此の世の果ての殺人

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 898
感想 : 30
  • Amazon.co.jp ・本 (368ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065289204

作品紹介・あらすじ

第68回江戸川乱歩賞受賞作。

史上最年少、選考委員満場一致。
「大新人時代」の超本命!

本格ミステリーの骨法もよく心得ている――綾辻行人
特A、もしくはA+、もしくはAA――月村了衛
二人の女性のバディ感が最高に楽しい――柴田よしき
極限状況で生きてゆくひとが、愛しくなる――新井素子
非日常を日常に落とし込む、その手捌きは実に秀逸である――京極夏彦

―滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望
正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー

小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める――。

感想・レビュー・書評

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  • 第68回江戸川乱歩賞受賞作。
    作者は弱冠23歳の最年少受賞だそうです。

    小惑星「テロス」の地球への衝突予測地点が日本の九州と予測されているという設定で、九州、福岡市に住む23歳の小春はそれでも自動車学校に通っています。
    小春は周りの3人の友人や父が天体異変の恐怖から自殺している中6つ年下の弟成吾と二人暮らしです。母は消えて4カ月になります。
    他の人々も次々と自殺しています。

    そんな時自動車学校の教官で、元警察官のイサガワ先生との教習中に殺人事件に遭遇します。
    殺されていたのは弁護士の日隈美枝子、そして同じ福岡で高梨祐一17歳と立浪純也17歳の殺人事件が起きていたことを知り、全員全身に刺し傷があったことから快楽殺人犯による連続殺人を疑います。
    そして、高梨、立浪はハル(小春)の弟の成吾の元同級生だったことがわかり、二人と日隈のメールの相手から、成吾がなんらかの関係があるのではと疑いを持ち始めます

    ハルとイサガワ先生、刑務所から脱走してきた暁人と弟の光、中学生の七菜子が加わり終末を迎えようとする福岡で、快楽殺人の犯人を追いかけます。


    最後の戦いは血みどろのドロドロ、ハルが最後にイサガワ先生に「どんなに腐っても人間だからです」と犯人をかばう場面は、ハルちゃん、優しすぎるよと思いました。
    地球の終末がくるからといって自殺者が大勢いる中、ハルたちのとった行動は凄いし、犯人は大バカのコンコンチキとしか思えませんでした。

    • 土瓶さん
      大バカのコンコンチキ……。
      すいません。なにか懐かしくて笑ってしまいました(^○^)
      バカにしてるわけじゃありませんよ。
      久しく聞いて...
      大バカのコンコンチキ……。
      すいません。なにか懐かしくて笑ってしまいました(^○^)
      バカにしてるわけじゃありませんよ。
      久しく聞いてなかった表現が何か愛おしくて。
      すっとこどっこいの一昨日来やがれって感じですね♪
      2022/09/13
    • まことさん
      土瓶さん♪

      もう、レビューばっかっり書いていると、表現力がだんだん枯れてきたような気がします。(^^♪
      この、犯人に対する気持ちを表...
      土瓶さん♪

      もう、レビューばっかっり書いていると、表現力がだんだん枯れてきたような気がします。(^^♪
      この、犯人に対する気持ちを表そうとしたら、こんな表現が浮かびました。
      なんか変かもしれないけど、このまま書いてやれと書きました。
      ちゃんと、読んでくださっている方がいるものですね"(-""-)"
      2022/09/14
  • 小さな思いやりと大きな勇気が世界終末までの未来を変える 世紀末冒険ミステリー #此の世の果ての殺人

    隕石が地球に迫りくる中で起こる、それぞれの人間ドラマ。

    世界終末にともなう特殊設定ミステリーは他にもありますが、SFチックではなく現実性が高いリアルな描写が素晴らしいです。しっかり調査、取材ができていて、マジであり得そうな世界観でした。

