変貌する未来 世界企業14社の次期戦略 (講談社現代新書)

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  • Amazon.co.jp ・本 (280ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065245255

作品紹介・あらすじ

これが世界の潮流、次代の世界標準だ!
GAFAM、スタートアップ、レガシー……、世界を動かす企業がいま考えていること、そして描いている未来とは? 海外メディアだから書けた、「今日の社会」を変えていく14社の素顔。話題作『新しい世界』に続く第2弾!

・フェイスブック 5年先のロードマップ
・グーグル アルファベットグループの将来
・アマゾン ジェフ・ベゾス後の帝国
・マイクロソフト パンデミックと次世代のテクノロジー
・アップル プライバシー侵害と温暖化が21世紀の脅威
・スペースX イーロン・マスク「初有人飛行」まで
・ネットフリックス 人々を自宅に釘付けにした創業者の素顔 
・ショッピファイ 「アマゾンの対抗馬」として注目される理由
・リヴィアン 「次のテスラ」を狙うEVスタートアップ
・ビオンテック 新型コロナワクチンはなぜ開発できたのか 
・トタル 石油メジャーCEOが見る「コロナ後の中国と西欧」
・パランティア 正義の味方か悪役か、謎のビッグデータ企業
・TSMC 台湾の半導体企業、一人勝ちの理由
・アリババ 「独身の日」誕生の裏側
・シリコンバレー クリーンテック2.0の未来

感想・レビュー・書評

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    考えてみれば、世界的に活躍するCEOがほぼ理系って当たり前の話だなと思う。だって科学は地球上のどこでも同じ普遍的なものなの。その原理を理解してるって事は文化とか民族とかに縛られない普遍的なニーズが分かるって事なんだよ。彼らの商売相手は自国の人だけじゃない地球上の全員になるから商売相手の母体がデカい方が圧勝っていうのは当たり前の話だよね。

    世界的企業のCEOの出身学科って物理とか数学とか工学部みたいなゴリゴリの理系が多いよね。ザッカーバーグ、イーロン、ベゾス、ビルゲイツ辺りが理系学科出身なのは知ってたけど、NetflixCEOのヘイスティングスもそうだった。この人達、経営者だから経営学って日本の大学だと文系カテゴリだけど、世の中で活躍出来るのは結局理系的な頭の持ち主なのかなと思った。言うてしまえば文系なんて本さえ読んどけばいいみたいな所あるもんね。

    ・フェイスブック
    Meta
    ・グーグル
    GOOG
    ・アマゾン
    AMZN
    ・マイクロソフト
    MSFT
    ・アップル
    AAPL
    ・スペースX
    カリフォルニア州ホーソーンに本社を置くアメリカの航空宇宙メーカーであり、宇宙輸送サービス会社である他、衛星インターネットアクセスプロバイダでもある。 火星の植民地化を可能にするための宇宙輸送コストの削減を目的に、2002年にイーロン・マスクによって設立された。
    ・ネットフリックス
    NFLX
    ・ショッピファイ
    SHOP
    カナダのオタワに拠点を置く多国籍eコマース企業。および、同社が運営する、オンラインストアやPOSシステム向けのeコマースプラットフォームの名称。 2020年現在、世界175ヶ国以上で、100万以上の店舗に利用されている。
    ・リヴィアン
    RIVN
    2009年に設立されたアメリカ合衆国の電気自動車メーカー、自動車テクノロジー企業。リヴィアン社は、電動式のスポーツ用多目的車とピックアップトラックを「スケートボード」と呼ばれる汎用性のある次世代式プラットフォーム上に組み立てて製造する。
    ・ビオンテック
    BNTX
    ドイツのマインツに本社を置くバイオテクノロジーに関する会社。疾患治療に対する患者特異的なアプローチのための能動免疫療法を開発している。
    ・トタル
    TTE
    フランスのパリ近郊ラ・デファンスに本社を置く多国籍企業である。国際石油資本であり、スーパーメジャーの6社の内の一社である。石油化学の研究、開発では世界屈指である。
    ・パランティア
    PLTR
    ビッグ データ分析用のソフトウェア プラットフォームを専門とする米国の上場企業です。
    ・TSMC
    台湾積体電路製造股份有限公司は、中華民国 にある世界最大の半導体受託製造企業である。世界初の半導体専業ファウンドリであり、世界で最も時価総額の高い半導体企業の一つである。台湾最大級の企業でもあり、新竹市の新竹サイエンスパークに本社を置く。
    ・アリババ
    中華人民共和国を代表する世界的なテクノロジー企業であり、持株会社。本社は浙江省杭州市。日本のソフトバンクグループが筆頭株主であり、同社の持分適用会社であったが、2022年に株式の一部を売却したことによりソフトバンクグループの持分適用会社から外れた。
    ・シリコンバレー
    カリフォルニア州のサンフランシスコ ベイエリアの南部に位置し、多くの新興企業や技術系のグローバル企業が密集する地域です。中でも、Apple 社、Facebook 社、Google 社が有名です。また、パロアルトのスタンフォード大学周辺にはテクノロジー系の研究所が拠点を置いています。マウンテン ビューには、コンピュータ歴史博物館や NASA のエイムズ研究センターがあり、サンノゼにはテック イノベーション博物館があります。

