噛みあわない会話と、ある過去について (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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感想 : 843
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065258910

感想・レビュー・書評

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  • 表題名の通り、噛み合わない会話と、ある過去について幾つかの物語が綴られた短編集。

    率直に申し上げて、私は辻村深月との相性はきっと良くない。大した数の作品に触れたわけではないので、大方食わず嫌いが要因ではあるが、それを含めても相性はきっと良くない。

    ではなぜこの作品を手に取ったのか。
    理由は「表題名に惹かれたから」である。

    「噛み合わない会話」と言う一節、ずるくないだろうか。しかも「と」と続くあたり、次の言葉が気になって仕方がないではないか。

    そして後述「ある過去について」と続いている。まるでビジネスメールの件名である。はたまた「ある」と言う連体詞、ずるくないだろうか。そんなの好奇心を煽られるに決まっているではないか。ずるいぞ辻村深月。

    さて、冒頭から思いの丈をぶちまけたので感想から述べたい。

    人間界の灰汁エグみと、ある因果応報について、リアルに綴られていて久しぶりに文章を読んで震えた。ドツボ級にハマった。

    読後も未だ続く辛み、痛みは心の内を見透かされた証であろう。この戒めを快く受け入れよう。そして、私自身も未だ忘れられぬあの人のあの発言を、行動を反面教師としてこれからも生き続けよう。そう改めて鑑みる機会をくれた見事な作品であった。

    それぞれに【悪気ない】【無意識な】言動と行動によって、受け取った側の苦しみ、憎しみが【悪意】と【故意】による反逆模様を描き、秀逸な言葉選びで綴られている。謂わゆる「やった方が覚えてなくても、やられた方は覚えている」誰にでも起こりえる、起こしえる事象劇である。

    本作品で特に印象的だったのは、圧倒的に『パッとしない子』だ。

    生徒と教師の関係をスリリングに描いた作品である。
    教師とはどう在るべきなのかの是非を、著者は全教師に向けて、生徒を代表して発信していると私は受け取った。

    悪気があろうがなかろうが、相手にされた言動は、発した側より受けた側がより明確に覚えているということが、丁寧に周到に描かれている。

    「金輪際、私をもう、見ないでください」

    このセリフ以上の生理的なお願いごとがあるだろうか。
    アナタの視界に入れて欲しくない入りたくない金輪際二度と。もし私が誰かから申し伝えられたら、きっと生涯を終えるまで心のひだにぶら下がり続けるだろう。

    記憶の大半は、良いことも悪いことも少なからず自己都合により変換されていると私は思う。良き記憶は、事実以上にアップデートされ、悪き記憶は事実以外に不都合なことを無意識の内にディレートしている。

    この小説に「何気ない言動で相手を傷付けない方法」などの答えはない。読者によってはホラー作であり、慈悲自戒の啓蒙本になるのかもしれない。

    私は後者側で受け取ったが、正直どこか客観視している。この問題は自己研磨だけでは成立しない。相手の受け取り方次第で容易に発生する。私の受け取り方もまた然りだ。

    よって私の読解は「この作品に答えも啓発要素もない。あるのはただただ噛み合わない会話と、ある過去についてのケーススタディ集である。」との結論に達した。


    とまぁ、なんともクドいレビューだこと。
    私、めっちゃ気にしてるやん。ずるいぞ辻村深月。

    • アールグレイさん
      acodamさん

      そう言えば、PCでリクエストできるようになりましたか?
      acodamさん

      そう言えば、PCでリクエストできるようになりましたか?
      2022/04/15
    • akodamさん
      ゆうママさん、こんにちは。
      先ほどは別コメント欄で失礼しました。

      あれから図書館の予約、スマホからリクエストしてみましたよ!私とっては初図...
      ゆうママさん、こんにちは。
      先ほどは別コメント欄で失礼しました。

      あれから図書館の予約、スマホからリクエストしてみましたよ!私とっては初図書館デビューがスマホ予約でした。ただ私が借りた参考書がたまたまだったのか状態が非常に悪くて…それ以降は使用していないです。ハズレひいちゃっただけですかね(・・;)
      2022/04/15
    • アールグレイさん
      パソコンの方が楽みたいです。
      私はお恥ずかしながらパソコンが使えません。最近やっと、スマホの予約受付を覚えました。息子さまさまです。
      (・。...
      パソコンの方が楽みたいです。
      私はお恥ずかしながらパソコンが使えません。最近やっと、スマホの予約受付を覚えました。息子さまさまです。
      (・。・)ハハハ
      2022/04/15
  • ブクログで非常に怖い本だという感想をたくさん見かけて、興味を持ちました。ありがとうございます。


