図解 人類の進化 猿人から原人、旧人、現生人類へ (ブルーバックス)

制作 : 斎藤 成也 
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065261361

作品紹介・あらすじ

化石や遺伝子の研究から、われわれ人類の進化の過程が明らかになってきました。第一線の研究者たちが、進化の基礎からゲノムの話題まで、豊富なイラストを使って、初心者にもわかりやすく解説します。
2009年に刊行した『絵でわかる人類の進化』に加筆修正した新書版。
序章(霊長類のゲノム研究/東南アジアの超小型原人/500年さかのぼった弥生時代のはじまり)
第1部 進化のしくみ
第1章 進化とは(人間観の変遷/博物学の時代/進化論の誕生/骨や歯を中心とした形態の進化/分子進化学の誕生と中立進化論/遺伝的浮動と自然淘汰)
第2章 進化の中心,ゲノムDNA(DNAが生物遺伝情報の担い手/ゲノムDNAとは/ゲノムは進化する/ゲノム進化の例/人類進化と遺伝情報進化のかかわり/ゲノムに記述されている形態形成の情報と発現 ほか)
第3章 人類進化の年代を測る(ダーウィンの進化論と地球の年齢/天然の砂時計:放射性同位体/人類の歴史を測る/解剖学的現代人とネアンデルタール人/放射性炭素と加速器質量分析/弥生時代が古くなった? ほか)
第4章 過去の環境変動をさぐる(人類の時代:第四紀/氷期・間氷期のサイクル:太陽の恩恵/氷河期という革命的なアイデア/酸素同位体による新しい指標/さまざまな古環境の記録/海水準面の変動/地球温暖化と人類のこれから)
第2部 人類のあゆみ
第5章 サルからヒトへ~猿人の登場(サルから進化したヒト/霊長類の進化/最初の人類はアフリカで誕生した/ヒト独特の特徴とその進化/最初の人類,猿人の誕生/猿人が歩いた証拠/複雑な猿人の系統進化 ほか)
第6章 原人の進化とユーラシアへの拡散(人類進化の4段階?/最初の原人ホモ・ハビリス/道具と肉食/狩猟をはじめた強い人類?/ホモ・エレクトスの発見/トゥルカナ・ボーイが教えるホモ・エレクトスの特徴 ほか)
第7章 旧人の出現とネアンデルタール人の謎(旧人とは/誤っていた一時代前の旧人像/旧人はアフリカで進化した/インドネシアには旧人はいなかった?/ヨーロッパのネアンデルタール人 ほか)
第8章 現生人類(ホモ・サピエンス)の起源(ホモ・サピエンスとは/ネアンデルタール人とクロマニョン人:連続か不連続か/多地域進化説/アフリカに関する疑問 ほか)
第9章 複雑化する文化~私たちホモ・サピエンスを理解する~(私たちにとっての文化/生物進化と文化的変化の違い/すべての起源はアフリカに?/文化の多様化の起源 ほか)
第10章 日本列島人の変遷(日本列島人の生きてきた時間と空間/日本列島人の成立に関する通説/骨形態の違いから推定された日本列島人類集団の系統関係/東ユーラシアにおける日本列島人の遺伝的位置/二重構造説)

感想・レビュー・書評

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  • 人類の誕生から現在まで、そして短くではありますが未来の人類にまでをも視野にいれた、人類史の概説・入門書として楽しめる本です。二部構成という形で、第一部では進化論の誕生と進歩の話、DNAの話や年代測定の話、大きなスケールでの気候変動の観測やメカニズムの話などがつづいています。各章それだけで一冊の本になるくらいのものを短くまとめているので解説なしででてくる用語に難儀する部分はあったのです。けれども、人類学の成り立ちを知るうえで、生命科学や地質学や物理学や歴史学なども大きく関係する学際的な姿を知っておくことで、人類学そのものを隠すことなくをまるごとイメージすることができますし、人類学を志す方にとっては優先的に知っておくべき学問がなんであるかがわかりますから、道筋をぱーっと照らしてくれる体裁になっていました。第一部で紹介されて解説される部分はもう、第二部でぞんぶんに人類学の髄を楽しむための鍛錬であり、より人類学を立体視するための視野拡張にあたるものだと思います。

