燃える息

  • 講談社 (2021年9月29日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (250ページ) / ISBN・EAN: 9784065245408

作品紹介・あらすじ

彼は私を、彼女は僕を、止められないーー


傾き続ける世界で、必死に立っている。
なにかに依存するのは、生きている証だ。
――中江有里(女優・作家)


依存しているのか、依存させられているのか。
彼、彼女らは、明日の私たちかもしれない。
――三宅香帆(書評家)


現代人の約七割が、依存症!? 
盗り続けてしまう人、刺激臭が癖になる人、運動せずにはいられない人、鏡をよく見る人、
緊張すると掻いてしまう人、スマホを手放せない人ーー抜けられない、やめられない。

人間の衝動を描いた新感覚の六篇。小説現代長編新人賞受賞後第一作!

感想・レビュー・書評

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  • 初めての著者さん!
    名前のインパクト!
    期待通り(?笑)フランスに在住している作家さんのようです(^^)

    依存症にまつわる短編集で、とても読みやすく引き込まれました。
    短編集って、あの話はイマイチだったな…とかあるのですが、この本はどの話もとても面白かったです。
    どの話も救いがあるので、読後感も爽やかな作品です。

  • 一言に依存症といっても
    色々な側面があるんだなぁ と
    多少なら ただの好み こだわり
    でも 行き過ぎると依存
    はたから見ると理解できない姿でも
    本人たちには心のよりどころにも
    鎖にもなってる
    きつい部分も勿論あるけど
    割と明るい希望が持てる展開

    最後の短編で
    それまでの依存症たちの
    その後の姿も見れて
    スカッとした読後感でした

  • 依存症をテーマにした短編。
    初読の作家さん。
    逸脱した色々な依存症に、背景が
    あって、主人公が最後には依存症
    を乗り越えていく物語。
    「鈴木さんのこだわり」の鈴木さ
    んの由来がとある漫画の登場人物
    からだと分かった時は、クスッと
    した。(かなり前の漫画だったので)
    ラストの短編は、それまでの短編
    の物語とリンクしているので、楽し
    めた。

  • とても読みやすくてサクサク読んでしまった。
    依存症を題材にした短編集。
    「依存症」ときくと、ネガティブなイメージなので本作も重いのかなと思いきや、そんなことはなくて、ちょっと清々しさも感じから不思議だ。
    ラストがどのお話も依存とうまく付き合って前向きに進む終わり方をしてるせいかな。
    人は誰でも何かに依存している。
    人だったり、スマホだったり、お酒だったり買い物だったり。
    自分も上手に付き合っていきたい。

  • みなさんはプロテインを飲んだことがあるでしょうか?

    勝手な思い込みですが、自分はプロテイン=ドーピングみたいなイメージがありました。ジムで鍛える人の人工的な飲み物、みたいな。すみません、偏見もいいところですね。

    でも本書『ジューンブライド・バナナパフェ』を読んで、筋肉がつけば代謝もよくなる、みたいなことが書いてあって、なるほど飲んでみようかなと思うようになりました。


    実際飲んでみると気のせいか調子がよくなった気がしています。プラシーボ効果でしょうか??
    また、気のせいなのか、プロテインを飲んでから、無性に運動がしたくなってきました。←単純 
    とりあえずしばらくはウオーキングとか簡単な筋トレ×プロテインで頑張ってみようかなと思います。
    ただし、本書の主人公のように極端な依存症にならないよう気をつけますが…。

    ※個人の感想です

  • 依存をテーマにした短編集。万引き犯の頭の中ってこんな感じなのかもなと思えた。本人の辛さや葛藤が生々しい。
    燃える息は狂気を孕んでいる。ジューンブライドバナアナパフェは劣等感からくるもの。

    色んな依存があって面白く読めた。それぞれの話に個性があり良かった。読みやすい。

  • ❇︎

    パリュスあや子さんの小説を初めて読みました。

    〜〜〜〜〜〜〜〜
    呼ぶ骨
    燃える息
    ジューンブライド・バナナパフェ
    鈴木さんのこだわり
    21週6日
    ファントム・バイブレーション
    〜〜〜〜〜〜〜〜〜