    「ナベちゃんのヨメ」
    私にも大学の時、異性を全く感じさせず、こちらが一方的に友人だと思っていた男子学生がいたのを思い出しました。ただ、この小説と違うのは彼の方も私を女性として見たことは一度もなかったと思うし「目が合ってハッとした」なんて場面は一度もなかったのですが、彼は卒業後バンドのライブで近くに来た時私の実家に立ち寄ってくれて、家の父親にさえ引き合わせたのですが、本当に何もなかったのです。でも、何もないから一生友人でいられるとも限らないのですね。卒業後十年ぐらいは年賀状交換をしたりゼミ旅行で、OB、OGとして参加して会ったりしてましたけど、突然、年賀状もこなくなって終わってしまいました。でも、喧嘩したわけでもないので、今でも懐かしく思います。本のナベちゃんとは大きく話が反れてしまってごめんなさい。


    「パッとしない子」
    これは、美穂に対する祐(たすく)の憎しみが痛いほどわかりました。
    美穂は、人生ちょろいと思っていい加減にやっていたんだと思います。
    言葉遣いには要注意ですね。


    「ママ・はは」
    何とも理解しがたい不思議な話でした。
    意味がよくわかりませんでした。


    「早穂とゆかり」
    これは小学校の時、クラスでイタい存在だったゆかりが大人になって有名人になりクラスの一番人気だった早穂が大人になって再会する話ですが、早穂の完敗だと思います。
    イジメられっ子がイジメっ子に再会する話では乾ルカさんの『おまえなんかに会いたくない』がありますが、あれは、イジメらっれっ子は大人になってもイジメっ子を理解していず、復讐がうまくいってませんでしたが、この話はイジメられっ子の勝利。
    こんなこともあるんですね。
    怖いなあと思いました。
    やっぱり言葉には気を付けないといけないのですね。

    • まことさん
      アールグレイさん♪
      作家さんから、いいね!くるかも知れないので、今まで以上に、レビュー頑張ってくださいね。
      アールグレイさん♪
      作家さんから、いいね!くるかも知れないので、今まで以上に、レビュー頑張ってくださいね。
      2022/08/18
    • アールグレイさん
      そんなぁ~プレッシャーかけないで~
      夕飯時に、長く付き合ってくれてありがとう
      (*^○^*)
      そんなぁ~プレッシャーかけないで~
      夕飯時に、長く付き合ってくれてありがとう
      (*^○^*)
      2022/08/18
    • まことさん
      アールグレイさん♪
      どういたしまして。
      気楽にいきましょう!
      アールグレイさん♪
      どういたしまして。
      気楽にいきましょう!
      2022/08/18
  • そろそろ私的BOOK OF THE YEAR 2021を決めたい!というタイミング。
    ここに来てこの作品と出会う。

    『噛み合わない会話と、ある過去について』

    もうタイトルがね、秀逸。
    しかも、タイトルだけでぐいぐい惹きつけてくるってだけじゃなくて、作品自体もしっかり「噛み合わない会話と、ある過去について」描かれているのだから脱帽です。

    ジャンルは、「ホラー」としても過言ではないくらいの、恐怖感。
    さらにその恐怖感といったら、ホラー映画なんかよりもよっぽど怖い。じりじりと追い詰めてくるような切迫感。浅くなる呼吸。焦燥感。落ち着かない。椅子から腰を浮かせる。吐きだされる息が居場所を失い、どんどんどんどん苦しくなる。思わず、引きちぎるようにマスクを外す。
    この、せり上がってくる恐怖感の出どころは―
    どうして、こんなに乱される。

    それは、どこか自分自身にも、心当たりがあるからだ。
    「噛み合わない会話と、ある過去について」、わたしにも、思い当たる節があるからだ。

    読み終えて、閉じた本の表紙。
    改めて、帯を読んでみる。

    「あなたの『過去』は大丈夫?」
    キュートでカラフルな表紙に、この帯。
    読む前のこの帯の文章に、悪意なんてどこにもない。
    とてもシンプルな、質問だ。
    しかし、読み終えてからこの文章を見ると、まるで別のメッセージを含み持つような、意地の悪さを感じる。「あなたの過去、本当に大丈夫ですよねぇ?」と煽ってくる。
    やめて。それ以上、わたしを追い詰めないで。

