源平の怨霊 小余綾俊輔の最終講義 (講談社文庫)

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  • 講談社 (2022年1月14日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (576ページ) / ISBN・EAN: 9784065263488

作品紹介・あらすじ

1160年、平治の乱の後、源頼朝は平清盛によって助命される。後に大納言・時忠が、「此一門にあらざらむ人は、皆人非人なるべし」とまで言い放ち、知行国三十余国、荘園五百ヵ所、田園その数を知らずと言われるまでに栄華を誇った平家一門の命運は、この瞬間に窮まった。
後に平氏を滅ぼすことになる頼朝を清盛はなぜ救ったのか? 

平氏を滅亡に追い込んだ天才武将・源義経は数々の戦果を挙げたにもかかわらず、兄の不興を買って非業の死を遂げる。その義経が怨霊として祀られていないのはなぜなのか? 

二つの謎が解けるとき、源氏と平氏の真の姿が現れる。

みんなの感想まとめ

歴史の謎をミステリーのように追いかける本作は、源平合戦に関連するさまざまな問いを通じて、当時の人物や出来事の真実に迫ります。特に、平清盛が源頼朝を救った理由や、源義経の死後の扱いなど、興味深いテーマが...

感想・レビュー・書評

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  • 非常に良いタイミングで文庫化では!
    鎌倉殿から流れてきても良いと思いますー。

    池禅尼の嘆願を清盛が聞き入れたのはなぜか?
    義経は死後、怨霊化したのか?
    安徳天皇はどうして生きられなかったのか?

    一つ一つ取り上げてみても魅力的なテーマを、うまく線で繋いでみようとする、作者の構想力に良い意味で振り回されました。
    地名の由来、名前の意味など細かい部分も含めるとこの一冊に沢山の謎が含まれ、明かされていく。

    まぁ、小余綾先生の謎解きに対する橙子の驚き方に、文章からもうるさい印象を感じたのだけは、気になったかなー(笑)

    誠也と橙子がそれぞれ源平ゆかりの地にフィールドワークするというパートを、小余綾先生が探偵役としてまとめていく流れが、楽しい。
    特に怨霊をどのように祀るかという、神社の形態について「参道が折れ曲がっている」「参道が川を渡る」「最後の鳥居をくぐれない(本殿を直に拝めない)」の考察が面白かったなー。

    「本当」を隠していることや、時間経過の中で変わってしまったことが少しずつ重なっていく中で、私たちは残されたものを手掛かりに、像を生み出す。
    頼朝、義仲、義経が〝どういう人物〟だったかなんて、本当はとても危うい考証なのかもしれない。

    分かっていても、やっぱり線にしたくなるけどね。

  • 清盛の義母池禅尼は、なぜ源氏の棟梁となるであろう頼朝の命を、清盛に救わさせたのか。
    この問いから始まる、源平合戦に関わる内容を、他のさまざまな問いとともに解決していく事で、歴史の真実を浮き上がらせる長編。

    とにかく、えっ?そうなの??と唸らされることばかりだった。大河ドラマ鎌倉殿の13人を観ていたので、ややこしい人物名と関係性があまり混ざらなかったのも良かった。

    この時代に興味のある人以外も、読むべき本な気がする。この一冊で、神社の意味、怨霊の存在、自分の目で確かめる価値、問いの持ち方、学ぶことの意味など、描かれている本筋だけでなく考えさせられることの多い、すごい本だった。

    数年前、三島に行った事が懐かしい。今度はこの本を持って行きたいなー。

  •  日本史で常識だと思い込んでいることで、実はありえないことはたくさんある。そんな不自然なことに対して素直な探究心を満たす良書

  • 2023/1/27読了。

    実際の歴史の謎をミステリー小説として追いかけていく、他であまり見ない形式。

    学校で習った程度の知識しかないが、題材が有名な箇所であり、そんなところを深掘りするとこんな新しい説が見えてくるのか、と驚いた。

    フィールドワークを行ったり、当時の人間関係から考察をしたり、また歌舞伎や能などの知識も駆使しながら様々な面から歴史を紐解いており、受験科目としての日本史のみを学んでいた身からすると、脈々と続く人の営みを感じられて面白かったです。

  •  厚めの本なので職場の昼休みに読み進め伊豆旅行の電車内で読了する完璧なスケジュールを達成。
     著者のミステリは、殺人事件も十分面白いんだが、正直殺人の部分よりもっと歴史の謎を解いて欲しい!と、思ってしまっていたんだけど…本当に殺人抜きで歴史の謎を解いてくれたシリーズ。
     タイトル通り、源平周りを怨霊を視野に入れた考察でいつもの通り情報を詰め込んで一旦解してしっくりくる形に再構築して真実を見つける流れ。
     義経怨霊云々は別の著者の歴史ミステリでも語られていて奥の深いモチーフだなと。
     こっち路線も増加希望。