    さらに登場人物の魅力の引き出し方がお上手。

    とくに凄いのは出会いのシーン。主人公と先生、中盤で出会う男性二人組、終盤で出会う先生と仲間たちなど…すんごいうまいんですよ。場所、セリフ、人間性や価値観、プロットなどなど、めっちゃ読者に読ませてくる。世紀末で見知らぬ人と出会うんですから、結構緊張高ぶるキモなシーンだと思うので、ここをしっかり書けているところがGOODポイントですね。

    そしてミステリーとしてもいいですね。
    少しずつ操作が進み、新たな場面展開へ。最後は大迫力の犯人との対峙。
    ガチンコ本格ミステリーではありませんが、まさに大冒険ミステリーで読み応えバッチシです。

    本作、良くまとまってはいるのですが、文章量の割に人数やプロットが多いかなーとも思いました。もう少し間引くか、文章量を増やして各登場人物のプロットを膨らませる等すれば、物語にさらに厚みがでるかなと勝手な意見mm(乱歩賞で枚数規定がある為、難しいのは承知しておりますが)

    とにかくびっくりなのは作家先生は23歳。信じられないくらいの筆力で、本当にこれからが楽しみです。期待しちゃいますので、ぜひどんどん新作を書いてほしいですっ

    ■推しポイント
    あまり考えたくない世界終末モノのお話です。
    この世の終わりでなくとも、人間は生き物である以上、必ず死は訪れます。
    私は弱い人間ですから、死が差し迫ったら狼狽するだけになりそう…

    しかしどんな環境においても、自分の大切な人や価値観を見定め、自ら成長しようとする意識さえあれば、乗り越えられるのかもしれません。

    23歳の若い先生ではありますが、とっても重要なことを学ばせていただきました。良い作品ですね、ありがとうございました。

    • まことさん
      autumn522akiさん。こんばんは♪

      いつも、いいね!ありがとうございます。
      この作品、私も、先ほど読了して、レビューの下書きをしま...
      autumn522akiさん。こんばんは♪

      いつも、いいね!ありがとうございます。
      この作品、私も、先ほど読了して、レビューの下書きをしました。
      autumn522akiさんは、いつも、作品のいいところを引き出すレビューが絶妙にお上手だなあ、と思っていまして、すぐ、後にレビューを入れるのが恥ずかしいです。
      明日、レビュー、アップするつもりです。
      私はとにかく、作品を誉めるのが下手です。
      もし、読んでくださった時は、笑わないでください(*^^*)。
      2022/09/12
    • autumn522akiさん
      まことさん、こんばんわです~
      レビューお褒めいただきありがとうございます。
      ひそかにまことさんのレビューも楽しみにしてます^^

      で...
      まことさん、こんばんわです~
      レビューお褒めいただきありがとうございます。
      ひそかにまことさんのレビューも楽しみにしてます^^

      でもでもでも、まことさんの読書量のほうが凄いですよ!
      エンタメ、ミステリー、ビジネス書、話題作はもちろん抑えてるし、さすがに追いつけない><
      2022/09/13
  • 小惑星テロスが地球に衝突し(しかも日本に・・・)世界が崩壊する最期に、
    自動車教習に通うハルとその教官のイサガワ。
    え、どんな設定?!と思いつつも読み進めていくと教習車のトランクに他殺死体が。
    そこからハルとイサガワは地球最後を目前に犯人捜しを始める。
    テンポよく物語が進み、先が気になる…気になる…気になる!!!
    ほぼ一気読みの作品でした。
    イサガワ教官のキャラが強烈で、ひと際目立っていました。(いい意味でもあり…)
    もし地球が終わる、世界が崩壊するとなった時、自分はどんな行動を取るのか・・・
    その時に自分のまだ知らない感情や欲望が露呈されるのだろうか…

  • 終末もの。最期に向かって時間はどんどん進んでいく中で、誰と何をして過ごすのか。こういう時に自分の中の軸がブレずにいれる人って素敵だなと思いながら読んでました。文章はすごく丁寧だし読みやすい。かつ、ハラハラする場面も目に浮かぶように描かれている。この方の次の作品が楽しみです。

  • 特殊設定だけど、しっかりホームズ役とワトソン役が出てくるちゃんと探偵モノ。
    暁人は中国に無事行けたのだろうか。
    切なくてラストシーンでは「ヘッドライトテールライト」が頭でかかってました。

    イサガワ先生→長澤まさみさん
    ハルちゃん→上白石萌歌さん
    で是非映像化を!!

