ケアの倫理とエンパワメント

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 158
感想 : 3
  • Amazon.co.jp ・本 (226ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065245392

作品紹介・あらすじ

自己と他者の関係性としての〈ケア〉とは何か。
強さと弱さ、理性と共感、自立する自己と依存する自己……、二項対立ではなく、そのあいだに見出しうるもの。ヴァージニア・ウルフ、ジョン・キーツ、トーマス・マン、オスカー・ワイルド、三島由紀夫、多和田葉子、温又柔、平野啓一郎などの作品をふまえ、〈ケアすること〉の意味を新たな文脈で探る画期的な論考。

本書は、キャロル・ギリガンが初めて提唱し、それを受け継いで、政治学、社会学、倫理学、臨床医学の研究者たちが数十年にわたって擁護してきた「ケアの倫理」について、文学研究者の立場から考察するという試みである。(中略)この倫理は、これまでも人文学、とりわけ文学の領域で論じられてきた自己や主体のイメージ、あるいは自己と他者の関係性をどう捉えるかという問題に結びついている。より具体的には、「ネガティブ・ケイパビリティ」「カイロス的時間」「多孔的自己」といった潜在的にケアを孕む諸概念と深いところで通じている。本書は、これらの概念を結束点としながら、海外文学、日本文学の分析を通して「ケアの倫理」をより多元的なものとして捉え返そうという試みである。(本書「あとがき」より)

感想・レビュー・書評

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  • 〈ケア〉から見える世界――新刊『ケアの倫理とエンパワメント』を通して/小川公代/三牧聖子(ホスト) - SYNODOS
    https://synodos.jp/talklounge/27230/

    【編集後記】|「群像」2021年8月号|tree
    https://tree-novel.com/works/episode/d525f4d43fd13c19ba955da5c6480264.html

    ケアの倫理とエンパワメント 小川 公代(著/文) - 講談社 | 版元ドットコム
    https://www.hanmoto.com/bd/isbn/9784065245392

  • 倫理(ケア)には具体的な決断が伴う。だからこそ倫理には悩みや迷いが生じ、それゆえに創造的とも言える。

    法や社会やモラルにただ盲目的に従う「道徳」ではなく、思わず逡巡してしまう「倫理」が人間の身体を作り出す。

  • 「正義の倫理」との対立により「ケアの倫理」が導入され、文学におけるその表象と細やかに往復を繰り返しながらその概念の変遷と未来が描き出されている。オスカー・ワイルドから平野啓一郎までを「ケアの倫理」を軸として一気に批評。「ネガティヴ・ケイパビリティー」など鍵概念が反復されたり、各章のむすびに小括が設けられたりしていて、一般書としての読みやすさにも配慮されているところからも「現代性」を感じさせる。

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著者プロフィール

上智大学外国語学部教授。専門は英文学。

「2021年 『文学とアダプテーションII』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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