    もうとにかく怖い。

    収録されている作品で言うと、「パッとしない子」と「早穂とゆかり」。
    この二作品にある共通点。
    「そんなつもりはない」、そんな軽い気持ちで放った言葉。その言葉は、放たれた瞬間凶器となって、放たれた側に突き刺さる。凶器はそのうち抜けても、傷跡は一生消えない、癒えない。
    人は成長するにつれ、相手に放っていい言葉と、放ってはいけない言葉を学んでいく。そして、放ってはいけない言葉を、人に対して放たなくなる。この、「放ってはいけない言葉」が、明らかに「放ってはいけない言葉」である時はわかりやすい。しかし、「そんなつもりじゃな」く放った言葉が、相手にとっては放ってはいけない言葉だった、ということはある。
    この、とても曖昧な線。放っていい言葉と、放ってはいけない言葉の間にある、とても分かりづらくて、しかし確実に存在する線。
    わたしは、この「そんなつもりじゃなかった」言葉は、相手との関係性にも依るのではないかと思っていた。相手との関係性によっては、「放ってはいけない言葉」も「放っていい言葉」になる。
    けれど、そんなことを思っている時点で、わたしは過去に、たくさんの人を無意識に傷つけてきたんだろう。
    そして今も。たぶん無意識に。誰かのことを傷つけてる。
    悪と善にわかりやすく誘導する、メディアに溢れた言葉。SNSで、地雷のように存在する悪口。
    そんな言葉に触れているうちに、わたしたちはどこかで、線を引き間違う。
    その線を、とっても強力な力で、引き直してくれる作品。
    溢れてくる。ボロボロと。わたしが放ってきた、放ってはいけない言葉。「そんなつもりじゃなかった」言葉たち。

    特に「パッとしない子」は怖い。
    複数の子どもを相手にするような仕事をしている人は、無意識にやっている可能性が高い。
    悪意なく、コミュニケーションの流れで自分が無意識に発した言葉が、相手にどう伝わるか。
    背筋も肝も冷える。

    さて、フォロワーさんに「名言」と言っていただけた、我ながら的を射た表現で締めたいと思います。
    「他人と距離を置くことと、他人への興味のなさを、一緒くたにしてはいけない」

    • よんよんさん
      naonaoさん。こんにちは。さっそく書店で見つけて読みました。
      美穂になり、早穂になり、ののしられ、けっこうダメージが強かったです。
      ...
      naonaoさん。こんにちは。さっそく書店で見つけて読みました。
      美穂になり、早穂になり、ののしられ、けっこうダメージが強かったです。
      自分はどうなのかと、以前のことをグダグダと思い出して、困った沼に沈みそうになりました。う~ん。
      まあ過去はどうしようもできないし、ちょっと違った目で周りの人たちを見て、自分のできる範囲で気を配るようにしよう、と結論づけました。
      2021/11/14
    • naonaonao16gさん
      b-makiさん

      こんばんは!
      コメントありがとうございます^^

      ほんと、ゾクゾクする怖さですよね…
      自分が傷つけたなんて無意識で無自覚...
      b-makiさん

      こんばんは!
      コメントありがとうございます^^

      ほんと、ゾクゾクする怖さですよね…
      自分が傷つけたなんて無意識で無自覚だからこそ、突きつけられないと反省すらできない…
      恐ろしいです。

      無視って、嫌ですよね。ひょっとしたら、嫌がらせをされるより、傷つくかもしれません。
      関係性の問題なので、こちらが一方的に何かをした、というわけではないかもしれませんが、そういう時こそ、この作品のことを思い出して、怖くなってしまいますよね…

      わたしも、生徒との関係でぎくしゃくしていますが、それも何かしらあったのかな、あったんだよなぁ…と思い、なかなか決定的でない「何か」のことを思い、悶々としています。
      2021/11/14
    • naonaonao16gさん
      よんよんさん

      こんばんは!
      コメントありがとございます^^

      なんだか嫌な思いをさせてしまったようで申し訳ないです…
      と、わたしが謝ること...
      よんよんさん

      こんばんは!
      コメントありがとございます^^

      なんだか嫌な思いをさせてしまったようで申し訳ないです…
      と、わたしが謝ることではないのかもしれませんが(笑)
      レビューをきっかけに本を読んでくださるフォロワーさんに、いつも心より感謝しております。ありがとうございます!そしてごめんなさい(笑)

