- Amazon.co.jp ・本 (178ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065260401
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
喜怒哀楽を洗濯機の中に入れたみたいに、感情がぐるぐる回ります。
これまで好んで読んできた本と少しジャンルが違うので、小説を読みながらこんなにも感情が振り回されたのは初めてです。
これから何回も読み返していくうちに、受け取り方が変わりそうな本。
読書好きとしては、好きな人が書く本は堪らん! -
風景描写がわかりやすくて頭の中で映像化されて読むことが出来た。繊細な主人公の心情が伝わってきて、子どもの頃、親の理不尽な言動に悩まされた事があったなぁとか、色々なことを思い出したりした。とてもすてきな小説だった
-
「形や仕掛けなどではなくただただ圧倒的な大きさで観る者の心を夜空へと吸い込んだ」が本作イチ好きな文。
人間関係と花火、どちらにもかかっているような、そんな一文。
顔色を伺いながら生きる。
それは生まれた境遇をどう生き抜くか、仕方なしに身についた処世術。きっと好きでそうしているわけじゃない。甘えられたらどんなにいいだろう。ビクビクしながら。騒ぐ胸を必死になだめながら。この場をいかにポジティブな空気に変えていくか。その瞬間を切り抜けること。それが自分が生きることだと本気で思っていたりする。
怯えながら生きる草野だけれど、武器を持って前に進むこともできる、強く優しく成長していく姿に胸をうたれた。
辛さ悲しさを笑い飛ばしてくれる人との出会い、絆は、未来への光だ。友人と、近所の大人。出会いはその人の人生を左右する。良き方へ転じていった本作は、同じ悩みを抱えている人にとって希望だと思う。
友人との会話や、家族の間に起こる事件に、もうすこし細かな描写などがあれば、もっと盛り上がるだろうな。