  • もうすぐ隕石が衝突する地球という終末感溢れる世界観と、そんな中で教習所職員とその生徒が殺人事件を解決するという設定が既に面白い。


    事件自体は終末でなければすぐに解決出来るような内容だが、設定を上手く活かしてあたかも難事件に挑んでる風に描いてる。

    テンポがよくミステリーにしてはスラスラ読める作品でした。

  • Amazonの紹介より
    第68回江戸川乱歩賞受賞作。
    ―滅びゆく世界に残された、彼女の歪んだ正義と私の希望
    正義の消えた街で、悪意の暴走が始まったー
    小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始める――。


    あらすじを読まずに読み始めたので、最初から不可解な要素ばかりでした。
    グイグイ質問してくる教官、山奥には無数の死体、それらを平然と対応する教官。
    いったいどんな状況なのか?あまり暗く感じさせない軽快な文章で進行していくので読みやすかったです。

    そして、後々にわかってくる状況。まもなく地球滅亡の最中に起きた殺人事件。普通なら捜査しなくても、どうせ滅亡なのに捜査しようとする教官もとい元刑事。

    そこから始まる捜査の過程が、今までにない設定の数々で楽しめました。地球滅亡なのに殺人捜査、ロードムービーのような「仲間」との出会いやサバイバルものなど。SFのような世界観なのですが、文章が日常的な雰囲気を演出させてくれるので、不思議な魅力がありましたし、いつの間にかハマっていました。

    一つの殺人事件から捜査していくうちにわかってくる似たような殺人。段々とそれが大きな事件として収束していくので、様々な伏線回収が面白かったです。あまり気にも留めていなかった会話・言葉や状況が、後に大きなキーワードとなるものもあって、ミステリーとしての面白さを体験できました。日本語としての意味合いに関心させられました。

    次第にわかってくる事件の真相。犯人も驚きでしたが、作者の考えるアイデアが、色々と練り込まれていて素晴らしかったです。受賞当時は23歳だということで、今後が楽しみです。

    殺人事件だけでなく、地球滅亡という状況の中で生きてゆく人の仲間意識、二人のバディ感も楽しめました。
    出会いと別れを経てのラストの展開は、「最後」とわかっていても、頑張って生き抜こうとする描写が、微笑ましくもあり、愛しさもありました。

    地球滅亡が嘘だということを信じたいです。

  • 終盤はドキドキハラハラの展開で、涙腺も弛みました。
    面白かった。

  •  約2ヶ月後に小惑星が地球に激突し、人類の滅亡が確定している世界。こんな世界で、何故か自動車教習を続けている教官と生徒の女性2人組主人公。生徒が語り手としてアプローチが進む。滅亡へ向かうなかでの連続殺人事件の捜査物語が軸となる。極限状況になると、非日常的ではなく、日常的に描いてるため、実際迎えるとこうなるのかなと想像できた。絶望的な終末の中で悲観的より淡々とした印象でストーリー展開やテンポがよくて読みやすかった。伏線等が徐々に回収できて読破後も気持ちよかった。

  • #此の世の果ての殺人
    #読了
    史上最年少受賞!とても面白かったです!

    探偵&助手は自動車教習官と生徒?!
    小惑星が落ちてくる荒れ果てた日本でのストーリー。
    終末のフールを読んだ直後でしたので、アナザーストーリーかと思って読めました。
    『楽しんでください!』のサイン、とても可愛い

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著者プロフィール

1998年福岡県生まれ。九州大学文学部卒。2022年第68回江戸川乱歩賞を本作で受賞しデビュー。

「2022年 『此の世の果ての殺人』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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