- Amazon.co.jp ・本 (162ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065274095
作品紹介・あらすじ
「二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか」
心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説。
職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。
ままならない人間関係を、食べものを通して描く傑作。
感想・レビュー・書評
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あなたは、会社員でしょうか?もし、そうだとして、そんなあなたは、今の会社の人間関係に何か思うことはないでしょうか?
会社の中にはさまざまな人たちが働いています。生きてきた環境も異なる人たちが会社という一つの場に集い、会社のために働く。そこには、当然ながら価値観のぶつかり合いが生じると思います。また、同僚のことをさまざまに見る感情も湧き上がってくると思います。では、ここでそんな声に耳をすましてみましょう。
『毎日定時で帰れて、でも、おれらと同じ額のボーナスはもらえる。出世はないけど、あのままのらりくらり定年まで働けるなら、それって一番いい。一番、最強じゃん』。
これはどこの会社にでもありそうな他人の噂話ですね。
『会議資料作りなんて誰がしたいだろう。このグラフを作るために生きたい人がいるだろうか…したくないことも誰かがしないと、しんどくても誰かがしないと、仕事はまわらない。仕事がまわらなかったら会社はつぶれる』。
こちらは使命感に燃えた方の悲壮感漂う悲鳴のような声です。
そう、会社の中では日常会話の中に、そしてそんな会話にさえ表れない個人の奥深い感情の中に同僚に対するさまざまな思いが潜んでもいる場所と言えます。会社というものは、人の嫌な面をこの世で最も目にする場所でもある、それが会社であり、会社で働くということはそれを覚悟することなのだと思います。
さて、ここに、あるオフィスの日常を描いた作品があります。二谷と押尾という二人の人物に視点を切り替えながら展開するこの作品。そんな作品に第三の人物として登場する芦川こそが影の主役として浮かび上がっていくこの作品。そしてそれは、そんな三人のオフィスでの日常を描く中に日々三食食べて生きいく人間という生き物のある意味での面倒臭さを見る物語です。
『昼休みの十分前、支店長が「そば食べたい」と言い出し』『数人を引き連れ』で出かけて行った結果、部屋には『二谷と藤さんの二人だけが』残りました。『昼にしよや』と弁当を取り出した藤さんに対し、二谷は『常備しているカップ麺にポットのお湯を注』ぎます。『おれら午後一で打ち合わせ入っててよかったな』と『にやにやしながら声をかけてくる』藤さんに、二谷は『ほんとうは行きたくないのに付き合いでしぶしぶ従ってい』ったであろう面々を思います。そんな二谷は、『一日三食カップ麺を食べて、それで健康に生きていく食の条件が揃えばいいのに』と考えます。『食事は嗜好品として』『酒や煙草みたいに、食べたい人だけが食べればいいってものに』ならないかと思う二谷。そんな時、『お茶が飲みたいらし』く立ち上がった藤さんが、芦川さんの席の前で立ち止まります。『躊躇なく芦川さんの机上に置かれていたペットボトルのお茶に手』を伸ばした藤さんは『飲みかけらしいそれをさっさと開けて飲』みました。『どうしても喉が渇いててさあ』と言い訳をする藤さんに『二谷がゆるゆると頷』きます。『芦川さんは若い女性だ』、『藤さんは中年の男性だ』と思う二谷。そして、『昼休み時間を少しオーバーして、支店長たちが戻ってき』ました。『そばめっちゃおいしかったよぉ、支店長がおごってくれたの、全員分!』と報告してきたのはパートの原田さん。『やっぱりみんなで食べるごはんが一番おいしいですよね』と後ろに芦川さんが続きます。そんな中、『まあまあ』と『誇らしげな顔で』頷く支店長。