あなたへの挑戦状

  • 講談社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065293508

作品紹介・あらすじ

ミステリ若手筆頭格の二人が全霊で競うところを、見たくないですか?

現在最注目の二名がプライドをかけて競作!?
テーマは「あなたへの挑戦状」

感想・レビュー・書評

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  • 阿津川辰海『水槽城の殺人』
    水槽の館だなんて、何だかあの『中村青司さん』が建てた館のようでワクワクする。
    刑事の川村のキャラクターが面白くて、川村をシリーズで見たいと思うくらいに好きになってしまった。鯖江の存在も面白くしている。

    斜線堂有紀『ありふれた眠り』
    初めての斜線堂さんの本だったけど、読み始めてすぐに「好きだ」と感じた。
    心情が詳しく書かれているので感情移入しやすい。他の作品も読みたくなった。

    そして、いよいよ挑戦状を開ける。
    読者にこんな楽しみをもらえるなんてありがたい。ドキドキしながら開封すると、そういうことか!!この発想は面白すぎる〜。本はこれだから楽しくて最高だ^⁠_⁠^
    昨日まで読んでいた『1984 年』で引きずっていた衝撃も、このワクワク演出のおかげで落ち着いてきた。

    本作と挑戦状だけでも十分満足したのに、最後に「競作執筆日記」を読むことができる。この本はどこまでサービス精神旺盛なんだろう。
    作家さんがどうやって1つの作品を執筆していくか、産みの苦しみは想像していた以上だった。

    そして、阿津川さんの日記の一文に引っかかる。
    『通勤電車は読書が捗る』と書いてある。
    え!?通勤電車ってどういうこと?作家さんがどこに通勤するの?と思って検索すると、そこには驚愕の「兼業作家」と書いてあった…。

    これだけの天才が普通に日中は別のお仕事をされていることにも驚いたけど、これだけの作品を一体いつ書かれているのか?ということにも驚きっぱなし。

    阿津川さんは実は双子なのでは?作家の阿津川兄と、サラリーマンの阿津川弟。毎日情報を共有しながら、たまに入れ替わる。そんな空想が止まらなくなる。

    そして、私の考えた結論。
    「阿津川さんはやっぱり天才」



    作品、演出、日記すべて合わせると★5では足りない。★8
    ミステリー好きにはたまらない1冊だった。

  • 水槽城
    カナヅチ
    美大受験
    眠り

    阿津川辰海さんと斜線堂有紀さんの競作
    遅ればせながら斜線堂さんの作品は初読み
    斜線堂さん語り口が好みでした
    水槽城のトリックは、場面把握、空間把握が苦手な身としては図解がないと無理でした(汗)
    斜線堂さんのほかの作品も読んでみよう
    図書館本

  • タイトルの『あなたへの挑戦状』。
    何を挑戦されてるのかな?なんて思いながら
    ミステリーとして面白く読みました。
    『水槽城の殺人』と『ありふれた眠り』の二作品。

    でも、全部読み終わって、袋とじの中を見て
    え~~~っ!?! そういうことだったの!
    とびっくり。

    なんともお洒落な本。
    後にある阿津川氏の日記にこうありました。
    「ただ解けたというだけでなく、
    エレガントに解く必要があるのです」
    とりわけ『ありふれた眠り』の方は
    かなりエレガント! さすがです。

  • 今、超推しのミステリー作家2名による中編アンソロジー 執筆日記も激アツの一冊 #あなたへの挑戦状

    【レビュー】
    いやー、人気作家の競作なんて激アツですね。ものすごい勢いで買ってきました。

    阿津川先生は、今年新作をどれだけ出すんですか。
    どれも決して生半可な出来でなく、重厚感たっぷりの作品ばかり。しかも一般の仕事もされていて、読書量も鬼多い。実は阿津川先生は二人だったりします?

    斜線堂先生も大好きな作家で、いつも新作はチェックさせていただいています。本作も期待たっぷりで読ませていただきました。

    あなたへの挑戦状をテーマにしたアンソロジーということで、お二人の作者の色もしっかりでた良作となっています。

    ■水槽城の殺人/阿津川辰海
    ザ・本格ミステリーです。タイトルのとおり館モノ。いろんな仕掛けをしやがったな、という感想です。

    推しどころとしては、中編ながらも登場人物たちの描写が優れている部分。
    背景やら性格やらの落とし込みができていて、しっかり重みのある作品になってます。

    熟考されたトリックも、まぁ流石ですよ。
    久しぶりにトンデモ館の本格を読みましたが、めっちゃ面白かったです。

    ■ありふれた眠り/斜線堂有紀
    二十歳前後の兄妹ふたりのミステリー。

    二人が育ってきた成長過程、価値観、性格のズレと、微妙に想い合う兄妹愛を的確に描写できている、切なくも優しい気持ちになれる作品です。
    色んな思いがぐちゃ混ぜなにもかかわらず、手を取り合う二人が可愛すぎますよ。もう完全に親側の気持ちで読んじゃった。

    いつもながら、心に強烈に訴えかけてくる、素敵な作品でした。

    ■執筆日記
    ファンとしては垂涎のコンテンツ。

    作家先生の情熱と苦労が垣間見えましたね。
    あと、やっぱり阿津川先生は三人くらい存在するんじゃないでしょうか。

    【推しポイント】
    なんといっても『あなたへの挑戦状』です。初版は袋とじになっているんですが、ミステリー好きとしてはワクワクが止まらないです。

    読んでよいタイミングになって、そっと袋とじをひらくと…なるほど、そういうことですか。

    私はミステリーが大好きです。
    これから先も、たくさんの作品を読みたいし、めいっぱい楽しみたいと思っています。
    そんな私にとって、すごく嬉くなる未来が、そこには書かれていました。