    変貌する未来 世界企業14社の次期戦略 新しい世界 (講談社現代新書)
    by クーリエ・ジャポン
    ハーバード大学にいたころは心理学を専攻していました。といっても長くはいなかったんですが(笑)。ずっと興味があったのは、他者とコミュニケーションするときに大脳皮質がどう機能しているかってことでした。

    フェイスブックの使命は、人々に「声」を与えること、すべての人にコミュニティづくりの力を持たせること、もっと言えば、人と人を近づけることです。僕たちは、そういう欲求に応えるようなテクノロジーを作ることをめざしています。

    現代社会の最大の問題の一つは、才能は世界中に平等に分け与えられているのに、その機会が平等でないことです。  都会に住んでいる人と、田舎に住んでいる人のあいだにも不平等があります。世界中の大半の国々では、良い仕事を見つけようと思ったら、大都市に引っ越さなければなりません。それによって不動産の高騰が生まれてしまっています。

    子供たちについては、この現代に何を教えるべきだと思っていますか? ザッカーバーグ  好奇心です。世界はものすごいスピードで変化していて、新しいものが常に出てきているからです。

    ザッカーバーグ  僕と妻のプリシラは、未来の教育に関する非営利プロジェクトを通じて投資しています。  僕たちが重視しているのは、「自立学習」ないし「自主学習」と呼ばれているような個人に合わせた教育です。  クラスのなかで着席して授業を受ける学生と、自ら遊んで実験して物事を理解できるような学生とは、分けて考えるべきです。そういった区別が、おそらくこれからは世界中の教育システムで重視されていくのではないでしょうか。

     AWSはベゾスに季節に左右されない安定した事業と、無限の可能性を秘めたスーパーコンピューティング・プラットフォームをもたらした。アマゾンの画期的な音声アシスタントのアレクサもAWSが開いた可能性の一つだ。AWSのずばぬけた計算能力により、アレクサはどんどん賢くなっている。

    聡明で勤勉な多くの関係者の努力あってこその快挙だが、成功の原動力は豪胆で、危なっかしい絶頂に足を引っ掛けたマスクその人だ。国内に多数いる筋金入りのアンチ・マスクさえ、アメリカ人としての自尊心をくすぐられただろう。アメリカ帝国が衰退の一途をたどっているいま、アメリカン・ドリームは叶うとマスクが証明したからだ。 「アメリカはいまでも、世界中のどこの国よりチャンスに恵まれた場所です。移民であろうとなかろうと、他の国では決して今回のようなことは実現できなかったはずです」と、マスクもアメリカ愛を隠さずに言う。  超・億万長者にして、コロナウイルス懐疑派、かつ起業家のヒーローがこうしたメッセージを発信しているのが2020年のアメリカらしい。だが、マスクの成功への道のりは決して平坦ではなかった。

    当時のマスクは現在のツイッター上の傍若無人ぶりとはほど遠く、いまだ自己不信に陥りがちな南アフリカ出身の一匹狼だった。実存の憂鬱のなかでさまよい、莫大な金と人生にどう向き合うか決めかねていた。  ロケット会社の起業は、そんな境遇にいる人には財政的に最もお勧めできない選択だろう。ロケットの開発は国家規模のプロジェクトで何十億ドルもの費用がかかるし、製造には何千人もの関係者が長年、それだけに人生を捧げる。かつてロケット製造を試みたひと握りの裕福な宇宙愛好家らは、財産を使い果たして挫折した。

    さて、自称〝数学オタク〟にして散歩しながらの思索を趣味とし、海兵隊で訓練を受けたのちに平和部隊に移り、スイスで数学を教えていた男は、いかにして古きハリウッドを骨抜きにしたのだろうか?

