雨にシュクラン

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  • 講談社 (2023年4月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784065292839

作品紹介・あらすじ

2019年度の中学入試で最多出題作となった『リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞を受賞、『ハジメテヒラク』で第54回日本児童文学者協会新人賞を受賞したこまつあやこ氏、待望の4作目。

私、本当に影山高校の書道部員になれたんだ。
「いってきまーす。花音も遅刻しちゃだめよー。」
そうして、桜の花びらの残る通学路に踏み出した。七月にはその道を歩かなくなるなんて、思ってもみなかった。

プロローグ 
1 ナイチンゲールの休息 
2 私だけの時間割り 
3 ミックスジュースな玄関 
4 十五周年キャンペーン 
5 クッキーとスカーフ  
6 もう一人のお客さん  
7 テイクアウトの宝もの  
8 ハチミツ入り紅茶   
9 卒業証書       
エピローグ    

みんなの感想まとめ

多様な価値観や文化が交錯する中で、真歩の成長と新たな挑戦が描かれています。憧れの書道部を辞めざるを得なかった真歩は、高卒検定を目指し独学の道を選ぶことに。孤独感を抱えながらも、図書館でのボランティアを...

感想・レビュー・書評

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  • やっとの思いで受かった憧れの書道部がある高校を、父の病気療養のために辞めなければならなくなった真歩。
    転校ではなく独学で高卒検定を目指すことにするが、高校生じゃないためアルバイトをすることもできず、心の支えをなくしていろいろなことに身が入らない。
    そんな時出会った、図書館の本を配達するボランティアの仕事。
    本の届け先で知ったアラビア書道に、新たな世界へつながる扉が開く予感がする...。

    自分の意志ではなく、進路を変えざるを得なかった真歩。
    もっと腐ってもいいはずなのに、もがきながらも新しい世界へ一歩踏み出し、当初とは違う選択をする。
    その柔軟性は、視野を広く持って可能性を捨てないでほしいという読者へのメッセージにもなっている気がする。
    アラビア書道(コーランに書かれているアラビア文字)にも興味が湧いた。
    2023.6

  •  書道に打ち込む真步は、念願の書道部のある影山高校に合格、春から楽しく学校に通っていた。
     しかし、父が心に風邪を引いてしまい、母の意見で会社を辞めて父の地元に引っ越すことに。
     しばらくは往復5時間かけて通学していたが、高卒認定試験を目指し、高校を中退する。
     目標はあるものの、どこにも所属していない心許なさを抱いていた真步。図書館の宅配ボランティアを通じて“アラビア書道”とトルコルーツの姉弟と出会う。

    ○気持ちのよい物語だった。真歩自身は書道に魅せられた気持ちに揺らぎはなく、身をおく環境が変わっていく。
     お互いを大切にしお互いを尊重するが、きちんと優先順位をはっきりとさせて風通しのよい家庭になっている
    ○外国ルーツの悩みなどは真歩の視点で、相手の文化を尊重し、自分とも紐付けて受け入れている
    ○アラビア書道に興味を持った。カバーの文字の流れる美しさ
    ○臨機応変に自分の道を歩いていくしなやかさ

  • アラビア語、トルコ料理、ムスリム…。真歩と同じで、実際に近くに触れることってなかなかない。
    高校に行ってない16才がいたって、ぬいぐるみが好きな中年男性がいたっていいんだよね。それをスッと受け入れてくれる周りがとても素敵。
    言葉や文化の違いはあるけど、それ以前に一人一人なんだよね。読み終わり、爽やかな気持ちになった。

  • いろんな価値観があっていい。あった方がいい。
    そんな気付きを異文化交流も交えながらイキイキと読むことができた。

  • 1時間程度で読める、コンパクトにまとまってる中でも展開や登場人物たちが優しくて、アラビア書道にワクワクする要素もあり、良い一冊でした。好きな感じだ〜

  • 眩しすぎて自分のような人間の読むべき本ではなかった。おそらくこの本に罪はなく、私に問題がある。
    これを読んでいると自分が闇の使者ヴォルデモートかなんかに思われてくる。
    親の鬱や高校中退を扱ってるようなので読んだが、実際は心がすこぶる清い、生まれつき元気いっぱいの人向けの書物であった。
    自身と合わない本ではあったけれど、触れたことのない文化について知ることができた感謝を込めて、星は一つ上乗せ。

  • アラビア語を少しだけ齧ったことがあるので、タイトルを見て即読み。アラビア語がティーン向けの本でも扱われるなんて…とちょっと感動してしまった。話自体はあっさりさっぱりしているが、若い人がアラビア語に興味を持つきっかけになればいいなとの思いを込めて⭐︎5。

    偉そうなことを言いながら習ったことをほぼ忘れてしまったのでもう一度アラビア語の勉強頑張ろうかな…

  • そのときどきに合った選択をする。作中に出てくる言葉のなかで、いちばん好きなブレーズだ。こうと決めたことを一心に貫く意志の強さはもちろん大切だけれど、人生には思いどおりにいかないことがたくさんある。どちらかというと、ままならないことの方が多いかもしれない。それでも。芯となる考え方や生き方さえブレなければ、あとのことは柔軟に、そのときどきに合わせて選択していけばよい。そしてその選択肢は、自分の行動や見ようとする景色によって変化し、ときには思いもよらない方向に広がっていくよ。そんなあたたかいまなざしで子どもたちを見守り、応援している作者の気持ちが伝わってくるような作品だった。

