- Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065258910
作品紹介・あらすじ
あなたの「過去」は、大丈夫?
美しい「思い出」として記憶された日々――。
その裏側に触れたとき、見ていた世界は豹変する。
無自覚な心の内をあぶりだす「鳥肌」必至の傑作短編集!
☆☆☆初版限定! 著者直筆コメント入り特製シオリ封入!☆☆☆
大学の部活で仲のよかった男友達のナベちゃんが結婚するという。だが、紹介された婚約者はどこかズレていて――。
「ナベちゃんのヨメ」
国民的アイドルになったかつての教え子がやってくる。小学校教諭の美穂は、ある特別な思い出を胸に再会を喜ぶが……。「パッとしない子」
人の心裏を鋭くあばく傑作短編集!
感想・レビュー・書評
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表題名の通り、噛み合わない会話と、ある過去について幾つかの物語が綴られた短編集。
率直に申し上げて、私は辻村深月との相性はきっと良くない。大した数の作品に触れたわけではないので、大方食わず嫌いが要因ではあるが、それを含めても相性はきっと良くない。
ではなぜこの作品を手に取ったのか。
理由は「表題名に惹かれたから」である。
「噛み合わない会話」と言う一節、ずるくないだろうか。しかも「と」と続くあたり、次の言葉が気になって仕方がないではないか。
そして後述「ある過去について」と続いている。まるでビジネスメールの件名である。はたまた「ある」と言う連体詞、ずるくないだろうか。そんなの好奇心を煽られるに決まっているではないか。ずるいぞ辻村深月。
さて、冒頭から思いの丈をぶちまけたので感想から述べたい。
人間界の灰汁エグみと、ある因果応報について、リアルに綴られていて久しぶりに文章を読んで震えた。ドツボ級にハマった。
読後も未だ続く辛み、痛みは心の内を見透かされた証であろう。この戒めを快く受け入れよう。そして、私自身も未だ忘れられぬあの人のあの発言を、行動を反面教師としてこれからも生き続けよう。そう改めて鑑みる機会をくれた見事な作品であった。
それぞれに【悪気ない】【無意識な】言動と行動によって、受け取った側の苦しみ、憎しみが【悪意】と【故意】による反逆模様を描き、秀逸な言葉選びで綴られている。謂わゆる「やった方が覚えてなくても、やられた方は覚えている」誰にでも起こりえる、起こしえる事象劇である。
本作品で特に印象的だったのは、圧倒的に『パッとしない子』だ。
生徒と教師の関係をスリリングに描いた作品である。
教師とはどう在るべきなのかの是非を、著者は全教師に向けて、生徒を代表して発信していると私は受け取った。
悪気があろうがなかろうが、相手にされた言動は、発した側より受けた側がより明確に覚えているということが、丁寧に周到に描かれている。
「金輪際、私をもう、見ないでください」
このセリフ以上の生理的なお願いごとがあるだろうか。
アナタの視界に入れて欲しくない入りたくない金輪際二度と。もし私が誰かから申し伝えられたら、きっと生涯を終えるまで心のひだにぶら下がり続けるだろう。
記憶の大半は、良いことも悪いことも少なからず自己都合により変換されていると私は思う。良き記憶は、事実以上にアップデートされ、悪き記憶は事実以外に不都合なことを無意識の内にディレートしている。
この小説に「何気ない言動で相手を傷付けない方法」などの答えはない。読者によってはホラー作であり、慈悲自戒の啓蒙本になるのかもしれない。
私は後者側で受け取ったが、正直どこか客観視している。この問題は自己研磨だけでは成立しない。相手の受け取り方次第で容易に発生する。私の受け取り方もまた然りだ。
よって私の読解は「この作品に答えも啓発要素もない。あるのはただただ噛み合わない会話と、ある過去についてのケーススタディ集である。」との結論に達した。
とまぁ、なんともクドいレビューだこと。
私、めっちゃ気にしてるやん。ずるいぞ辻村深月。 -
全話もれなく後味が悪いのに、読んでよかったと思うような不思議な本だった。
そして全話主人公の目線のみで進むのもあり、読みやすい。
自分からの視点と他人からの視点、ずれが大きいときはあるだろうし、悪気がなくても傷つけたり傷ついたりすることってあるよね、と再確認した。