      自分が罵られ、煽られ、糾弾されているような時間でしたよね…
      本当に苦しかったです。
      でも、よんよんさん仰るように、過去ってもうどうにもならないですよね…この作品を座右の銘?として心に留め置いて、生きていくしかなさそうです。

      後ほどゆっくり、よんよんさんのレビューも拝見させていただきますね^^
      2021/11/14
  • ザラリとした読後感の短編4つ
    得るものは…自身と他人の価値観と感受性のすれ違い?
    「ナベちゃんのよめ」は他人主観の論評だが、
    ナベちゃんに一票!
    幸せは自分が決める事!

    最近短編ばかりと巡り合う
    頭の切り替えが弱いので長編を読もう

  • なんとも言えず居心地の悪い読後感。
    いわゆるイヤミスってやつに分類されるんですかね…
    辻村さんの鋭い感性が胸にダイレクトに突き刺さってくる傑作!

    ナベちゃんのヨメ 評価3
    ナベちゃん…だめだ〜
    ナベちゃんには幸せになってほしくない。

    パッとしない子 評価5
    早穂とゆかり 評価5

    「パッとしない子」と「早穂とゆかり」は両方ともマジョリティの逆転劇。構造は同じ。
    マウントしたがる本性が、自らを追い詰める話。怖すぎ…。無意識のうちに発しているところに、ハッとさせられる。
    「人の振り見て我が振り直せ」の啓発小説。
    まだ間に合うのかわからないけど。

    ママ・はは 評価3
    この短編は女性にとってはとても怖い話なのではないかな、と。

    • たけさん
      naonao さん、「本屋さんのダイアナ」読了です。

      というか、辻村さんの「噛みあわない会話…」読んでいる時、何度か柚木麻子さんの作品を読...
      naonao さん、「本屋さんのダイアナ」読了です。

      というか、辻村さんの「噛みあわない会話…」読んでいる時、何度か柚木麻子さんの作品を読んでいる錯覚を起こしていたんですよ。

      流れでナイルパーチ行くのはとても自然だなぁと。
      2021/11/18
    • naonaonao16gさん
      たけさん

      柚木さん、そんなにたくさん読んできてないですけど、彼女の作品も辻村さん同様、白と黒がありそうですね。

      女性同士のリアルなねっと...
      たけさん

      柚木さん、そんなにたくさん読んできてないですけど、彼女の作品も辻村さん同様、白と黒がありそうですね。

      女性同士のリアルなねっとりさを描いているのが柚木さん、関係性の怖さを描いているのが辻村さん、という印象です。すっごいざっくりですけど。
      2021/11/19
    • たけさん
      naonaoさん
      柚木さんと辻村さんの比較わかります。そのとおりですね!

      柚木さんの方がねっとりとしています笑
      naonaoさん
      柚木さんと辻村さんの比較わかります。そのとおりですね!

      柚木さんの方がねっとりとしています笑
      2021/11/19
  • 「嚙みあわない会話」という表現の仕方が、本当に上手いと思う。
    読む前は何のことだか分からなかったけれど、これは紛れもなくホラーだ。
    背筋がゾクゾクする。
    人を軽んじることの恐ろしさ。
    群れになって自分を正当化しようとしたり、一対多の一に自分がならないように、長いものに巻かれようとしたり。
    自分にも思い当たる節がないわけではない。
    まるで苦い薬を飲まされたような感じがする。

