世界でいちばん優しいロボット

  • 講談社
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065236598

作品紹介・あらすじ

「世界でいちばん優しいロボット」

AI化が急速に進むこの時代に、人の心を癒すロボットを作りたい。

子供のころから周囲とうまくなじめない吉藤健太郎はモノづくりが大好き!彼はやがて「ロボット」と運命的な出会いを果たす。これからの時代に必要とされるロボットとは何か?さまざまな人との出会いや別れを経て完成したのはオリヒメという世界一優しいロボットで・・・・・・。

「魚をにがす漁師さん」

東京湾でアナゴ漁がずっと続けられるようにしよう。

東京湾に面した横浜の柴漁港。ここでアナゴ漁を営む斉田は漁の方法を惜しみなく仲間に教え、やがて柴漁港でとれたアナゴはおいしいと評判に!そんな時、驚きのデータが届く。なんと東京湾でとれるアナゴが半分に減っているのだ。原因を調べたところ漁のやり方に問題がありそうで・・・・・・。

「しあわせを運ぶチョコレート」

チョコレートで世界中の人々を笑顔にしたい。

食いだおれの街・大阪で育った石原は食べることが大好き。中学生になると石原はラグビー部へ。ハードな練習に耐え、帝京大学に進学し彼が4年生の時にはチームは全国制覇。社会人になった石原はラグビーで学んだガッツと行動力でさまざまな仕事にチャレンジする。コロンビアのチョコレートは世界一という言葉を耳にした石原は持ち前の行動力でひとりコロンビアへ向かうのだが・・・・・・。

岩貞先生が徹底取材で書き上げたノンフィクション3本を収録!!


〈小学中級からすべての漢字にふりがなつき〉

感想・レビュー・書評

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  • 〇電車で読んだらあかん本だった。

    世界を少し良い方向に進める3人のノンフィクション

    「幸せを運ぶチョコレート」石原紳伍
    …コロンビアのチョコレートと人に出会ったイカ焼きの店を営む石原さんは、その場でカカオの定期的な輸入を申し込む。その場では本気にされなかったが、チョコレートの店を1から作り、やがてコロンビアの農家の人々の生活までも変えていく。
    →本当の地域貢献を見た。一方通行でないところがいい。陳腐な言い方だけど、感動した。お店のチョコレート食べたい。

    「魚を逃がす漁師さん」齋田芳之
    …アナゴ筒漁師・齋田さん。おいしいアナゴを食べてもらうために、優しい“筒”の研究に打ち込む。しかし、アナゴの不漁が続き、水産技術センターの清水さんとどもに不漁の原因を探す。
    やがて、稚魚を確実に逃がし、漁の負担も減る画期的な筒が考え出されるが…。
    →海の資源を守り、未来へとつなげる活動が何年も前から始まっていたのだ。

    「世界でいちばん優しいロボット」吉藤健太郎
    …「孤独を無くしたい」吉藤さんが目指したのは、“ハンデ”が“ハンデ”で無くなるロボットでした。
    →コピーロボットだ!ハンデのある人も社会参加が出来る世界が近くに来ている。
     番田さんのご冥福をお祈りします。

  • NDC分類 K916
    実際にあったはなし

    「孤独をいやす分身ロボット・オリヒメを開発したロボット博士。東京湾の未来のために魚をにがす漁師さん。地球のうら側へ笑顔を運ぶチョコレート屋さん。地球の未来を優しさで作る、本当にあったストーリー3編!!小学中級から。」

    目次
    幸せを運ぶチョコレート(夢はパイロット;帝京大学ラグビー部;勝ちと負けを作らない ほか)
    魚をにがす漁師さん(柴漁港;アナゴ筒漁;アナゴがへっている? ほか)
    世界でいちばん優しいロボット(ひきこもり;ロボットコンテスト;人生をかけてやりたいこと ほか)

  • ノンフィクション作家が、一冊の中でジャンルの違う3人の半生を紹介する。

    1人目は子どもの頃から元気が良く、学生時代、会社員時代に誰よりも努力してきたラガーマンが辿り着いた、100年続く店。

    2人目は、港町に生まれ、海が大好きで自分の生まれ育った漁港で皆が食べたがる名物を獲って有名にしたい。という漁師さん。

    3人目は、友達を作るのが苦手で不登校、引きこもりを経験した変わり者の青年がたまたま出会ったロボット作りで、人と繋がる素晴らしさを体験し、孤独をなくす目標を掲げ、前進していく取り組み。

    どれも、結果的にSDGsに結びついているが、始まりは自分が幸せに生きる道を選択して行った先に出会ったものだった。
    つまり、どんな事も取り組み次第で持続可能な開発目標に関連させていく事が出来る。ということになる。

    SDGsを学ぶ小学校中学年以上が読むと良さそう。

    SDGsとは、特別な事ではなく、どんな事にでも周りの人々や環境問題をプラスして共に考えていく事で持続可能な人や環境にも優しい条件を兼ね備え、より良く、より強い目標や信念となっていくのがわかるでしょう。

  • 世の中を少しでも良くする、人のために行動する、もう涙なしには読めなかった。表題作を含む実話三編。
    なにかしら形になるまでの挫折とか苦しみとか、熱い思いとかがじわっと伝わってくる。地道で泥臭くて格好よくないけれど、それが格好いい。
    読んでほしいので、あまり内容は書けない。

