本が紡いだ五つの奇跡

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (354ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065245613

作品紹介・あらすじ

〈本を愛するすべての人に!〉
本が生まれて、読者へとつながる
「本に関わった五人の奇跡の物語」。

仕事がなかなかうまくいかない女性編集者の最後のチャレンジで実現した新作小説。
その小説が人々を気持ちを奇跡のように紡いでいく。
心の機微をやさしく綴る感情の魔術士の最高傑作。

こういう話を読みたかったんだ。そして誰かに伝えたいんだ。―ブックジャーナリスト 内田剛 

第一話 編集者・津山奈緒の章
第二話 小説家・涼元マサミの章
第三話 デザイナー・青山哲也の章
第四話 書店員・白川心美の章
第五話 読者・唐田一成の章

感想・レビュー・書評

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  • 雲一つない青空の下で
    風にはためく白シャツ。

    そう、某洗剤のCMで
    おなじみの絵面ですね。

    あのまっさらなシャツ
    のようないまの私の心。

    もはや森沢さんは私の
    なかでクリーニング店
    の店主です♪

    そうそう、服じゃなく
    心専門のね。

    あー本当スッキリして
    爽やか♫

    多くの方が良かったと
    レビューに書いてて、

    常連さんから一見さん
    まで誰からも愛される
    名店ね、とあらためて。

    ところで、心の洗たく
    なんて言うとなんだか
    安い言い回しだけど、

    エゴとかストレスって
    まめに洗い流さないと
    こびりついちゃう。

    あー汚れちゃったから
    新しい心と交換ね!と
    いうわけにも。

    となれば消臭スプレー
    じゃ物足りないし・・・

    うん、本の内容にまだ
    1ミリも触れてないな。

    あーえーと、私が一番
    共感したのは・・・

    って、きっとそんなの
    誰も求めてませんね。

    ただ一言だけ言わせて
    もらえばとにかく心が
    洗われました♪

    本書を手に取ったのは
    ねこさんへぶたんさん
    のお導きによるもの。

    うん、お二人に感謝で
    あります_(_^_)_

    • へぶたんさん
      ∩(´∀` ♡)∩ワァイ♪
      ∩(´∀` ♡)∩ワァイ♪
      2024/09/17
    • ねこさん
      「あら、私の汚腸っぷりを知らないのね。勝負、受けてたちますわよ!」って、何の話?(笑)
      コルベットさんのレビューもコメントも大好きです♡
      「あら、私の汚腸っぷりを知らないのね。勝負、受けてたちますわよ!」って、何の話?(笑)
      コルベットさんのレビューもコメントも大好きです♡
      2024/09/17
    • コルベットさん
      なんだかいい夢を見られそうです♪おやすみなさい(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*
      なんだかいい夢を見られそうです♪おやすみなさい(*ᴗ͈ˬᴗ͈)ꕤ*
      2024/09/18
  •  1つの小説が引き起こす奇跡を描くヒューマンファンタジー。
     物語は、各章ごとに主人公が入れ替わるリレー形式で描かれる。
               ◇
     その日、東西文芸社で開かれた編集会議。津山奈緒からの提案に、社長を始めとする主要メンバーは渋い顔を隠さなかった。
     奈緒は涼元マサミに新作の執筆依頼をするという提案とともに、その担当編集者になることを希望したのである。

     涼元マサミはデビュー作『空色の闇』というヒューマンドラマでヒットを飛ばしたあとミステリー作家に転身。期待されたがパッとせず、当時の担当編集者とケンカ別れをしたことで東西文芸社とは疎遠になっている。
     その後、他社から発表したミステリー作品もまったく売れず、今では執筆依頼もない状態だという。
     奈緒の提案は、その涼元にヒューマンドラマ路線での新作を書かせたいということだった。

    社長は、編集者としての首を賭けさせることを条件に奈緒の提案を了承。
     こうして不退転の決意で涼元への交渉を開始した奈緒だったが……。
    ( 第1話「編集者・津山奈緒の章」) 全5話。

          * * * * *

     長い人生の中では、うまくいかないときが必ずある。壁にぶつかってしまったらどうしたらいいか。
     そんなことを、ふと考えさせてくれる作品でした。

    人生に行き詰まりを感じている5人の主人公は、1つの文学作品によって原点に帰ることの大切さに気づきます。

     その端緒を作ったのは第1話の主人公の奈緒でした。
     憧れの出版社に就職したものの編集者としてヒット作を生み出すことができないでいる奈緒は、営業への配置転換寸前まで追い込まれています。
     けれど自分がかつて人生で絶望を感じていたとき出会った涼元のデビュー作に励まされた経験から、文学の、そして涼元の力を信じる奈緒は全力で涼元の説得に当たります。
     またそれは、奈緒にとっての大切な人に、希望を持って生きてもらおうとしてのことでした。

