超入門カーボンニュートラル (講談社+α新書)

著者 :
  • 講談社
3.48
  • (6)
  • (16)
  • (26)
  • (0)
  • (2)
本棚登録 : 262
感想 : 20
  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065235041

作品紹介・あらすじ

脱炭素社会の基礎知識
次のビジネスはこの知識が武器になる。
カーボンニュートラルに世界の投資マネーが殺到!
第一人者による決定版!

いまや環境問題は大きな経済問題として認識されるようになった。金融界も「カーボンニュートラル」を意識するようになり、株価や金融政策にまで影響を及ぼすようになった。この言葉が持つ「破壊力」を理解しなければ、まともな事業計画を立てることも、経済政策を議論することも、さらには良い就職先を選ぶことも、良い投資することも、これからはできなくなる。
状況の展開が急すぎて、何が起きているかを飲み込めずにいる人がなくないかもしれない。だが、菅政権が「2050年カーボンニュートラル」を不意に打ち出した背景には、世界規模での経済競争や地政学観点による事情があった。菅政権はそれを自ら打ち出したのではなく、本経済を守るために打ち出さざるをえなかったのだ。
わたしたちは今、とてつもなく大きな時代の転換点にいる。それに早く気づいた者だけが、これからの時代をリードしていくことができる。あなたはこの動きを追い風にできるか、それとも追い込まれてしまうのか?

◆担当編集者より
管総理の宣言で「カーボンニュートラル」は国策となった。経団連もこれを無視はできず、今までは懐疑的に見られていた「気候変動対策が次の経済成長のエンジンになる」という認識が広まりつつある。
今、この変化を追い風にできる会社と、逆に追い込まれる会社に、くっきり分かれつつある。二酸化炭素排出量が多い火力発電はもちろん、取引先を含む製造過程での排出量が多い製造業から、気候変動で投資先が製造ライン崩壊やサプライチェーン寸断など予測できない損失にあうリスクを抱える金融機関まで、カーボンニュートラルを目指した事業構成にしないと生き残れない。あの日本製鉄でさえ、高炉依存を脱却して電炉にも投資するなど大きな事業再編を強いられている。
一方で、環境技術やEV分野の技術で世界に先行する日本企業は数多く、重厚長大産業といわれてきた分野でも事業を切り替えて成長している会社が多い。スタートアップにもチャンスが巡ってきている。
このように、これからのビジネスパーソンは、カーボンニュートラルに対する基本的な知識なしには、先進的なビジネスに携わることはおろか、事業を継続することもできなくなってきた。本書はこの分野の第一人者が、カーボンニュートラルとは何かから始まって、気候変動が与える経済へのリスク、産業界の動向、そして新たに生まれた地政学的リスクをわかりやすく解説した入門書。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • カーボンニュートラルとは、温室効果ガスの排出をネットゼロにしようということである。

    もしこのまま何も対策をうたずに、人口増加と経済成長を今の形で続けていけば、温室効果ガスの排出量は、2100年には現在の2倍から3.5倍になると言われている。その場合、地球の平均気温は、産業革命前の1800年代後半と比べて4.1℃から4.8℃上昇すると推測されている。4℃台の気温上昇は、地球環境にとって破滅的な結果をもたらし、同時に経済にも致命的な影響を与える。
    そこで2016年のパリ協定では、国際目標として気温の上昇を2℃、可能であれば1.5℃に抑えることを設定したわけである。そして、それを実現するためには、おおよそ2050年頃までのカーボンニュートラルが必要とされている。

    カーボンニュートラルの実現は簡単なことではない。各産業で、イノベーションやビジネスモデルの転換が必要であり、それを担う各企業にとっては簡単な話ではない。ただ、これまでは、カーボンニュートラルを実現するための技術を開発すること自体は、ビジネスチャンスであるという言われ方をされてきたが、状況は変わりつつある。年金基金や機関投資家などの資金の貸し手が、カーボンニュートラルに貢献しない企業にはお金を貸さないという流れになりつつあるのだ。要するに、企業にとってカーボンニュートラルに貢献することは、生き残るための必須要件になりつつある。

    そういったことを、本書の「はじめに」で筆者は、「カーボンニュートラルという言葉は環境問題から経済問題としても認識されるようになった。また、この言葉が持つ"破壊力"を正確に理解することが必須」と説明している。
    これは、カーボンニュートラルの本質の一つであると思う。
    カーボンニュートラルについて基本的な知識を得たい人にとっては、非常に良い入門書だと思う。

  • この頃大きく取り上げられてきた「カーボンニュートラル」についてちゃんと理解すしておくべく、
    まずは入門書(と思われるもの)を手に取ってみました。
    読んでみての感想は、(この本がファーストチョイスなのかどうかは判断できませんでしたが、)
    結構基本的なところから比較的分かりやすく書いてある本のように感じました。

    著者の大雑把な主張は、以下の通りかと思います。
    ①気候変動の影響の大きさが無視できない
    ②その原因(の多くを占めるものは)は温室効果ガスである
    ③温室効果ガスは、ほとんどが二酸化炭素
    ④だから、二酸化炭素が温暖化に主要な(多大な)影響を与える
    ⑤二酸化炭素の排出を削減すること(ニュートラルにすること)と経済成長は両立でき、今後は両立できない企業・国は生き残っていけない

    個人的には、④が本当に言えるのかどうかは、
    著者の本からははっきりとは理解できませんでした。
    (自分だけかも…。)
    だからといって、トランプさんのように、
    二酸化炭素はジャンジャン排出すべき、というスタンスでもないんですが。。
    著者の出した資料からは、二酸化炭素以外の温室効果ガスの方が
    (ボリュームは少ないにもかかわらず)影響が多大にあるようにも読めたので。。
    この辺りはもう少し自分自身、勉強が必要です。

