亀裂 創業家の悲劇

著者 :
  • 講談社
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本棚登録 : 105
感想 : 5
  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065295557

作品紹介・あらすじ

時代を読み、需要を先取りする動物的な勘。
多くの人を惹きつけ、統率する牽引力。
そして、強烈な自負心と強運。
日本を代表する有名企業をつくった「創業社長」には、どこか共通するカリスマ性がある。
しかし、創業社長のカリスマ性が大きければ大きいほど、その去り際、そして去ったあとには、巨大な陥穽が残されることになる。
セイコーの服部家、国際興業・小佐野賢治、ロッテ・重光武雄といった昭和を象徴する創業者の後継者たちは、いずれも大きな混沌を経験した。
ソニーを創業した盛田昭夫氏の長男・盛田英夫氏は、ソニー株をはじめ多額の資産を父から相続したが、それをスキー場開発やF1レースへの参戦などに膨大な資金をつぎ込み、ついにそのすべてを費消しつくした。盛田家の祖業である醸造業に取り組んだがそれもうまくいかず、それでも都心の高級ホテル住まいをつづけ、最後はその滞在費を払うこともできないところまで追い込まれた。
英夫氏は、「盛田昭夫」という巨大な存在から逃れ、克服するために自分だけの成功を追い求めたのかもしれないが、結局それは果たせなかった。
ユニバーサル・エンターテインメントの岡田家、大塚家具の大塚家、大戸屋の三森家、ゲオの遠藤家も、会社の経営権をめぐって、激しい内紛を展開している。
さらに、創業家の持つ巨額の資産には、「資本のハイエナ」と呼ばれるような地下金融の住人たちや、M資金という古典的な詐欺師たちが群がり、甘言を尽くしてカネを吸い取ろうとする。
目を覆うような悲喜劇は、そこに巨額の資産があるからこそ起こる。
リア王やマクベスを地で行く、裏切りと転落のドラマ。
経済事件取材のトップランナーである筆者が、その圧倒的な取材力と筆力によって構成する最上級の経済ノンフィクション。

感想・レビュー・書評

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  • 経営者一族の内紛を取り上げた一冊。なんとなく聞いたことのあることを詳しく知ることができ、参考になった。

  • 現大手オーナー企業で起こった家族内の内紛、つまり現代版の御家騒動の数々を取り上げたノンフィクション。最終章に出てくる、村上ファンドの村上家を含めると9つの家が取り上げられている。
    ロッテの重光家や大塚家具の大塚家といった有名な事例から、ゲオホールディングスや国際興業の内紛など、あまり知られていない事例もある。
    9つのケースが取り上げられているので、一つ一つの記述が、割と短い。そのため、やや余韻が感じられない。一つ一つの分量を増やせば、もっと面白くなった可能性があるので残念だ。

  • まず、イントロがいい。
    戦前〜戦後の日本経済および日本企業の盛衰興亡を俯瞰し、そこに次々と本書で登場する企業がシンボリックに立ち現れていく。

    テーマがいい。
    あとがきでも触れてあるように、合理的なはずのビジネスにおける非合理の象徴としての、同族経営と醜い権力闘争。

    ここに登場する人々はすべて生臭く、時に滑稽ですらある。だから、面白い。

    ビジネス書として読むよりも、悲喜こもごもの人間ドラマとして捉えたほうが楽しめる。

    ただ、ある種悲劇のパターンとしては類型化されているので、取り上げている企業への思い入れや知識、関係性がないと、フレッシュさは読みすすめるごとに失われていく。

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著者プロフィール

1968年愛知県生まれ。93年早稲田大学教育学部卒業。日刊工業新聞社を経て、98年から東洋経済新報社記者。2009年に同社を退社、現在はフリーランスのジャーナリストとして『週刊東洋経済』『文藝春秋』『FACTA』など各誌を中心に多数寄稿。
『ドキュメント ゼネコン自壊』『粉飾の論理』、新潮ドキュメント賞候補になった『凋落 木村剛と大島健伸』(以上、東洋経済新報社)、『創価学会秘史』(講談社)などの著書がある。

「2022年 『亀裂 創業家の悲劇』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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