     その奈緒の真情から発せられる熱量に突き動かされたのが、第2話の主人公の涼元マサミです。涼元はデビュー作のヒットを受けミステリー作家への転身を図りますが見事に失敗。仕事でもプライベートでも追い詰められていて八方塞がりの状態です。
    ( 詳しくは作品をお読みください。)
     
     けれど奈緒に説得された涼元は、自分が小説家を志した原点に帰る決心をします。もともと涼元が小説を書いたのは、病の床につき死期が迫った父親を力づけるためでした。
     売れる売れないではなく書きたいものを書く。それは涼元が、いま大切な人を幸せにするために、自分の人生を真正面から見つめ直そうとしたからでもありました。

     こうして涼元と奈緒が2人3脚で作り上げた作品『さよならドグマ』は多くの人々の反響を呼び、第3話以降の主人公たちの人生にも希望の光を灯していきます。

     タイトルに『奇跡』とある通り、事態がうまく転がっていくファンタジー作品ですが、年始めに読むにふさわしいと思いました。

     順調に日々を送れているときは、前向きに生きることは難しくありません。でも、うまく行かなくなってきたときに、顔を上げて前を向き続けるには相当な力を要します。

     信じること。
     信頼に応えること。
     大切な人のためにできるのは何かを考えること。
     それは生きるうえでの原点であり、そこに帰ることで少しずつでも道は開けていくものですよ、という森沢明夫さんからのメッセージ。新しい1年の希望をもらえた気がしました。

  • 一冊の本を巡る連作短編集で、各章ごとに五人の主人公が登場します。

    第一章 編集者 津山奈緒
    第二章 小説家 涼元マサミ
    第三章 ブックデザイナー 青山哲也
    第四章 書店員 白川心美 
    第五章 読者 唐田一成

    リレー形式で一冊の本による人と人とのあたたかい結びつきが描かれています。

    その本のタイトルは『さよならドグマ』。落ち目の小説家が自分の離れて暮らす娘のために書いた渾身の作です。
    この本を読んだらやはり『さよならドグマ』が読みたくなります。「森沢さん書いてくださーい!」と言いたくなります。

    「いつかは必ず大切な人との離別のときがくるのだ。そして、その際に味わう悲しみが大きければ大きいほど、その人の人生は美しかったと言える。なぜなら、その人は、他者と心を深く通わせ、幸せに生きたからこそ、別れがいっそう悲しくなったのだから。どうせ生きるなら、別れがいっそう悲しくなるように、いま目の前にいる人との時間を慈しむべきだ」
    「わたしの人生は、雨宿りをする場所じゃない。土砂降りのなかに飛び込んで、ずぶ濡れを楽しみながら、思い切り遊ぶ場所なんだよ。あなただって、本当は、そうしたいんでしょ」
    以上、『さよならドグマ』より

  • 筆をおろうとした作家が、たった一人のために小説を書き始める。この小説のもつエネルギーは、愛する娘とつながりたいという強いパッションから生まれている。小説の中の小説なのに主人公の真衣ちゃんを応援し、熱い想いで寄り添ってしまう。
    第4章。瞬きするのを忘れるぐらい没入し、ドキドキした。第5章。読みながら、さだまさしさんの『黄昏迄』が脳内で流れる。
    あの曲は、「突然海に帰った君」を愛犬とともに偲ぶ。でも、この小説ではまだ二人が犬をはさんで海を眺めている。
    「いま目の前にいる人との時間を慈しむ」
    どんな別れが用意されていても。


  • 1つの本が企画からはじまり世に出て感動が拡がってゆく、リレー形式の連作短編。
    崖っぷち編集者の熱い思いから繋がる物語り、売れない作家に、引退を決意したデザイナー、それそれが抱えている焦燥感から希望を見出すことができるのか、序盤から中盤、終盤にかけて目が離せなくなり一気に本の世界に入り込み時間の立つのを忘れてしまいました。
    多くの人の心を捉えベストセラーを出したいとゆう思いから書いたミステリーは売れない作品ばかりでジリ貧生活になってゆく作家が、たった一人の読者のために書かれた物語には、力強く泥臭いメッセージがあり、それに携わる人たちの心を揺さぶり動かし素晴らしい作品として昇華してゆく奇跡。
    離れていても寄り添って力づけてくれる。
    梅雨の中休み、
    雪渓が残るアルプスの稜線に立ち雲海の浮かぶ空が紫からピンクに移り変わりマジックアワーを迎え夜明け前の幻想的な光景に日の出を待つような、すがすがしく神聖な空気を運んでくれるそんな作品でした。