自分自身は、性格が合わない人は何やっても合わないから、あまり積極的に関わらないようにしていたつもり。あくまでもつもりだけど。
だから謝って欲しいとか復讐したいとかも特にないけど、逆に思われていることはあるのかも…
もうどう思われていても言われていても気にせずあまり関わらないを貫くしかないなと改めて思ってしまった。 -
ブクログで非常に怖い本だという感想をたくさん見かけて、興味を持ちました。ありがとうございます。
「ナベちゃんのヨメ」
私にも大学の時、異性を全く感じさせず、こちらが一方的に友人だと思っていた男子学生がいたのを思い出しました。ただ、この小説と違うのは彼の方も私を女性として見たことは一度もなかったと思うし「目が合ってハッとした」なんて場面は一度もなかったのですが、彼は卒業後バンドのライブで近くに来た時私の実家に立ち寄ってくれて、家の父親にさえ引き合わせたのですが、本当に何もなかったのです。でも、何もないから一生友人でいられるとも限らないのですね。卒業後十年ぐらいは年賀状交換をしたりゼミ旅行で、OB、OGとして参加して会ったりしてましたけど、突然、年賀状もこなくなって終わってしまいました。でも、喧嘩したわけでもないので、今でも懐かしく思います。本のナベちゃんとは大きく話が反れてしまってごめんなさい。
「パッとしない子」
これは、美穂に対する祐(たすく)の憎しみが痛いほどわかりました。
美穂は、人生ちょろいと思っていい加減にやっていたんだと思います。
言葉遣いには要注意ですね。
「ママ・はは」
何とも理解しがたい不思議な話でした。
意味がよくわかりませんでした。
「早穂とゆかり」
これは小学校の時、クラスでイタい存在だったゆかりが大人になって有名人になりクラスの一番人気だった早穂が大人になって再会する話ですが、早穂の完敗だと思います。
イジメられっ子がイジメっ子に再会する話では乾ルカさんの『おまえなんかに会いたくない』がありますが、あれは、イジメらっれっ子は大人になってもイジメっ子を理解していず、復讐がうまくいってませんでしたが、この話はイジメられっ子の勝利。
こんなこともあるんですね。
怖いなあと思いました。
やっぱり言葉には気を付けないといけないのですね。-
アールグレイさん♪
作家さんから、いいね!くるかも知れないので、今まで以上に、レビュー頑張ってくださいね。アールグレイさん♪
作家さんから、いいね!くるかも知れないので、今まで以上に、レビュー頑張ってくださいね。2022/08/18 -
そんなぁ~プレッシャーかけないで~
夕飯時に、長く付き合ってくれてありがとう
(*^○^*)そんなぁ~プレッシャーかけないで~
夕飯時に、長く付き合ってくれてありがとう
(*^○^*)2022/08/18 -
2022/08/18
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心象グロ短編集、4編
会話が噛み合わない気持ち悪さ
噛み合わないのは、相手に対する憤怒を迂回しながら認知させようとしているからかな
「早瀬とゆかり」
小学生の同級生
大人になり社会的立場の逆転
この状況は現実的で皆さんお気をつけてください
そして子供の頃の記憶は嫌なものほど忘れてない
「ママ・はは」
買ってもらったはずの成人式の着物
買ってくれたはずの母親によって返品
代わりにレンタルされた別の着物
記念写真はなぜか変化していく
そうね嫌な思い出よ
でもレンタルでも準備してくれたんだからねえ
私なんか、それさえもなかったからね
大した話ではない
「ナベちゃんの嫁」
ふたりが幸せなら良いではないか
まあ 仲良かった男子の嫁さんと会話が噛み合わないのはつまらないけれど
「パッとしない子」
別のアンソロジーで既読
無自覚な言動が引き起こす亀裂
悪気がない、そんなつもりはないはただの言い訳
上手い
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そうねえ、黒辻村さんなんでしょうけど
水戸黄門的な?
あれって まだ続くんだと思っているけど
どの作品にしても 最後は救いがある感じなんだよ...そうねえ、黒辻村さんなんでしょうけど
水戸黄門的な?