    だけど、辻村さんの作品はどこか救いのような、憎めなさのようなものもあって、この手の作品をまた読もうかなと思ってしまうのだ。

    • アールグレイさん
      m.cafeさん、こんにちは♪
      噛み合わない会話と・・・・
      この本はお正月に帰省した弟に買わせてしまいました(・∀・)アハ
      題名には、少し引...
      m.cafeさん、こんにちは♪
      噛み合わない会話と・・・・
      この本はお正月に帰省した弟に買わせてしまいました(・∀・)アハ
      題名には、少し引いてしまう感じで今まで読む気になれませんでした。
      でも、今は本棚に並んでいるだけなので、いつ読めるかという感じです。
      ホラーなのですね(^。^)
      レビューは最初だけ、読ませて頂きました。ごめんなさい(>_<)
      2022/01/17
    • m.cafeさん
      ゆうママさん、こんばんは。
      この本、おうちの本棚にあるのなら、ぜひ読んでみてください(*≧∀≦*)
      短編なので少しずつでも…
      ゆうママさん、こんばんは。
      この本、おうちの本棚にあるのなら、ぜひ読んでみてください(*≧∀≦*)
      短編なので少しずつでも…
      2022/01/17
  • 人の何気ない言葉で傷ついてしまい、又、自分も人を傷つけてしまっているかもしれない。無意識の悪意、という罪深さ。その罪は、ふつうの身近な私たちに起こる。
    こういう怖さが言語化されているのを初めて読んだ気がする。
    原因が明確で人と対立しているとは違うのだ。
    相手の言動が読めないわからない、そもそも会話が噛み合っていない。そこに立ち上がるのは「幽霊」。解説を読み腑に落ちた気がする。
    多分自分のところにも居るだろうと思う、そのユーレイ。生き続けている刺さってしまった過去。
    一つの出来事においても、気持ちの捉え方、記憶のズレはあり、ある人は良い思い出と言っても、片方は嫌な思い出だったりする。だから噛み合わなくて然りなのだ。
    刺さった言葉が自分にとって急所を突かれたものなら、それを糧として踏ん張っていくしかない。理屈ではわかるのだが、トゲってなかなか抜けない。
    教え子の本音を知る「ぱっとしない子」。この生徒に共感してしまった自分がいる。先生というのはカースト上位の子の印象が強いのだと思う、仕方ない。
    一度で理解出来なかった「ママ・はは」。
    そういう手があるのか。ぞくっとして面白かった。

    最初は、自分が受けた傷みたいなのを思い出し抉られる思いがしたけれど。もしかして自分がした何かで、相手の心に何か残していたら、と、ビビリの自分はそこが怖かった。結果的に、責められる側視点で描かれているような。だからか、ざわざわしてしまった。

  • 読んだ後は、私の過去は大丈夫だろうか?知らずに人を傷つけ噛み合わない時間があったかも…ごめん…気をつけよう…くらいの感想であった。

    しかし、臨床心理士さんの解説が良く、この話の深さが分かった。
    『この本に登場するのは、心理学的な意味での死者。「嚙みあわない会話」という幽霊。深く傷ついて死を遂げた心の一部分。それが密室に現れ、復讐を遂げようとする』(一部引用)とのこと。

    自分のことを考えてみた。人の言動に傷つき引きずっている自分がいる。つまり私も「幽霊」を抱えている。些細なことでも小さな幽霊が生まれる。誰でもそうなのでは?
    この幽霊が表に出るか出ないかは、噛み合わなかった過去の内容や深さ、その対象者との関係、あと心持ち次第なのかな?

    「パッとしない子」が印象的な話で引き込まれた。
    感想を伝えるのに難しい話であったが書いてみた。

    • なおなおさん
      かなさん、おはようございます。
      フォローをありがとうございます。嬉しいです。

      私の読後は、本当は面白かったか否か、ふーん位の感想で自分で深...
      かなさん、おはようございます。
      フォローをありがとうございます。嬉しいです。

      私の読後は、本当は面白かったか否か、ふーん位の感想で自分で深く考えられないのです。でも解説や皆さんのレビューでなるほどーと気付かされたり感心したりで、レビューのヒントをかなり頂いております^^;本書もそうです(-_-;)
      それにしてもこの本、当時怪我で入院していた友達にプレゼントしたのですよ。本が読みたいと言うから、辻村深月さんの本がいいかなと思い、まず私が読ませてもらったのですが、入院中に読む本ではないですね^^;
      基本ミステリーが好きです。韓ドラも好きです。難しい本と、エッセイが苦手です。
      かなさんの本棚は私が読んだことのない作家さんの本がずらりと並んでいるので、興味深いです。後で見させてもらいますね(^^)
      これからもよろしくお願いします(^^)

      追伸
      「俺〜」の本にいいねを登録のその都度ありがとうございました。読んだ順に本棚にあげたくて、再登録をしました。スマホでも本の並びを自由に変えられたらいいなと思うのですよね…。
      2023/02/01
    • かなさん
      なおなおさん、こんにちは!
      お返事ありがとうございます。

      なおなおさん、お友達にこの作品をプレゼントしたのですね!
      いいなぁ~リア...
      なおなおさん、こんにちは!
      お返事ありがとうございます。

      なおなおさん、お友達にこの作品をプレゼントしたのですね!
      いいなぁ~リアルに素敵な本を贈ったり
      お勧めできるお友達がいるなんて…羨ましいです!(^^)!