    ネットフリックスのコンテンツ提供者にはオバマ夫妻、ライアン・マーフィー、ションダ・ライムズ、ケニヤ・バリスがいる。エヴァ・デュヴァネイはコリン・キャパニックとチームを組み、ネットフリックスでドキュメンタリーシリーズを始める。HBOの大物で、「ゲーム・オブ・スローンズ」で制作総指揮を務めたデイヴィッド・ベニオフとD・B・ワイスのコンビは、劉慈欣原作の中国のSF小説シリーズ「三体」をドラマ化する。人類がはじめて宇宙人と遭遇するストーリーだ。

    これまで長きにわたってハリウッドを牛耳ってきたのは、大半が白人でリベラルを自認する男たちだった。映画芸術科学アカデミーにしがみつき、アジア人、黒人、女優のいずれかが主演し、興行的な成功をおさめるたびに衝撃を受ける。そんな業界を、ネットフリックスはすみやかに民主化したのだ。

    自身を「きわだった才能がない、かなり平均的な子供だった」とふりかえるヘイスティングスは、スタンフォード大学でコンピュータサイエンスの修士号を取得している。  ヘイスティングスはソフトウェア会社「ピュア・ソフトウェア」を設立後、マーク・ランドルフと出会い、DVDのレンタル宅配サービスを始めた。ネットフリックスの創業秘話については意見が分かれる。ランドルフは、2人がDVDの宅配を思いついたのは、車に乗っていたときだったと言い、ヘイスティングスは借りたVHSビデオの延滞金 40 ドルを払わなくてはならなかったときにひらめいたと主張している。

    社員は、いつでも上司や部下を批判できる(これはションダ・ライムズやライアン・マーフィーのような逸材には当てはまらないだろう)。社員は、新しいアイディアを生み出すために、意見の相違を育み(「ファーム・フォー・ディセント」)、他の社員とのあいだで自らのアイディアを「ソーシャライズ」させる。失敗は「日光を当てる」、つまり、包み隠さず、頻繁に話されなくてはならない。  ヘイスティングスは、社員をファミリーではなくチームだと考える──かならず優勝トロフィーを手にするスポーツチームだと。

     テスラは2021年、奇妙に角張った近未来的デザインのピックアップトラック、「サイバートラック」の生産を始めようとしている。だがテスラは、アメリカで乗用車の市場シェアの 75%を占めるSUVやトラックの生産には、まだ重点を置いていない。

     米国のリベラル派の間では、パランティアはトランプ大統領との結びつきがある胡散臭い会社だという見方が根付いており、そのことがカープを苛立たせている。なぜならカープ自身は、ティールとは対照的に、「革新陣営の闘士」を自負してきた人物だからだ。カープは2016年の大統領選ではヒラリー・クリントンに投票し、トランプに対する批判も口にしてきた。カープの最大の不安は、ファシズムの台頭である。そのような政治信念を持つCEOはシリコンバレーでは珍しくないが、カープがIT企業の経営者として異色なのは、コンピュータ・サイエンスの学位も経営学の学位も持っていないところだ。彼が持つのはスタンフォード大学で取得した法学の学位、それからフランクフルト大学で取得した社会理論の博士号だ。フランクフルト大学では指導教官がユルゲン・ハーバーマスだった時期もある。ハーバーマスといえば、存命の社会哲学者としては欧州で最も高名だといっても過言ではない。だからカープはビジネスの世界では異色の存在なのだ。それは冒頭に書いた秋の日の午後のリュクサンブール公園でのふるまいでも容易に見てとれた。

     パランティアに対する最大の批判は、米移民・関税執行局と仕事をしたことだった。それに対し、カープは米国のIT業界に見られる愛国心の欠如を非難している。パランティアは2020年8月に本社をカリフォルニア州パロアルトからコロラド州デンバーへ移転した。カープもティールもシリコンバレーに愛想を尽かしたところは共通しており、この本社移転の判断には、二人の心持ちが影響した可能性もある。パランティアはまだ黒字になったことのない会社だが、2020年9月、上場を果たした。バイデン政権が発足すれば、連邦政府との仕事が減るのではないかという懸念が上場の背景にあったのではないかとも言われている。パランティアのソフトウェアを使えば、「世界の難題」も解ける、というのが同社の謳い文句だ。だが、トランプ政権との関係という汚点を取り除くのは、もしかしたら難題中の難題なのかもしれない。

  • GAFAMやNetflixなど、グローバル企業の次の戦略について企業トップにインタビューしたものをまとめた本。

    コロナ禍後のグローバル企業が展開するビジネス戦略はどういったものなのかを知るのに役立ちます。

  • ビッグテックの代表達はいずれも世の中に貢献するためのビジョンを起業当時から持ち続け、最先端のテクノロジーを掛け合わせることで成長を続けている。
    特にプライバシー保護と地球環境保護の観点は必須。

