- Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065297551
作品紹介・あらすじ
古いフランス製の家計簿に書きこまれた膨大な文書を翻訳してほしい、と文化人類学者河島からの依頼。最後にVincent van Goghと署名があって、ゴッホ直筆かもしれない。しかも署名付き家計簿は二冊存在するという。贋作ならば、なぜ複数必要だったのか。ぼくは翻訳を進めるいっぽう、家計簿の来歴を追った。だが、謎は深まるばかりだった。
感想・レビュー・書評
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ゴッホが好きなので手に取った。赤いバイク、郵便配達員、と言う冒頭で絵が浮かび密かに喜んだが、、
内容が悪い訳でもなく読み込ませてはくれるが、最初の期待が大きかったので残念。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
2022.12.22 プレゼントで頂いた一冊
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文化人類学者の河島から届いた小包には、19世紀のフランスで作られた家計簿の写しが入っていた。依頼は、そこに記された書き込みの翻訳で、Vincent van Goghの署名があった……。
果たしてこれは真筆なのか? 内容はどのようなものなのか? という疑問と期待をはぐらかすかのように、話はどんどん違う方向に進む。トリビアの披露としか思えない内容なのだ。
しかし驚くべきはここからだ。どう考えても本筋には関わらないと思っていたことが結末に向けて収斂していき、最後には見事に当てはまり全体像が現れる。知的なパズルのような作品だった。 -
古いフランス製の家計簿に書き込まれた膨大な文書を翻訳してほしいとの依頼が事の発端だった。文書の最後にはゴッホの署名が。果たしてこの書き込みはゴッホの直筆なのか。真贋を見極める調査をしているうちに別の謎が浮かびあがる。面白くて一気読みでした。読んでいるうちに人間関係が込み入ってくるのでメモを取るのが良いのかもしれません。本作品は謎解きに焦点が当てられているため、話の筋らしい筋は薄目。本書を読んで改めてゴッホという画家に興味を持ちました。
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原田マハさんの舞台を観ていたので、舞台がよみがえったけど、なかなか難解で、没入することができなくて残念。
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古いフランスの家計簿に残された「ゴッホが書き込んだかもしれない」おびただしい量の書き込みを、翻訳してくれまいかとの依頼が舞い込むところから始まる話。
といっても実際に翻訳された文章は出てこず、訳文と当時のゴッホの状況を照らし合わせて矛盾を探す、というような方面からの謎解きはない。家計簿をめぐる状況が語られていく中で、新しい人がするする出てきて、その人たちが数珠つなぎに絡まり重なって、一つの方向へと収束していく。
いやはや登場人物が多すぎて!年齢が今一つわからりづらいのも人間関係の把握に手こずった要因だった。相関関係の把握からは振り落とされ気味で、途中からは、もはや誰が主人公でもいっそゴッホじゃなくても良いなと思ってしまった。それでも河島先生その他の語りがなめらかなので最後までぐいぐい読めた。 -
ゴッホが書き込みをしたという家計簿の真贋を問う。結局、どうだったの?
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長野まゆみの作品でも、少し毛色が違う印象。
会話量が多く、情報量がひたすら多い。登場人物も20人強と、話のすじと人物相関図をメモしながらなんとか理解。
ゴッホに関する情報や雑学?の記述が多く、すべて理解しながらは頭が破裂しそうなので、なんとなくの話の流れを追ったけれど、贋作かもしれないゴッホの家計簿が長い月日を経て、壮大な仕掛けが主人公の弥也とその家族、周辺を巻き込みながら謎がとかれる。
物語の中の創作の絵本は幻想的でまさに「長野ワールド」。存在しない絵本なのに探したくなってしまった。
途中、ゴッホくんの愛らしい様子に癒されながら、謎が明きらかにされるの俯瞰で見ているようなお話だった。
著者プロフィール
長野まゆみの作品





