- 本 ・本 (416ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065273470
作品紹介・あらすじ
★★★祝・W1位!!★★★
日本最大級のミステリランキング、『このミステリーがすごい! 2023年版』(宝島社)、『ミステリが読みたい! 2023年版』(ハヤカワミステリマガジン2023年1月号)国内篇で驚異の2冠!!
これを読まねば、“旬”のミステリーは語れない!
◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎
東京、炎上。正義は、守れるのか。
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。
【業界、震撼!】
著者の集大成とも言うべき衝撃の爆弾サスペンスにしてミステリの爆弾。取扱注意。
ーー大森望(書評家)
この作家は自身の最高傑作をどこまで更新してゆくのだろうか。
ーー千街晶之(書評家)
登場人物の個々の物語であると同時に、正体の見えない集団というもののありようを描いた力作だ。
ーー瀧井朝世(ライター)
この作品を読むことで自分の悪意の総量がわかってしまう。
ーー櫻井美怜(成田本店みなと高台店)
爆風に備えよ。呉勝浩が正義を吹き飛ばす。
ーー本間悠(うなぎBOOKS)
自分はどちらの「誰か」になるのだろう。
ーー山田麻紀子(書泉ブックタワー)
感想・レビュー・書評
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正体不明の「スズキタゴサク」vs.警察。爆弾解除をめぐる頭脳&心理戦が始まる!
謎の中年男、自称「スズキタゴサク」。
取調室という<密室>で彼と対峙する警察は、東京に仕掛けられた爆弾を見つけ、人々の命を守れるのか?
爆弾魔の謎と警察内部の人間ドラマが絡み合う、重厚なサスペンス&エンタテインメント。
際立つ人物造形、繊細な心理描写に「これ全員、呉勝浩さんの中から生まれてきたんだよな・・・」と感嘆する。
彼らはみな人間臭い魅力を持ち、スズキですら やがてアンチヒーローの暗い輝きを放つ。『ダークナイト』のジョーカーのような。
スリリングで、中だるみも無駄も一切ない、あっという間の400ページ。端的にめちゃくちゃ面白い。
しかし・・・事件の全貌が判明してもカタルシスはなく、複雑な感情と、重い余韻が残った。。
その理由は、ぜひ読んでいただければと思います。間違いなく傑作でした。 -
酒屋の店員を殴って捕まったスズキタゴサク
霊感があると言い出し爆弾の爆発を予言
次々に起こる爆発!警察は止められるのか。。
久しぶりにこんなに気味の悪い物語を読みました。
玄関と廊下に続く扉を閉めていないことに急に気づき、
なんかいきなり怖くなってそっちをチラチラ確認しながらの読書。。(さっさと閉めればいいだけ、いやでも、多分こんな経験したことある人いるはず)
400ページ以上ありましたがまさかの1日で読破。
期待ゼロでスタートしたのにかなり面白かった!
途中からまた爆発かよ。。と疲れ気味にもなりますが、ちゃんとミステリーでした。
自己肯定感かなり低めのスズキタゴサクさん。
自己顕示欲の為に人を殺す人間もいるのかと驚きですが、ニュースでも無差別殺人は報道されているし。
現実にあることで残念です。
この物語はオチを最後まで細かく書きすぎな気もする。。
そこまで書かなくても分かるよ、という感じです。
気味の悪いままに終わって欲しかったなぁと。
しかし、さすが高評価の小説です◎
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SHIORIさん、こんばんは。
気味悪いですよね。
すごい、よくわかります。
この粘り気のある感じが、なんともいえないですよね。
我が子...SHIORIさん、こんばんは。
気味悪いですよね。
すごい、よくわかります。
この粘り気のある感じが、なんともいえないですよね。
我が子がこの本を購入していて、
それをみた時に、「まじか…」と思いました。
ぜったい、2回読まないよな〜と(笑)2023/11/28 -
Manideさん、こんばんわ⭐︎
気味の悪さと衝撃で、
記憶バッチリなので2回は読めません。笑
新作の『Q』を読むか迷っています(o_o...Manideさん、こんばんわ⭐︎
