- Amazon.co.jp ・マンガ (232ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065281987
作品紹介・あらすじ
民族大戦の休戦から95年。大陸は一つの転機を迎えていた。
各自治区を統治した英雄たちは次々と退き、新たな長が生まれ、
かつてパレナ議定書に誓いを立てた英雄は中央としょかんの長ただ一人となっていた。
そんな中央としょかん二代目総代の候補となったシオと同期のテイ。
彼女は自身が持つ強大なマナのせいで人と距離を置いていたが、
シオが手を差し伸べたことで徐々に心を開いていく。
一方シオへの敵意をむき出しにしたメディナは、ますます孤立を深めていた。
感想・レビュー・書評
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さながら熱血学園ドラマの様な展開を見せつつ、なんかちょっとラブコメ的な香りも醸しつつの、もちろん王道ファンタジーも抜かり無く見せつけてくれつつの、ミステリアスな伏線をビシビシ張っていく、控え目に言って面白過ぎる漫画。
多民族・多宗教の人々が暮らす世界観の作り込みが尋常でない。
シオの言葉「何かを信じて頼るって すごく大切なことなんじゃないかって僕は思うんだ」「何かに少し寄りかかることで力強く立てるなら 信仰という”習慣”が力を与えてくれるんだと思う」(p72)が実に分かり易くて、近頃何かと話題の’信教の自由’についても理解する一助になるのではないだろうか。
また学園パートに於いても、超絶進学校に親のコネで入学してしまった中の上くらいの成績の人のコンプレックス・ストレス・フィーリングが物凄く切実かつリアルに描かれる。「私をあしらわないでくれ」(p116、p117)と色々な感情がせめぎ合う、見開きコマでのメディナの表情は何とも言えない。と、この心の叫びに応えるようにp133、p134でシオは真っ正面から彼女と目と目を合わせて叱り飛ばすのだがこれがまた爽快。そしてシオ・オウガ・メディナのへっぽこ3人組がハイタッチするシーンはもう最高。
オウガちゃんが相も変わらずかわいい。「わからんのポーズ」(P91)とかずるいくらいかわいい。このままシオとのフラグが成立するのかな?けどシオ、村に可愛い幼馴染がいなかったっけか。
そしてソフィさんの謎。なんちゅう所で終わるのよ。
続き読みて〜!
1刷
2022.11.18詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
「差別する側」の内心の自由の是非と、それを多様性に含めてしまっていいのか問題。
まだ現実でスッキリ解決する道筋が分かってない以上フィクションでも魔法のように解決するわけがないんだけど、そんな中でのシオの行動がすごく等身大でシオらしくて好感が持てた。 -
ここ最近ずっと発売日が待ち遠しかった!
読めることそのものがうれしくて楽しい、幸せな気持ち。
物語が少しずつ進んでいく。
シオの日常、毎日が不定形、ぶつかり言葉を交わし、考え、伝え、影響しあっていく。生きているってすごいなんてことを自然に思う。
嵐の前の静けさのような、楽しい日々なのにピリピリとした緊張感。危ういけど、どんどん読みたくなる。
続きもほんとうに楽しみです!
巻末の「同じ部屋の二人Ⅰ」ににやっと笑 -
本と魔法のファンタジー漫画。一言で言えばその通りなのだが、本作は純粋なエンターテインメイトであると同時に、広い射程で「議論」を誘発する可能性を秘めている。現実の問題をデフォルメしつつ、妥協点を探る理性的なこの物語の続きがいまは楽しみでならない。
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課題の話は震えた。
それがその問題を解決する、完璧な答えではないけど、1つの答えではあると思う。 -
今回は、自分の心にも刺さるものがあった。