    そして第二部の「人類の進化」の部分はこの本の佳境で、ずいぶん面白かった。アウストラロピテクス類などの猿人から原人、旧人、新人と一直線に進化して今にいたるわけじゃないことは前に読んだことのある人類史の本からなんとなくわかっていました。それでもうろ覚えになっていて今回の『図解 人類の進化』ではっきり、数多くの途絶えた系統があることが理解できました。そして、原人も旧人も、どうやら段階的にアフリカから出発して世界に広まってそして途絶えていったのだと。新人が最後のトライとしてアフリカから出ていって世界に広く住まうことに成功して今日にいたる。偉大なるアフリカですよ。進化の起こる土地。だからひとえに、70万年前の原人の化石がでたから、アフリカを出発したのがその頃だし僕らにつながる祖先がその原人だ、ということではないんです。あくまで原人は先発隊のような先輩だったのであって、現生人類(ホモ・サピエンス)への遺伝的な繋がりはどうやら無い。僕らの祖先は20万年前頃にアフリカを出た、アフリカでそこまで進化を遂げた種なのだと考えられる。

    また、文化史的視点からの自然環境を重く見るような考察がありましたし、「人種」という観方についての倫理的な考察もあるのが僕にとっては嬉しかったです。そういう見方が含まれていると、より複数の観点から人類を眺めることができると思うのです。安直なモノの見方が差別や偏見などを生みますし、より大きなスケール感を持って人類史の知識を学んでいけると隘路での行き止まりにハマりにくいのではないでしょうか。

    最後のほうでは日本人の成り立ちについての仮説(置換説・混血説・変形説)などが語られてもいます。現在、定説になっているのは、広い意味で混血説に属する二重構造説だそうです。この説を見ていくと、縄文人の直系のように現在につながっているのがアイヌ人で、本土の人間たちは渡来人たちとの混血が深まり縄文人としての血が薄まっているようです。沖縄人もアイヌ人に近いという説が昔からあり、この二重構造説を構成するミトコンドリア分析や骨形態解析などからも、おそらく祖先は同根なのではないかというような結論が導かれていました。つまり、アイヌ人と沖縄人は縄文人の血が比較的薄まっていない。比べて、本土の人たちは薄まっている。その違いがあるだけで、先祖は同じように縄文人である可能性が比較的つよく見られるようなのでした。

    それと、日本の旧石器時代は30万年前くらいから、なんて僕が子どもの時には教わったり本で読んだりしたものですけれど、その研究はねつ造が元になっていて、現在は5万年前くらいからということになっているんだそう。人類史的には比較的おそくホモ・サピエンスが渡来してきたということでしょう(そして彼らが縄文人になったのでしょう)。

    勉強して知っている人にとってはなんのことはない知識なのでしょうけれども、僕のような「学問のおのぼりさん」はきゃーきゃー言っちゃいます。そんな面白みのある読書でした。

  • ヒトと猿の共通点が参考になりました

  • それぞれ分野の異なる?専門家4人が一般読者向けに書いた入門書。

    真面目にわかりやすく書かれてはいるが、専門のサイエンスライターでないためか、メリハリがあまりなく、好奇心を掻き立てられるような感じではない。

    ミトコンドリアDNA、Y染色体DNA、ネアンデルタール人との雑婚、日本人の起源など、膨らませ方はいろいろありそうだが。(触れられてはいる)

  • 遺伝子の話しが長かった。

  • ふむ

  •  4人の学者の共著であるため、少し難しい部分があったが、概ね興味深い話をわかりやすく語ってくれている。

  • 献本企画に当選していただきました。
    自分は文系であるので理系分野の本を面白く読めるのかなと思いましたが図解が多くて必要以上に構える事なく読めました。図のイラストが緩くて可愛いなと思いました。遺伝子の話で数式が少し出てきた所は難しいなと思ったけれど難しさを感じたのはその部分くらいでした。人類の起源はアフリカからとかマンモスの骨を利用して家を作っていたとか知らなかった事を沢山知る事が出来たし興味深かったです。小学生の時に国語で勉強した記憶のある大陸移動説の話もあったりして昔の世界の環境についても知る事が出来ました。

  • 請求記号 469.2/Sa 25/2186

  • 人類の進化を最近の科学の知見により説明している。図が多くて分かり易い。

  • 比較的専門外の読者にも優しい入門書。とはいえ第一部は専門的な話もありなかなか難しい。一方第二部は細かく章立てして分かりやすくまとめてくれており、なんとかついていけたし楽しめた。

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著者プロフィール

1957年、福井県生まれ。東京大学理学部生物学科卒業。国立遺伝学研究所教授。東京大学大学院理学系研究科生物科学専攻教授。人間の進化を、DNAのゲノム情報の解析を中心に研究している。著書に『核DNA解析でたどる 日本人の源流』(河出書房新社)『ラリルレロボットの未来』(太田聡史との共著 勁草書房)など。

「2021年 『デイビス&サットンの科学絵本 全3巻』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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