著者 :
  • 講談社
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感想 : 26
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  • Amazon.co.jp ・本 (40ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065239629

作品紹介・あらすじ

かこさとし未発表作品、ついに刊行!

倉庫に眠っていた、かこさとし未発表作品は、コロナでステイホームの期間中、
加古総合研究所の鈴木万里さん(かこさとし長女)が作品整理中に見つけたものです。
この作品の最初の原稿執筆が1953年、なんと構想から実に68年、
半世紀以上を経て初めて世に出るオリジナル作品です。

テーマは、かこさんが終生、憎んでいた「戦争」です。
太平洋戦争のとき、高校生だったかこさんが体験した実話です。
戦争の悲惨さに怒り震えるかこさんが、いつまでも忘れないようにと
子どもたちに伝えようとした作品です。
平和を願うかこさんの強い思いが込められています。

子どもたちの未来を考えるすべての皆さんに、天国のかこさんからの贈り物です!

感想・レビュー・書評

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  • 2018年に亡くなったかこさとしさんの未発表作。
    2020年、コロナでステイホームの最中に長女の鈴木万理さんが見つけた。

    かこさんは秋が特に好きな季節だという。
    でも、その秋をとても嫌いになったときがあった。
    その理由は昭和19年、18歳の時…。

    語られる出来事は、令和の時代に安穏と暮らしている私には想像しかしようのなく、つらく耐え難い。
    一見何が書いてあるのか分かりにくい、表紙の絵の意味に触れたとき、涙がこぼれた。
    辛いからこそ笑っていた戦時中の市井の方たちに敬意を覚えながら、その方たちに死と悲しみをもたらす戦争というものの正体ってなんだろうと思う。
    今でも世界中で戦争や紛争が続いている。
    止められない。
    やめられない。
    人にはそれぞれに守りたいものがある。
    ゆずれないものがある。

    守りたいものを守るために武器などいらない世の中に早くなってほしい。



    • ☆ベルガモット☆さん
      5552さん、おはようございます。
      「守りたいものを守るために武器などいらない世の中に早くなってほしい。」という言葉にたくさんの気持ちがこ...
      5552さん、おはようございます。
      「守りたいものを守るために武器などいらない世の中に早くなってほしい。」という言葉にたくさんの気持ちがこめられて心に響きました。ありがとうございます。
      カフェオレ歌あたらめておめでとうございます!コーヒーが飲めないので、私はソーダでやってみようかな♪
      2023/12/02
    • 5552さん
      ベルガモットさん、こんにちは!

      先日『プーチンの犬』という副題のプーチン支持者たちのドキュメンタリーをBSで観て、彼らにも言い分はあるんだ...
      ベルガモットさん、こんにちは!

      先日『プーチンの犬』という副題のプーチン支持者たちのドキュメンタリーをBSで観て、彼らにも言い分はあるんだとあらためて感じました。守りたいものがあるだけなんだと。過去の悲しみを負い、現在を悲観し、未来を憂えている彼らを観ていると、この悲劇の連鎖はどうしたら止められるんだろう、と思います。

      お祝いの言葉ありがとうございます!
      ソーダもいいですね。久しぶりに飲んでみようかな。
      2023/12/02
  • 季節の中では著者が一番好きだという"秋"を、とてもきらいでとてもいやな"秋"になってしまった、昭和19年の出来事が描かれた絵本。クレヨンでかかれた硬い感じの絵が、当時の生活などの苦しさを表していると感じた。

  • かこさとしさんの新しい絵本『秋』には、絵本作家としての思いがつまっている。|Culture|Culture|madameFIGARO.jp(フィガロジャポン)
    https://madamefigaro.jp/amp/culture/210921-satoshi-kako.html

    こんな秋なんか… かこさとしさん、戦争描いた未発表作:朝日新聞デジタル
    https://www.asahi.com/sp/articles/ASP7P6J71P78UTFL00N.html

    『秋』(かこ さとし)|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000353040

  • 昭和19年晩秋、青く晴れわたった皇居上空。 米軍のB29に体当たり攻撃を敢行した日本軍戦闘機の操縦士が、機体から離脱するも、落下傘が開かず墜落死。この痛ましい惨劇を目撃した<かこさとし氏(1926-2018)>が、夥しい犠牲者を悼み平和の尊さへの想いをこめた、手書きの紙芝居<秋>をもとに、〝子どもたちへ、今こそ伝える戦争〟として改訂出版された絵本です。

  • 私も季節の中では秋が一番好き。

    でも昭和19年の秋は、かこさんにとって、とてもいやな秋だったそう。

    「翌年、日本は負けて戦争は終わりました。
     それからくる年ごと、
     さまざまな秋がめぐってきました。
     つらかったり、さみしかったり、
     くやしかったり、切なかったりしましたが、
     ただひとつ、
     戦争のない秋の美しさがつづきました。」

    高学年への読み聞かせに。

  • かこさとしさんの幻の作品。
    美しい季節を、美しいと、好きな季節だと思えるのは、平和な世界でその恵みを享受できているからなんだと身に沁みたおはなし。
    生きやすいとは言えないけれどそれでも当たり前のように来る明日が平和なことはとても尊いこと。
    守り続けるべきもの。
    かこさんの戦争体験が描かれたこの作品を世に出して下さった方に感謝しかない。

  • かこさとしさんの生前に出版されなかった戦争の絵本
    かこさんは生涯を通して秋が大好きでした
    しかし、昭和19年の秋はとても嫌な秋でした。


    当時18歳、高校生だったかこさんも兵器工場で働き、勉強など出来ない毎日でした

    衣食は十分にゆきわたらず、各家庭ではカボチャを作ることを奨励されていました

    かこさんは盲腸で入院し、チョビひげ先生、おでこ先生の手術をうけしばらく入院となりました
    病室では怖い看護師(?)のおばさんに世話をしてもらっていたのです

    いよいよおでこ先生にも召集令状がきました


    ・その他、飛行機から真っ直ぐに地上に落ちた兵隊さんのことなど、自ら体験されたことを、人を殺していく“戦争”への怒りと、戦争のない秋の美しさを

    〇戦争の下描きの線の太さと、朴訥とした秋の美しさ

  • かこさとしさんの新作です。
    読み聞かせ初の戦争ものとして選びました。秋、日常の風景、若き感情。途中で言葉を詰まらせてしまいました。
    かこさん本当に色々な絵本ありがとうございました。

  • 最初に、
    表紙、裏表紙を見て、覚悟を決めて読み始める。

    かこさとしさんの長女鈴木万里のあとがきと、新聞記事を読んで再度グッとくる。

    戦争で得をする人はいったい誰なのかと…

  • 絵本だけど、大人向き。戦争の怖さを受け取った。

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著者プロフィール

かこさとし:1926年福井県武生市(現越前市)生まれ。大学卒業後、民間企業の研究所に勤務しながらセツルメント運動、児童会活動に従事。1973年退社後、作家活動、児童文化の研究、大学講師などに従事。作品は500点以上。代表作として「からすのパンやさん」「どろぼうがっこう」(偕成社)「だるまちゃん」のシリーズ(福音館書店)、「こどもの行事しぜんと生活」シリーズ(小峰書店)などがある。

「2021年 『かこさとしと紙芝居』 で使われていた紹介文から引用しています。」

かこさとしの作品

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