- 本 ・マンガ (512ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065274347
作品紹介・あらすじ
100mだけ誰よりも速ければ、どんな問題も解決する── ◇『チ。-地球の運動について-』の魚豊、“全力疾走”の連載デビュー作!! 「100m走」に魅せられた人間たちの、狂気と情熱の青春譚!!
少年トガシは生まれつき足が速かった。だから、100m走では全国1位だった。「友達」も「居場所」もすべて“それ”で手に入れた。しかし小6の夏、トガシは生まれて初めて敗北の恐怖を知った。そして同時に味わった、本気の高揚と昂奮を──。100全力疾走。時間にすれば数十秒。だがそこには、人生すべてを懸けるだけの、“熱”があった。
感想・レビュー・書評
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21冊目『ひゃくえむ。新装版 上』(魚豊 著、2022年3月、講談社)
『チ。-地球の運動について-』で大ヒット作家となった魚豊先生の連載デビュー作。陸上競技の100m走に命を懸ける少年たちの物語である。
週刊少年マガジン新人漫画賞で特別奨励賞を受賞した短編『100m』も同時収録されている。
松本大洋のスポーツ漫画を思わせる狂気的な勝負の世界と、福本伸行の作品を思わせる熱いセリフが融合し、異常なまでの熱量を帯びている。
しかし、物語の展開には少々鈍重な印象を受ける。
「もちろん真剣で」
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仕事上の必要があり、新装版(上下巻)で読んだ。
『チ。-地球の運動について-』でブレイクした魚豊 (うおと)の連載デビュー作だ。
100メートル走に憑かれた者たちの群像劇を、小学生時代からの宿命のライバル2人を中心に描いている。
……と、骨子だけを取り出すとまるで王道少年マンガのようだが、読んでみれば、この初期作品のころからすでに、魚豊のマンガはすこぶる独創的である。
「こんなスポーツマンガを初めて読んだ」――そう思わせるほどだ。
『ジャンプ』的な「友情・努力・勝利」の物語とは異なり(当作の連載誌は『マガジンポケット』だが)、勝利を目指す中にある絶望や狂気までも描く。
また、さまざまな努力の姿も描かれるが、努力の中にある虚しさまでも描く。
走っている間の繊細な心理描写など、内面描写にかなりウエートが置かれているのも特徴である。 -
目の前のことに「熱」を持ちたくなる。
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夢中になって一気に読める漫画
チ。も素晴らしいけれども、よりストレートな情熱が感じられますね -
私は、『チ。-地球の運動について-』を読んで、
名言の数々に感動して、同じ作者の一作目ということで気になり、『ひゃくえむ。』を読んでみることにしました。
まだ上巻だけを読み終えた段階ですが、
『チ。-地球の運動について-』で最初に登場するラファウと、
本作で最初に登場するトガシの顔つきが
似ていると感じました。
セリフに独特なルビが振られていることが多いのも、似ていると感じたと共に、
作者の魚豊さんの表現の深さを味わえる作品だと感じました。
もともとスポーツ漫画は読まないほうなのですが、
これほどシンプルなスポーツ漫画が他にあるのでしょうか。
挫折と栄光、そして絶望と屈折の日々。
特別なことは描かれていないけれども、誰にでも一回や二回は身に覚えのある経験を
「100メートル陸上」という生きかたを通して丁寧になぞってくれています。
余分な描写が一切なく、ストレートに描かれている清々しさも
『チ。-地球の運動について-』
と同じ作者なんだな、と改めて感じさせられるポイントでした。
誰もが経験したことのあるような、
息を呑む瞬間や葛藤、自分との闘い。
それらを丹念に描いた作品だと感じます。
下巻が楽しみです。 -
感想はゲに。
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陸上に住む魔物と戦うはなし
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圧倒的なマンガ。唯一無二とは何か?自分とは何か?どういう人間か?才能とは?を考えさせられた。自分の職業的にも共感できる部分はあって、読むのしんどくなるところもあった。
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内容が走りきってる。
Amazonなどで冒頭部分を読んで気になったら、ぜひ読み切ってほしい。
決して絵が上手いタイプの作品じゃない、昨今話題になるようなタイプの話でもない。けど爆発的な芯というか、信念というか、作者の強いメッセージが全体から感じられてハラハラしてしまった。読めてよかった。 -
胸が熱くなるのはなぜでしょう?
努力がムダになるようであれば、私はいなくなります。
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