推理大戦

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065244562

作品紹介・あらすじ

日本のある富豪が発見したという「聖遺物」。
世界的にも貴重なその「聖遺物」を手に入れるため、世界中のカトリックそして正教会は、威信と誇りをかけ「名探偵」を探し始めた。
いったい、なぜ?
それは、「聖遺物争奪」のために行われる、前代未聞の「推理ゲーム」に勝利するため。
アメリカ、ウクライナ、日本、ブラジル――。選ばれた強者たちは、全員が全員、論理という武器だけでなく「特殊能力」を所有する超人的な名探偵ばかりだった。つまり、全員が最強。しかし勝者は、たったひとりだけ。
つまり、真の名探偵も、たったひとり――。

世界最強の名探偵は、誰だ?

感想・レビュー・書評

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  • 祖父が主催するゲームの手伝いをする事になった弘瀬廻。ゲームの賞品が某聖人の遺骨らしいという事で各国の教会組織は確実に勝利する為、それぞれチート過ぎる能力を持つ名探偵達を派遣してきた。廻はいとこの大和を手伝いに誘い現地北海道へ。一同が集まった次の日、主催者側の一人が死体で見つかり、その死の真相を名探偵達が推理していく。廻にとっての「名探偵」大和は彼等に対抗出来るのか?前半の各探偵達の特殊能力紹介部分が皆魅力的。「AI探偵」「クロックアップ探偵」「五感探偵」「霊視探偵」と能力のチートさにわくわくするし個性溢れていて良い。なのに後半北海道に入ってからはいくら廻視点だからとはいえ皆しょぼ過ぎないか?とちょっとがっかり。真相は違和感拾い上げてくれたので反則じゃね、とは思ったけどすっきりした。各探偵の他の活躍読みたいぞ。しかし私似鳥さん、シリーズ物相性悪いんだよなぁ。

  • 面白かった!楽しいです。かなり超能力に近いが、でもありそうな感じの特殊能力をもつ世界の探偵が集まって、北海道でイコンをかけて推理ゲームをするという、なんとなく緊迫感のない人々が、のほほんと謎解き。殺人事件は起こるんですが(そりゃそうだ)なんというか、殺伐としないのが良いねぇ。心がすさまない。選抜された名探偵たちのキャラがとても良い。特に日本代表のマリアとハチ(警察犬柴犬)が素晴らしく受けた。いやもう、謎解きとかトリックよりも、各キャラクターの能力のところが楽しかった。

  • 日本のある富豪が、入手したという〈聖遺物〉を賞品に、推理ゲームを開催。
    各国のカトリック・正教会は、〈名探偵〉を送り込み、〈聖遺物〉を我が物にしようとする。

    前半が、各国の名探偵を紹介する短編。
    後半が、日本に集結した彼らの、聖遺物争奪ゲーム。

    ボグダンと満里愛は超人的な能力だし、ユダはAI。
    〈名探偵〉という言葉で想像していたのとは少々違い、特殊能力という要素が強め。

    魔眼こそ超人的だけれど、マテウスの論理的思考が、一番イメージしていた名探偵らしかった。

    ややくどいキャラクターばかりだけれど、タイトル通り、それぞれが推理を披露しあうのがたのしい。

    ユーモアのあるあとがきもたのしい。

  • タイトル通り各国の探偵が推理を競わせるお話。なかなか面白かったが、個人的にはもっと名探偵ならではの熱い推理バトルを期待していたので少し物足りない感じがした。真犯人も・・・・うーん。もうちょっと王道の推理合戦で決着してほしかったな。

  • 世界各国から名探偵が集結し、カトリックの聖遺物を巡って、頭脳戦を繰り広げると思いきや、出題者側の弁護士が死体で発見される。
    名探偵というより、特殊能力者みたいな話なので、アニメやなぁー。と感じてしまう。仮説検証、多重解決型ミステリなので楽しめるけど、事件も真相も、仮説ミステリも地味であると感じた。井上真偽さんの名前が作中で出てきていて、インスパイアがあるのかもしれないと感じましたー。あっちのほうが面白いけど、、、

