夜はおしまい (講談社文庫)

  • 講談社 (2022年3月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (224ページ) / ISBN・EAN: 9784065264027

作品紹介・あらすじ

数合わせで出たミスコンの順位は、八人中八位だった。無遠慮に自分の価値を決められた日、琴子は北川に声をかけられる。たいして大事にしてくれない北川でも、誘われると断れないのは、誰かに求められていると安心するからか――。琴子は神父の金井に、信仰の意味を問う。

ミスコンで他者に価値をつけられる女性。お金のために愛人業をしている女性。夫とはセックスしたくない女性。本当に愛する人とは結ばれない女性。秘密を抱える神父・金井のもとを訪ねる女性たちの姿を描く。

みんなの感想まとめ

複数の女性の視点から描かれるこの作品は、自己価値を見出せずに苦しむ主人公たちの物語です。彼女たちは他者に頼ることで傷つき、罪悪感を抱えながらも、神父・金井の存在を通じて救いを求めます。各短編は、愛や信...

感想・レビュー・書評

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  • 群像連載短編集 2019年単行本ですが、連載は2014年から

    島本さんは、連載作品を単行本、文庫本とする時、手を加える物が多いらしい。作品を世に出すとは、大変なことですよね。

    短編4編、どの主人公の女性も 自分に自信がなく。それを補う為に、誰かに頼ってより傷つく。
    それぞれ罪悪感に満ちている。
    宗教は彼女達の救いとなるのか。
    作品共通の金井神父に罪を聞いてほしい女性達。
    彼の言葉からキリストの教えを感じることができたのでしょうか。
    「夜のまっただなか」
    自分の価値を見出せない女子大生。胡散臭い男に救いを求めて、より傷つく。
    「サテライトの女達」
    母親が教祖となった女性。母親とは、理解し合えず、愛人として生活する。
    「雪ト逃ゲル」
    家庭に居場所を見つけられず、不倫の末、家を出て、海外で女性ト暮らす。
    罪を犯したことが罰。なるほどって思った。
    「静寂」
    神父自らの告白。それを受け止めるカウンセラー。

    タイトルもかなり悩むようです。
    4作で、夜はおしまい。明日が来るねっていう感じで良いタイトルだなと思います。
    この作品で純文学を卒業宣言されていて、この夜はおしまいが最後の作品らしい。(本人あとがきより) ファーストラブで直木賞受賞しましたし、新しい分野ですかね。
    なんとなく離脱しておけば良いのに、真面目なんだろうなって思う。

    • みんみんさん
      純文学ってWikipediaで調べたけど…
      明確な定義って言うか誰かが決めるの?
      自分で?おび先生教えてくださ〜い!
      トークショー羨ましい‹...
      純文学ってWikipediaで調べたけど…
      明確な定義って言うか誰かが決めるの?
      自分で?おび先生教えてくださ〜い!
      トークショー羨ましい‹‹\(´ω` )/››
      2023/09/16
    • おびのりさん
      おはようございます。
      久しぶりの夜遊び。

      純文学は、wikiでよろしく。
      どれかの後書きで読んだけど、まず雑誌掲載することが多いでしょ。純...
      おはようございます。
      久しぶりの夜遊び。

      純文学は、wikiでよろしく。
      どれかの後書きで読んだけど、まず雑誌掲載することが多いでしょ。純文学系だともっと文章削ってくださいって言われて。エンタメ系だと、もっと書き込んでって言われるらしい。
      純文学の方が作家さんがわがままできるのかな。
      エンタメ系は読者を喜ばせたいって気持ちが多そう。
      馬鹿な事書くと、ひまわりメーロンには、一括されて、kumaさんは諭してくれそう。

      私達は、違う方向性があるじゃない。来年は、耽美いくよ!
      2023/09/16
    • みんみんさん
      耽美歴30数年…沼は深く心地よい(*/ω\*)
      おびさん来年は榎田ユウリで笑
      耽美歴30数年…沼は深く心地よい(*/ω\*)
      おびさん来年は榎田ユウリで笑
      2023/09/16
  • 島本理生さんの描く女性の物語はエッジが効いていて、とても独特の深さをいつも感じる。

    自分が傷つくことを恐れないかのように(恐れない人は居ないと思う)、心の底から鋭く突き刺さってくる。
    4人の主人公それぞれに心が痛み、だからこそ前を向く勇気や自分の足で歩く力の必要さを感じてしまった。
    そこにリアリティを感じながら主人公の4人の女性の境地を察していくのが本書の醍醐味だろう、と思う。

    そしてタイトルにつけられた「おしまい」がこの物語の中で何を意図しているのか?
    考えながら読み続けた。

  • 男と女、性、キリスト。
    心理描写や喩えがきれいで、性描写も生々しくない。
    女性4人の、それぞれの男性や性についての悩み。
    悩みは違っても、それぞれ、それなりに傷ついて生きている。今後、彼女たちが幸せでありますように。
    (川端さんには引きました、さすがに)

  • 傷つけ、傷つけられ、縋り、縋られ。

    どの作品の主人公も痛ましくもがいているけれど、それでいて神様はそんな彼女たちを救ってくれるわけでもない。読んでいて苦しい。夜がおしまいになった朝、目の前に広がる景色はどんなものだろう。