    様々なことに依存している、それぞれの人の話。

    平静を保つため、何かに依存する登場人物たち。

    依存することが悪いのか、依存せずには
    いられない社会や環境、時代や周囲が悪いのか。

    弱いから依存するのか、弱い自分を奮い立たせて
    それでも立っているために依存するのか。

    嫌悪と共感、拒絶と背中合わせの受容。

    少し先の自分であり、いつかの自分かもしれない。




  • 様々な依存症の話。
    こんな依存症も存在しているんだ…と知る事ができた。
    一番共感したのが「ジューンブライド•バナナパフェ」
    ダイエットで摂食障害を患う主人公。私も摂食障害になり運動や食事でかなり制限していたことがあるので、最初の1~3行を読んだだけでも過去の自分と重なり「これ私かな?」となった。今でもまだ症状は残っているので、これを読んだことによってこの依存症を客観的に捉えられた気がする。
    主人公の発言や思考が過去の自分そのままだった。

  • 様々な依存症をテーマにした、6人の短編集。

    1話目はそこまでだったけど、
    2話目からぐいぐい引き込まれていきました。

    思わぬ展開に、息を呑む。
    『依存症』とは?
    何に捉われ、何を見失ってしまったんだろう。
    それぞれが自分と向き合い、
    何が大事か?何のために?
    葛藤しながら、もがきながら、生きていく。

    衝撃的な展開や痛々しい描写も
    盛り込まれているけど、
    最後は安堵感に包まれた気持ちになれる
    本でした。

  • ヤバイよヤバイよ!依存症がヤバイよ!皆さん治療が必要なレベルでハマっている依存症短編集。「わかるわ~」から「ありえない」まで様々なレベルの話があったがお気に入りは『燃える息』..1番ヤバイが物語としては面白く引き込まれた。主人公よりもヒロイン?がヤバイ人。どことなく官能的にすら感じた。『鈴木さんのこだわり』..買い物依存症の話までは普通だと思っていたがまさかの展開。結果オーライ(なのか?)なラストは好き。私もすぐのめり込むタイプ。かつてドラクエⅢにどハマリしてデータが消えた時には1日号泣し続けて抜け殻に。

  • <麗>
    もう2年ちかく前だが,新装開店なった小説現代2020年5月号にまるまる載っていた著者の『隣人X』を偶々読んだ。面白かったし作者も割と美人だったことを覚えていた。フランスに住んでる,というプロフがちょっと鼻に付いたけれど,少なくとも著者の名前を僕は覚えていたのだから彼女のプロフを使った主張はうまく的を得ていたのであろう。

    という経緯からこの『燃える息』に取りついた。まさかガソリン口に含んでブボ!っとかって火を履く狂人系手品師かなにかの話ではないだろうな,と思い願いつつ。
    短編集。のっけの1作のみが同小説現代へ掲載された作品。あとの数作は書き下ろし。理想を言うと全作雑誌掲載が良いのだろうな。でも聞くところによると小説現代は基本読み切り作品を載せているみたいなので,連載みたいなことは余程の事が無いと遣らないのだろう。

    さて作品であるがこれが存外に面白い。若い女性作家さんが書いた作品なのだ,と思って読んでいるとそれなりに色々と妄想?も膨らみながらもなかなか面白いのだ。今までの僕の読書形態的履歴からすると,ちょっと特種 いやハッキリ言って初めての形態なのかもしれない。そしてそういう ”若い女性が書いている” と思いながらで無くとも「ああ,面白い作品だなぁ」と素直に読める事に気付いた。これはもしかすると僕の ”贔屓の作家さん” の仲間入りを果たしてくれるかも知れない。

    でもそんな嬉しい話ばかりでない事も書いておく。
    【ネタバレ注意!】『鈴木さんの・・・』にて。整形を決意したのが当時の ”彼女” のイケメン相手の浮気・・・。 ふん!僕の個人的経験からすると,その手の不細工な男の青春には絶対に ”彼女” なんて出来やしない。ちょっと美人の著者自身の恋人経験則のみで書くから,こういう間違いをオカスのだ。ある種の読者はこういうところに非常に嫌悪感をもって遠ざかってゆく。次作の内容によっては僕も遠ざかるだろう!ココロしなさい!