あれって まだ続くんだと思っているけど
どの作品にしても 最後は救いがある感じなんだよね
2024/08/18 -
2024/08/18
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文芸は同じ作家さんを続けて読むと飽きちゃって…最近は特にそうなった気がする。
何故かBとLは飽きないのよね〜続けて読みたくなるのよ笑笑
シリ...文芸は同じ作家さんを続けて読むと飽きちゃって…最近は特にそうなった気がする。
何故かBとLは飽きないのよね〜続けて読みたくなるのよ笑笑
シリーズ物は別だけどねε~( ̄、 ̄;)ゞ2024/08/18
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そろそろ私的BOOK OF THE YEAR 2021を決めたい!というタイミング。
ここに来てこの作品と出会う。
『噛み合わない会話と、ある過去について』
もうタイトルがね、秀逸。
しかも、タイトルだけでぐいぐい惹きつけてくるってだけじゃなくて、作品自体もしっかり「噛み合わない会話と、ある過去について」描かれているのだから脱帽です。
ジャンルは、「ホラー」としても過言ではないくらいの、恐怖感。
さらにその恐怖感といったら、ホラー映画なんかよりもよっぽど怖い。じりじりと追い詰めてくるような切迫感。浅くなる呼吸。焦燥感。落ち着かない。椅子から腰を浮かせる。吐きだされる息が居場所を失い、どんどんどんどん苦しくなる。思わず、引きちぎるようにマスクを外す。
この、せり上がってくる恐怖感の出どころは―
どうして、こんなに乱される。
それは、どこか自分自身にも、心当たりがあるからだ。
「噛み合わない会話と、ある過去について」、わたしにも、思い当たる節があるからだ。
読み終えて、閉じた本の表紙。
改めて、帯を読んでみる。
「あなたの『過去』は大丈夫?」
キュートでカラフルな表紙に、この帯。
読む前のこの帯の文章に、悪意なんてどこにもない。
とてもシンプルな、質問だ。
しかし、読み終えてからこの文章を見ると、まるで別のメッセージを含み持つような、意地の悪さを感じる。「あなたの過去、本当に大丈夫ですよねぇ?」と煽ってくる。
やめて。それ以上、わたしを追い詰めないで。
もうとにかく怖い。
収録されている作品で言うと、「パッとしない子」と「早穂とゆかり」。
この二作品にある共通点。
「そんなつもりはない」、そんな軽い気持ちで放った言葉。その言葉は、放たれた瞬間凶器となって、放たれた側に突き刺さる。凶器はそのうち抜けても、傷跡は一生消えない、癒えない。
人は成長するにつれ、相手に放っていい言葉と、放ってはいけない言葉を学んでいく。そして、放ってはいけない言葉を、人に対して放たなくなる。この、「放ってはいけない言葉」が、明らかに「放ってはいけない言葉」である時はわかりやすい。しかし、「そんなつもりじゃな」く放った言葉が、相手にとっては放ってはいけない言葉だった、ということはある。
この、とても曖昧な線。放っていい言葉と、放ってはいけない言葉の間にある、とても分かりづらくて、しかし確実に存在する線。
わたしは、この「そんなつもりじゃなかった」言葉は、相手との関係性にも依るのではないかと思っていた。相手との関係性によっては、「放ってはいけない言葉」も「放っていい言葉」になる。
けれど、そんなことを思っている時点で、わたしは過去に、たくさんの人を無意識に傷つけてきたんだろう。
そして今も。たぶん無意識に。誰かのことを傷つけてる。
悪と善にわかりやすく誘導する、メディアに溢れた言葉。SNSで、地雷のように存在する悪口。
そんな言葉に触れているうちに、わたしたちはどこかで、線を引き間違う。
その線を、とっても強力な力で、引き直してくれる作品。
溢れてくる。ボロボロと。わたしが放ってきた、放ってはいけない言葉。「そんなつもりじゃなかった」言葉たち。
特に「パッとしない子」は怖い。
複数の子どもを相手にするような仕事をしている人は、無意識にやっている可能性が高い。
悪意なく、コミュニケーションの流れで自分が無意識に発した言葉が、相手にどう伝わるか。
背筋も肝も冷える。
さて、フォロワーさんに「名言」と言っていただけた、我ながら的を射た表現で締めたいと思います。
「他人と距離を置くことと、他人への興味のなさを、一緒くたにしてはいけない」-
naonaoさん。こんにちは。さっそく書店で見つけて読みました。
美穂になり、早穂になり、ののしられ、けっこうダメージが強かったです。
...naonaoさん。こんにちは。さっそく書店で見つけて読みました。
美穂になり、早穂になり、ののしられ、けっこうダメージが強かったです。
自分はどうなのかと、以前のことをグダグダと思い出して、困った沼に沈みそうになりました。う~ん。
まあ過去はどうしようもできないし、ちょっと違った目で周りの人たちを見て、自分のできる範囲で気を配るようにしよう、と結論づけました。2021/11/14 -
b-makiさん
こんばんは!