  • 「あ、そういうこと!?」
    読み終えてやっとタイトルの意味が分かりました。
    共作ならではの結末でしたね。

    ミステリーの内容としては読みやすい類だと思います。短編なのに謎解きのカラクリがしっかりしていて、それぞれ読んだ後に余韻が残りました。

    袋綴じの発想がおもしろい。ずっと気になっていましたがそういうオチだったのかやられた。新感覚のミステリー小説として楽しめました。





  • 2023/10/27読了
    阿津川辰海&斜線堂有紀競作

    互いの著者が考えた答え無き謎を
    交換しストーリー化した2部作。
    試みとしてすごい楽しい。
    阿津川作品は本格ミステリ。
    斜線堂作品はハウダニット読み物。

    正直どっちも面白かった。
    阿津川作品は初めて読んだけど、
    別作品も読んでみたい。

  • この2人の競作と聞き、まぁ期待値が爆上がりで本作を購入しました。内容としては中編が2作収録されてるのですが、どちらもスラスラ読むことが出来ました。

    阿津川さんの「水槽城の殺人」はいわゆる館モノで、読者に挑戦を促すような語りが差し込まれ、推理を楽しみながら読むことが出来ました。

    斜線堂さんの「ありふれた眠り」は兄妹の関係性に胸がジンとなりながらも、すらっと読めました。

    1つだけネタバレ厳禁要素があるので、そのことについて言及出来ないのが残念なのですが、阿津川さんも斜線堂さんの次回作も楽しみです!


  • あなたへの挑戦状
    著:阿津川 辰海 著:斜線堂 有紀
    ミステリ若手筆頭格の二人が全霊で競うところを、見たくないですか?現在最注目の二名がプライドをかけて競作!?テーマは「あなたへの挑戦状」
    この推奨文わくわくしませんか?阿津川辰海氏と斜線堂有紀有名作家の夢の競演しかもそれがミステリーなんて最高ですよね。本書にはそれぞれの作者が執筆した中編2編からなっており「水槽城の殺人」「ありふれた眠り」が収録、2作品を読み終えた後、読者への手紙が封入されており、それを読むと!あっと驚く大どんでん返しが待ち受けています。
    「水槽城の殺人」は文字通り水槽が建物を分断している奇抜なホテルで起こるある意味不可能密室殺人事件で各章の冒頭に星降り山荘の殺人の様に作者からのヒントが記載されています。それを基に奇想天外なトリックを解いて事件を解決に導きましょう。
    「ありふれた眠り」はある兄妹が遭遇したホテルでの殺人事件、犯人は直ぐ逃げ出せる状況で有ったにも関わらず。なんと!自身が〇した遺体の傍で一晩眠りについていた!なぞの犯人心理とは?異常者か?性癖か?それとも何らかの理由でそうせざるを得なかったのか?二人の兄弟がなぞ解きに挑戦!!どちらもさすが両雄が執筆しただけの事がある良作です、特に私は「ありふれた眠り」が好きで、お互いを意識して何ともぎくしゃくして、素直になれず、嫌悪感さえ抱いている兄妹(特に兄)ですが、最後は何とも物悲しい兄妹愛が描かれおり、良質な読後感が得られます・・そして封入されている2通の手紙を最後に見ると、この本の真の仕掛に驚く事になるでしょう。ああなたはこの挑戦受けて立ちますか?勝敗の行方は2通の手紙を読み終えた時明らかになる事でしょう!
    2人が仕掛けたトリックに是非挑戦してみては如何?
    願わくばあなたが金槌でない事!
    あなたが寝ている横に〇体が無い事!
    をお祈り申し上げます。

  • 【収録作品】「水槽城の殺人」 阿津川辰海/「ありふれた眠り」 斜線堂有紀/「競作執筆日記」

    阿津川辰海と斜線堂有紀が「あなたへの挑戦状」というテーマで競作。袋とじの封筒に、作家それぞれが用意した、“自分では解けないが最高に面白い謎”を書いた互いへの挑戦状が入っているという趣向。

    斜線堂有紀から阿津川辰海への挑戦状は、
    「以下の館で起こった密室殺人を解決せよ。」というもので、建物が図示され、
    「巨大な水槽がある建物『水槽城』で防火シャッターが故障し、閉ざされた。『被害者』は重度のカナヅチのため孤立、直ったとき『被害者』は殺されていた。水槽と防火シャッターで、『被害者』の部屋は密室状態。現場付近に濡れた跡はなく、濡れた人間もいなかった。一体犯人はどのように水槽を渡り、『被害者』を殺したのだろうか。」
    とある。

    阿津川辰海から斜線堂有紀への挑戦状は、
    「なぜ犯人は殺人を犯した後、その部屋で眠りについたのか?」というもの。

    趣向は面白い。

  • 物語はおもしろかった。
    付録いる?笑
    仕掛けに、おぉー!って期待値上がってた分
    少し拍子抜け。

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著者プロフィール

1994年東京都生まれ。東京大学卒。2017年、新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」により『名探偵は嘘をつかない』(光文社)でデビュー。以後、『星詠師の記憶』(光文社)、『紅蓮館の殺人』(講談社タイガ)、『透明人間は密室に潜む』(光文社)を刊行し、それぞれがミステリランキングの上位を席巻。’20年代の若手最注目ミステリ作家。

「2022年 『あなたへの挑戦状』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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