    あと不出来な最終話はどう考えても要らない。どうしてこの話を本にしたかなぁ。ページ数が足りなかった,とは思えない。強いて想像すると ”せっかく書いたんだから” 位の事か。編集者の指導も含めてそこは甘い! 過ぎたるはなんとかで,簡潔に短いに越したことなぞ無いと知れ!!! あっ,またも高言だったかも。すまぬ。

  • 様々な依存症(癖)の話。
    ラストの物語まで読むと何だか
    しっかり着地して爽快。

  • 読みやすかったー。
    依存性のお話たち。

    1個目は置き引き。
    最初にこの話を持ってきたことでめちゃくちゃインパクトあり、掴まれた感じ。

    やったことないけど、
    置き引きとか万引きとかって
    ギャンブルよりも脳汁出るんだろうな。

    2個目はガソリン
    これはもう半分ぐらい薬物だよね
    飲んでる人がいるなんて
    匂いがすきとかはよくありそう

    結婚式のドレスのために
    ダイエットを始めた
    ジムに行きプロテインを飲んで
    最初はひたすら頑張る
    そのうち成果が出てきてやめられなくなる
    そんな依存もある

    痴漢と妊娠の話はそんなに依存性な感じはしなかったけど、掻きむしりかな

    最後はスマホ依存
    読んでるそばからスマホ触りたくなった
    日々の生活はマジでスマホに支配されまくっているよね
    家に帰ったらスマホ触らないとか
    そーいうルールを作ろうかなと思った

    スマホ依存の本は前に読んだことあるけど
    やはり結構危険
    人との関わり方も辛くなる
    便利だけど窮屈になる


  • 依存性を題材にした短編集
    現代人には誘惑が多い、なんでもやりすぎは禁物。うまく付き合っていかなければいけない…
    身の破滅を招くから

    呼ぶ骨…窃盗症 クレプトマニア スリ

    燃える息…ガソリンのにおい、
    浮気 相手は危険な女性、ガソリンをなんと飲んでしまう 好きなものが同じだと意気投合しちゃうよね

    ジューンブライドバナナパフェ…ダイエット、運動
    結婚式を一年後に控え、ジムやランニングにのめり込む女性 栄養失調気味になって行く

    鈴木さんのこだわり…母親は買い物
    息子は整形

    二十一週六日…女子高生 痴漢への恐怖から身体を掻きむしるようになってしまった子と
    妊娠した子との友情

    ファントムバイブレーション…スマホ

  • 何かしらに「依存」している人たちのお話。
    自分は依存症なんかじゃないと思っていても、実は何かしらに依存して生きているかもしれない。
    そんな事を考えてしまった。
    自分がなにかに依存してるとしたら一体何に依存してるのかな。

    なかなか面白い本だった。

  • 依存から抜けなくても救われることもある。
    みんな一定の解決に向かうけれど、灯馬とほのかはまだ依存の中にいるように思う。
    それでもその依存と共存しながら折り合いをつけているような気がする。
    それは他の人たちも本当はそうなのかもしれない。
    大好きな信頼できる人の言葉ではなく、
    苦手だと思い込んでいた人の言葉に救われることもある。
    一方的にカテゴライズされることを嫌っているのに、相手のことをカテゴライズして偏見て決めつけてしまうことが多い。
    芙美香のようにお互いに歩み寄る新しい視点がすごくよかった。
    最後にみんなの少し先の話が読めるのが楽しかった。

  • 全て依存に関する話。
    自分にも似たようなことがあるから、とても理解できる。

    「呼ぶ骨」と「燃える息」が面白かった。

    呼ぶ骨は、責任転嫁、他責思考的な考え方を、反省しているようにも見えて、好感を持てる。
    自分の悪い部分にしっかりと向き合う素敵な話だった。

    呼ぶ骨、燃える息だけなら☆5つけてる

  • 色んな依存性を持つ人達の短編集。
    最初の話と表題作の燃える息は面白かったけど。まぁ、全体的に印象薄。

  • 異常な性格の人の話。好き嫌いは人によって分かれそう。

  • 〇人生の「トリガー」はどこにあるかわからない!恋愛かと思いきや、な短篇集
    タイトルだけでは単なる「恋愛小説」のような気さえしてしまうのだが、6つの短編には人生の「トリガー」はどこにあるかわからない、そんな話。

    ・呼ぶ骨
    大学生の真白には、「物品に呼ばれる」特殊な能力がある。いけないこととわかっているが、やめられない。ある日、電車の忘れ物に呼ばれ持ち帰るとそこには「骨」があり。
    自分と向き合う。向き合った結果真白は捕まるのか?

