希望の糸 (講談社文庫)

著者 :
  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (400ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065286180

作品紹介・あらすじ

東野圭吾の「家族」の物語。待望の文庫化!

「死んだ人のことなんか知らない。
あたしは、誰かの代わりに生まれてきたんじゃない」
ある殺人事件で絡み合う、容疑者そして若き刑事の苦悩。
どうしたら、本当の家族になれるのだろうか。

閑静な住宅街で小さな喫茶店を営む女性が殺された。
捜査線上に浮上した常連客だったひとりの男性。
災害で二人の子供を失った彼は、深い悩みを抱えていた。
容疑者たちの複雑な運命に、若き刑事が挑む。

感想・レビュー・書評

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  • 加賀恭一郎シリーズ
    やっぱりいいな、このシリーズ(≧ε≦*)
    このどうしようもない切ない感覚が忘れなくなり、また味わいたくて戻って来ちゃう
    嫁が旦那の胃袋ガッツリ掴んで、他の女性に目移りしてもまた戻ってくる!みたいな?笑


    テーマは「出生の秘密」「巡り合い」「家族の絆」かな

    カフェを営んでいる女が殺された
    恭さんの従兄弟の松宮脩平達が捜査に当たるが、そこから他人の出生の秘密に絡んだ話しに繋がって行く
    そしてその事件と並行して、松宮脩平自身の出世の秘密も明かされる展開に

    その時の恭さんの言葉

    __刑事というのは、真相を解明すればいいというものではない
    本人達によって引き出されるべき真相というものもある
    大事なことは、自分の判断に責任を持つ覚悟があるかどうかだ__

    く〜っ、今回は出番が少なかったけれど大事な場面で締めてくれるなあ


    このシリーズ読んでいると、自分の人生を振り返ることが多い
    ブラッシュアップライフ出来たらなあと思う時も
    忘れていた事を思い出したり、若かったなあと恥じることも
    読書していなかったら、ゆっくり考える事もなかったかもしれない

    • yyさん
      ハッピーアワーさん
      ハッピーアワーさん
      2024/02/17
    • yyさん
      そうなの、そうなの。
      「刑事というのは、真相を解明すればいいというものではない。
      本人達によって引き出されるべき真相というものもある」
      ...
      そうなの、そうなの。
      「刑事というのは、真相を解明すればいいというものではない。
      本人達によって引き出されるべき真相というものもある」
      これ、これ!♡♥♡
      もうね、加賀さんの魅力はこの言葉に凝縮されますよね。
      この作品では出番が少ないけど、存在感は半端ない!!

      そして、ハッピーさんの胃袋をつかむ嫁の話 (笑)(笑)
      わかるぅ

      (パソコン入力をしているのだけど、今日はご機嫌斜め。
      中途半端なコメント、送っちゃっみたい。
      すみませんでした)
      2024/02/17
    • ハッピーアワーをキメたK村さん
      yyさん

      それ、それ !♡♥ ♡笑
      このシリーズ、この言葉の気持ちがあるから味わい深いんだよねー
      うん、うん…
      まだ読んでいない作品も読ん...
      yyさん

      それ、それ !♡♥ ♡笑
      このシリーズ、この言葉の気持ちがあるから味わい深いんだよねー
      うん、うん…
      まだ読んでいない作品も読んじゃうからね!

      今日は大腸検査から一週間経ったの
      ワタシ、羽ばたくわッ⸜(๑⃙⃘'ᵕ'๑⃙⃘)⸝⋆*

      パソコン入力の事はお気になさらず〜
      2024/02/17
  • 加賀恭一郎シリーズの11作品目。
    今回は加賀よりも従兄弟である松宮が主軸となっている。ある殺人事件と平行して、松宮の出生の秘密等が明かされていく物語。

    こういうストーリーを描ける作者に感服。凄い力量だと。
    「赤い指」もそうだったが事件の核心と主役の過去が内容的にリンクしつつ、同時進行しながら進んでいく。複雑で濃厚。
    全て同色で描かれているのに個々が際立っている絵画みたいだと感じた。

    しかも今回出てくる登場人物は人間として好人物ばかり。皆に共感できてしまう。
    本当に受動的で運命的な事が、ほんの少しの決意と判断と覚悟の違いの中でおきてしまった事柄ばかり。本人には防ぎようもない。
    その些細な部分での解釈の取り違えで、幾様にもその先の意図とは違う微妙な誤解が生まれてしまう。「誤解」その言葉はとても悲しくて辛いものだと感じた。