    • まいけるさん
      雪渓が残る稜線〜の文章が素敵すぎてうっとりしました。仲間達と観た中央アルプスのマジックアワーが目の前に映りました。
      まいけるです。フォローさ...
      雪渓が残る稜線〜の文章が素敵すぎてうっとりしました。仲間達と観た中央アルプスのマジックアワーが目の前に映りました。
      まいけるです。フォローさせていただきました。
      2024/05/15
    • つくねさん
      マイケルさん、フォローありがとうございます。
      山好きなんですね。夜明け前のアルプスって感動しますよね。
      読書もされていて私もフォローさせ...
      マイケルさん、フォローありがとうございます。
      山好きなんですね。夜明け前のアルプスって感動しますよね。
      読書もされていて私もフォローさせてください。
      2024/05/15
  • ねこさん!コルベットさん!
    やっと借りれましたよ読めましたよ〜*\(^o^)/*

    読んでる間、ずーっと優しい音楽が流れてました。結構辛い現実も書かれているのに。
    青山さん夫婦の話はもう涙ぼろぼろです...。でもなんでかそういう時に限って、カフェで読んでるんですよ...。目が痒いんですよ〜ってごまかしながら何度も目を擦る怪しい私。これ、もし家で読んでたら間違いなく号泣ですね(^-^;

    本を通じてみんなに伝わる『離れていても、心はいつも寄り添っているよ』のメッセージ。
    たとえそこにいなくても、人は心の中で生き続けて一緒に応援してくれていると私も思いたい。

    まさかのエミリのおじいちゃんの住んでるところが出てきて、びっくり嬉しさわくわくでした。おお、この人知ってます!って感じで(笑)

    そして森沢さんの本を読んでいて、いつも出てくる気になる表現『パイナップル色の空』
    今回は『マンゴー色』も出てましたね。
    読む度、ジューシーなドリンクを想像する困った私...邪念だらけだ...(^^;)

    • コルベットさん
      あーサラダバー行きたくなってきたー笑 今日のランチ決まりました♪(*^^*)
      あーサラダバー行きたくなってきたー笑 今日のランチ決まりました♪(*^^*)
      2024/10/02
    • ねこさん
      サラダバーの前を陣取って読書だな♪
      今、ちょうどピッタリの本を読んでます(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)
      サラダバーの前を陣取って読書だな♪
      今、ちょうどピッタリの本を読んでます(⁠◍⁠•⁠ᴗ⁠•⁠◍⁠)
      2024/10/02
    • へぶたんさん
      サラダバー効果、恐るべし(^^;)
      サラダバー効果、恐るべし(^^;)
      2024/10/02
  • 始まりました「森沢明夫さん強化月間」

    ブクログで特集組んでたし、BSで『あなたへ』やってたし
    もうこのタイミングしかないでしょうが!
    子どもがまだ食べてるでしょうが!ってそれは『北の国から』(一切関係なし)

    先日実施した「原田マハさん強化月間」ではあれほど大好きだった原田マハさんに飽きてそれ以来読んでいないという教訓を一切活かすことなく始まりました!3歳児か!(あながち間違ってない)

    さて本編です

    いわゆる連作短編というのはあまり好きではないんですが、この作品はひとつの小説(本)を主人公とした長編と捉えられなくもないかなと思ったりしました(やや強引)
    ひとつの本が生まれ世の中に出回るまでに関わった人たちに小さな奇跡が起こるというお話なんですが「奇跡」というのに少し違和感

    「奇跡」ってなんか他力というか、運というか自分ではないものの力によって起こるというイメージなんですが、この物語に登場する5人は本に背中を押されてはいるものの自分のチカラでどしゃ降りの雨の中に踏み出しているんだよね
    だから「奇跡」なんて呼ばないでほしいなって思いました

