。
    化学肥料の窒素は放置すると自然と酸素と結合して一酸化二窒素になる。二酸化炭素の298倍の温室効果。稲わらを微生物が分解するとメタンガスが出る。うちのゲップ、排泄物も一酸化二窒素やメタンガスの発生源。

    ゼロカーボンのめどはたっていない。減らして、吸収する合わせ技が必要。
    植林、海洋植物が吸収、マングローブなど、バイオ炭、DAC直接空気回収、バイオ燃料。
    気温が4度上昇すると保険も掛けられない。
    世界の130か国が2050年カーボンニュートラルを目標としている。

    資本主義をやめても経済成長を求めればゼロカーボンにはならない。先進国は一人当たりの排出量は減り始めている。カーボンニュートラルと経済成長のデカップリングは可能。

    ダボス会議では最もリスクが高い危機は、気候アクション失敗、次が感染症対策、だった。

    世界の資産家は上位62人の大富豪を合わせても全世界の資産の0.6%。年金資産が最も多い。次いで保険会社、資産家の資産の運用会社、など。
    クラスメートアクション100=温室効果ガスの排出量が多い企業に圧力をかける。
    ネットゼロアセットアライアンス=投資先企業にカーボンニュートラルを要求する。
    国連責任銀行原則=カーボンニュートラルを目指している企業に融資する。
    2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

    洋上発電は全電力を賄えるポテンシャルがある。大型化が可能。
    製鉄は電炉でスクラップ鉄をリサイクルするか、水素還元方式=コークスの代わりに水素を燃やす。
    プラスチックは、ケミカルリサイクル
    超高層でもコンクリートではなく木造。

    肉は餌のエネルギーの5%になってしまう。大豆の加工肉なら同じ量の肉ができる。
    小売電力会社の電気は、実際には排出量ゼロ出ないことが多い。
    LCA=ライフサイクルアセスメント=製品やサービス全体での排出量削減効果。
    中国は2020年に日本に先立ち、カーボンニュートラルを宣言した。

    アメリカが波に乗れないのは、共和党と民主党の政権交代、州政府と連邦政府のと足並みがそろわない、など。政治的不安定性を超えるイノベーションが起きる素地がある。

  • タイトルのとおり、
    「カーボンニュートラル」の基本が分かる本。
    そもそもカーボンニュートラルとは?を押さえたい方には最適な本だと思いました。

  • 20220227読了

  • カーボンニュートラルに対して環境問題という側面だけでなく経済的にどのような問題である事やどの様な対策があるか具体的にざっくりまとめてあってあまり知らなかった私でも理解しやすかった。難しいことを書いてあるけれど読みやすい本。

    この本を通して日本は他の先進国よりも脱炭素化に向けての取り組みが遅い様に感じた。私自身ももっと気候変動に関する日本や世界の取り組みに対してもっと知らなければいけないし、知ろうと思ういい契機となる本だった。

  • 最近あまりにも頻繁に気候変動が叫ばれるので、改めて根本の部分をざっと理解したいと思い購入。
    タイトルのとおり、超入門書としてこの分野の話がバランスよく書かれてると思います。

  • カーボンニュートラルの動向が、コンパクトにまとまっている。

  • カーボンニュートラルはずっと聞くけれど、いまいち腑に落ちてなくて手に取った本。
    これまでは環境用語として使われていた言葉が、経済用語として使われていくところに、この問題は一面的には解決ができないという改めての実感があると感じた。
    このように解決が困難な問題の一因は、関わり合いが広くみんなの利害が多面的になるので、利を与え合いながらほんわりと目的を揃えていく必要があると感じる。
    色んな見方があるけれどおそらく、「不便がよい」という価値観が浸透しない限りは、生活水準を戻すことは難しいので、溜めない生き方、消えていく物を作ることになるのかもと感じた。

  • 株の運用団体などが加盟する「クライメートアクション100+」が、温室効果ガス排出量の多い167社に、排出量を削減するよう圧力をかけているそうだが、日本企業がわずか10社というのはどう考えればよいのだろう?

    エネルギー関連の世界的な企業が少ないとは言え、日本企業の存在感が落ちている部分も影響してそうだ(総合重機は1社も入ってないし…)。

    あと、本気でカーボンニュートラルが進むと、産油国はえらいことになりそうだ。

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著者プロフィール

株式会社ニューラルCEO

「2022年 『ネイチャー資本主義』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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