    人の行動や呼びかけで、周りの人が「よし、やるか」となったりする気持ちの動きが見えると、熱いものがこみ上げてくる。

    翻って自分のことを考えてしまう。人のためどころか、溺れないようにひたすらもがいている感じだなあ、と。まずは自分の人生や家族の生活を少しでもよくするところから始めないと、次が見えない。

  • win-winで成功を手にした3人の話。皆、最初は上手くいかなかったが、仮説立てて挑戦し、反省点を改善することにより成功してきたと。漢字に読み仮名があったので、中学生対象の本だろうけど、大人でも楽しめた。

  • 2021 感動ノンフィクション3編が収められた一冊


    幸せを運ぶチョコレート
    石原紳伍さんの人生、大阪出身
    コロンビアで出会ったカカオ
    石原さんは現地で出会ったホセさんに
    現地のカカオを輸入する約束をする
    そして、それを実現した暁には、
    現地の水の確保のための水路、こどもたちのための学校など、安心してカカオを出荷し続けるための環境づくりもする

    石原さんの好きな言葉
    むだな努力は、運となる
    人生に、むだなことはない
    失敗は、むだなんかじゃない

    魚をにがす漁師さん
    横浜市金沢区出身の齋田芳之さん
    父も祖父もここで漁師
    芳之も〜と思うも、漁師許可証がない
    ということで、自由漁業をさぐる
    アナゴについてしらべはじめる
    そんな中で、アナゴ筒漁について、東京海洋大学の東海正先生に相談する
    とりすぎない、大きさのちょうど良いアナゴ
    を筒漁でとるには?
    研究の結果、筒漁の穴の大きさがわかる
    小さいアナゴは海に戻る時にカモメに食べられていることがわかる
    なので、穴を小さくして海の中で逃す必要があることを、元々の漁師にも伝え、みんなでアナゴを守らなければならない



    世界でいちばん優しいロボット
    吉藤健太朗
    ひきこもりの小学生時代
    ロボットのプログラムに熱中し、学校に行っていない中学生時代。
    ロボットコンテストに出場
    全国大会で優勝を逃すも、優勝したロボットを作る人たちに注目
    奈良県立王寺工業高校のK先生を知り、そこを目指すことにした
    見事合格
    しかし友達のいない健太朗
    折り紙の得意な健太朗に、先生は特別支援学校で折り紙を披露する
    そこで、支援の子どもたちの生活を知り、車いすの苦労を知る
    また工夫についても、感じる

    電脳車いすの研究チームに入れてもらい「ワンダー」の開発に参加
    国内大会で優勝し、アメリカで開催される国際大会に参加
    そこで大きな刺激を受ける
    三位になるも、違和感を感じる
    いろいろな悩み、不便を知り、引きこもり孤独だった日々を思い起こす
    人工知能を使い、友だちロボットを作ろうするなかで、実際の人とのかかわりを大切さを感じ、大学へ進学
    社交ダンス部に入ったりして試行錯誤を繰り返し、また得意だった折り紙に戻る
    人との話しかた、接し方について努力する
    その経験から、分身ロボットにいきつく 
    オリヒメ・ミニ

    ALS患者と出会い、さらに進化させる
    2018年には分身ロボットカフェをオープンさせる

  • ちょっと端折りすぎかな?という気もするけど、子どもらに興味を持ってもらうには適量かも。

  • 泣ける!

  • ノンフィクション3編。「魚をにがす漁師さん」に本学教授・東海正先生が登場します!

    所蔵情報:
    品川図書館 281/I96

    ---

    読書マラソン感想カードより:

    表題作ほか2編あり。その内の片方は海洋大学の東海正先生が登場している。その話のキーパーソンでなんなら目次にもフルネームでいらっしゃる。
    漁師と水産の研究者、海が好きな者同志のズレを先生からのアドバイスや現場で観察した学生達によってピタリとはめる所は気持ちが良かったです。

    オススメ度:
    ★★★☆☆

    ノブ(図書館職員)

    ---

    自分の好きなことを続ける中で、それが他の人をも巻きこんで、他者のためになることへつながっていった。単に好きなことをするのではなく、なぜそれをしたいのか、など、熟考することの大切さも伝わってくる

    さんろく

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著者プロフィール

ノンフィクション作家、モータージャーナリスト。横浜市出身。おもな作品に、『しっぽをなくしたイルカ  沖縄美ら海水族館フジの物語』『ハチ公物語  待ちつづけた犬』『ゾウのいない動物園  上野動物園  ジョン、トンキー、花子の物語』『青い鳥文庫ができるまで』『お米ができるまで』『わたし、がんばったよ。  急性骨髄性白血病をのりこえた女の子のお話。』『もしも病院に犬がいたら  こども病院ではたらく犬、ベイリー』『未来のクルマができるまで  世界初、水素で走る燃料電池自動車 MIRAI』『キリンの運びかた、教えます 電車と病院も!?』『命をつなげ! ドクターヘリ2 前橋赤十字病院より』『ガリガリ君ができるまで』『世界でいちばん優しいロボット』(すべて講談社)など多数。





























「2022年 『法律がわかる! 桃太郎こども裁判』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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