コメントありがとうございます^^
ほんと、ゾクゾクする怖さですよね…
自分が傷つけたなんて無意識で無自覚...b-makiさん
こんばんは!
コメントありがとうございます^^
ほんと、ゾクゾクする怖さですよね…
自分が傷つけたなんて無意識で無自覚だからこそ、突きつけられないと反省すらできない…
恐ろしいです。
無視って、嫌ですよね。ひょっとしたら、嫌がらせをされるより、傷つくかもしれません。
関係性の問題なので、こちらが一方的に何かをした、というわけではないかもしれませんが、そういう時こそ、この作品のことを思い出して、怖くなってしまいますよね…
わたしも、生徒との関係でぎくしゃくしていますが、それも何かしらあったのかな、あったんだよなぁ…と思い、なかなか決定的でない「何か」のことを思い、悶々としています。2021/11/14 -
よんよんさん
こんばんは!
コメントありがとございます^^
なんだか嫌な思いをさせてしまったようで申し訳ないです…
と、わたしが謝ること...よんよんさん
こんばんは!
コメントありがとございます^^
なんだか嫌な思いをさせてしまったようで申し訳ないです…
と、わたしが謝ることではないのかもしれませんが(笑)
レビューをきっかけに本を読んでくださるフォロワーさんに、いつも心より感謝しております。ありがとうございます!そしてごめんなさい(笑)
自分が罵られ、煽られ、糾弾されているような時間でしたよね…
本当に苦しかったです。
でも、よんよんさん仰るように、過去ってもうどうにもならないですよね…この作品を座右の銘?として心に留め置いて、生きていくしかなさそうです。
後ほどゆっくり、よんよんさんのレビューも拝見させていただきますね^^2021/11/14
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どの短編も人間の怖さというか人間が奥深く思っていることが表された本でした。さすが辻村さん。表現の仕方がすごくうまい。
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ザラリとした読後感の短編4つ
得るものは…自身と他人の価値観と感受性のすれ違い?
「ナベちゃんのよめ」は他人主観の論評だが、
ナベちゃんに一票!
幸せは自分が決める事!
最近短編ばかりと巡り合う
頭の切り替えが弱いので長編を読もう -
なんとも言えず居心地の悪い読後感。
いわゆるイヤミスってやつに分類されるんですかね…
辻村さんの鋭い感性が胸にダイレクトに突き刺さってくる傑作!
ナベちゃんのヨメ 評価3
ナベちゃん…だめだ〜
ナベちゃんには幸せになってほしくない。
パッとしない子 評価5
早穂とゆかり 評価5
「パッとしない子」と「早穂とゆかり」は両方ともマジョリティの逆転劇。構造は同じ。
マウントしたがる本性が、自らを追い詰める話。怖すぎ…。無意識のうちに発しているところに、ハッとさせられる。
「人の振り見て我が振り直せ」の啓発小説。
まだ間に合うのかわからないけど。
ママ・はは 評価3
この短編は女性にとってはとても怖い話なのではないかな、と。-
naonao さん、「本屋さんのダイアナ」読了です。
というか、辻村さんの「噛みあわない会話…」読んでいる時、何度か柚木麻子さんの作品を読...naonao さん、「本屋さんのダイアナ」読了です。
というか、辻村さんの「噛みあわない会話…」読んでいる時、何度か柚木麻子さんの作品を読んでいる錯覚を起こしていたんですよ。
流れでナイルパーチ行くのはとても自然だなぁと。2021/11/18 -
たけさん
柚木さん、そんなにたくさん読んできてないですけど、彼女の作品も辻村さん同様、白と黒がありそうですね。
女性同士のリアルなねっと...たけさん
柚木さん、そんなにたくさん読んできてないですけど、彼女の作品も辻村さん同様、白と黒がありそうですね。
女性同士のリアルなねっとりさを描いているのが柚木さん、関係性の怖さを描いているのが辻村さん、という印象です。すっごいざっくりですけど。2021/11/19 -
naonaoさん
柚木さんと辻村さんの比較わかります。そのとおりですね!