気味の悪さと衝撃で、
記憶バッチリなので2回は読めません。笑
新作の『Q』を読むか迷っています(o_o)
こちらも気味悪いのかなとビビり中。。2023/11/28 -
新作出たんですね〜
また、殺人事件は起きるみたいですね。
あるすじ読む限りは、そんなドロドロしてなさそうですね、どうなんですかね。
もう...新作出たんですね〜
また、殺人事件は起きるみたいですね。
あるすじ読む限りは、そんなドロドロしてなさそうですね、どうなんですかね。
もう、この勢いで、ぜひ、読んでみてください(^^)
2023/11/28
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呉勝浩さん「爆弾」、23年このミス大賞受賞作品。
納得の受賞だと感じる。緊張感と緊迫感が凄まじい作品だった。
前回読んだ「スワン」もそうだったが、作者は人間心理を凄く深く理解されているのだと思う。怖いくらい。
人間の抱く卑怯さや厭わしさ、疎ましさを上手に作品としてまとめあげている。
読んでいる最中、不快な気持ちになる。だがそれは言い当てられているから。
凄い方だと感じている。
タゴサクのクイズのような人間心理を揺るがす言葉の数々がめちゃくちゃ突き刺さる。
意識の中に潜む光と影が両極面から対峙するように責めてくる。
個と集団が結び付いているかなり深い所を抉ってくる。
タゴサクが言う「人間の勝手に見える自己意識と自己心理」はきっと誰もが感じているものなのだが、集団や社会の中では邪魔になるので出さないもの。協調と調和のバランスが重要だと皆が考えるからだ。
タゴサクみたいに0か100かではなく、曖昧にみえて絶妙なバランスを保ちつつ存在しているものだと感じている。そこを深く考えるか考えないかの差はあるだろうけど。
決して自己中心的なだけなものでもなく、逆も然り。
しかしそれがいつか弾けた時自分達はどうなるのか?
その辺りを最後の行方の分からない「爆弾」と引っかけているのだろうか?
素晴らしいが恐ろしい。
タゴサクと清宮による頭脳戦、類家に変わって更に上回る展開。心理戦、頭脳戦、お互いの腹の駆け引き、時に知的に、時にサイコに、時に下世話に。
この展開は最高だった。緊張感と緊迫感が途轍もない、そしてとても奥深い。
最高の作品だった。
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【第一部】
スズキタゴサク。黒い苔を生やしたようないがぐり頭。その下で、広いおでこがてかっている。太い眉、無精髭が目立つ二重顎。頬はぷっくり張りがある。平凡極まりない顔だ。けれどもコイツが、連続爆弾魔・殺人者であることに疑いはない。タゴサク本人は霊感と言い訳し犯行をうたっては無いが。
午後10時、秋葉原。1回目の爆破の直前に予告をし、直後に「ここから3度、次は1時間後に爆発します」と告げやがった。本名、住所、犯行動機、犯行経緯、わざわざ軽犯で捕まりに来た意図、共にほぼ不明。読者である私は、コイツの長い長いお喋りに付き合いながら、最終のその「意図」を探ってゆく。分かってる。私は、捜査一課の清宮、類家、所轄の等々力ほど頭は良く無いし経験もない。けれども私は読者だ。全ての状況を作者の掌で俯瞰的に見渡す手段を持っている。
だんだんとコイツの意図が見えてきた気がする。もはや複数殺人は確定的だ。コイツはそれを阻止出来ない様に巧妙に情報を小出しにした。けれども必ず事前にヒントは出す。「知能は高め。本人もそれを自覚している。実力を発揮する環境と性格に恵まれず、人生に嫌気が差したゆえの犯行と考えられるが、行き当たりばったりとはちがい計画は入念。行動に迷いなし。犯行がもたらす結果は、被害も自分の処遇も、完全に理解している」清宮さんが早々に分析した内容に、私も異存がない。しかし、それなら何故?死刑確定の犯行を言いふらす為にわざわざ捕まりに来たのか?
「動物として、女性は最高の遺伝子を求め、男は自分の遺伝子を広めたがっている。(略)もしかしすると、男女すら関係ないのかもしれません。誰しももっているのかもしれない。自分を広めること、ばら撒くこと、他人を感染させること。‥‥」お喋りの中にふと忍び込ませたコイツの本音はコレではないか?これは『羊たちの沈黙』のレクター博士そのものだ。だとすると、「誰」を感染させようとしているのか?