    どしゃ降りの中に踏み出してみたら案外いい天気だったり、どしゃ降りであったにしろ隣を歩く大切な人がさす傘にあらためて気付いたり

    そんな風に踏み出す勇気をくれる物語でした

    それにしても高倉健さんかっこいいわ!(関係なし)

    • みんみんさん
      メロリンこにゃにゃちわ!
      森沢作品のちょっと参加の人や物?繋がりすぎて気になって仕方ない(´Д` )
      記憶力ないから笑また教えてね〜!
      メロリンこにゃにゃちわ!
      森沢作品のちょっと参加の人や物?繋がりすぎて気になって仕方ない(´Д` )
      記憶力ないから笑また教えてね〜!
      2022/07/23
    • みんみんさん
      あっ…不器用ですからm(_ _)m
      あっ…不器用ですからm(_ _)m
      2022/07/23
    • ひまわりめろんさん
      みんみん
      こんちは!

      それではリクエストにお応えして知ってる人は知っているレア情報です

      森沢作品で高倉健さんで繋がってる作品はまだありま...
      みんみん
      こんちは!

      それではリクエストにお応えして知ってる人は知っているレア情報です

      森沢作品で高倉健さんで繋がってる作品はまだありません
      2022/07/23
  • ――実際の「さよならドグマ」という本はどんな本なのだろう?――
    もし、あるのならば絶対に読んでみたいと思う。

    森沢明夫さんの本は、今回二冊目だ。
    今年の夏に「夏美のホタル」を読んだ。
    読後感が良く、読んでよかったと思わせてくれた。この本の読後感もいい!

    五章までの連作短編になっている。
    編集社に務めているが、仕事がうまくいかず悩む女性から始まり、一冊の本に
    様々な人が関わっていく。


    連作なので、一章に出ていた人が二章、
    三章にも出たりする。そこもまた読んでいて思わず微笑んでしまう。読み易いからよけいなのかも知れないと思う。


    三章の夫婦の場面は、二人が素直な気持ちを叫んだところがなんとも言えず――


    五章では海が、夕凪が、描写のいい夕凪を私の中にいっぱいにしてくれた!
    そういえば、何章だったかホタルブクロ
    が使われていた。
    夏美のホタルで、ホタルブクロと夏美の
    写真は賞を獲った!ホタルブクロ再び!


    ――本来は受け入れたくない感情を、
    素直に「自分の中に、ある」と認める――
    私の人生は雨宿りをする場所じゃない―
    ―本文より

    毎日を生きていくのは、いろいろで、
    歳を重ねると、できごとというものが、
    重苦しくなっている気がする。
    本に助けられながら、頑張ろう!


    2024、12、4 読了

  • 爽やかな清涼飲料水のよう。
    ある作品の芽が、様々な人の手を借りて産声を上げます。
    芽が育って花を咲かせ、装丁され、本になり…。
    この流れの中で繰り広げられる偶然と奇跡の物語。

    人々が美しく繋がっていきます。
    仕事が上手くいかない編集者。
    作品に命を与えた作家。
    手仕舞いを考えるデザイナー。
    自信が持てない本屋のアルバイト。
    夢を諦めかけている美大生。
    海の見える美容室の店長。
    そして、髪を切りに来た女性。

    気になったことが二つ。
    龍浦という地名。
    デザイナーさんが画家に会うために向かった先。
    美容室がある場所と近いのかな。
    最終章で愛犬の名前として出てくる花梨ちゃん。
    第一章にも登場していて、繋がりが愛おしい。

    森沢明夫さんの作品は初めて。
    こんなふうに世の中が優しさで満ちていたら素敵です。

    • 1Q84O1さん
      爽やかな清涼飲料水のよう
      素敵な表現ですね(*˘︶˘*).。.:*♡
      爽やかな清涼飲料水のよう
      素敵な表現ですね(*˘︶˘*).。.:*♡
      2024/11/01
    • yyさん
      あら、ありがとうございます♪♪
      読むと、す~っと心が洗われるような作品でしたよ☆彡

      ところで、『署長シンドローム』、さっそく順番が回...
      あら、ありがとうございます♪♪
      読むと、す~っと心が洗われるような作品でしたよ☆彡