  • フィールドワークの風景を思い浮かべながら、思考を巡らす時間でした。
    実際に京都や鎌倉、伊豆に行って同じように辿ってみたいです。

  • 他の作品の場合は、現実世界ではで殺人事件が発生して、それに伴って歴史の謎が解明されていくが、本シリーズでは歴史の謎とフィールドワークしか出てこない。
    だがそれが良い。歴史に集中出来て面白さを堪能できる。源平の戦いがよく分かった気になれる。
    池禅尼が頼朝の除名をした理由や義経が怨霊化して居ない理由、鵯越は行われたのか?何故、安徳天皇は三種の神器と共に沈まなければならなかったのか?鎌倉の段葛は何故作られたのか?何故、北条政子は自分の子を見殺しにしたのか?など非常に盛り沢山な内容。
    それぞれに理由が語られ納得させられる。
    木曾義仲についてはもっと調べてみたい。

  • 高田先生の物語は、実際に現地を訪れるフィールドワークと、電車の中やバーで見つけたことを整理するシーンがちょうどいいバランスで入っているので、まるで自分も一緒に旅をしているような感覚になる。 鎌倉の長谷に行った事がある人ならきっと知っているあの看板など、現地の細かい描写もいい。旅行のしにくいこんな時代だからこそ、更に楽しく読めた。

  • いくらなんでも、登場人物のテンションが高すぎるんじゃないか?という、疑問はさておき。
    大河ドラマで注目をあびる源平合戦に関する様々な疑問に対して、現地に行ってしっかり検討するという趣向はとても面白かったです。
    義経は鵯越の坂落としやってない疑惑は、大河ドラマにも取り入れられてましたね。梶原景時@中村獅子堂の「一ノ谷と鵯越は全く別の場所」という突っ込みに、義経@菅田将暉が「構わぬ。鵯越の方が響きがいい。馬に乗って駆け下りたほうが絵になるしな。」、「歴史はこうやって作られるんだ。」って言わせるあたり、三谷脚本さすがです。
    高校で日本史習った昔から、北条も、三浦も「平氏」の血筋じゃんって思ってたので、終盤の「平平合戦」の話は、ひたすら、「そうそう!」って我が意を得たりでした(自分も登場人物と同じくらいテンション高いのでは?という突っ込みはさておき…)。同じギモンを抱いても、それを小説にできてしまう作者の才能すごいなと。

  • 栄華を誇った平家と、鎌倉に新たな秩序を築いた源氏。勝者と敗者の物語は、史書の中では既に決着がついている。だが高田崇史は、その背後の「怨霊」という意味あいから日本史を開きなおす。
    物語は、現代で起こる不可解な事件を端緒に、源平合戦とその後に語られた怨霊信仰を丹念に掘り起こしていく。平家は滅びたのか、それとも形を変えて生き続けたのか。
    史実と伝承、合理と非合理が交錯する中で、作者は一つの問いを突きつける。怨霊とは迷信ではない。忘却された側の声であり、歴史の歪みを照らす。日本人の歴史観そのものを揺さぶる一冊である。

  • 教科書とは違う角度で史実をストーリーにあてはめていく。歴史好きは膝を打つんだろうけど、凡人にはピンとこない件が多い。血筋が大事な時代だからこそ遡れば誰かの親戚だったはずだし、そこをうまく繋いだ感じ。

  • 高田さんの歴史ミステリーが好きで、購入しました。今までの作品は、歴史の謎の追求と事件の解決が並行して進むことが多かったが、この作品は、純粋に、登場人物が、歴史の謎に取り組んでいきます。物語が進む中で、定説になっている様々な歴史的事実とされる出来事が、多くの文献の分析をもとにして、ひっくり返されていきます。そして、最後の結論にも、衝撃を受けました。この本から学んだことは、系図の重要性です。天皇家はもちろんのこと、かつて権力を握った源氏や平家、藤原氏など、系図を読み解くことは重要だと思いました。歴史ミステリーに興味がある人におすすめです。

  • 何も言うことなし!
    もはや、鎌倉時代のバイブルです!!
    必ず読めば気にいる逸品です!

  • 難しかったけど思ったより食いついていけた!ボリュームあった。もともとの知識が乏しいけど、馴染みのある地名がたくさん出てきて親しみやすかった。解説がまたおもしろかった。

  • 日本史上屈指の人気武将、源義経は「怨霊」になったのか!? 傑作歴史ミステリー登場。

  • また歴史の見方が変わった一冊。
    これを読んだ後見る大河はちょっと感じ方が変わってくる

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著者プロフィール




「2023年 『江ノ島奇譚』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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