    汐見親娘には希望の糸がしっかりと見え、父娘が新な目線で新な気持ちで新なスタートがきれるのではと感じる。強い娘になってほしいと素直に感じている。

    最新作「あなたが誰かを殺した」
    下準備もしっかりと整い、以前より最新作に向かう気持ちも上回っている。

    • はねさん
      NSFMさん、東野圭吾さんの作品読むとこの人凄いよなーって感じますよね(すみません、語彙力ないもんで)。
      私も赤い指好きです。

      この加賀恭...
      NSFMさん、東野圭吾さんの作品読むとこの人凄いよなーって感じますよね(すみません、語彙力ないもんで)。
      私も赤い指好きです。

      この加賀恭一郎シリーズってどれも悲しくて冷たくて複雑な内容が多いのですが、最後は何故は納得できないって事がないんですよね。
      悲しいし、泣けるし、だけど心の奥の方が熱くなるって私は思ってます!

      次回作も楽しみで私も準備万端です(*ˊ˘ˋ*)
      2024/03/05
    • NSFMさん
      「赤い指」~「祈りの幕が下りる時」迄が一つの物語に感じますね。
      このシリーズ物は時間進行しながら情を重ねていく感じが面白かったですし、これか...
      「赤い指」~「祈りの幕が下りる時」迄が一つの物語に感じますね。
      このシリーズ物は時間進行しながら情を重ねていく感じが面白かったですし、これからも東野さんのこういった作品を読んでいきたいです。
      2024/03/06
  • 語りたいけど、語れないこと、語らないこと。それが、それぞれの行為に深く影響を与えていく。繋がりのある関係だからこそ、分かり合えるはずなのに。躊躇わず、思いを伝えたい、それが今したいこと。

  • 加賀シリーズ 11作品目


    こちらも4年前くらいに読んだようですが
    ほとんど忘れていて再読です

    2回目もとても面白かったー!!



    今回は加賀ではなく
    松宮にクローズアップされ
    松宮の父親のことと
    カフェの店主の殺人事件とか
    並行して進んでいきます


    今回のテーマは
    家族の絆でしょう

    いろんな形の家族があり
    複雑に絡み合っています
    それぞれの気持ちを想うと、、、

    少し違えば悲劇は起きなかったのではと
    思わずにはいられません


    家族の絆とは、血の繋がりとは、
    ということを訴えかけられる内容でした




    捜査一課に戻った加賀は
    自分で捜査する側から指示を出す側へと回っていました。的確なアドバイスがかっこいい!!


    新人だった松宮も頼もしい刑事になっており
    ところどころで成長が伺えます


    加賀のいいところを十分吸収した素敵な刑事になっていますᕦ(ò_óˇ)ᕤ
    なんだか微笑ましく見てしまう私。笑


    そして松宮のお母さん素敵でした(*´∀`*)




    加賀シリーズらしいもの悲しさはありつつ
    ちょっと前向きな読了感


    前読んだ時のレビューを見ると
    絶対シリーズを追っかけてから読んだ今の方が
    面白みが深い!と感じます

    長いけど、赤い指からでいいので
    順に読んで欲しいな(*´ω`*)



    私もやっとここまで読めましたー

    読んで思うことは
    加賀シリーズ、深い!!面白い!!
    もう加賀恭一郎の大ファンです!!
    会いたい!!


    とりあえずこのシリーズは一旦休憩
    (あなたが誰かを殺したは最近読んだので)


    お疲れ自分╰(*´︶`*)╯♡
    また新作を楽しみにしてます♪


    • yyさん
      どんぐりさん♪
      私も2回目を読んだばかり。
      いっしょですね☆彡
      嬉しいな。

      加賀恭一郎シリーズは何回読んでもグッときますよね。
      ...
      どんぐりさん♪
      私も2回目を読んだばかり。
      いっしょですね☆彡
      嬉しいな。

      加賀恭一郎シリーズは何回読んでもグッときますよね。
      積読本がさっぱりしたら、
      今度は『新参者』の再読もいいなって思っています。
      日本橋、人形町の人情あふれる物語♡
      阿部寛さんと溝端淳平くんの映像も好き。
      再放送、またはリメイクしないかなぁ。
      2024/06/17
    • どんぐりさん
      yyさん おはようございます♪

      レビュー見て思いました!!
      同じタイミングでこっそり喜んでました╰(*´︶`*)╯


      前も言ったかもしれ...
      yyさん おはようございます♪

      レビュー見て思いました!!
      同じタイミングでこっそり喜んでました╰(*´︶`*)╯


      前も言ったかもしれないですけど
      yyさんの加賀シリーズのレビューは
      熱くて好きですψ(`∇´)ψ


      加賀シリーズ読んだらyyさんやK村さんのレビュー読んで共感して浸るまでがセットでした(*´ω`*)