そんな時、『芦川さーん』と藤さんが声をかけ、『あのさあ、それ、その机に置いてあるお茶… ごめんねえ、勝手に一口もらっちゃった』と続けます。『きっもちわるーい』と非難する原田さんの一方で、『どうでした?』と藤さんに尋ねる芦川さんは、『爽健美茶に似てるけど、こっちの方がちょっと苦いかなー』と返す藤さんの前で、『キャップを外してお茶を一口飲み「ほんとですねえ」と返』す芦川さん。そんなやりとりのあと、『にこにこして応接スペースに向か』う藤さんを見る二谷は、『「打ち合わせ、がんばってくださいね」と、胸の前で握りこぶしを二つ作って揺らしてみせ』る芦川に顔を合わせられます。場面は変わり、『わたし芦川さんのこと苦手なんですよね』と言って二谷さんに笑われたのは押尾。『社外研修会の帰り』、『押尾さんも予定なかったら一緒に食う?』と誘われ『チェーンの居酒屋に入った』二人は、芦川さんが今日だけでなく『二月にあった研修も当日欠席した』話などで盛り上がります。『たぶん仕事の同僚じゃなかったら嫌いじゃない…普通にいい人』、でも『仕事じゃなかったら付き合いもないと思』うと言う押尾に『やっぱり仕事の同僚になる以外の出会い方は、ないわけじゃん』と返す二谷さん、それに押尾は『そうですね。嫌いになる運命なんですかねえ』と返します。そして、『二谷さん、わたしと一緒に、芦川さんにいじわるしませんか』と顔を近づける押尾は、そこに『冷たい目で笑ってい』る二谷さんを見ます。それに焦る押尾が『冗談です、と付け加えようと』したところに『いいね』と返した二谷さん。『かんぱーい』と二谷さんのビールジョッキに自分のグラスをぶつける押尾は、『もっともっと飲みましょ。めっちゃ楽しい』と言いながら二谷さんの『腕を撫でるように叩』きます。会社の同僚である二谷と押尾に交互に視点を切り替えながら、もう一人の人物である芦川という三人のオフィスでの関係性を描いていく物語が始まりました。
2022年に、第167回芥川賞を受賞したこの作品。前作が芥川賞候補作に選ばれていた高瀬隼子さんの満を持しての受賞といって良い作品だと思います。そんな作品は、”職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川と、仕事ができてがんばり屋の押尾。 ままならない微妙な人間関係を「食べること」を通して描く傑作”と内容紹介にうたわれてもいます。また、作品の表紙にはコンロ上に載せられた鍋に黄色いスープ状のものが調理されている様が描かれてもおり、この作品が”食べること”にこだわった作品であることを暗示もしています。実際、この作品には”食”の場面が多々登場します。では、まずはそんな中から、”食”を描写した表現を抜き出してみましょう。
・『箸でつまんでいるのは卵焼きで、二谷がスーパーでよく買っているつるりとした均一な黄色のものとは違って、白と黄色と茶色のまだらの、人が焼いたと分かる色をしていた』。
→ 『スマホを左手で操作しながら、弁当を食べている』という藤が食べようとする『卵焼き』をこんな風に描写します。弁当の他の描写はなく、『卵焼き』だけがこんな風に描かれますが、自分が普段食べている『卵焼き』との違いをわざわざ入れるなどして、やたらリアルに描かれているのが印象的です。
・『おでんは味がしみていておいしい。関西風だというだしは薄い黄金色のほっとする味で、レンゲで掬う一口だけでは物足りなく、皿に口を付けてごくごく飲みたくなる』。
→ 押尾が二谷と訪れた『おでん屋』での一コマです。『変わり種もいいけど定番が一番おいしいのは間違いないな、などと考えながらハンペンをつついた』と続く表現含め、なんとも良い雰囲気が出ています。『嚙みしめるとじゅわっと汁が溢れるチクワブ』という表現も登場するなど、素直に食べたい!という気持ちが湧き上がる場面でした。
・『冷蔵庫の上に積んであるカップ麺の中から「ご当地限定 こってり豚骨」を選んでお湯を注ぐ』。
→ 『仕事を終えて』家に帰った二谷は、一旦は作ろうとした『カップスープ』を捨て、『カップ麺』を手にするという場面。そんな二谷は『腹の中が冷え冷えとしていた。なるべくちゃんとしていない、体に悪いものだけが、おれを温められる』という複雑な思いを垣間見せます。
