数学の女王

著者 :
  • 講談社
4.25
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本棚登録 : 82
感想 : 4
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065289532

作品紹介・あらすじ

かっこいいのに等身大、警察小説の新ヒロインふたたび。
第67回江戸川乱歩賞受賞作『北緯43度のコールドケース』のシリーズ2作目!

博士号を持つ異色の警察官・沢村依理子は、中南署から本部の警務部に異動となる。
とある出来事で監察官室に目をつけられている沢村は、これは報復人事ではないかと疑う。
そんな中、新札幌に新設されたばかりの北日本科学大学で爆破事件が発生。
これを機に沢村は突然捜査一課に異動となるが、ただし警務部付ーー果たしてこの人事の意味は何なのか。

一方、爆破事件はいつまで経っても進展がない。まさか北海道でテロ事件が起こったのか。
公安との駆け引きの中で進めていく捜査、しかも沢村は突然班長を任されることに。
新天地でまだぎこちない沢村は、新参者の班長に対して心中複雑な班員たちをどうまとめていくのか。
そしてなかなか実態がつかめない爆破事件の犯人は、いったいどんな人物で、どんな目的があったのか。
事件の謎を解く鍵は「数学」「研究者」「ジェンダーバイアス」そして「名声への飽くなき執着」ーー。

女性研究者として博士課程まで進み、アカハラによって恋人を亡くすという経験をした沢村だからこそたどり着ける真相が、そこにはあった。

感想・レビュー・書評

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  • 『北緯43度のコールドケース』で乱歩賞を受賞しデビューされた伏尾さんの2作目。前作と同じく北海道を舞台にし、博士号を持つ警察官・沢村依理子を主人公とした警察小説だ。
    正直なところ前作はあまり記憶がなくて、沢村を取り巻くメンバーもよくわからなかった。あまり好意的なレビューも上げていなかった。ところが本作はどうだ。大学で起きた爆弾騒動を沢村が班長となって捜査する。基本的にはこの大きな流れから逸れることはない。多少横道に逸れることがあっても物語の邪魔にはならない。文章のうまさは前作でも感じたが、ストーリーテリングは大きく進化していると唸った。
    キャラクターの書き分けも巧みで、ステレオタイプだなあと思わせながら実はさらに裏があるという深さ。デビュー2作目とは思えない余裕すら感じてしまった。
    難を言えばタイトルだろうか。詳しくは書けないがあまりにも大きなヒントとなっている気がする。

    刊行日 2023/01/23、NetGalleyにて読了。

  • デビュー作に続くニューヒロイン沢村依理子のふたたびの登場「数学の女王」読む前はこれってファンタジー物なのかと思ってしまったがいやしかし読んでこの題名の深い意味がわかりました。意外や意外爆弾がで出てくるミステリー複雑な心理戦も出てくる傑作です。そして想像だにしなかった意外な犯人あなたぜひ読んで興奮して下さい。

  • 博士号を持つエリートなのにノンキャリ刑事という異色の警察官沢村依理子シリーズ第二弾。
    大学構内で起こった爆弾事件、狙われたのは学長。この事件の捜査のため捜査一課に突然異動になり、しかも班長に任命された沢村と、彼女の下で動くことになった部下たちの交錯する思いを横軸に、大学創設時の学長任命に関する不可解な動きを縦軸に物語が進む。この絡み具合が絶妙。
    誰が何のために起こした爆発事件なのか。「数学」という学問の「研究者」たちの思考を想像していく沢村の、彼女でさえ躓くジェンダーというバイアス。それでも壁を崩すほころびを見つけたのはやはり沢村が沢村であったからこそ。このシリーズ、沢村の成長小説としても楽しみすぎる。

  • どの登場人物にも共感してしまう。

    人の特性をデフォルメして分割すると、こうなるのか。そしてその一番混沌目を逸らしたいところをこの犯人が背負ってるんだ……その、どうしようもない狂気の果てにさえ、共感してしまった。
    充分なものを持っているのに、報われなさにばかり目がいき、過去にしか自分の存在意義を求められない愚かさ。それを否定できない。その愚かさに、何度も自分自身も囚われそうになったことがあるからだ。
    人の中に巣食う理屈の通じない愚かさと、逆境の中にあって腐りそうでもギリギリのラインで前を向いて進む折れなさとの対比が、とても魅力的だった。

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著者プロフィール

1967年北海道生まれ。『北緯43度のコールドケース』で第67回江戸川乱歩賞受賞。

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