    神様と対峙するというのはこれほど苦しいものなのかな。

    「夜のまっただなか」
    神様とは何者なのか。

    「サテライトの女たち」
    神の側に立って子を裁く親から逃れるには。

    「雪ト逃ゲル」
    主人公の「私」自身が自分自身を捉えられいないので読み解くのがかなり難しく感じました。

    「静寂」
    この一冊の最後にこの話があるから救われた。なかったらもうどうしようっていう読後感だったかも。


    島本さんはこの作品で純文学を卒業されたそうです。ジャンル「島本理生」でどんどん作品を生み出してほしい。

  • 女の"性"は時には武器に、時には弱点に、時には自分をころす手段にさえなるのだな・・・と哀しく思う。
    自分を尊重してくれない男性のもとに、どうしても行ってしまうこの物語の女の子たちは5年後、10年後、どうしているだろうか。上がり続ける年齢に追われながら、相手を変えて同じことをしているのか。でも、刹那的に日々をやり過ごすことしかできなかったとして、それは何かの罪なのだろうか。
    神父の金井という男性が各話に登場し、女性たちは自分の"罪"について彼に語り、自らに問う。信じていれば、今のこの日々は違うものになっていたのかと――けっきょくのところ、現実は変えられないのだという答えだけが、教会の静かな空間にひっそりとある――そんなイメージが浮かぶ。彼女たちは信仰の有無に揺らいでいるわけではなく、自分の在り方をわかった上で、ただ時々、ふと疑問に思うのかもしれない。「裏切られた分だけ傷つけたい」と考えるこの生き方が罪なら、誰がゆるしてくれるのだろうか、と。

    抜け出そうともがく様は描かれず、そのことが、彼女たちをゆるしているような気もした。

  • 定番の、心を削ってくる母親、近親を厭わない父親、嗅覚鋭い男。

    島本理生さん作品をいくつか読んできているけど、同性同士の感情を表現してあるのは初めてかも。

  • 「愛する方法は、肉体を繋ぐだけではありませんよ」(p187)

    読み終えて最初に浮かんだ言葉は「難しい」、その一言だった。
    キリスト教の教えを理解していないからか、金井先生の言葉を繰り返し読んでも、彼女たちが犯してきた罪をキリスト教ではどのように赦すのか、分からないまま終わってしまった。
    また、冒頭で核戦争のことが出てきたが、結局、どうなったんだろう。もやもや。

    自分で自分のことを大切にできない人間は、自分のことを大切にしてくれない人間が寄ってくるということが再確認できた一冊だった。
    この著書の彼女たちと同じ境遇にいるならば、自分が変わらないと。

  • 思わず目を背けたくなるような場面もありました。この作家さんの作品を読んだのは2冊目ですが、力強い、生命力を感じさせる表現力は、他の作家さんにはないものだなと思いました。読んでて辛いですが、刺さる言葉もたくさんありました。

  • 苦しいを言葉にすることは、痛くて難しい。
    おしまいにできたら、
    誰かの救いになるのかもしれない。

  • 夜のまっただなか
    自尊心の低い女の典型的なクズにハマる姿と、キリスト教を深く信仰する人、恋愛と宗教って何を信じるか、誰を信じるかが違うだけで、本質的には何も変わらないのかな。金井先生の話は宗教信仰についてなのに、全て恋愛してる自分に刺さる言葉だった。
    サテライトの女たち
    なんで男って自分だけは違うって思うのだろう。
    女の薄幸話を性欲に昇華させる男とそれを利用してお金を手に入れる女。自分自身の価値に無頓着でいれなくなった女が、何を求めてるのか。この女にとっての幸福ってなんなんだろ
    裏切られた分だけ傷つけたい。等しく、公平に。

  • 島本さんの宗教の話はいつも難しい。

  • いろんな女性のちょっと暗い話。
    傷つきかたとか、モヤっとすることとか
    みんな共感できる部分がありそうな話だった。

  • 誰か、私を遠くに連れていって──。女の「生」と「性」を描いた、直木賞作家の真骨頂。

  • おもしろくて、あっという間に読了しました。賛否両論あるとは思います。でも、今娘がキリスト教の中学校の2年生です。これまでの人生の中で私自身が最もキリスト教に触れる機会があり、例えば毎週日曜日といわずとも冠婚葬祭がこういう慣習の中で生きていたら、感じることは違っただろうなと思ったりします。私はゆいちゃんのことが一番気になっています。

  • 文体が馴染みすぎてスラスラ頭に入ってくる不思議な作家さん

  • 島本理生を読むのは久しぶり。カトリック神父の金井と4人の女性たちそれぞれの話。4人の話のそれぞれで性が絡む話であることもあり、自分としては共感しづらいというか読んでて気まずく感じるところもあったが、不安定で頼りなげなところもありつつ逞しさももつ女性たちが描かれていて読んでいて文章にひきこまれる感じがした。

  • やっぱり宗教はよくわからないなあと思う。日本人は無宗教の人が多いから特にね。

    弟の渚くんがいいなあ。

  • 性、生、正について考えさせられる作品。表現が抽象的であり、日本ではマイノリティな生き方と考え方のため、自分ごととしてはピンと来ない。

  • 高校生の時は大好きだった島本理生さん
    この本が合わないのか、分からないけど
    どの女性にも共感できなくて入り込めず
    1.5章残してリタイア
    自分も他者も傷つけ合うことが当たり前みたいな世界線で苦しいなあ

  • 短編集。
    過激な内容もあったのでちょっと驚きながら読みました。

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著者プロフィール

1983年東京都生まれ。2001年「シルエット」で第44回群像新人文学賞優秀作を受賞。03年『リトル・バイ・リトル』で第25回野間文芸新人賞を受賞。15年『Red』で第21回島清恋愛文学賞を受賞。18年『ファーストラヴ』で第159回直木賞を受賞。その他の著書に『ナラタージュ』『アンダスタンド・メイビー』『七緒のために』『よだかの片想い』『2020年の恋人たち』『星のように離れて雨のように散った』など多数。

「2022年 『夜はおしまい』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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