あくまで、芥川賞作家さんの描く作品内での食の描写のため、”食”を取り上げた数多の小説群に比べると、その表現は随分と控え目だと思います。ただ、その抑制的な表現である分、逆に“食べること”が印象に残る作品でもあります。一方で、芥川賞受賞作らしい美しい比喩表現も登場します。次はこちらを見てみましょう。
・『洗わないで放置した鍋の中の濁った水みたいな胸の内に、毅然が足りない、という言葉が浮かんできた時、二谷は芦川さんを尊敬するのを諦めた』。
→ 仕事の中で発生したミスとその対応の中で悶々とした二谷の『胸の内』を『洗わないで放置した鍋の中の濁った水』に比喩するという大胆な表現の登場です。『毅然が足りない』という言い方をするものなのか?わたしには初めての言葉の使い方ですが、二谷が芦川を尊敬するのを諦めるという起点を見事な一文で表現していると思います。
・『言葉が腹の中で喉に向かうわけにもいかずとぐろを巻き、飲み干したビールで洗われてそのまま溶ける』。
→ 二谷が芦川との会話の中で、『何がおかしいのか面白そうに笑』う芦川という場面で二宮の中に複雑な思いが湧き上がります。それをこんな風に表現します。さらに、『溶けてしまえば、二谷ももうそんな言葉の存在を覚えてはいない』と畳みかけていく高瀬さん。このあたり比喩表現の中に深い思いが垣間見えもします。
“食”の描写と比喩表現を見てきましたが、そんなこの作品は内容紹介に”心をざわつかせる、仕事+食べもの+恋愛小説”とも記されています。”食べもの”については上記で触れたので他の二つについてみてみたいと思います。まずは、この作品の”お仕事小説”の側面です。この作品の舞台は『おもに食品や飲料のラベルパッケージの制作会社』の支店のオフィスが舞台となっています。主な登場人物、つまり職場の同僚を整理してみましょう。
・二谷: 男、12パートで視点の主、入社七年目、一年前に東北の支店から転勤
・押尾: 女、5パートで視点の主、入社五年目
・芦川: 女、入社六年目
・藤: 男、支店長補佐、40歳以上
・支店長: 男
・原田: 女、パート歴が長い
登場人物はこの六人ですが、物語で光が当たるのは視点が移る二谷と押尾、そして視点は移動しないものの常に話題の中心にいる芦川の三人の物語に絞られます。視点の切り替えは二谷と押尾の間で合計17回行われます(いつもの如く数えてみました) が、17のパートの中での切り替えは極めて不規則です。二谷視点が多いのもポイントですが、一番大きいのは、芦川に視点が移動することがないという点です。
『なんか、わたしたちって芦川さんのことばっかりですね。ここにはいないのに、芦川さんのことばっかり話してる』。
そんな風に押尾が冷静に二谷に語る通り、視点が切り替わる二谷と押尾は、常に芦川を意識する中にオフィスでの日常を送っています。そんな中で読者が芦川という人物を知るためには二谷と押尾の目を通して知る他ありません。
『ないがしろにできなさを持つ女』
『芦川さんは無理をしない。できないことはやらないのが正しいと思っている』
そんな風に語られていく芦川は、
『彼女はここで守るべき人』
といった印象を周囲に与えていきます。『手作りのお菓子を持ってくるようにも』なって職場で一つの居場所を作っていく芦川、それに対して押尾は、
『弱いと思われたくない…人並み以上にできると思われていたい。みんなに』
という思いの中に仕事をひたむきにこなしていきます。芦川の分も働きを見せる押尾。仕事の場というものは、その人の価値観が見える場だと思います。私も一人の会社員として同僚と仕事をしていく中で、そんな側面を常に感じながら仕事をしています。芦川と押尾という二人の女性、それぞれに似たようなキャラクターを持った人は私の身近にもいます。そして、芦川タイプは守ってあげたいという思いを周囲に抱かせ、押尾タイプは努力を認められつつも芦川ほどには愛されない現実もあるように思います。
『誰でもみんな自分の働き方が正しいと思ってるんだよね…無理せず帰る人も、人一倍頑張る人も、残業しない人もたくさんする人も、自分の仕事のあり方が正解だと思ってる』
