奇跡

著者 :
  • 講談社
2.61
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本棚登録 : 1724
感想 : 195
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  • Amazon.co.jp ・本 (170ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065243053

作品紹介・あらすじ

林真理子、38年ぶりの書き下ろし。一生に一度、描かずにはいられなかった物語。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉として「不倫」と言ってしまえばそうなんだろうが、大きな愛の行方を見た気がする。
    年を重ねないと気付かない事は多いし、惹かれる物の価値観や考え方、捉え方ももまた変化するからなのだろう。

    驚くのが実話という点でこの作品がノンフィクションであるという事。
    富裕層のそのリッチな価値観と深い礼節が実話であると考えれば考えるほどリアルで生々しかった。

    このアプリ内での評価は低いけれども、自分には凄く興味深い作品だった。

  • 歌舞伎の名門松島屋、梨園の妻となった博子さんと写真家田原桂一さんの愛の実話。

    許されるはずもない不倫から始まった2人の出会い、そこから始まる本当の愛の実話は赤裸々に語られていました。

    実名を出して本書が世に出るってすごいなぁって思います。

    それを認めた博子さん、逆に言えばそれほどの純愛物語。

    人を愛することの大切さ、強さ、美しさ...

    これほど愛し合えるパートナーと出会えた2人は幸せな時を過ごしたんですね。

    説明
    内容紹介
    男は世界的な写真家、女は梨園の妻ーー
    「真実を語ることは、これまでずっと封印してきました」

    生前、桂一は博子に何度も言ったという。
    「僕たちは出会ってしまったんだ」
    出会ってしまったが、博子は梨園の妻で、母親だった。
    「不倫」という言葉を寄せつけないほど正しく高潔な二人ーー。
    これはまさしく「奇跡」なのである。
    私は、博子から託された”奇跡の物語”をこれから綴っていこうと思う。

    数々の恋愛小説を手掛けた林真理子が、一生に一度、描かずにはいられなかった特別な愛の物語。

    38年ぶりの書き下ろし!
    著者について
    林 真理子
    1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部卒。’82年エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』が大ベストセラーに。’86年「最終便に間に合えば/京都まで」で第94回直木賞を受賞。’95年『白蓮れんれん』で第8回柴田錬三郎賞、’98年『みんなの秘密』で第32回吉川英治文学賞、2013年『アスクレピオスの愛人』で第20回島清恋愛文学賞、’20年第68回菊池寛賞を受賞。‘18年には紫綬褒章を受章した。小説のみならず、「週刊文春」や「an・an」の長期連載エッセイでも変わらぬ人気を誇っている

  • この本をどのように読み、感じるか…。
    読みながら考えた。
    同じ読むなら色々考えず恋愛小説として楽しもうと決めた。
    ひたむきに生きたふたり。
    出会い、恋して、お互いが成長できる、そんなお二人だったんだと思う。
    出会ったことは奇跡。
    桂一さん、とても素敵な男性だなと思った。


  • 今年のValentineDayに発刊
    林真理子さん38年ぶりの書下ろし。
    普通なら新聞や雑誌に連載してから単行本化という道
    なぜ今回この形をとったのでしょう?
    急いでいた?

    奇跡ってなんだろう。
    もしこの二人がともに独身で出会っていたら
    こういうことはなかったかもしれない?
    博子が舅姑に愛され、世間的には恵まれた環境にあり
    しかし夫はよそを向いている。
    そしてお祖父ちゃんに愛される博子の息子の存在。

    そういった諸々の出来事があったからこそ
    このような愛の奇跡が起こったのだと思いました。

    そして博子のモデル女性が林真理子さんと知り合いであったということ。
    それもこの小説ができたという奇跡なのでしょう。

  • 図書館で何気なく手に取って、林真理子さんの作品だし、読み始めて、???となったのでスマホで検索したら、本人たちの写真が出てきて…どんな純愛小説なのか、と思って読み進めたが、結局は子供を巻き込んだ不倫小説。
    頑張って最後まで読みましたが、私はこういうのはどんなに愛を正当化したとしても、どんなに夫が不貞を働いていたとしても好きじゃありません。
    ごめんなさい。

  • フィクションと言いながら、事実を淡々と書いているだけという感じ。
    李王家の縁談の時にも同じようなことを感じました。
    不倫をただ綺麗に客観的に書いただけで、心情などの描写もなく、何を読まされたのだろうという気持ちしか残らなかったです。