    文章のタッチはやや軽めで、読む人によっては若干幼さを感じるかもしれない。ただ、ヤングアダルトや児童書というジャンルであれば、かえってこのライトさがちょうどいいのかなとも思う。

    装丁については、扉の部分につい手触りを確かめたくなるような、少し変わった紙が使われていたのが印象的だった。装画もとても素敵で、紙の本ならではの魅力がつまった1冊でした。

  • そういう生き方もあるよってことを
    教えてくれる本。
    侮りがたし児童文学。

  • 著者4冊目となる作品。念願の影山高校に入学し書道部に入部した真歩。しかし、メンタルの不調で退職した父奏介のため、一家は父の地元(湘南か)へ移り住むことになる。真歩は往復5時間をかけて影山高校への通学を続けるが、書道部の先輩の言葉をきっかけに高校を中退することに。そしてひょんなことから図書館資料の宅配ボランティアを始め、宅配先のおばあさん宅で目にしたのがアラビア文字の「書道」だった。彼女はアラビア書道を通じて多くの人と出会い、目の前に広がった新たな世界から改めて自分が進むべき道を選び取っていく。誰しも大なり小なり選択の時はあるもので、私も第一志望で入学した高校を家庭の事情により一学期で去った。希望すれば残れなくはなかったので、結局自ら選択して(中退はしなかったが)転校したわけだ。そして短かった最初の高校生活と、新たな高校生活がともに自分の人生を決めたのだと思う。自分の思い通りになることは限られているが、真歩のように出会いに気付きそれを意義あるものにしていきたいものだ。

  • 皆で約束して傷つけないようにすることや
    甘んじる父親にはじめウエッとなるけど
    常にお天気の日とはいかないのが人生だと
    気を許せるようになるのはいいことだね

  • 立ち止まる時間は、次へ進むための準備期間。一つの道がとぎれても、新しい扉は必ず開きます。知らない世界に触れ、心に新しい風を取り込んでください。『シュクラン』という言葉が、あなたの世界を自由に、豊かに広げてくれるはずです。
    (M先生)

  • メンヘラ父、高校中退、アラビア書道、ムスリム、外国人などなど多様性ネタをこれでもかと突っ込んでいるが、深刻な展開はなく、どこまでも肯定的で安心して読める
    脱落と再生をしっかり描けていた

  • 人目を気にしてしまう内藤真歩の気持ちはわかるし、自分のやりたいことだけでわがままな考えにイラッとしたり。

    ムスリムであり、目鼻立ちも高くて風貌の違いから日常的に人から視線を感じてきた、トルコ人のユルマズ怜奈や千凪と出会えたということが何よりラッキー。
    真歩の融通のきかなさはちょいと、
    テニス漫画、『エースをねらえ!』岡を彷彿とさせられたけれど、、笑
    怜奈や千凪、宅配ボランティア担当の宝来さん、真歩の担当利用者船島さん周りの人が素敵で、軽く読めました。

  • 憧れの書道部がある高校へ入学を果たしたのも束の間、父親の体調不良で引っ越すことになり、高校も退学することになった真歩。
    最初は高校生ではない自分に対する周りの目が気になってしょうがない。そんな真歩が図書館の宅配ボランティアをすることになる。そのボランティア先の船島さんの家でアラビア書道に出会う。
    そこからムスリムの同年代と出会い、一緒に書道を練習していく中で、イスラム教にも触れていく。
    高校ではない16歳、病気療養中で無職の父親、トルコ人でムスリムの家族、ちょっとみんなとは違う。
    真歩自身のことや父親の事をつい隠したくなる。
    その事にまた落ち込んだりする。
    みんなと違うことを選んだとは言え、納得しているようなしていないような、16歳なんてそんなものだろう。
    父親の行動にも分かっていても許せない真歩、そんなものだ。
    ムスリムの怜来はマイノリティをちゃんと受け入れて堂々と生きている。しかし弟の千凪は何かに悩んでいるよう。自分の立ち位置を見極めて生きる、難しいんだろうなあ。
    みんな、伸び伸びと成長してほしい。
    アラビア書道、知らなかった。もうちょっと知りたくなった。
    日本でムスリムとして生活することも大変なんだろう、分からないだけにきっと偏見もあるだろう。
    この本がきっかけにイスラム教のことをもっと知ってみたくなった。

  • ふむ

  • 書道のお話でたくさん勉強になりました。さらに宅配ボランティアっていう聞いたことのないボランティアがあり楽しそうだなって思いました。

  • 一日で読了。
    異文化を知る、体験することの価値に気付き、主人公の生活は晴れ晴れとしたものになったと思う。高校をやめざるをえなくなり、どん底に落ちていたが、その異文化体験により新たな発見があり、前向きに生きる姿に勇気をもらった。

    中学生・高校生向け!

  • 913/コ

  • <閲覧スタッフより>

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    所在記号:913.6||コマ
    資料番号:10274055
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著者プロフィール

一九八五年生まれ。神奈川県在住。
清泉女子大学文学部日本語日本文学科卒業。公共図書館にて司書として勤務した後、私立中高一貫校に司書として勤務。2017年『 リマ・トゥジュ・リマ・トゥジュ・トゥジュ』で講談社児童文学新人賞受賞。『ハジメテヒラク』で日本児童文学者協会新人賞受賞。

「2023年 『雨にシュクラン』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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