  • 【収録作品】序章/アメリカ合衆国 ロサンゼルス郊外/ウクライナ キエフ中心部/日本国 東京都千代田区/ブラジル連邦共和国 サンパウロ・ピニェイロス地区/決戦 北海道上川郡筆尻村

     日本のある富豪が発見したという「聖遺物」を手に入れるため、世界中のカトリックそして正教会は、「名探偵」を派遣する。迎えるのはその富豪である祖父の遺言でゲームを行うことになった廻と彼のいとこの大和、そして弁護士の山川。
     名探偵たちが一堂に会したあとで起きた殺人事件は、ゲームなのか。
     前半は各地の名探偵たちの紹介、後半が推理合戦。
     名探偵たちのキャラと特殊能力がユニークで、前半のワトソン役たちを含め誰もが魅力的。これ一作では勿体ないくらい。
     お約束どおりの展開が小気味よい。

  • 2021年8月講談社刊。書き下ろし。各国から集められた異能力を持つ探偵達が聖遺物獲得のための推理バトルに挑むというお話。4人それぞれの能力を語る4つの章と推理バトルを展開する最終章で語られる世界は、架空感満載のご都合主義的展開だが、面白く、楽しい。ラストのどんでん返し的な真相もこの世界でこそ成立する話で、コレはすなわちマーベルヒーローのような超人世界のミステリストーリーだ。

  • 前半は各国の超人探偵を紹介する短編でどれも面白かった。特にボグダンの能力は小説にすると読みにくいという難点はあるが、実験的な楽しさがあって最高だった。
    後半の超人探偵による推理大戦はアベンジャーズ的展開。前半にくらべると後半やオチはやや弱い印象もあるが、これは好みの問題か。ボグダンやマテウスが活躍する続編を読みたい。

  • この作家さんの他の小説、いくつか読んだことがありますが、どれもライトノベルに良く似せた本格ミステリという印象。
    今回は本格ミステリに良く似せた、エンタメですね。とは言え登場人物一人一人のキャラも抜きんでていて、読んでる最中の楽しいこと楽しいこと!
    読み終えるのが勿体ない。エンドレスにこの人達と推理と特殊能力の狭間で戯れていたかった!という印象です。
    この登場人物で、また他の事件も出てきたらなぁ~犯人があの人だから………
    おっともう、これ以上は語れないですね。

  • 名は体を表すというが、これほどタイトル通りの作品もないだろう。まさに推理合戦である。人物紹介から始まって、メインの推理合戦までどこをどう取っても、推理、推理、推理。推理が堪能できる逸品だ。舞台設定そのものがかなり「怪しい」。しかし、聖遺物争奪ゲームという荒唐無稽でリアリティの欠片もない怪しさが、その後、明らかになる登場人物たちの「特殊能力」の怪しさを許容する素地となっている。逆にこの「漫画っぽさ」が癖になってくるのが面白い。そういう意味では、登場人物たちのバラエティが楽しい。それぞれが主役を張れるくらいのアクの強さを持っており、本作だけで終わってしまうのはもったいない。別の形で再登場を期待したい。

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著者プロフィール

1981年千葉県生まれ。2006年『理由あって冬に出る』で第16回鮎川哲也賞に佳作入選しデビュー。「市立高校」シリーズ、「戦力外捜査官」シリーズ、「楓ヶ丘動物園」シリーズなどの人気シリーズの他に『難事件カフェ』『迫りくる自分』『きみのために青く光る』『シャーロック・ホームズの不均衡』『レジまでの推理~本屋さんの名探偵~』『101教室』『彼女の色に届くまで』『100億人のヨリコさん』『名探偵誕生』『叙述トリック短編集』『そこにいるのに』『目を見て話せない』『生まれつきの花 警視庁花人犯罪対策班』などがある。

「2023年 『育休刑事 (諸事情により育休延長中)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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