春の窓 安房直子ファンタジー (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 330
感想 : 28
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065266908

作品紹介・あらすじ

どこかなつかしい身近な日常からはるかな空想の時間へといざなう安房直子ファンタジー。
売れない絵かきの家を訪れた不思議な猫の魔法を描いた表題作「春の窓」をはじめ、
心を静かに整えてくれる十二編を収録。

大人の孤独や寂しさをやわらかく包み込み、
何度も読み返したくなる切なくも美しい極上の短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 安房直子さんのファンタジー 、すごく好きです。
    今日は一日、この本をゆっくり読んでいて、とても幸せでした。12編のお話は、どれも、どこか懐かしくて、優しい、切なくも美しい作品ばかり。
    特に 『あるジャム屋の話』と、表題作の『春の窓』が、すごく良かった。読み終えると、心がぽかぽかになっていました! (*^_^*)
    日常から、不思議な世界へといざなわれる、極上の時間を楽しませていただきました。
    とてもあったかく、優しい気持ちになれます。
    おすすめ!
    2022年2月23日

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      身体に染み込むように、ゆるりと読んでください。。。

      猫に積読本の話は禁句!
      りまのさん
      身体に染み込むように、ゆるりと読んでください。。。

      猫に積読本の話は禁句!
      2022/02/21
    • りまのさん
      にゃんこまるさん
      おはようございます!
      コメントありがとうございます。
      今日も、とても寒くなりそうなので、温かくしてお過ごしくださいね♪
      (...
      にゃんこまるさん
      おはようございます!
      コメントありがとうございます。
      今日も、とても寒くなりそうなので、温かくしてお過ごしくださいね♪
      (*^_^*)
      2022/02/21
    • 猫丸(nyancomaru)さん
      りまのさん
      にゃ~ん
      りまのさん
      にゃ~ん
      2022/02/21
  • ちょっぴり不思議で、夢の中にいるような世界を描いた短編集。
    季節の変わり目にふと感じる寂しさも、ふんわり漂うそよ風や柔らかな陽射し、優しい木漏れ日に慰められる。
    寒くて薄暗かった冬を越えようやく訪れた、待ち焦がれた春。
    それは自分で部屋の窓を開けなければ気付くことのできない嬉しい瞬間。
    森野屋の美味しいジャムもおばあさんの心を明るくする黄色いスカーフも、海から届くカワイイ電話もすてきな贈りものも、ゆきひら鍋で作った温かなりんごの甘煮も、全てが春の淡いまぼろし。

    特に『黄色いスカーフ』『海からの電話』『ゆきひらの話』が好き。
    寝る前に一話ずつ。夢の世界へと優しく誘ってくれる短編集だった。

    • kikiさん
      こんにちは。
      mofuさんのレビューを読んで、
      なんて素敵なんだろう!と思い、
      今、読んでいます。
      一話ずつ、大切に読みたくなる本ですね。
      こんにちは。
      mofuさんのレビューを読んで、
      なんて素敵なんだろう!と思い、
      今、読んでいます。
      一話ずつ、大切に読みたくなる本ですね。
      2022/10/02
    • mofuさん
      kikiさん、こんばんは。
      kikiさんも読まれているんですね。
      可愛くて優しくて、一話一話を丁寧に読みたくなりますよね。
      コメントをありが...
      kikiさん、こんばんは。
      kikiさんも読まれているんですね。
      可愛くて優しくて、一話一話を丁寧に読みたくなりますよね。
      コメントをありがとうございました(*^^*)
      2022/10/02
  • 周りの動植物や物たちの心の声を具現化したかのようなやさしさが、望まずとも孤独を感じて生きていかねばならない人達に届けられる物語は、私のような、今でもひとりぼっちで暮らしている人間にとって、温かくも切ない思いに駆られます。

    主人公たちの年代も、少女時代のささやかな思い出が蘇ってくる展開に、安房さんのやさしさを感じさせる、おばあさんが主役の話や、貧しい家庭に生まれながらも思いやりをもった、健気な女の子の話など、様々です。