    ⑤については、人によっては意見が異なりますね。
    比較的、著者のようなスタンスを取るSDGs系の人は多いように思いますが、
    斎藤幸平さんとかはちょっと違うスタンスのようですし。

    ※人新世の「資本論」
    https://booklog.jp/users/noguri/archives/1/4087211355#comment

  • 【貸出状況・配架場所はこちらから確認できます】
    https://lib-opac.bunri-u.ac.jp/opac/volume/771992

  • 東2法経図・6F開架:519.1A/F87c//K

  • 脱炭素について幅広く学ぶ上で非常に参考となる良書です。超入門とあるとおり知識のない方に分かりやすく解説されていますが、具体的な事例や社会情勢を論理的に交えながら説かれているので非常に説得力がありました。
    脱炭素の潮流には抗えないことがよく理解できました。自分も志向をアップデートして行動したいと思います。

  • 気候変動懐疑論は世界の科学者たちにはほとんど支持されていない。
    環境省の気候変動影響評価報告書でまとめてある
    気候変動による金融システムへのインパクトは、世界で同時多発的に起きる。気候変動による資源、食料の価格高騰は金融政策では対処できない。気候変動は資産価格を変動させ、金融システムを脆弱化する。

    原子力と再生可能エネルギーをゼロエミッション電源と考えられる。
    化学肥料の窒素は放置すると自然と酸素と結合して一酸化二窒素になる。二酸化炭素の298倍の温室効果。稲わらを微生物が分解するとメタンガスが出る。うちのゲップ、排泄物も一酸化二窒素やメタンガスの発生源。

    ゼロカーボンのめどはたっていない。減らして、吸収する合わせ技が必要。
    植林、海洋植物が吸収、マングローブなど、バイオ炭、DAC直接空気回収、バイオ燃料。
    気温が4度上昇すると保険も掛けられない。
    世界の130か国が2050年カーボンニュートラルを目標としている。

    資本主義をやめても経済成長を求めればゼロカーボンにはならない。先進国は一人当たりの排出量は減り始めている。カーボンニュートラルと経済成長のデカップリングは可能。

    ダボス会議では最もリスクが高い危機は、気候アクション失敗、次が感染症対策、だった。

    世界の資産家は上位62人の大富豪を合わせても全世界の資産の0.6%。年金資産が最も多い。次いで保険会社、資産家の資産の運用会社、など。
    クラスメートアクション100=温室効果ガスの排出量が多い企業に圧力をかける。
    ネットゼロアセットアライアンス=投資先企業にカーボンニュートラルを要求する。
    国連責任銀行原則=カーボンニュートラルを目指している企業に融資する。
    2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略

    洋上発電は全電力を賄えるポテンシャルがある。大型化が可能。
    製鉄は電炉でスクラップ鉄をリサイクルするか、水素還元方式=コークスの代わりに水素を燃やす。
    プラスチックは、ケミカルリサイクル
    超高層でもコンクリートではなく木造。

    肉は餌のエネルギーの5%になってしまう。大豆の加工肉なら同じ量の肉ができる。
    小売電力会社の電気は、実際には排出量ゼロ出ないことが多い。
    LCA=ライフサイクルアセスメント=製品やサービス全体での排出量削減効果。
    中国は2020年に日本に先立ち、カーボンニュートラルを宣言した。

    アメリカが波に乗れないのは、共和党と民主党の政権交代、州政府と連邦政府のと足並みがそろわない、など。政治的不安定性を超えるイノベーションが起きる素地がある。

  • タイトルのとおり、
    「カーボンニュートラル」の基本が分かる本。
    そもそもカーボンニュートラルとは?を押さえたい方には最適な本だと思いました。

  • 20220227読了

  • カーボンニュートラルに対して環境問題という側面だけでなく経済的にどのような問題である事やどの様な対策があるか具体的にざっくりまとめてあってあまり知らなかった私でも理解しやすかった。難しいことを書いてあるけれど読みやすい本。

    この本を通して日本は他の先進国よりも脱炭素化に向けての取り組みが遅い様に感じた。私自身ももっと気候変動に関する日本や世界の取り組みに対してもっと知らなければいけないし、知ろうと思ういい契機となる本だった。

全20件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

株式会社ニューラルCEO。経営・金融コンサルタント。信州大学特任教授。
ハーバード大学大学院リベラルアーツ(サステナビリティ専攻)修士。サンダーバード・グローバル経営大学院MBA。東京大学教養学部(国際関係論専攻)卒。日本で2013年からサステナビリティの重要性を発信し、ESG投資という概念を日本で普及させた一人。機関投資家、外資企業コンサル、大手上場企業の間で人気のニュースサイト「Sustainable Japan」の編集長も務める。政府や地方自治体の有識者委員を多数兼任。Jリーグ特任理事や国際NGO等の理事も務める。東京大学公共政策大学院、北海道大学公共政策大学院、立教大学で講義を担当。著書に『ESG思考』『超入門カーボンニュートラル』(以上、講談社+α新書)、『データでわかる2030年 地球のすがた』(日本経済新聞出版)、『知識ゼロからのSDGs入門』(幻冬舎)など多数。

「2022年 『武器としてのカーボンニュートラル経営』 で使われていた紹介文から引用しています。」

夫馬賢治の作品

この本を読んでいる人は、こんな本も本棚に登録しています。

有効な左矢印 無効な左矢印
リンダ グラット...
有効な右矢印 無効な右矢印
  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×