“お仕事小説”としての側面も持つこの作品は、仕事の個別具体的な内容ではなく、あくまでも仕事というものに対する考え方、仕事人としての生き方に光が当てられているのだと思いました。また、上記もした通り、要の人物とも言える芦川に視点が回ることがないためその本心を唯一見ることができません。この点がどこまでも読者に複雑な思いを残します。作りとしては上手いと思いますが、ストレスの残る作りだとも思いました。
そして、もう一つの要素としての”恋愛小説”ですが、こちらは、二谷と押尾、そして芦川の三人の三角関係的なものが描かれていく部分にあります。とは言え、”恋愛小説”という言葉にイメージされる物語というよりは、”お仕事小説”としての物語、同僚同士の中に生まれた関係性がオフィスの描写の延長線の上に描かれていくと捉える方があっているように思います。中心に”お仕事小説”の軸が走り、”食”と”恋愛”がそれを彩っていく、この作品の本質はそこにあるのではないかと思いました。
『結局我慢する人とできる人とで世界がまわっていく』。
私たちがオフィスで仕事をしていく中では、さまざまな価値観がぶつかりあっていくように思います。この作品では、『彼女はここで守るべき人』と周囲から思われる存在である芦川という人間とそんな彼女と正反対とも言える押尾という二人の女性を登場させることで、会社組織が回っていく裏側にある危うさがふっと浮かび上がる中に物語が描かれていました。さりげない”食”の描写が日常に当たり前にある”食”を逆に意識下に置いていくこの作品。ネガティヴな感情渦巻くオフィスの描写がリアルさを際立たせてもいくこの作品。
書名からイメージした作品内容とは全く違うところにあるドロドロとした描写の連続に、『おいしいごはん』を食べるとはどういうことなのだろう、と考えてもしまう、そんな作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
表紙と中身が伴わない笑
読後感はなかなかなものでしたが、こういう世の中の歪なところに目をつけたのは、とてもおもしろかった。
弱者のしわ寄せを受けたものが、本当の弱者なのかもしれない。。 ★4.2-
あんなふうに振る舞ってみたい。シットを感じたりしました。七夕の願い事「可愛げを下さい」あんなふうに振る舞ってみたい。シットを感じたりしました。七夕の願い事「可愛げを下さい」2023/08/09
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2023/08/09
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naonaonao16gさんと、こっとんさんと、たけさんの感想とコメントのやりとりを読んでいて、自分の性格の悪さを試したくなった(笑)
さて、私はどのくらい性格が悪いのだろう??(*^^*)
自分はこの中の登場人物の誰タイプなのだろう?
ワクワクしながら読み進めた。
お仕事小説だけあって、想像しやすい。そして面白い。
このずーーーーーっと不穏な感じがたまらん(笑)
読み始めてすぐ、私は芦川さんの部分あるなぁと感じた。
というのは、常に良い子で居たいというところ。誰にも嫌われたく無い。上手くやりたい。波風立てたく無い。
好かれたいのではなくて、媚びるのではなくて、嫌われると面倒なので、嫌われたく無い。そんな感じ。
具合悪いからって帰ったりしないし、汚れ仕事も進んでやるし、嫌な客の電話も全部でるし、何なら凄く遠い島で鳴っている電話も走って行って取るけども、何となく私はこの中だと芦川さんタイプで、ひょっとしたら女子に疎まれてるんだろうか??なんて思ってしまった(笑)
誰かに迷惑かけたなと思ったらお菓子買って翌日懐柔しようとするとこあるし(^^;;
手作りはしないけど(^◇^;)
私より芦川さんの方が、数段あざとい気がするけど(^◇^;)
そんな私でも、押尾さん目線でこの本を読んでしまうというか、押尾さんを応援してしまう(笑)
うんうん、そうなるよね!って(笑)
押尾さんが芦川さんを見る視線に凄く納得がいってしまうのだ。
そして、何だかわからない男、二谷さん。
私コイツ、嫌いだ。
一番わけがわからない(~_~;)
何を考えてるんだー、コイツ。
こんな薄い本なのに、モヤモヤがいっぱい詰まっていて、めちゃくちゃ面白かった(笑)
↑面白がるなって??
