- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065257586
作品紹介・あらすじ
学校近くのかすみ川でへんなものをみつけた。人間の赤ん坊ぐらいの大きさで、上半身が人間、下半身が魚……そう、それは人魚だった! ぼくは、友だちの千秋といっしょに、その人魚を大塚山の池でこっそり飼うことに。それから、人魚の「かすみ」と、ぼくたちの物語がはじまったが、かすみがとんでもない事件を引き起こしてしまった!
講談社児童文学新人賞作家が贈る、どこかかわいらしく、どこか不気味な人魚をめぐる、少年たちの友情の物語。
感想・レビュー・書評
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ここをこう繋げるのか!と上手さに唸った。
人魚の不気味な描き方も新鮮。
食べること、ひいては生きることの、他者を奪う暴力性と他者を受け入れる寛容性といった多面的な描き方も良かったなぁ。 -
怖くて面白かった。
現実味があるところが、すごい。都合よくまとめられた話ではない感じに、真っ直ぐさを感じる。
伏線が全てちゃんと回収されていた。 -
児童書で人魚ときいてほのぼのとした話を想像していた。読み始めは汚染されつつあるかすみ川で見つけた人魚を近くの裏山の池に移し飼うことに。ここまではよかったのだが、その人魚が友達の千秋に襲いかかり意識不明に。このあたりからホラーに。神様に捧げる人身御供、社に対する信仰心、呪い、ニュアンスも話も全く違うが高橋留美子さんの人魚シリーズが脳内イメージされ、最後は千と千尋のラストのイメージ。ぼくは友達をとるか人魚をとるかで悩む。その昔、人身御供になった、お姉さんは神様に噛みつき不老長寿に?結構、教訓めいたことも書かれてあるし、主人公の大賀の友情と自分のエゴで揺れ動く心の葛藤とか、児童書とは思えないような内容ですが良本だと思いました。
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水や魚のにおいが伝わってきそうな物語でした。
これからの作品も楽しみな作家さんです。 -
小さなほんの少しの本音や願いがものによっては人を傷つける。
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川で見つけた謎のイキモノ。育てようとした少年二人の運命は…?
想像とは違う人魚が出てくるリアルファンタジー。 -
人魚を見つけた!そんなドキドキする気持ちを共有して最後まで一気に読めてしまった。オススメ。
小学校中~高学年向き。
友達のお母さんと友達のやり取りや心情、主人公とお母さんのやり取りがや心情がもう少しあれば……とか、
妹のエピソードにもう少し厚みや続きがあれば……とか、
キーマン(キーウーマン?)になるお姉さんについて、もう少し詳しく知りたかったな……とか、
お社についての背景がもう少し描かれていてもよかったかな……と思ったけど、
それを全部入れたら多重視点になってしまうし、YAジャンルか一般ジャンル並みのボリュームになってしまうかな。
あくまでも主人公視点だけで、主人公が知り得ないことは描かれずに語られる薄めのボリュームだからこそ、小学校中学年~高学年で読める内容。
分からないところは想像して楽しむ感じかな。
個人的には、ちょっぴり物足りなさを感じたので『これは、後から聞いた(分かった)話だけど~』的な補足があったらもっとよかった。 -
〈人魚を見つけたのは、小学五年生の秋だった。〉
学校の近くを流れるかすみ川で“人魚”を見つけた大賀
たったひとりといっていい友だちの千秋といっしょに大塚山の小さな池に移し、こっそり世話を始める
「かすみ」と名づけたその人魚に惹かれていく大賀だったが、言葉が通じたと思った矢先、二人を悲劇が襲う
《かわいらしくてちょっとコワい、人魚をめぐる少年たちの物語。》──帯のコピー
第59回(2018年)講談社児童文学新人賞佳作を受賞した『お絵かき禁止の国』でデビューした著者の第2作は異色の幻想児童文学、2021年11月刊 -
短い話でも人魚の怖さだったりちょっとした冒険だったりが詰められて面白かったです。人魚は本当に人魚だったし、その人魚を引き取ったお姉さん、神様の謎めいた感じも恐ろしい感じで。