      なおなおさんとブクログでご縁を作れたこと、嬉しく思います!
      「俺ではない炎上」はチーニャさんのレビューから、
      なおなおさんのレビューも是非に読みたいなって思ったので♪

      読んだ順番に本棚に並べるとか、作者ごとに並べるとか
      やっぱしたいですよねぇ…
      スマホでもできるといいけど、
      パソコンでももっと簡単にできたら
      もっといいですよね!
      2023/02/01
    • なおなおさん
      かなさん、こんばんは。
      こちらこそありがとうございます。

      私の友人たちは読書をしないようです^^;近くに図書館があるっていうのに……。
      前...
      かなさん、こんばんは。
      こちらこそありがとうございます。

      私の友人たちは読書をしないようです^^;近くに図書館があるっていうのに……。
      前に地元が舞台のミステリーを読み、「こんな所で殺人事件が!これは大変なことよっ!」と思い、地元の友人たちに勧めたら、
      「本は読まない。読むとしてもミステリーはまず選ばないね」なんて言われ、ショックでした笑
      本を読まなそうな別の友人たち(←失礼^^;)に益田ミリさんの本(漫画)なら読めるでしょ!と贈ったら好評でした。

      「俺〜」がきっかけでかなさんとブク友になれて嬉しく思います。
      これからもよろしくお願いします(^^)
      2023/02/02
  • すごく怖いお話しでした。
    これはホラーなのでしょうか。

    4編の作品からなる短編集。
    最初の「ナベちゃんのヨメ」を読み終えた時は、まさにタイトル通り、噛み合わない会話とある過去について。だなぁ、と感心した。
    同じ時間を楽しく過ごしているようでも、自分と相手は必ずしも同じ気持ちや考えではない。
    むしろ違う気持ちや捉え方で、同じ時を経験しているのかも。

    一番怖くて気に入ったのは「パッとしない子」。
    もう本当に怖くて、息苦しい。
    辻村氏はなぜ、私達の苦しさや、記憶の中で塗り替えられた過去を知っているのか。そしてそれを文章に出来るのか。スゴいとしか言えない。

    「ママ・はは」
    「早穂とゆかり」
    の二編も怖いですよー。

    解説は、臨床心理士の方で、なかなか興味深い内容です。

    帯に書かれている「あなたの過去は、大丈夫?」の問いかけ。
    大丈夫じゃないから、こんなにも怖いのか…

    • aoi-soraさん
      アールグレイさん、こんばんは。
      読みたい本、気になる本の先々で、アールグレイさんのレビューが目に入り、フォローさせて頂きました。
      辻村深...
      アールグレイさん、こんばんは。
      読みたい本、気になる本の先々で、アールグレイさんのレビューが目に入り、フォローさせて頂きました。
      辻村深月さん、湊かなえさん、私も大好きです!
      私、遅読なくせに読みたい作品が多すぎて、なかなか追いつかないのです(*_*)

      こちらこそ、宜しくお願いします♡
      2022/05/15
    • アールグレイさん
      ご挨拶として、本のお薦めをさせて頂きたいと思います。
      「わたしにふさわしいホテル」柚木麻子さん、ただいま神様当番、青山美智子さんは連作短編集...
      ご挨拶として、本のお薦めをさせて頂きたいと思います。
      「わたしにふさわしいホテル」柚木麻子さん、ただいま神様当番、青山美智子さんは連作短編集でどれもいいのですが、この本が1番かと。お節介だったらごめんなさい(>_<)
      good night★Zzz
      2022/05/15
    • aoi-soraさん
      早速ありがとう!!
      2作品とも未読です。
      青山美智子さん、未体験ʘ‿ʘ
      柚木さんも1作品しか読んでないので、興味ありありです〜♪

      ...
      早速ありがとう!!
      2作品とも未読です。
      青山美智子さん、未体験ʘ‿ʘ
      柚木さんも1作品しか読んでないので、興味ありありです〜♪

      お休みなさい(◠‿・)—☆
      2022/05/15
  •  人がいて、さまざまな感情を持っている。
     ささいな言葉で傷つくことがある。わかってもらえないと失望することがある。
     そもそも自分の言葉も、自分の気持ちを本当に的確に表現できているかはわからない。
     自分が言ったことが、相手を傷つけたのではないかと、いつまでも考えることがある。何気なく言ったことが独り歩きして、悪意をもって伝えられることがある。