第一部終わりで、コイツが巧妙にコントロールしてきた男への罠は、結果が出てしまった。これで男のコントロールは解けるだろう。じゃあ、誰を感染させようと‥‥!?
【第ニ部】
尋問は清宮の部下、類家に移った。
「渡ってみせます。たとえ時速二百キロで車が行き交うサーキットの道だとしても」(256p)
この捜査一課警部補ヤバい。この、危ない橋を渡る事を快感とするタイプは貴志祐介『悪の教典』のサイコキラー・ハスミンと同じだ。でも「サイコにはサイコ」ってことか?
【第三部】
最終盤、タゴサクの意図は「二転三転」する。
感染て、そういうことか?
そうか、一見本筋と全く関係ない若い女性のエピソードを挟み込んできたのは、そういうことか、作者さん。細見さんの行動、そして女性巡査・倖田さんの選択は、タゴサクへの知られざる回答だった。
「今回は引き分けです」
タゴサク、それは違うよ。
お前の主観では引き分けだったかもしれないけど、大きな世界から見れば、お前は負けたんだ。
autumn522akiさんの熱いレビューで予約して9ヶ月、やっと読むことができました。その間、「このミス」二冠、直木賞候補、本屋大賞候補とakiさんの見立てが正しいことが証明されつつある。本屋大賞1位を獲ったら、マイルールに基き文庫本を買い直して再レビューすることになるだろう。-
秋さん、コメントありがとうございます!
そうか、「秋」さんで良いんだ♪
昨年6月20日ごろ、レビューを読んで速攻予約したのに、物凄い予約数...秋さん、コメントありがとうございます!
そうか、「秋」さんで良いんだ♪
昨年6月20日ごろ、レビューを読んで速攻予約したのに、物凄い予約数が入っていて今ごろになりました。確かに年間ベストワン級でした。
お陰で、もうこのレビュー読む人は少ないかもしれませんが、補足する機会をもらえました。
秋さんも細見さんのパートは重要だと指摘されていますが、わたしも重要だと思います。さらには倖田さんのパートは、第1稿から編集者との話し合いを経て付け足されたらしい。だから彼女の最後の「選択」はものすごい重要です。でも残念ながら、レビューを読んでそこがあまり伝わっていないように感じました。
例えば、レビューを読んでいっても、タゴサクの「土俵に乗っている」読者が多数いること。「タゴサクのいうこともわかるところがある」‥‥。
象徴的なのは、ここでも「トロッコ問題」を実際の犯行に絡ませて、「仕方ない」と思わせている。
詳しい論理は省きますが、「現実は変えられない」というところから思考を始めると、「誰が悪かったのか」という犯人探しだけになってしまう。心の問題と現実をごちゃごちゃにしてはいけない。「わたしも、死んで仕舞えば良いと思うことがある」と思った時点でタゴサクにコントロールされかかっている。
トロッコ問題は、そういう設問そのものを変えさせる「決意」を持たなくてはいけないんです。
もし違う!という方もしがおられたら、ここから下はネタバレありで議論しても良い。
本は今日図書館に返したから、返事は遅くなるかもしれませんが‥‥。2023/03/26 -
kumaさん、秋さん、おはようございます、
kuma0504さんも返信コメントで書かれていますが、 図書館で予約した呉勝浩さんの『爆弾』は...kumaさん、秋さん、おはようございます、
kuma0504さんも返信コメントで書かれていますが、 図書館で予約した呉勝浩さんの『爆弾』は待ちがいっぱい。取り急ぎ『おれたちの歌をうたえ』を読んでみたところ、ドツボにはまりました。すぐ『スワン』、後書きに書いていた、影響を受けたという『マンチェスター・バイ・ザ・シー』のDVDを鑑賞。呉勝浩さんはしずくより年下で男性だけど、シンパシーを感じました。
『爆弾』が手元に届くのは秋ごろかも(笑)。
熱を冷ますインターバルと思い待ちましょう!2023/07/30 -
しずくさん、こんにちは♪
「おれたちの歌をうたえ」の高校生5人組は、私にはピッタリ同世代のような気がします。高校生の頃に、太宰こそは読んでい...しずくさん、こんにちは♪
「おれたちの歌をうたえ」の高校生5人組は、私にはピッタリ同世代のような気がします。高校生の頃に、太宰こそは読んでいましたが、中原中也、永井荷風はまだ読んでなくて、それらを読み込まされていたという設定は、とても興味深いものです。随分と背伸びさせられていると言う印象がありますね。興味ひきました(^^)。2023/07/30
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これは読んでいてモゾモゾが止まらない作品ですね。
秋葉原で起きた爆発事件。爆発を予告し、どう見ても犯人としか思えないスズキタゴサク。しかし物証はなく、スズキは霊感だの催眠術だのと言うばかり。
取り調べ室で相対する警察官は、スズキの話術に嵌り、認めたくない自分の本性を炙り出されることになる。
命の重さは本当に平等なのか?仲間の命と顔も名前も知らない人の命は同じ重さなのか?そして犯罪者の命の重さは?
