ライティングの哲学 書けない悩みのための執筆論 (星海社新書)

  • 星海社
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本棚登録 : 903
感想 : 55
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065243275

作品紹介・あらすじ

書くのが苦しい4人が、なぜ書けないのかを哲学探究! 書くことの本質を解剖し、書けない&書き終われない病の克服を目指す執筆論!

感想・レビュー・書評

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  • 原稿書きはやはり「締め切り」が一番の効果がある。無い知恵から、良い構成を一気に作り出せるのは「切羽詰まった状態」にする事でやり遂げれるのか、と思う。山本周五郎は「借金をすること」と言っていた。その訳は「返済するための原稿書き」はその支えとなったとある。いい文章、いい内容を作る事に時間が食われるといつまで経っても終わらない。だが、「いつまで」と期限付きは「徹夜の勉強」的刺激を受けて全能が働いてくれる。

  • これは、文章を書く人々の仕事論を書いたもの。
    仕事論なので、文章を書くことを生業にしていない自分でも共感できることが色々あった。
    締切の効用、諦め、外部に晒す勇気。
    全ての仕事に通じる。
    アウトラインのアプリなど、専門的な書く技術はなかなか活用できないが、面白く読めた。

  • f.2021/8/15
    p.2021/8/6

  • 哲学と銘打ってはいるものの、非常にラフな本。何らかの「書くこと」を生業にしている4人が集まり、如何に書けないのか、あるいは「書かない」で済ますのか、どう書くのかを恥も外聞も捨てて話し合い、模索する内容。ライティングする人じゃなくても、タスクをなかなか進められないとか、そういった分野にも応用ができる内容。

  • 千葉雅也ら「ライティングの哲学」文を書く事はSNSやら公私を問わず日常的であるが、まとまった文章となると格段にもどかしく困っている。そのため嫌気がさす事が多いが本書はその苦しみを受け入れるよう導いてくれるものだった。読書熊さんらプロの苦しみ・工夫・書く事の付き合い方は参考になった。

  • 前半はテクニック的な話だったが、段々と哲学的?な話へと展開。「表現」には批判がつきものであり、傷つくことを恐れていては何も書けないということにつきるのかと。

  • 2021年度第2回見計らい選定図書
    http://133.11.199.94/opac/opac_link/bibid/2003589417

  • 4人の著者のうち、『独学大全』の読書猿氏の原稿が読みたくて手を伸ばした(あとの3人はよく知らない)。

    「書けない悩みのための執筆論」という副題通りの本。文章を書くことを仕事としている4人の著者たちが、文章に詰まったときにその隘路をどうすり抜けているかを語り合っているのだ。

    3部形式で、1部と3部は4人の座談会。合間の第2部で、4人それぞれが「書けない悩みのための執筆論」を短く綴っている。

    4人とも、「アウトライナー」等の執筆補助ツールを駆使しており、それらのツールをめぐっての話がかなりの分量を占める。
    私はその手のものを一切使っていないので(執筆に用いるのはWordのみ)、話の内容がよくわからず、置いてけぼり感w

    全体として、「哲学」というほどのものではない。とくに、座談会部分はわりとダラダラしている。
    それでも、既成の「文章術」本には見られない鋭い指摘も多く、読んだ価値はあった。

    4人が異口同音に語っているのは、〝まず一通りの文章を書いてしまう〟ことの重要性。
    最初から完成品を作ろうとすると筆が止まってしまうから、第一段階で大枠を作って「書くこと」のハードルを下げ、そのあとで細部を作り込んでいくべきだ、というのである。

    そのことを、たとえば千葉雅也は「あとがき」で次のように表現している。

    《結果的に本書は、ちゃんとしなければという強迫観念からの解放、生産的な意味でだらしなくなることを目指すものになった。
     通常、文章術の本は、こうでなければちゃんとしていない、というふうに規範を示すもので、こうではダメああではダメと凸凹を削って整えるような指導をしてくる。それに対して本書は、まったく逆方向を行く。チマチマした「べき」を気にせずにとにかく書いてしまえ、出てくるものを出てくるままに書いてしまえ、という方向に励まし合ったのである。》265ページ

    また、読書猿氏は寄稿した「断念の文章術」の中で、レヴィ=ストロースが自身の執筆術について述べた次の言葉を引く。

    《カンバスに向う前にデッサンをする画家のように最初の段階では、まず書物全体の草稿をざっと書くことからはじめます。そのさい自分に課する唯一の規律は決して中断しないことです。同じことを繰り返したり、中途半端な文章があったり、なんの意味もない文章がまじっていたりしてもかまいません。大事なのはただ一つ、とにかく一つの原稿を産み出すこと。もしかしたらそれは化け物のようなものかもしれませんが、とにかく終わりまで書かれていることが大切なのです。そうしておいてはじめて私は執筆にとりかかることができます。そしてそれは一種の細工に近い作業なのです。事実、問題は不出来な文章をきちんと書き直すことではなく、あらゆる種類の抑制が事物の流れを遮らなかったら、最初から自分が言っていたはずのことを見つけることなのです。》(120ページ/ジャン=ルイ・ド・ランビュール編『作家の仕事部屋』・中央公論社1979年刊からの引用)

    そのうえで、次のように文章を結ぶのだ。

    《書き手として立つことは、「自分はいつかすばらしい何かを書く(書ける)はず」という妄執から覚め、「これはまったく満足のいくものではないが、私は今ここでこの文章を最後まで書くのだ」と引き受けるところから始まる。
     これは自分の可能性についての断念ではない。有限の時間と能力しか持たない我々が、誰かに押し付けられたわけではない自分に対する義務を果たそうという決断である。》137ページ

    4人の著者がそれぞれ寄せた執筆論の中で、私はこの「断念の文章術」に最も強い印象を受けた。

    全体に、かなり風変わりな執筆論であり、まったく初心者向けではない。
    文章を日常的に書いている人が、ある種の壁を乗り越えるヒントを与えてくれる本だ。

  • 本を1冊読み終わったときにはできるだけブクログにレビューを書くようにしています。ほんの短い、そしておそらくほとんど誰の目にも触れないであろう文章ですら四苦八苦して書いているのは、まさに本書で指摘されていた「幼児性」によるものだと痛感しました。
    いかにこの「幼児性」を捨て、「断念」するかのヒントを本書から得ることができました。

  • 執筆系なので参考になりはしたがそこまで深刻ではない私。

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著者プロフィール

立命館大学大学院先端総合学術研究科教授

「2022年 『多様性の時代を生きるための哲学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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