戦百景 桶狭間の戦い (講談社文庫)

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  • 講談社 (2021年11月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (368ページ) / ISBN・EAN: 9784065260715

作品紹介・あらすじ

有名な合戦を深掘りする、書下ろし歴史小説。シリーズ第2弾は、歴史の流れを変えた「日本三大奇襲」の一つ。なぜ奇跡は起きたのか!

 事の起こりは今川義元敗死の6年前に遡る。天文23年(1554年)、「甲相駿三国同盟」が成立すると、甲斐の武田信玄は北の信濃に向かい、相模の北条氏康は東の関東支配を進め、駿河の今川は西の尾張に狙いを定めることが可能になった。義元はそのときすでに「天下」を見つめていた。
 他方、尾張の織田信長。父・信秀の急逝によって18歳で家督を継ぐものの、領国内での勢力争いに明け暮れ、ついには弟・信行を謀殺し領主の地位を築く大きな一歩を踏み出した。義元との決戦の3年前のことだった。
 永禄3年(1560年)、三国同盟によって後顧の憂いのなくなった義元は、駿河・遠江・三河、三国の兵4万5千を催して西進を開始する。尾張をめざして。対して、一国を治めきっていない信長が結集できる兵数は2千と少し。まともに太刀打ちできそうもない兵力差に、信長はどんな手を打つのか。歴史に名を刻むことになる世紀の奇襲戦が刻々と迫っていた……。

みんなの感想まとめ

歴史の流れを変えた合戦を深掘りしたこの作品は、桶狭間の戦いという日本三大奇襲の一つを描いています。読者は、史実に基づいたストーリー展開に引き込まれ、特に豪雨の中での急襲の描写に心を奪われることでしょう...

感想・レビュー・書評

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  • 史実に基づいた歴史小説で分かりやすく歴史好きにはたまらない一冊でした!他のシリーズも読んでみます!

  • このシリーズ面白い

  • シリーズ第2弾は歴史を変えた「日本三大奇襲」の一つを深掘り。注目の書下ろし小説!

  • 戦百景2作目は桶狭間の戦い。日本三大奇襲の一つ。他の二つは厳島と河越だったかな。他の二つよりも圧倒的な知名度の桶狭間。日本史上でも屈指の知名度を誇るのではないでしょうか。教科書にも必ず載っていますしね。

    桶狭間といえば、豪雨の中の急襲が名場面。最初にこれを知った時には、いくらなんでも雨の中とはいえ、気づくもんじゃなかろうかと持ったものです。いや、台風の中ならまだしも、梅雨時の一時的な豪雨で?と。局所的に降ることもないだろう、という疑問も大いにありました。
    その思いが覆ったのは最近のゲリラ豪雨。雨の接近遭遇の恐ろしさを知ることとなりました。夕立ぐらいしか知らなかった自分には、想像ができていなかったのですよ。熱帯のスコールというものの存在は知ってはいたかな。知っていたように思うけれど、知識と経験では違います。

    目も開けていられない、立ってもいられない豪雨の中の急襲の怖さ。しかも、接近してくるのは、こちらの命を奪うことしか考えていない執念の塊という怖さ。
    ここは、漆章で描かれています。震えが自然と出てしまう。
    その前の陸章では、今川側へ襲い掛かる織田側が、狂奔へと移り変わってゆく様が描かれているのですが、それもぞくぞくしました。
    やはり、桶狭間の戦いのクライマックスですから、盛り上がりはここにあります。

    どれだけ今川義元が評価されようとも、織田信長の踏み台になってしまったというのは拭えない。それは桶狭間の戦いがあるから。流石に、一昔前の京かぶれの戦国大名というイメージは、今では薄まりつつあるのではないでしょう。どうでしょう。
    一度ついたイメージは難しいか。どこでそのイメージついたのだろうか?こういう部分も、勝てば官軍なのだろうな。

  • 「戦国時代の戦いを巡る挿話」として、「桶狭間の戦い」は「最も知られているモノの一つ?」ということになるのかもしれない。「その日」に収斂する物語として、戦の少し前の時期の回顧録的な事柄から起こりながら、視点を変えてドンドン物語が進む。視点人物たるのは織田信長、今川義元であり、各々の陣営に在った人達である。章毎に視点人物が設定されていて、それが折り重なって進んで行く。
    今川義元が大軍を率いて尾張へ侵入したということに関して「何がしたかった?」ということに幾つか説が在るらしい。本作では、勢力圏を西へ拡げながら、時間を掛けて都を伺おうとしていたという説を採っているようだ。
    今川義元が尾張へ侵入するような行動に出るずっと以前から本作は起こり、本拠地の東側で勢力圏が接する武田家や北条家との間に婚姻を介した縁戚関係を相互に築き上げ「相互不可侵条約締結」というような情況とする。そして今川義元は師僧であり、軍事政治両面での補佐役、“参謀総長”とか“宰相”という存在感を示した雪斎と語らう。憂いなき世を築くことを目指すとである。そういう願いを持ち、勢力を西へ拡げて都を伺って、全国に号令を掛けることを目指した。そして今川家は将軍を輩出する足利家の縁続きで、足利家に不都合が在る場合には将軍を送り出すことが認められ得る家柄でもあったのだ。
    そういうことをしていた中、今川義元は雪斎と「人間五十年」を語らう。50年生きると俗に言われる中、40代に差し掛かった今川義元は、残る10年弱で大望を叶えたいとした訳だ。そしてこの「人間五十年」という一節を好んだとされる織田信長の様子に何か重なる。今川義元が「人生を50年とした場合の残りが限られる中…」としていた頃、織田信長は「人生の半ば」であったという感じになる訳だ。
    「覇を唱える」ということに自身なりの様式を整えていたかのような今川義元が、「覇を唱える」というようなことを明確に想い描き切れていなかった織田信長の必死な抵抗で屠られてしまったという物語が在ったのかもしれない。そういう様子が活写されるのが本作だ。
    「桶狭間の戦い」は様々な小説に登場し、テレビドラマや映画でも色々と在る訳だが、それでも尚「描くに値する出来事」ということなのであろう。梅雨時の蒸し暑かった一日に激しい雨が降り、雨を突いて進軍した織田信長が「今川の本陣?」と決死の襲撃を試みたという物語が描かれた本作…少し夢中になった…

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著者プロフィール

1976年福岡県生まれ。2008年『蛇衆』で第21回小説すばる新人賞を受賞。その後、『無頼無頼(ぶらぶら)ッ!』『兇』『勝負(ガチ)!』など、ニューウェーブ時代小説と呼ばれる作品を手がける。また、『戦国BASARA3 伊達政宗の章』『NARUTO-ナルト- シカマル新伝』といった、ゲームやコミックのノベライズ作品も執筆して注目される。’21年から始まった「戦百景」シリーズ(本書を含む)は、第4回細谷正充賞を受賞するなど高い評価を得ている。また’22年に『琉球建国記』で第11回日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。他の著書に『清正を破った男』『生きる故』『我が名は秀秋』『戦始末』『鬼神』『山よ奔(はし)れ』『大ぼら吹きの城』『朝嵐(あさあらし)』『至誠の残滓(ざんし)』『源匣記(げんこうき) 獲生伝(かくしょうでん)』『とんちき 耕書堂青春譜 』『さみだれ』『戦神(いくさがみ)の裔(すえ)』および『THE LEGEND&BUTTERTLY』(ノベライズ)などがある。

「2023年 『戦百景 大坂冬の陣』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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