  • 正直なところ、これを「奇跡」と言われても‥。
    最初から最後まで登場人物だけでなく著者も含めて「住む世界が違う」ことを嫌と言うほど見せつけられました。

  • 運命的な出会い。実話。

    すでに結婚し、子供もいる中で博子は田原桂一に惹かれていってしまう。特に博子は梨園の妻としての顔があり多忙で世間の目もあり、誰にもバレてはならない環境にあった。よくそんな中で時間を作ったり秘密にできたよなぁと思う。僕には綺麗に描きすぎてるかなと思われたので本当のところはどうだったんだろうと思う部分もある。やはりこればかりは言葉を重ねても体験した本人にしかわからないものがあるんじゃないかな。

    自分自身がそういう話に疎いのでそんな出会いもあるんだなぁーくらいのポジションでしか読めなかった。でも自分にもそんな出会いがあるんだったら是非そんな人に出会ってみたいなとこの本を読んで感じました。

  • なぜこの本が出版されたのか?
    作家目線なのか主人公目線なのか統一感がなく読みにくいうえに、時系列も前後し林真理子氏とは思えない文章…。
    そして、内容も自費出版のような自分史レベル…。
    友人から頼まれて断れず、渋々書いたのでしょうか?あまりに時間がなくて推敲することもできなかったのでしょうか?

    前宣伝は、梨園の妻と世界的写真家の、不倫ながらも奇跡のような恋物語。とのことでしたが、実名で書かれてることだけに興味が湧いただけ。何処が奇跡と言えるのか?そもそも恋愛中はそう思ってる人も多いし、浮かれてるのは当人たちだけ。
    確かに美男美女のハイソでお洒落なカップルですが、自画自賛感が凄くて退いてしまいます。元旦那さまやご家族のご了解も得て公表してるのでしょうか? 主人公の方の思い込んだら突き通す強さは伝わりましたが、不倫したのは仕方ないとしても、このように公表することで、周囲の迷惑も考えない我が儘な人という印象しか与えません。
    梨園への復讐?それとも彼には別の方がいて、自分が一番愛されたと証明したかった?など穿って考えてしまうほど、主人公にも林真理子氏にもプラスにならない本で残念でした。

    ただただ、息子さんがあまりにいい子に描かれて過ぎていて、彼は無理していないのかと心配になりました。

  •  「奇跡」というタイトル、生前の田原氏が何度も博子氏に言ったという「僕たちは出会ってしまったんだ」という台詞、プロローグにある博子氏の「女として生を受け、これほどまでに愛された自分は本当に幸せでした」という言葉。大仰な始まり方のわりに、どれもがこの短い一冊の本からは今ひとつ伝わってこなかった。ドロドロとした共感の沼に読者をいざなう予定だったのだろうけれど、林真理子さんの淡々とした書き口で良くも悪くも冷静さが保たれてしまったように感じた。何が起こるかわからない世の中だから、愛し愛されとっても幸せだった自分の人生を形として残しておきたくなった博子氏の気持ちはわからないでもない。けれどお二人のことをほとんど知らない赤の他人からするとそこまで手放しに共感はできないし、帯とかプロローグとかの盛り上げ方がやりすぎな感じがした。「奇跡」なんて物々しいタイトルで必要以上に高貴な作品に仕上げようとしない方が良かったと思う(そもそも「不倫」というテーマは高貴なものではないのだから)。単なるドキュメンタリー的な作品か、身の回り全てのことに全力投球で挑んで人生を切り拓いていった芯の強いしたたかな女性として博子氏を描いた作品だったら、「なるほど世の中いろんなことがあるのねえほうほう」と逆にすんなり受け入れられたと思う。林真理子さんが博子さんと親しい人物であるからこその、圧倒的戦略ミス。内輪でやってくれ。

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著者プロフィール

1954年山梨県生まれ。日本大学芸術学部を卒業後、コピーライターとして活躍する。1982年、エッセイ集『ルンルンを買っておうちに帰ろう』を刊行し、ベストセラーとなる。86年『最終便に間に合えば』『京都まで』で「直木賞」を受賞。95年『白蓮れんれん』で「柴田錬三郎賞」、98年『みんなの秘密』で「吉川英治文学賞」、13年『アスクレピオスの愛人』で「島清恋愛文学賞」を受賞する。18年『西郷どん!』がNHK大河ドラマ原作となり、同年「紫綬褒章」を受章する。その他著書に、『葡萄が目にしみる』『不機嫌な果実』『美女入門』『下流の宴』『野心のすすめ』『愉楽にて』『小説8050』『李王家の縁談』『奇跡』等がある。

林真理子の作品

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