  • 前著『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』と比べて内容が薄い。経営者の語りなので仕方がないかもしれないが。
    パランティアは気になる。

  • 世界の著名な企業のトップへのインタビュー形式の本になります。
    個人的にはトタルのトップへのインタビューが印象に残りました。

  • ザッカーバーグはじめとする対談が興味深く、何冊かに分けてでも、やり取りの分量を増やして欲しかった。インタビューのダイジェスト的内容だけに、次期戦略と大仰に銘打つほどの内容ではないが、一冊で色々な重要人物の個性や見識を垣間見れる点は長所。

  • 知っているようで知らない会社と、本当に意識していなかった会社のことが書いてあるから読んだ。個々の会社について全体感的な話が書いてあるわけではなく、インタビュアーの課題意識に限定されていたので、期待とは違っていた。

  • p16フェイスブック
    良い仕事を見つけようと思ったら、大都市に引っ越さなければなりません。それによって不動産の高騰が生まれてしまっています。

    p81アップル
    国民の気持ちが変われば、国民の代弁者たちの見方も変わる。

    p104-105 ネットフリックス
    母親は上流社会にうんざりしていて、子供たちには嫌な世界だと教えこんだ。かくして、ヘイスティングスは幼いころからエリート社会と距離を置き、装飾は避けたほうがいいと思うようになった。
     虚構と芝居の世界に君臨する新たな王は、虚構と芝居がかった行為を嫌うのだ。


    そうした超楽しいだけの幼稚なことは卒業したと言って、ポルシェを売却し、トヨタのアバロンに乗り換えた(いまはテスラに乗っている)。

    p177 ビオンテック
    アイデンティティはネガティブなものではありません。アイデンティティを政治の道具として使い出すのが有害なのです。

    p194 トタル
    ナイロビーモンバサ間に列車を走らせたのはどこか? 道路を作り、インフラを整えたのはどこか? 中国です。

    p196
     この危機で得られる教訓は、生産拠点の国内回帰ではなくて、むしろ供給網を多様化させること、在庫量を適正化することであり、まず初めに、私たちが依存している基本備品のリストを固めることです。

    p199
    2000年の時点では、誰も太陽光やリチウムイオン電池について語っていませんでした。今では、空気中のCO2の分子を集めることも考えられています。


    『新しい世界』の方は未読。なので、企業ごとにここまでトーンとマナーが異なるのが知らなくて少し斜め上だったかもしれません。インタビュー形式、それもインタビュアーとの距離感も異なれば、質問の形式も異なり、インタビュー的な記事ではないもの、遠巻きに眺めているような稿もあり、まとまりはありません。
    英字の記事を漁れば出てくるかもですが、後半は特に知らない会社の話が出てきて面白かったです。金持ち、大企業、CEO、と一括りにして語るのではなく、また毛嫌いするのも危うい。近くから見ると点になり、遠くから見ると線になるように、広い視座を持ちたいものです。

  • <目次>
    はじめに
    第1章ビッグテックはどこに向かうのか
    第2章新しい潮流
    第3章国際企業が見る世界
    シリコンバレー グリーンテック2.0というルネサンス

    p201エコロジー問題は、専門家だけでなく、すべての人
     が関わらなければ解決しません
    p204人間が社会的動物です。リモートワークは過程としては、
     あるいは数値管理の突合せとしては機能します。
     しかし集団としての知的であり、創造的であるため
     には、モニター上では上手くいきません。
    p271グリーンテクノロジー、つまりグリーン化のインパクトは
     インターネットをしのぐ

    14社ものインタビュー本。ちっと気が散る。

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著者プロフィール

クーリエ・ジャポン https://courrier.jp/
世界中のメディアから厳選した記事を日本語に翻訳して掲載する月額会員制ウェブメディア。2005年に隔週刊誌として創刊し、2016年にウェブに移行。現在の会員は1万人を超える。ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポストなど米国の有力紙から、仏ル・モンド、独シュピーゲル、西エル・パイスといった英語圏以外の有力メディアの記事まで多様なメディア・ジャンルの記事を掲載。世界の教養人の記事も多く掲載しており、邦訳書を待たずして最新の論考に触れられることでも評価を得ている。編著に『新しい世界 世界の賢人16人が語る未来』『変貌する未来 世界企業14社の次期戦略』『海外メディアは見た 不思議の国ニッポン』など。

「2022年 『世界の賢人12人が見た ウクライナの未来 プーチンの運命』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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