いや、でも面白かったよ、この本(笑)
ってことで、私も性格が悪いの決定しました( ̄∇ ̄)-
bmakiさん、おはようございます!
この小説の不穏な感じ、たまらんですよね。
さて、二谷ですが、僕もこの人が最も性格悪い気がし...bmakiさん、おはようございます!
この小説の不穏な感じ、たまらんですよね。
さて、二谷ですが、僕もこの人が最も性格悪い気がして、あまり好きではないです。
もしくは、この人、何も考えていないのかもしれません。
そして、芦川さんと二谷の空虚なカップルのその後が読みたい、と思っている僕が最も性格悪いのかもしれません笑2023/04/24 -
naonaonao16gさん
不穏は不穏でしたが、黄色よりも随分読みやすさを感じました(笑)
オフィス小説ってこともあるのか??
...naonaonao16gさん
不穏は不穏でしたが、黄色よりも随分読みやすさを感じました(笑)
オフィス小説ってこともあるのか??
かなり想像しやすかったです(笑)
あ、私芦川さんではないですか??
良かったです(笑)
あそこまでのあざとさは流石に持ち合わせてないですね(^_^;)
彼女はあざとい狙いでもないのかもしれませんが。素であざとい感じがします(^◇^;)
(笑)naonaoさん、面白いなぁ。
確かに推しの俳優が二谷さんをやったら、それは二谷さんではない二谷さんになるかもですよね??
確かに気持ちが動くのかも!?
って、私には推しの俳優が居ないんだった(笑)
2023/04/24 -
たけさん
はい!この不穏さ!病みつきにやりそうです(笑)
芦川さんより、実は二谷さんの方が性格悪い気がしますね。。。
キャラ的...たけさん
はい!この不穏さ!病みつきにやりそうです(笑)
芦川さんより、実は二谷さんの方が性格悪い気がしますね。。。
キャラ的に、何を考えてるのか謎過ぎて、ちょっと怖いです(^^;;
芦川さんと二谷さんのその後ですか!確かに!それを小説にするなら、私も絶対読みたいですね!
あの二人は結婚するんでしょうかね?それとも破局するんでしょうか?
どちらも、お互いに最初が最高!!!ってわけでもなさそうだから、案外うまくいったりするのかなぁ。。。期待がない分(笑)2023/04/24
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すごいな。
よくぞ、ここまで書いてくれた!と思います。
大いに感情移入できる自分が怖いです。そして恥ずかしいです。私のどうにもならない感情を体現してくれている物語のような気がします。
こんな黒い自分、優しくない自分、自分でも分かっているそんな自分と同じ匂い。
気に入らなければ、やっぱり離れるべきなのだと思う。なのに、気に入らなければ気に入らないだけ何故か近付いてしまう。文句を言うためだけに近付いてしまう。放っておけばいいのに、どうしてわざわざ関わるのか?