    ・燃える息
    ほのかを救った灯馬。彼女の郁実とは結婚が待ち構えているほどの仲だが、ふと出会ったほのかの「ガソリン」の香りが忘れられず。
    人によってトリガーになるものが違うけど、びっくり。そして意外と胸アツな。

    ・ジューンブライド・バナナパフェ
    結婚間近の芙美香は、ウェディングショップで恭平に言われたことをきっかけにダイエットを始めるが、だんだんとエスカレートしていき。
    いやぁ、絶対ありそうでないと思うけど、でもありそうなリアリティが絶妙な作品。三十代で結婚したい僕だから思う?

    ・鈴木さんのこだわり
    十数年前に実家を飛び出した善太は、姉・優子にそそのかされて父親を亡くしてひとりぐらしをしている母親のところに向かう。しかし母親はボケはじめていて。
    微笑ましい善太の行動に思わず感嘆。最後(´∀`*)ウフフな展開。

    ・二十一週六日
    満員電車に揺られて学校に通う江麻は痴漢にあってトラウマを抱えていたが、ふと同じ駅で同じ学年の千晴と出会い、同じトラウマを抱えていると思いきや。
    守りたくなるものが現れると自分がブレイクスルーできる瞬間がやってくる、そう信じていいと思った。勇気づけられる。

    ・ファントム・バイブレーション
    スマホ依存している僕は、彼女に注意されるも止められずに彼女と別れることになってしまった。するとスマホを落として車に粉々にひかれてしまう。あれ、僕のやりたいことは何だったのか?
    我に返る瞬間、自分を見つめる瞬間、後悔もあるけど前に進む。

    トリガーとは、ピストルなど銃器の撃発装置のことで、ピストルの場合利き手の人差し指で発砲することがほとんどだ。比喩的には、ものごとが引き起こされるきっかけ、と広辞苑第七版には掲載がある。

    多くの方は依存がテーマになっているとおっしゃっているし、依存症を書いているには違いないのだが、依存の一言で片づけてしまうにはこの本はなんだか悔しいと思う。

    僕ら人間の行動原理としては、自身の中に何かしらの琴線となるものがあり、無意識的であったとしても、その琴線に触れることで突き動かされる行動につながることが多い。この短篇集はそんな我々の心を見透かしているように描いていくのがこの本。


    ついつい盗み取ってしまう衝動

    守ってあげたいと思う親近感

    このままでは好かれないという恐怖

    家族じゃないからこそ話ができる他人感(?単語が合ってるかは微妙、語彙が無い)

    似た者同士だから結束できる仲間

    好きなことへの没頭


    ………どれも日常的に経験していることであり、強く強く、私たちの心を動かし続けていることの一つだ。
    当事者とその周りとの関係がイメージできていないとこれは表現できないし、これを文章化した作者は私たち市井の人々の代弁者になりうるのかもしれない。

    小説現代長編新人賞受賞後の第一作、受賞作の「隣人X」も期待して読みたいところです!

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著者プロフィール

パリュスあや子
神奈川県生まれ、フランス在住。広告代理店勤務を経て、東京藝術大学大学院映像研究科・映画専攻脚本領域に進学。「山口文子」名義で歌集『その言葉は減価償却されました』(二〇一五年)上梓、映画『ずぶぬれて犬ころ』(二〇一九年、本田孝義監督)脚本を担当。二〇一九年『隣人X』で第十四回小説現代長編新人賞を受賞し、二〇二三年「隣人X 疑惑の彼女」のタイトルで映画化。他の著作に『燃える息』(講談社)。

「2023年 『パリと本屋さん』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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