虎の牙 (講談社文庫)

  • 講談社 (2021年12月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (432ページ) / ISBN・EAN: 9784065264096

作品紹介・あらすじ

武田信玄の父・信虎の謎の弟、勝沼信友。「山の民」として育てられたその男は、自らに流れる血の運命にのみ込まれていく。一方、罪を犯して流浪の末武田家に仕官した足軽大将の原虎胤は、その武勇から「鬼美濃」と恐れられ、外様ながら家中で重きをなしていく。乱国甲斐の統一を目指す武田信虎を挟んで、二人の男がある「呪」を背負いながら戦場を駆け巡る。最強武田のルーツを描く、女流ヒストリーテラーのデビュー長編、待望の文庫化。〔解説〕平山優。

みんなの感想まとめ

歴史の裏側に迫る物語が展開され、武田信虎とその家族、特に勝沼信友に焦点を当てた新しい視点が魅力の作品です。一般的には「暴君」として知られる信虎の複雑な内面や、彼が抱える苦悩が丁寧に描かれており、読者は...

感想・レビュー・書評

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  • 歴史好きなら誰もが耳にしたことがあるでしょう、「鬼美濃」の異名を持つ武田の猛将、原虎胤。
    しかし、彼と同じく物語の中心に据えられているのが、信玄の父であり、一般的には「暴君」のイメージが強い武田信虎と、信玄の叔父にあたる勝沼信友だとしたら、どうでしょうか?
    武川佑さんの小説『虎の牙』は、まさにこの3人、特にマニアックな勝沼信友に光を当てた、これまでにない切り口の歴史小説です。

    ステレオタイプな暴君として描かれがちな信虎ですが、この作品ではその人物像が深く掘り下げられています。
    読者は、一見冷酷に見える行動の裏に隠された、彼の苦悩や思惑に触れることになります。
    これは、これまで信虎に対して抱いていたイメージを大きく覆す体験となるでしょう。

    原虎胤の武人らしい豪快な逸話も物語に彩りを添えていますが、何よりこの作品の魅力は、これまであまり語られてこなかった信虎と勝沼信友の関係性を通して、戦国時代の武田家を新しい視点から描き出している点にあります。

    既存の武田信玄関連の作品を読み尽くした方や、一味違った歴史小説を求めている方には、特におすすめの一冊です。

  • 主人公の訛りがあるセリフが印象に残る。ついつい呟きたくなる語感が心地よい。

  • 前半はさまざまな登場人物が入り混じり、誰が誰だか、、という感じも否めなかったが、一通り整理できてから後半にかけて熱量がじわじわ上がり、大河ドラマを見終わったような読後感。文章がうまいのか、時代小説なのにとても情景の解像度が高くリアリティがあって、その辺りもドラマっぽく面白かった。
    ただ、各登場人物がそこまで魅力的に感じられなかったのが残念ではあった。主人公も出自こそ独特だが、結局は戦国武将であり、兄の信虎にいたっては何故みんなついていくのか全く共感できなかった(作中でも反乱起こされまくりだし、悪名高いって正直に描かれてるし)

  • この本を初めて本屋の店頭で見た時、書名の禍々しさと、表紙の、小学生が描いたような(失礼!)かわいい絵とのギャップに、興味を引かれたのだけれど、中身は、堂々たる本格派の時代小説だった。設定も面白かった。

  • 武田家を挟み男達が戦場を駆け巡る。歴史時代作家クラブ賞新人賞受賞作。解説・平山優

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著者プロフィール

1981年神奈川県生まれ。2016年「鬼惑い」で決戦!小説大賞奨励賞を受賞。’17年『虎の牙』でデビュー。’18年同作で歴史時代作家クラブ賞新人賞、’21年『千里をゆけ くじ引き将軍と隻腕女』で日本歴史時代作家協会賞作品賞を受賞。近著に、『落梅の賦』『かすてぼうろ 越前台所衆 於くらの覚書』がある。

「2023年 『風雲 戦国アンソロジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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