    特に、後者の「海からの贈りもの」での、お祭りに行く女の子に、病気のおかあさんが、「これですきなもの買っておいで」と、渡した五十円玉二枚を、自分のものを五十円分、おかあさんのものを五十円分、買いたいと思う女の子の気持ちを思うと、物語とはいえ、そのやさしさに込み上げてくるものを止められません。

    また、もう一つ印象的だったのが、表題作の「春の窓」で、ここでの猫があたたかいという話に、実はとても共感できるものがありました。

    というのも、この話を読んだとき、以前、住んでいた家から通ってた公園で、歩道の縁石に座っていた私の膝の上で、丸まって眠ったノラを思い出したからなんですけど、その時の温かさは、本当にひとりじゃない気持ちが芽生えた喜びで胸がいっぱいになって、しかも、それが幻想でなく、ノラの存在をはっきり証明する重さを実感したときの嬉しさといったら!

    そうした体験を踏まえながらも、更に、その先の素敵な幻想世界を見せてくれる、安房さんの物語には、老若男女すべての人が持ちうる、ふとした時に感じるやり切れなさや孤独に、そっと寄り添って温めてくれる、ささやかな愛を感じられました。

    しかし、その愛も、本書を読み終えた途端、現実に戻ってきたような感覚で消滅してしまい、行きどころのない壮絶なもの寂しさを感じた私は、思わず、庭の木々達に縋るような視線を向けていたのでした。

  • 祝復刊?

    ※この作品は2008年10月に、X文庫ホワイトハート『春の窓 安房直子ファンタジスタ』として刊行されたものです。

    『春の窓 安房直子ファンタジー』(安房 直子):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000361122

    • 猫丸(nyancomaru)さん
      やっと購入、表紙カバー画は

      Home | Naffy
      https://www.na-ffy.com/
      やっと購入、表紙カバー画は

      Home | Naffy
      https://www.na-ffy.com/
      2022/03/08
  • 十二篇のファンタジー短編集。
    ひとつめの”黄色いスカーフ”から、もう虜になり、想像がつかない展開にワクワクしながら読みました。少し切ないストーリーもありますが、一話一話が美しくて、うっとり幸せな気持ちになる童話集です。

    1番心に残ったのは”春の窓”。本を閉じた後も物語が続いているような余韻に浸っています。

    自然や動物たちが、自分にも話しかけてくれないかしら…なんて想像するだけで楽しい。夢の世界に連れて行ってくれる一冊でした。

  • 心がポッと温かくなった。
    講談社さんありがとう。
    安房直子さんの本が文庫本で読めるなんて嬉しい!

    私のところにも春が来ました。

  • こんなに優しい物語 どうしたら書けるのか

  • 春の陽だまりにいるような心がポカポカとぬくぬくするお話が多かった。
    子供向けというより大人の童話。
    孤独を感じたり、人生に疲れたりした大人の心を温めてくれる。

  • 安房直子さんの物語はファンタジーだけど、どこかピリリとシュールだったり、人間臭かったり、それでいて心に残る。題名の「春の窓」が好き。ジャム屋のお話も、気長な奇跡がいいね。

  • 優しいお話しで溢れていた。小さい子に読み聞かせても良さそう。心に沁みてゆっくり栄養になるようなそんな一冊。

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著者プロフィール

安房直子(あわ・なおこ)
1943年、東京都生まれ。日本女子大学国文科卒業。在学中より山室静氏に師事、「目白児童文学」「海賊」を中心に、かずかずの美しい物語を発表。『さんしょっ子』第3回日本児童文学者協会新人賞、『北風のわすれたハンカチ』第19回サンケイ児童出版文化賞推薦、『風と木の歌』第22回小学館文学賞、『遠い野ばらの村』第20回野間児童文芸賞、『山の童話 風のローラースケート』第3回新見南吉児童文学賞、『花豆の煮えるまで―小夜の物語』赤い鳥文学賞特別賞、受賞作多数。1993年永眠。

「2022年 『春の窓 安房直子ファンタジー』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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