スズキと話していると、認めたくない自分のエゴをこれでもか!これでもか!どうだ!どうだ!とグリグリゴリゴリと抉られるような思いになる。そして、自分でも知らなかった自分の“心の形”を突きつけられるのだ。
これだけの話術、洞察力、人を引き込む力があるのならば、何か他に出来ることがあったのでは?と思ってしまう。でも、そこからまだまだ物語は予期せぬ方に進んでいくのですよね〜
とても面白かった!ものすごく心を掴まれた作品でした!文句なしの★5 -
スズキタゴサクと名乗る49歳のホームレスの男が酔っ払って酒屋の店員を殴って逮捕されます。
沼袋の野方署でタゴサクと名乗る男は十時ぴったりに秋葉原で何かある。自分には霊感があるのだと言い、爆弾が仕掛けられていることに警察は気づきます。
タゴサクは次々と刑事たちにクイズ形式で爆弾を仕掛けた場所のヒントをしきりに喋り続けます。
秋葉原に続き、東京ドームシティ、代々木と爆弾が発見されますが多数の死傷者が出ます。
タゴサクは自殺した元警察官の長谷部の起こした事件と何らかの関係があることがわかってきます。
次にタゴサクはSNSを使い自分が犯人から脅されて読んだという犯行声明文を拡散させます。今度はSNSの閲覧者数が指定された人数に達すると爆発が起こる仕掛けでした。
これは模倣犯が出たら怖いことだと思いました。
こんな恐ろしい自己顕示欲の塊のような犯人はどうして生まれたのかと思いました。
犯人になりたくてしょうがない男。
気味が悪かったです。
ミステリー部分の謎は面白く読めました。 -
遅ればせながら、読み終えました
東京炎上!?
無差別爆弾テロに戦慄するノンストップ・ミステリー
話は手に汗握る展開で、たった一日の出来事とは思えない緊張の連続
何時?!何処で?!爆発するのか?!
時限爆弾の恐怖は、その存在がないと証明されるまで続く
爆弾を仕掛けた場所は、野方署で取り締まりを受けているスズキタゴサクという男のクイズのみ、がヒントとなる
答えを引き出したい、しかし相手にのみ込まれたくない
警察とスズキタゴサクの心理戦が始まる
スズキタゴサク。。。
つぶらな瞳、整った坊主頭に10円ハゲ、ぷよぷよした腹
いえいえ決して可愛くなんかなく、侮れない中年男
霊感と記憶喪失、睡眠術を主張し、
下品な哄笑を放つ、自己顕示欲の塊である
取り締まり室で、類家刑事とスズキタゴサクとの頭脳合戦になってから緊張感が増し、話にグイグイ引き込まれていく
速い展開においていかれない様、話を理解するのにこちらも必死
この辺りからは、呉さんの真骨頂なのではないかと思われる
スズキタゴサクに自分の本性を剥き出しにされて、まさしく爆発しそうな刑事達が堪えるシーンや、この生きるか死ぬかのゴタゴタの中で、沢山の刑事や警官が仕事ではなく自分の気持ちを選ぶシーン等が、興味深かった
『爆発したって、べつによくないですか?』
このスズキタゴサクの言葉
私の中にもスズキタゴサクがいるのではないだろうか、と問うてみた
人の事なんてどうでもいいじゃん??