      クスノキも今予約6人待ちなので
      こちらも近いなって思ってました♪
      田舎なんでもうちょっと借りれるまで
      時間かかりそうですけど笑
      もうちょっとで読めるのが楽しみなのです!
      (田舎なのでまだちょっと時間かかるかも)
      2024/06/18
    • yyさん
      どんぐりさん、読後のセットメニューに入れてくださってありがとう
      どんぐりさん、読後のセットメニューに入れてくださってありがとう
      2024/06/18
  • 泣けた!
    家族、親子の物語。これはツボに入ってしまいました。
    加賀恭一郎シリーズは、やはりお気に入りです。ガリレオシリーズより好き!
    これがシリーズ11作目とのこと。
    しかし、本作では加賀恭一郎はどちらかというと脇役、ストーリの担い手は松宮でした。

    ストーリとしては、
    小さな喫茶店を営む弥生が殺され、加賀と松宮が捜査しますが、弥生は恨まれるようなことは全くない、とても良い人。
    ようやく浮かんできた怪しい男が二人。
    弥生の元夫の綿貫。さらに交際が噂された常連客の汐見。
    何年も交流がなかったにもかかわらず、殺される前に面会していた綿貫
    妻を亡くし、娘との関係に悩んでいた汐見
    どちらも、何かを隠している...

    弥生を殺したのは誰なのか?
    その事件の真相は?

    という展開なのですが、これを縦糸とすると、一方で、松宮の出生を巡るもう一つの物語が語られます。
    ある意味、これは横糸

    この二つの糸が家族愛、親子関係を浮き彫りにしていく構成です。

    途中で犯人は明らかになりますが、そこに隠されていた動機、真相が心打ちます。ラストに語られる事件の真相、さらには、松宮の出生の秘密。
    ある意味暖かさを感じました。

    そして、一番、琴線に触れたのが、汐見と娘との会話。
    娘をもつ父親としては、ぐっときてしまった!

    とってもお勧めです。
    きっと映像化されるのだろうと思います。
    期待して待ちたいと思います。

  • 希望の糸とは親子の絆、これがあれば人は希望を持って生きていられる。その希望が失いそうになると人は相手を殺してまで守ろうとすることになる。とても読みやすかった

  • 新年度が始まってひと月半。寝落ちを繰り返しながらようやく読了。そういえば、なぜ働いていると本が読めなくなるのか、という新書が平積みになっていた。理由は繁忙度だけではないということだろうか。気になる。

    女性の刺殺事件。周囲からの悪評は皆無。彼女が生前に何かを心待ちにしている様子と犯人の思い込みによる誤解。どちらも切ない。無縁に見える登場人物の関係が徐々に明らかになる展開は、『新参者』を思い起こさせる。

    事件とシンクロして、加賀の従弟・松宮は自らの出生の秘密とも向き合うことに。加賀は、松宮が抱える、事件の真相究明にまつわる葛藤を察しながら、後押しする。物語の佳境で放った「おまえ、いい刑事になったな」の一言の威力たるや。

  • いやー、ひっさしぶりに東野圭吾さん読んだら、面白かったー!!1.2.3.…と話の段落?が変わる毎に最後の一行の文章がうまいから次も読みたくさせる感じ。
    これは一気に読んでいれば★5かな。
    何日かに分けて読んだから、相関図理解にその都度時間要してしまい。
    10年前くらいは、たくさん読んでたが引越しと共に売ってしまい、、1番好きなのは流星の絆♡
    再燃してしまった為、東野圭吾さん2冊さらに購入までしてしまいましたよー。

    やはり、ミステリーは面白い!
    けども、レビュー書くのが難しい。少し書くだけで私のスキルだとネタバレになりそうで(^◇^;)

    サッカー応援しながら♪

  • 4年ぶりの再読です。珍しく内容をきちんと覚えていた作品ですが、感動の大きさに変わりなしでした。今回のレビューは長くなりそう…。

    加賀恭一郎シリーズは「祈りの幕が下りる時」で終了したかに思えました。日本橋署所轄刑事であることの目的を果たし、加賀は捜査一課に”復帰“して三年です。今作では脇役として再登場の加賀刑事。今回の主役は、加賀の従弟・松宮修平刑事。シリーズで加賀とバディを組んでいた相手で、同じく捜査一課勤務。二人が言葉を交わす場面も多々あり、ワクワクです。