      ところで、『署長シンドローム』、さっそく順番が回ってきました。
      今日、ピックアップに行ってきまぁす。
      2024/11/01
    • 1Q84O1さん
      早っ!
      まわってくるの早っ!Σ(゚Д゚)
      ピックアップして新署長にふにゃあってなってくださいねw
      早っ!
      まわってくるの早っ!Σ(゚Д゚)
      ピックアップして新署長にふにゃあってなってくださいねw
      2024/11/01
  • ◇◆━━━━━━━━━
    1.あらすじ 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    (1)編集者 津山奈緒
    パッとしない編集者が、過去に自分を救ってくれた作者と出会い、本の執筆を依頼する。その小説家を女性と思っていたけど、会ったら男性だったという出会いからスタート。遠くて暮らす母を想いながら、本の出版に向けて動き出す。


    (2)小説家 涼元マサミ
    初めて出した小説がヒットしただけで、その後低迷を続けている小説家。妻とは離婚して、最愛の娘とも引き離されそうになる中、編集者津山との出会いが人生を大きく変えていく。


    (3)ブックデザイナー 青山哲也
    人生の末路が見えてしまった巨匠ブックデザイナー。
    妻との幸せな隠居生活を楽しみにしていたが、未来が大きく変わっていく。


    (4)書店員 白川心美
    親と深い溝を持っている大学生のアルバイト書店員。
    本当の出会いが健太郎との距離を縮めていき、親との関係に目を向けていく。


    (5)読書 唐田一成
    健太郎の父であり、美容師の一成。妻はだいぶ前に亡くなっており、一人で生活を続けている。久々に息子の健太郎が帰省してきたことをきっかけに、あたらな一歩を踏み出す。


    ◇◆━━━━━━━━━
    2.感想
    ━━━━━━━━━━━━◆
    とても背中を押してくれる作品でした。
    気分が下降している人や、前に進みたいのに止まってしまっている人におすすめです。
    とても温かい本です♪

    私は、「エミリの小さな包丁」で初めて森沢さんを知りました。森沢さんの多くの作品に共通する「心温まる」というキーワードに惹かれて、この作品も手にしていました。

    森沢明夫さんの作品は、物語の世界に入りやすい!と、感じました。まだ2冊目だけど、この作品も、スゥ〜と、ストーリーの世界に没頭することができました。読み終えて、すごい幸せな感じをもらいました。

    最近、気持ちが下降気味な状態だったので、ストーリーに自分の生活が重なって、徐々に、心に重しが課せられていくような感じで、、、落ちて、上がってを繰り返すように読み進めました。

    そんな状態での4章が最高によかったです。
    登場人物2人の淡い心の動きが見えるようで、とても幸せな気持ちになりました。電車の中で、ニヤけてしまったと思いますが、マスクでなんとかカバーできていたかな…^_^

    5章に龍浦漁港がでてきて、またまた風鈴の鳴る町が頭の中に蘇りました✨この作品も温かい締めくくりで、心温まること間違いなしです。

    最初から最後まで、とても面白くて、最高の一冊だと感じます。人とのつながりは、意外にもこんなものなのかとしれないと、ほんと、最近感じています。


    ◇◆━━━━━━━━━
    3. 心に残ったこと
    ━━━━━━━━━━━━◆
    「ふつうが、すごく幸せだから」、というデザイナー青山の言葉。や、「人生の選択肢には正解なんてないけど、でも、いつか、その選択が正解だったって、胸を張れるように生きること。」という言葉。
    たくさんの心に響く言葉がちりばめられています。

    幸せを感じながら、幸せを与えられる部分を持って生きて行くことが大切ですね。


    ◇◆━━━━━━━━━
    4.主な登場人物 
    ━━━━━━━━━━━━◆
    (1)編集者 津山奈緒 26歳
    涼元マサミ
    東山
    西沢郁美

    (2)小説家 涼元マサミ
    真衣 娘
    綾子

    (3)ブックデザイナー 青山哲也 65歳
    しのぶ 妻 60歳
    赤島
    貴本
    真知子
    津山

    (4)書店員 白川心美
    唐田健太郎
    史乃

    (5)読書 唐田一成
    健太郎
    知世(夕凪さん)

    直斗 
    十三
    鉄平

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著者プロフィール

1969年千葉県生まれ、早稲田大学卒業。2007年『海を抱いたビー玉』で小説家デビュー。『虹の岬の喫茶店』『夏美のホタル』『癒し屋キリコの約束』『きらきら眼鏡』『大事なことほど小声でささやく』等、映像化された作品多数。他の著書に『ヒカルの卵』『エミリの小さな包丁』『おいしくて泣くとき』『ぷくぷく』『本が紡いだ五つの奇跡』等がある。

「2023年 『ロールキャベツ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

森沢明夫の作品

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