きっと自分の正義を押し付けたいからなんだと思う。
でも、別の土俵の上、別の常識の中で生きている人には全然伝わらないんですよね。
絶対的な正義はない。人それぞれに正義はある。
だからやっぱりどうしても分かり合えない人はいる。
でも、どうしても目に付いてしまう。だから攻撃してしまう。
あぁ、無限ループです‥‥
わかっちゃいるんだけどなぁ‥‥
あぁ、自己嫌悪‥‥
‥‥イヤな本、読んじゃったなぁ。-
こっとんさん
こんにちはー
わたしも感情移入したうちの一人です笑
誰に感情移入するか、にもよりますけどね…
久々に一冊まるごとざわざわし...こっとんさん
こんにちはー
わたしも感情移入したうちの一人です笑
誰に感情移入するか、にもよりますけどね…
久々に一冊まるごとざわざわした作品に触れました!辻村さんの『噛みあわない会話と~』以来です笑
イヤな本、といいつつ★5つつけちゃう気持ち、わかります笑2023/04/17
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第167回芥川賞受賞おめでとうございます。
芥川賞作品はあまり得意ではないので、読まないことが多いのですが、タイトルも気になったので購入して読みました。
職場で付き合っている、二谷と芦川さん。
そして、芦川さんと付き合っている二谷がちょっと気になる押尾さん。
二谷は芦川さんと付き合っているけれど、二谷の本当の顔を知っているのは押尾さんです。
芦川さんは手料理やお菓子作りが得意で、時々、片頭痛で早めに退社して、そのお詫びに職場にお菓子を手作りして持ってくる人。
押尾さんは仕事はできるけど、芦川さんの陰に隠れてしまっています。
押尾さんも、二谷にちょっかいをかけてみますが、関係には至りません。
私は、この物語では断然、押尾さん推しです。
芦川さんが嫌なんじゃなくて、芦川さんをちやほやする周りの人がおかしいと思いました。
私も、会社勤めをしていた20代の時、芦川さんのような雰囲気の人がいて、その人と男性社員と三角関係になりました。
男性社員の方から好意をもたれたのだし、私は決して芦川さん風の人をいじめたりは何もしていないのですが、私は中途採用で職場には友だちもなく、周りの芦川さん風の人推しの人の意向で、結局、会社は押尾さんを異勤にして退職させたように、私のことは首にしました。
男性社員は私を切り捨て、元カノとよりを戻しました。
私はその後体調を崩しました。
つまらない話ごめんなさい。
でも、この話が、今までの私の人生最悪の話です。-
2023/04/18
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まことさん
一つ前のコメントに返せなかったのですが、全然独りよがりとかはわたしは思ってないので、お気になさらないでください!
とにかく、仕...まことさん
一つ前のコメントに返せなかったのですが、全然独りよがりとかはわたしは思ってないので、お気になさらないでください!
とにかく、仕事と関係ない嫌がらせにむかつきましたが、ただ、大概の仕事上の人間関係は仕事と関係ないところでのことかもな、とも思いました。2023/04/18 -
2023/04/18
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いやーー、なんだろう、共感とも違うけど、自他共に多少そういうとこあるよね、を煮詰めた話…
感情がわかりやすく書かれていて、想像する必要も個人的にはそこまでなく、さくっと読めた。
弱いところを見せて守ってもらえるよう上手く立ち振る舞うのも、
それに振り回されている気がしてモヤモヤするだけでなく最終的に表現できて離れられているのも、
譲れないところを持ちつつもバレないように上手くやるのも、それぞれ遠目に見るなら別にいいと思う…笑
多少強かな部分を持つ人は多いだろうから、噛み合っちゃってみんなにマイナスな影響が出る時があるのはあるよなぁと。
押尾さん以外深く関わりたくはないけど、同僚くらいならそこまでもやもやしないかも。
しょうがないかと思える範囲。
自分は食べ物は美味しく食べたいけど、時間ないのに手間をかけるのは馬鹿らしいと思う時もかなりあるから、おいしいと伝えるだけで作ってもらえるならそれはとてもありがたい派。