    松宮刑事が担当するのは、カフェ『弥生茶屋』の経営者・花塚弥生が殺害された事件。解明の鍵となる聞き取りに、一瞬だけ加賀が関わります。この事件は、ある事故の隠ぺいによって引き起こされたことが判明するのですが、悪人は出てきません。それぞれが相手を思いやり、最善の道と判断した行動の結果が事件へと繋がっていくのです。事件解明を軸に語られる様々な家族のあり方が、犯人探しの域を超えたヒューマンストーリ―に。ここが、この作品の最大の魅力だと思います。

    捜査の途中、真実を追求したい松宮に迷いが生じます。他人の秘密を暴くことが正義なのだろうかと。そんな松宮に加賀が声をかけます。「真相は取調室で暴かれるものではない。本人たちによって引き出されるべき真実というものもある。その見極めに頭を悩ませるのが、いい刑事だ」これは、恭一郎シリーズで貫かれていた加賀の姿勢でした。ブレないところ、素敵です。

    一方で、事件捜査に奔走する松宮に、彼自身の個人的な事案が発生します。こちらは事件ではなく、完全にプライベートな問題として並行して進みます。加賀の父親と松宮の母親は兄と妹。つまり、松宮と加賀は血の繋がった従兄弟。加賀も関心を寄せ、戸惑う松宮の背中を押します。これまでの恭一郎シリーズで、加賀が家族とどのように向き合ってきたのかを知っていると、とても興味深いところです。

    この作品では、誕生するはずではなかった、あるいは出産を躊躇われた二つの命について語られます。殺害された花塚弥生は、妊婦さんにこんな風に声をかけていました。「もうすぐ素晴らしい巡り会いがありますね」赤ちゃんにとってお母さんとの対面は、人生における最初の巡り会いだと。そして、ある男性が会うことのできない子を思って言った言葉。「会えなくても大切な人間と見えない糸で繋がっていると思えたら、それだけで幸せだ。その糸がどんなに長くても希望を持てる。死ぬまでその糸は離さない」この作品のタイトルはここにあるのですね。

    最後に、思わず吹き出してしまった箇所について。加賀についての描写です。『目の前に長身の男性が立っていた。彫りが深く、精悍な顔つきをしている。肩幅も広い』これって、阿部寛さんそのものじゃない! 東野氏、読者の心をつかむのが上手いなぁ。再読して分かったことは、事件追求以外の細かいところに注意がいくことの楽しさでした。数年経ったらまた読みたい、そんな作品です。

    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      あ〜、他の方にも書いたのですが‥、
      熱いレビューを書いた割には、他の方に響かなかったら
      どうしよう、と心配する小心者です(笑)

      わたし、失...
      あ〜、他の方にも書いたのですが‥、
      熱いレビューを書いた割には、他の方に響かなかったら
      どうしよう、と心配する小心者です(笑)

      わたし、失敗しないので! と言えればいいのですが‥
      でもまあ、人それぞれだよねと割り切ってます。
      みんなちがって みんないい ٩( ᐛ )و

      でも、『火怨』は泣きました( ; ; )
      2024/06/07
    • yyさん
      (笑)(笑)(笑)
      お気持ち、分かります。
      そして、期待しすぎて読むと、あれれ?ということもありますよね。
      好みは人それぞれですし、
      ...
      (笑)(笑)(笑)
      お気持ち、分かります。
      そして、期待しすぎて読むと、あれれ?ということもありますよね。
      好みは人それぞれですし、
      同じ人間でも、読むときが違うと刺さる場所が違いますから。

      では、大きな期待はしないで、ほんのちょっとだけ期待しておきますね♪
      2024/06/07
    • NO Book & Coffee  NO LIFEさん
      あははは の〜んびり待ってまぁーす(^^)v
      あははは の〜んびり待ってまぁーす(^^)v
      2024/06/07
  • それぞれがそれぞれ強くありたい。堅苦しくない日常に迫力がありました。

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著者プロフィール

1958年、大阪府生まれ。大阪府立大学電気工学科卒業後、生産技術エンジニアとして会社勤めの傍ら、ミステリーを執筆。1985年『放課後』(講談社文庫)で第31回江戸川乱歩賞を受賞、専業作家に。1999年『秘密』(文春文庫)で第52回日本推理作家協会賞、2006年『容疑者χの献身』(文春文庫)で第134回直木賞、第6回本格ミステリ大賞、2012年『ナミヤ雑貨店の奇蹟』(角川書店)で第7回中央公論文芸賞、2013年『夢幻花』(PHP研究所)で第26回柴田錬三郎賞、2014年『祈りの幕が下りる時』で第48回吉川英治文学賞を受賞。

東野圭吾の作品

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