柚木さんの方がねっとりとしています笑naonaoさん
柚木さんと辻村さんの比較わかります。そのとおりですね!
柚木さんの方がねっとりとしています笑2021/11/19
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「嚙みあわない会話」という表現の仕方が、本当に上手いと思う。
読む前は何のことだか分からなかったけれど、これは紛れもなくホラーだ。
背筋がゾクゾクする。
人を軽んじることの恐ろしさ。
群れになって自分を正当化しようとしたり、一対多の一に自分がならないように、長いものに巻かれようとしたり。
自分にも思い当たる節がないわけではない。
まるで苦い薬を飲まされたような感じがする。
だけど、辻村さんの作品はどこか救いのような、憎めなさのようなものもあって、この手の作品をまた読もうかなと思ってしまうのだ。-
m.cafeさん、こんにちは♪
噛み合わない会話と・・・・
この本はお正月に帰省した弟に買わせてしまいました(・∀・)アハ
題名には、少し引...m.cafeさん、こんにちは♪
噛み合わない会話と・・・・
この本はお正月に帰省した弟に買わせてしまいました(・∀・)アハ
題名には、少し引いてしまう感じで今まで読む気になれませんでした。
でも、今は本棚に並んでいるだけなので、いつ読めるかという感じです。
ホラーなのですね(^。^)
レビューは最初だけ、読ませて頂きました。ごめんなさい(>_<)2022/01/17 -
ゆうママさん、こんばんは。
この本、おうちの本棚にあるのなら、ぜひ読んでみてください(*≧∀≦*)
短編なので少しずつでも…ゆうママさん、こんばんは。
この本、おうちの本棚にあるのなら、ぜひ読んでみてください(*≧∀≦*)
短編なので少しずつでも…2022/01/17
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人の何気ない言葉で傷ついてしまい、又、自分も人を傷つけてしまっているかもしれない。無意識の悪意、という罪深さ。その罪は、ふつうの身近な私たちに起こる。
こういう怖さが言語化されているのを初めて読んだ気がする。
原因が明確で人と対立しているとは違うのだ。
相手の言動が読めないわからない、そもそも会話が噛み合っていない。そこに立ち上がるのは「幽霊」。解説を読み腑に落ちた気がする。
多分自分のところにも居るだろうと思う、そのユーレイ。生き続けている刺さってしまった過去。
一つの出来事においても、気持ちの捉え方、記憶のズレはあり、ある人は良い思い出と言っても、片方は嫌な思い出だったりする。だから噛み合わなくて然りなのだ。
刺さった言葉が自分にとって急所を突かれたものなら、それを糧として踏ん張っていくしかない。理屈ではわかるのだが、トゲってなかなか抜けない。
教え子の本音を知る「ぱっとしない子」。この生徒に共感してしまった自分がいる。先生というのはカースト上位の子の印象が強いのだと思う、仕方ない。
一度で理解出来なかった「ママ・はは」。
そういう手があるのか。ぞくっとして面白かった。
最初は、自分が受けた傷みたいなのを思い出し抉られる思いがしたけれど。もしかして自分がした何かで、相手の心に何か残していたら、と、ビビリの自分はそこが怖かった。結果的に、責められる側視点で描かれているような。だからか、ざわざわしてしまった。
著者プロフィール
辻村深月の作品






そう言えば、PCでリクエストできるようになりましたか?
そう言えば、PCでリクエストできるようになりましたか?
先ほどは別コメント欄で失礼しました。
あれから図書館の予約、スマホからリクエストしてみましたよ!私とっては初図...
先ほどは別コメント欄で失礼しました。
あれから図書館の予約、スマホからリクエストしてみましたよ!私とっては初図書館デビューがスマホ予約でした。ただ私が借りた参考書がたまたまだったのか状態が非常に悪くて…それ以降は使用していないです。ハズレひいちゃっただけですかね(・・;)
私はお恥ずかしながらパソコンが使えません。最近やっと、スマホの予約受付を覚えました。息子さまさまです。
(・。...
私はお恥ずかしながらパソコンが使えません。最近やっと、スマホの予約受付を覚えました。息子さまさまです。
(・。・)ハハハ