作ってもらうのも嫌、だとなんだか、、
理解はできるけど損じゃない??とは思ってしまった。
まあ世間体を考えて結婚に踏み切れて、そんな関係でもかわいいと感じられるなら、現実にいてもなんだかんだ違う場所で幸せを見つけつつ上手くやれる人なのかな?とも思う。 -
押尾さん、素直すぎる。不器用だなぁ。
芦川さんを嫌な気持ちはめちゃくちゃわかる。なんで誰もおかしいと思わないんだろうって。だけど、それを表に出すのは絶対に損。
なぜか周りに守ってもらえる子っている。それを自分と同じように変だと思う人がいない職場なら、それに慣れるか、いなくなるのを待つしかない。周りを変えようとすると自分の立場が悪くなる。あるなぁ。難しいな。
嫌なこととどう折り合いをつけていくか。仕事って、人生って、そんな場面の繰り返しのような気がする。 -
推しの高瀬さん。
安定的におもしろい。
ー ワークライフバランスや多様な働き方は、推進すべきものとして語られる。だが仕事の総量が変わらず人手も増えない中で誰かが自分の都合を優先させれば、誰かにしわ寄せがいく。そんな現実を鋭くえぐる小説だ。(日本経済新聞2022年4月16日朝刊より)
なるほど、日経的にはそういう書評になるよね。わかりやすい。
同じ部署に配属された二人の女性の働き方(生き方)の対比が鋭い描かれていて、登場する場面もほとんどが、会社内か終業後の飲み屋だ。
がんばり屋で仕事ができる押尾(女)は、体が弱くて負荷がかかるのを避ける同僚の芦川さん(女)にイラついている。そんな押尾に要領の良い二谷(男)は同意しつつも、かわいらしい芦川さんと付き合ってしまう。
タチの悪い三角関係で、めちゃくちゃおもしろいシチュエーションだなぁ、と。
で、繁忙期になり、芦川さんが日頃残業できないことのお詫びに、職場に手作りの菓子を差し入れはじめる。
すると、不穏な事件が起きる…
働き方については、
ー 誰でもみんな自分の働き方が正しいと思ってるんだよね…
という藤さんの意見がもっともだ、と思った。
で、この小説、タイトルは「おいしいごはんが食べられますように」なわけで。
「おいしいごはんの食べ方」にも多様性がある、ということこそメイン・テーマなのかな、と思いました。
唐突なまとめですが(笑)
ところで、これから結婚する女性に「わたし、毎日、おいしいごはん作りますね」とまっすぐ見つめられる時、何割くらいの男性が心から「しあわせだ!」と思うのだろう?
昔は「年貢の納め時」なんて言葉もありましたが…
えっ、ぼく?
僕は当然、心から幸せだと思いましたよ!-
たけさん
たけさんの「将来ずっとおいしいごはんを食べさせてもらえるのか」から着想を得ました笑
どこかで、職場でされた嫌がらせの仕返しをする...たけさん
たけさんの「将来ずっとおいしいごはんを食べさせてもらえるのか」から着想を得ました笑
どこかで、職場でされた嫌がらせの仕返しをするのかな、って。2023/04/19 -
naonaoさん
芦川さんって二谷の嫌がらせを知ってるんでしたっけ?知らないで結婚するのかな、と思ってました。
もう一度(今度はじっくり...naonaoさん
芦川さんって二谷の嫌がらせを知ってるんでしたっけ?知らないで結婚するのかな、と思ってました。
もう一度(今度はじっくり)読み返してみよっと。2023/04/19 -
2023/04/19
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うーむ なんだか読後感が、、、
職場でそこそこうまくやっている二谷と、皆が守りたくなる存在で料理上手な芦川さんと、仕事ができてがんばり屋の押尾さん。
二谷と芦川さんはお互いはうわべだけでわかり合えていないのに秘密で?付き合っていて、二谷と押尾さんはお互いをよくわかり合っていて仲良し。
この3人の仕事に対する姿勢、恋愛感情、美味しいものに対する考え方の物語。
なので、職場、飲み屋、自宅でほとんどが済む。
人間の内面を描いているんだろうけど、いやそんなにいい人はいないんだろうけど、内面をみせられて、やっぱり読後感があまり良くない。