と、思う時がないであろうか
ちょっと刺さった、痛かった
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ハピアワさん、こんばんは(*´꒳`*)
レビュー楽しく読ませていただきました♪
スズキタゴサクが7回も。気になります!ハピアワさん、こんばんは(*´꒳`*)
レビュー楽しく読ませていただきました♪
スズキタゴサクが7回も。気になります!2023/11/13 -
2023/11/13
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2023/11/13
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鬼ヤバい★5 爆弾魔と警察の疼く戦い 爆発を防ぐ警察官たちの緊張感と毒気に満ちた頭脳戦がスゴイ #爆弾
変な中年男が警察署に微罪で連行される。彼は意味不明な言動で警察官を惑わせるが、ふと都内で爆破予告を伝える。警察官は信憑性のない情報だと一蹴するが、実際に爆破事件が発生してしまい…
ヤバい。
これは年間ミステリーランク1位のポテンシャルがある。2022年は同志少女が本命だと思ってたけど、これもありうるぞと思ったレベルの作品。
まず登場する意味不明なおっさんが怖い。
これから始まるサスペンス&ミステリー劇場の主役。このおっさんが素晴らしいんです。悪意がヒドイ。
また警察官たちも雰囲気バチバチでリアル描写抜群!
様々な性格をもった警察官たちが大活躍するのですが、まぁカッコいいし、それでいて公務員として、また一人の人間としても味がある。
サスペンス要素も高品質で、次々迫りくる爆発のタイムリミットと、それを阻止する警察の必死さったら。ワクワクドキドキがスゴくて、読む手が止まりません。そしてミステリーとしても真相があまりに衝撃的なんです。刮目してください!
あと、この作者さん初めて拝読するのですが、日本語や言葉選びが独特で、気品や芸術性を感じるんですよね。脳みそどうなってるんだろうか。
本作のとっておきの魅力は2つ。
1)爆弾魔との舌戦
これがマジすごい。
なんとなく読んでるとよくわからないような会話なんですが、狂った犯罪者と対抗する警察官の深層心理に迫った魂のやり取りが垣間見れます。お前はいったい何なんだ、愉快犯なのか、狂っているのか、それとも知略に満ちているのか… 少しずつ見てくる爆弾魔の思想や正体が超怖いです。
2)警察官ひとりひとりに宿る、正義や仕事に対する深い信条描写
爆弾魔の知的攻略を試みる交渉刑事、爆弾処理に必死に奔走する現場警察官、悪を許せない正義感や迷い、手柄と失態と勇気と犠牲…
彼らも警察である前に、気丈ながらも弱い一面を持った一人の人間であるということ。とっても心に突き刺さりました。
本作、社会派としてのテーマ性も強烈です。情報化社会のデジタルな世の中、はっきり白黒上下が分かれてしまった功罪… 本作を読んで、果たして我々はなにをすればよいのでしょうか。
とある一般女性が少しだけ希望を見せてくれています。本作においてとても重要なシーンだと思いました。
ミステリーとしてもサスペンスとしても高品質、エンターテイメント性も社会問題性も高い、名作です。読みましょうっ -
傷害事件で、中年のスズキタゴサクと名乗る男が野方署に連行された。
単なる酔っ払いと思いきや、男は取調べの最中、「自分には霊感がある、十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが予言通りに爆破される。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」
警察は爆発を止めることができるのか。
タゴサクは犯人なのか?
ちょっとこれまで読んだことが無いような小説だった。
爆破メインというより、類家という賢い警察官と、タゴサクとの心理戦。ここがかなり読ませる。
タゴサクの口調は読んでるだけでイライラしてくるが、読者の深層心理にも迫ってくる。
分厚い本だが満足感が凄い。
自分好みかと言われると、少し違うのだが、このミス第一位というのには納得の重厚感だった。
著者プロフィール
呉勝浩の作品






面白かったですよ。
面白かったですよ。
よろしくお願いします。
「爆弾」、いいですよね!
当然ご存知かと思い...
よろしくお願いします。
「爆弾」、いいですよね!
当然ご存知かと思いますが、「爆弾2」も出ていますよね。
早く読みたいです!
爆弾2楽しみですね!
爆弾2楽しみですね!