     『ナベちゃんのよめ』は、独占欲を持った相手に支配される幸福感と言った感じで、あ~こんな感情もあるんだなぁ、と気楽に読み進めていたものの、『パッとしない子』はこわすぎた。自分が責められているように息苦しくなった。相手が全く自分を理解してくれないであろうと思ってしまえば、『ママ・はは』のように「いなくなる」存在にしてしまえばいい。むしろ、理解してくれるのではないか、と期待させることがあると余計に、憎しみが強くなるのかと思った。自分に直接何かを言ってくるわけではない、自分が気にかけていなかった人の心の中にある、自分への憎悪。読後、今までのことを振り返り過ぎてさらに息苦しくなった。

    • naonaonao16gさん
      よんよんさん

      こんばんは!
      「ナベちゃんの嫁」、わたし、このタイトルも結構好きなんですよね。関係性としてのゾクゾク感は全然序の口でしたね(...
      よんよんさん

      こんばんは!
      「ナベちゃんの嫁」、わたし、このタイトルも結構好きなんですよね。関係性としてのゾクゾク感は全然序の口でしたね(笑)

      「パッとしない子」、やっぱりとにかく怖かったですよね。
      意外と、嫌いな人って気にしていますから、その人に対しての言葉って意識してるんですよね。
      やっぱり怖いのは、今はもう自分の記憶には残ってない人との関わりです。

      理解してくれるのではないかと期待させることがあると余計に憎しみが強くなる

      これ、まさに仰る通りだと思います。
      「ママ・はは」に出てくる母親のように、少し期待させてくるようなことを言ってくることが一番の罪です。
      だったら着物買うなんて言わないで欲しいです(笑)

      この作品、ブクログで2週間連続1位になってたんですけど、みんな、同じ気持ちかもしれませんね。
      2021/11/14
    • よんよんさん
      naonaoさん ありがとうございます!
      naonaoさんのレビューがなければこの本に出会うことはなかったと思います。自分が嫌な思いをし...
      naonaoさん ありがとうございます!
      naonaoさんのレビューがなければこの本に出会うことはなかったと思います。自分が嫌な思いをしたときのことばかり引きずって、自分が嫌な思いをさせたことに思い至らずにきているんだなあと。心当たりがあることがたくさんあって、怖くなりました。
      調子に乗ってふざけたり、笑ったりしている自分と、それを見ている憎悪の目。う~ん。
      あまり考えすぎると身動きできなくなりそう。
       仕方がない。私は私でしかない。また、調子に乗ってふざけたりもする。でもそれを見る、いろいろな感情があることを気にしていこう、と思い至りました。
      naonaoさんのレビュー、いつも楽しみにしています。
      2021/11/15
    • naonaonao16gさん
      よんよんさん

      こんばんは~

      そう言っていただけるのは本当に嬉しいです!!
      本当に、思い出すだけで暗い気持ちになりますよね…
      最近、ちょっ...
      よんよんさん

      こんばんは~

      そう言っていただけるのは本当に嬉しいです!!
      本当に、思い出すだけで暗い気持ちになりますよね…
      最近、ちょっと毒女っぽい作品(女性作家による女性が主人公的な作品)を読みがちなんですが、この作品に勝つものはないですね(笑)
      この作品で感じたゾクゾク感はたぶん、別の作品では感じ得ない感覚だと思いました。
      いろいろな意味で、唯一無二の作品でした。
      怖いけど、教訓になりましたね…
      2021/11/15
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著者プロフィール

1980年山梨県生まれ。2004年『冷たい校舎の時は止まる』で第31回メフィスト賞を受賞しデビュー。11年『ツナグ』で第32回吉川英治文学新人賞、12年『鍵のない夢を見る』で第147回直木三十五賞、18年『かがみの孤城』で第15回本屋大賞を受賞。『ふちなしのかがみ』『きのうの影ふみ』『ゼロ、ハチ、ゼロ、ナナ。』『本日は大安なり』『オーダーメイド殺人クラブ』『噛みあわない会話と、ある過去について』『傲慢と善良』『琥珀の夏』『闇祓』『レジェンドアニメ!』など著書多数。

「2023年 『この夏の星を見る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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