- 講談社 (2021年10月28日発売)
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感想 : 41件
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Amazon.co.jp ・本 (314ページ) / ISBN・EAN: 9784065258903
作品紹介・あらすじ
メフィスト賞作家の新境地。
小説家と会社員。二人の幸せを探す物語。
「やっぱり、小説を書きたいよ。自分の本が書店に並んでいるところを見たい。私、器用じゃないから、全部をやるのは無理。……子供を産んで、作家になれなくて、『子供がいなかったら作家になれたのにな』なんて言うような大人にはなりたくないの」――本文より
あなたの居場所もきっと見つかる。
感想・レビュー・書評
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少し前に読んだ「黒猫を飼い始めた」で宮西さんの短編を初めて読んで、興味が湧いたので図書館で借りてきました。
タイトル通りに、生きづらいと感じている雄大と美景が、お互いにぶつかり合いながらもちゃんと向き合って前に進んでいく姿はすごい!の一言です。なかなか夫婦といえども、自分の意見ばかりを押し付けてしまってお互い歩み寄るのは難しいことだと思うので。雄大の器の大きさが羨ましいですね。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
無神経な周りの声にも
自分の気持ちも
なかなか折り合いがつけれず
夫婦そろって 自己嫌悪の日々
毎日 生きづらさを感じながらも
二人はだんだん成長していき
世界と折り合いをつけていきます
二人の成長物語に
明るい希望が見えて ほっとします -
夫婦って不満や困難があっても受け入れあったり、時には受け流したりしつつも向き合うことを諦めない関係性なのかなと思った。
タイトルに惹かれて手に取った一冊。
繊細というか、刺激に敏感な人間ほど生きづらいのだなと思う。
もっとマイペースでいられたらな。
We are not perfect, so we can’t live alone.
It’s essential to support and shore up each other. -
自分を好きになれず変に人を意識するがゆえに生きづらさを毎日かかえる2人。
ケンカするにも関わらず離れない夫婦はどこか気が合うんでしょうね。
そして美景は私に近いなと思いました。
変に人のことが気になって気を遣おうとしてるのにうまくいかない。
怠けてるつもりはないのに仕事も満足にできない。
ホントどうしたらいいんだ…。 -
周りができていることが自分にはできなかったり、自分の気持ちをうまく言語化できなかったりすることが続くと生きづらさを感じやすいと改めて思いました。
甘えと言われるかもしれませんが、時には心の底にあることを誰かに吐き出したり、心配してくれる人がいると、踏みとどまれるのかなと思いました。 -
社会人になって2〜3年目まで、ずっとお金のことや将来が不安で仕方なかった。だから、仕事を辞めるなんてとんでもないと、ストレスで半年間生理が止まっても働き続けた。
その頃に感じていた気持ちをを具体的に現したような状態が描かれている。どん詰まりの様に感じたり、自分のことにいつも自信がなかったり、誰かの棘のある発言にいちいち反応してしまったり。
もうだめかもと、限界を察知できるのは自分しかいない。周りが何と言おうと、自分をかばってくれるのは自分しかいないのだ。どんな手を使ったって、思い切り逃げ出したってかまわない。
そう気づくことができると、生きるのが途端にしんどくなくなった。
そんな今までを少し思い出した。 -
他人と上手く付き合えない、自分を愛せない2人の出口のないモノローグと思ったら、ちゃんと自分の欠点を見つめて、そこから再生出来る、という希望を見た。でも物語の大半が自分探しでおじいにはだいぶしんどかったよー。
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ナックスの名前が出てきて嬉しかったです!ありがとう!!
さて置き、生きていくって大変です。日常の繰り返しにウンザリする事さえも日常になっていて、生活をするって大変。
だけども、いるだけでいい。って言ってくれて、お互いが生活しやすいように改善策をだしてくれる雄大の存在は大きい。
読み終わって改めて、私の生きづらさをフォローしてくれている家族に感謝だなぁと。 -
学生の頃に描いていた未来と現実とのギャップ。
多かれ少なかれ誰もが感じるものだと思う。
それに対して感じるストレスは人それぞれなんだけど、過敏な人は「毎日世界が生きづらい」のだと思う。
でも、一番身近なところに良き理解者がいてくれるなんて、美景と雄大は幸せなんだろうな。 -
社会人になったって、完璧な大人になれるわけじゃない。
結婚して夫婦になったって、相手のことを支え切れるわけでもない。
自分だけで力んで生きなくても、お互いさま、自分の足りないところは相手を頼りにしていいんだということをじんわりほっこり感じられる話でした。
最後のシーンみたいなセリフ、私も言われてみたい。本好きとしては。 -
生きづらいね。そんな中でも時にぶつかって時に協力している2人が素敵。
人は変化に抗う生き物だし、その日その日によって気持ちや体調に波があるのは当たり前。自分に優しく自分が大事にしたい人に優しくなりたいな。
0か100か思考になりがちだし、つい周りと比べがちだからカウンセリングの部分は勉強になった。ほどほどに手を抜くことを覚えたい。
きちんとした仕事にお金を払いたいスタンスを見習う! -
タイトル借り。これは…もっともっと読まれてほしい…!!
内容は、どこにでもいそうな夫婦が、それぞれの生きづらさと危機に寄り添い、助け合いながらパートナーシップを築いていく話。
妻は人付き合いが苦手で仕事が長続きしない、家事の同時進行ができない。夫は真面目過ぎて仕事で苦戦、感覚過敏あり。という特性がある。
お互いがお互いの特性をなんとなく察して、必要があればフォローしているのがよかった。
「足りないものを補い合える関係」に至るまでは色々失敗というか行き違いもあるけど、相手主体で考えれば乗り越えられるのかもしれない。(それが一番難しいんだけど…)
妻の生きづらさはとくに共感した。周りの人の言動や価値観が合わずに苦しくなるの、あるあるだよね。いい人だけど違和感のある発言をするとか、そういうのを「我慢できない」人が生きづらくなる社会だけど、何を我慢するかは人それぞれなんだから、というくらいの余裕は社会に必要だよね。
特性に必ずしも名前をつけるべきかどうか、まで踏み込んだ感じも良かった。
全体的にはそんなに明るくなかったけど、なんとなく希望を感じるので毎日世界が生きづらい人は読んでみてもいいかもしれない。 -
いい夫婦だな。みんな出っ張り引っ込みがあるよね。寄り添うってこういうことかな。
正しい答えが欲しいわけでも、代わってほしいわけでも無く、心の声を出したい時があって。
カウンセラーさんに話すように自分に問いかけるっていいかも。
タイトルに惹かれ手にしましたが、読みやすくて良かったです。 -
毎日世界が生きづらい
宮西真冬さん。
ADHDであったり、
適応障害であったり、
生きづらい世の中であったり、
わたしは、主人公の父に似て、
まぁ、いいか。
と、気持ちを切り替えられるほう。
でも、
ちゃんと、合う人が側に居るんだなぁー。
いい夫婦だなぁー。
と、思いました。
毎日世界が生きづらくても、
ゆっくり自分のペースで歩いていけたらよいな。
表紙のセキセイインコ
ピピ
が可愛いなー。
著者プロフィール
宮西真冬の作品