どうなるかと面白かったので一気読みだったけれど、私にはあまり入ってこない一冊でした。 -
嫌いだわぁ、芦川さん。
読み進めていくにつれ、どんどんどんどん嫌いになっていった。
なのに、二谷さんしかり押尾さんしかり、嫌いな人のことって「芦川さんが嫌い」って話でずっと盛り上がってるから、結局芦川さんのこと好きなんじゃないの?ってなるから不思議。
わたしはたぶん押尾さんタイプで、別にごりごりの運動部だったわけじゃないから、力仕事は他の人に任せたりもするけれど、そのぶん「ああ、今日この人機嫌悪いからあんまり話しかけない方がいいな」「この人電話嫌いだからわたしが率先して電話とるべきだよな」と、そういう名もなき仕事も段取りの一つに加えたりして、周りをちょこまかと見ながら仕事をする。時々誰かが、悪意なくその段取りをぶっ壊してきたりもする。
また逆に、後輩と一緒に仕事をするとものすごい速さで電話をとってくれたりするから、そういう時は「先輩に気を遣って我先に電話出てくれてるんだろうな、なんだか気遣わせてるな」と思って恐縮したりもする。
どこの職場でも、こういった「しなくてもいい気遣い」みたいのって存在してて、なんとなくそういう力も使いながら仕事をしていて、別にそういうことはしなくてもいいのに、できる人は、それをする。
そうすると、結局できる人にしわ寄せがいって、できる人が損をする仕組みになっている。
芦川さんは、守りたくなる、というキャラクターを存分に発揮し、具合が悪くなったら早退し、そのお詫びにとお菓子をたくさん作ってくる。早退するのは全然いい、ただ、お詫びに手作りのお菓子を職場に持って配ってくるところが苦手。さらには、それが芦川さんに限って許される感じも嫌い。
わたしと同様、そういう芦川さんのことが嫌いな、仕事ができるタイプの押尾さんは、常に割を食っていて、芦川さんにいじわるをしようとする。この気持ちはわからなくもない。
二谷さんは、とにかく食事がめんどうくさくてならない。生徒にも時々いる、いつだってカロリーメイトやお菓子で食事を済ませようとするタイプ。食事に興味がないから「おいしいごはん」にも興味がない。わたしは食事以外の部分も含めてこの人が一番理解に苦しんだ。けれど、やはりそういう人に「おいしいごはん」を押し付けるのも違うし、やはり食のスタンスや好みが合わないと、誰かと食事を一緒に摂るって難しいよな、と思う。
どことなくみんなどこか病んでいる感じと、不穏な空気、常にざわざわとさせてくる感じがたまらなく好き。
そして、この作品を好きなわたしの性格は、たぶんすごく悪い。
読了後「面白い」と思った方と語りたいと思うとともに、このタイトルを最後に改めて読むと、ちょっとバカにしているような感じがするのも最高で、わたしはついにこうして芥川賞を楽しめるようになったのだ。
大人になったものだ。-
たけさん
たけさん、芦川さん製造機だったんですね爆
お菓子作りって大変ですよね~
別に振る舞うのはいいんですよ、いいんですけど…タイミン...たけさん
たけさん、芦川さん製造機だったんですね爆
お菓子作りって大変ですよね~
別に振る舞うのはいいんですよ、いいんですけど…タイミングと場所がね…
仕事を楽チンと思う人と、「芦川さんの分までやらされてる!」って感じる人のお給料が同じだとしたら、やはり納得いかないと思うわたしです。
結局感じ方なんでしょうね…
たけさんはやっぱり優しい!!2023/04/19 -
naonaoさん
まあ、芦川さんは狡いですよね。
それは前提です。
芦川さん製造機にならないよう、以後言動に気をつけたいと思います!naonaoさん
まあ、芦川さんは狡いですよね。
それは前提です。
芦川さん製造機にならないよう、以後言動に気をつけたいと思います!2023/04/19 -
たけさん
芦川さん製造機、いいと思いますよ!
そのままのたけさんでいてほしいです!
ただ、製造された芦川さんを愛せるかは謎です笑
(酔っ...たけさん
芦川さん製造機、いいと思いますよ!
そのままのたけさんでいてほしいです!
ただ、製造された芦川さんを愛せるかは謎です笑
(酔っ払い中)2023/04/19
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