狙われた羊 (講談社文庫)

  • 講談社 (2022年11月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (416ページ) / ISBN・EAN: 9784065298824

作品紹介・あらすじ

カルト宗教は、心を奪い、カネを奪い、家族を壊す!
カルト教団によるマインドコントロールの恐怖と、悪辣な集金システムを描いた名作フィクション、緊急文庫化!

最近は浮気調査ばかりしている探偵の牛島のもとに、奇妙な依頼が舞い込んできた。
「人さらいはやってもらえるんでしょうか?」
依頼人の息子は、突如連絡を絶ったのだという。どうやら、あやしげな団体に深入りしているらしい。

「厄介な仕事」と踏んだ牛島は当初依頼を断ったが、秘書の坂巻に説得されて調査を開始。すると、依頼人の息子は、近年様々な問題を起こしているカルト教団に入信していることが判明した――。

世間を騒がすカルト教団、そして家族を取り返すために戦う人々を描く!

みんなの感想まとめ

カルト宗教団体の恐怖とその影響を描いた本作は、探偵牛島が依頼人の息子を取り戻すために奮闘する物語です。テンポよく進む展開に夢中になりながら、読者はカルトの実態やその影響をリアルに感じ取ることができます...

感想・レビュー・書評

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  • 中村敦夫『狙われた羊』講談社文庫。

    著者の中村敦夫は『木枯し紋次郎』で主役を演じた有名な俳優で、作家やキャスター、ジャーナリストでも活躍しており、統一教会と揉めた過去を持つ。

    今現在、元首相の暗殺に端を発した政界と世間を騒がしているカルト宗教団体をテーマにした問題小説が、30年の時を経て文庫化。なかなかのリアリティ。30年前に統一教会のカルトとしての正体が暴露されていながら、何故に現在も存在しているのか……

    もっぱら浮気調査ばかりをしていた自由ヶ丘探偵社の探偵、牛島は依頼人から怪しげな団体に取り込まれた息子を奪還して欲しいと頼まれる。

    少しずつ調査を進め、団体の正体を知る牛島だったが……

    家族の病気や事故、様々な不幸に見舞われたり、悩みを抱える心の弱った人に巧みに近付き、洗脳した揚げ句に財産を奪い、自由も、人間の尊厳をも奪い取るカルト宗教団体。親が信者であれば、その子どもまでもが信者にさせられるという世襲の実態。

    30年前には明らかにカルト宗教団体というレッテルを貼られていた統一教会はいつの間にか名前を変えて、政治家と手を組んでいたことに世間は驚いた。しかも、現職の首相が統一教会の広告塔となり、他の多くの政治家も選挙のために統一教会と懇意にしていたというのだから全く驚く限りだ。

    与党である自民党は旧統一教会と手を組み、創価学会を基盤にする公明党と連立政権を構築している。つまり日本は知らぬ間にカルト宗教団体を背景にした政府に支配されていたということだ。

    与党が無駄に巨額の税金を遣い、その補填のために国民に増税や社会保障費の増額を負担させるところなどは、カルト宗教団体の集金システムと何ら変わりがないように思う。

    定価990円
    ★★★★

  • 祝文庫化!

    作家、キャスター、ジャーナリストとしても活躍した、 名優中村敦夫氏が描いた「カルトの真相」を緊急文庫化|今日のおすすめ|講談社BOOK倶楽部
    https://news.kodansha.co.jp/9505

    『狙われた羊』(中村 敦夫):講談社文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000370713

  • これはあの宗教のことか!とすぐ分かる内容。
    テンポよく進む展開に夢中になった。
    探偵事務所を営む牛島が、出家した信者を家族のもとに取り戻すため奮闘する。
    読みやすかった!

  • 最近の個人的ブームが宗教関連のミステリー作品を読むことである。
    薄暗いところに首を突っ込んでみたくなるのは、人間の性であり、しかし現実でそういった所に首を突っ込むと厄介なので、物語を俯瞰する事で欲求を満たしている。
    今回の本は宗教内部の信仰者と外部の救出者で物語が進められていた。自分自身は、外部の救出者目線だけで展開していく物語が好きなので、このような評価をした。しかし、牛島さんやヨネさん、理恵さんを初めとした登場人物一人一人のキャラクター性がとても好きだった。

  • 知らない世界のこと教えてくれる本や映画って本当に尊い。自分が疑り深い性格で、他人を信用することがなかなか出来ないので被害に遭うことはないかもしれないけれど、そういう人たちの精神状態や、入信、脱会、救出、運営など裏付けされている取材力が30年前とは思えないほどの筆致でいて、物語ベースで描かれているので大層面白かった。自分に近い体験があれば、バイブルになり得たのかもしれない。

  • カルト教団によるマインドコントロールの恐怖を描きます。
    30年前の作品ですが、いまでも色褪せません。
    新興宗教によって行われている布教には、大なり小なり、このような方法が使われているでしょう。
    名前は変えてありますが、旧統一教会の原理や内実などが、詳細に書かれています。
    「なぜ人はこうもやすやすと操られるのか?」
    実は、簡単に騙されてしまうのが、私達なのです。

  • これはかなり面白かった。30年前の小説ということだが、今年のあの事件をきっかけにクローズアップされた宗教団体を扱っており、今回文庫化したようだ。詐欺集団としてのそのマインドコントロールの見事さはぞっとする。
    いま、世間では宗教二世の問題が取り上げられているが、この小説には、若い信者を取り巻く家族の苦悩が描写されている。自分がこの家族の立場に立ったら、どうするだろうか。自分がマインドコントロールされていたときに気づけるだろうか。
    色々深く考えてしまう良い小説だった。
    物語ならではの迫力があった。

  • カルト教団の手口を物語風に書き上げた、大変面白い小説であった。特に信者を作り上げるまでの洗脳のノウハウは今話題の統一協会のそれを感じることができた。

  • フィクションとはいえ、カルト宗教の勧誘から洗脳のプロセスが詳細で、実際もこうなのでは?というリアリティさがある。合同結婚式とか代表が韓国人だとか、明らかにあの教団がモデルだというのが分かる。
    研修での教義の部分が退屈でちょっと流し読みしてしまったけど、全体的には読みやく興味深かった。

  • まさかラストで笑うことになるとは思わなかった。

    自分も高校、大学、就職、どこかで失敗してそんな時に普通に暮らしていたら出会わないような優しさを与えられたらコロッといっちゃうかも……と怖くなった。
    財産も全て手放して、自ら周囲の人々と縁を切って。それから気づいたってもう戻れないし、それが怖くてさらにのめり込んでいく。
    宗教ってよくできたビジネスだなぁ。

    そもそも、宗教の興りじたいが権力を欲した男が「神の言葉を聞いた」と言って政治を始めたことなのだから当然なのか?
    でもきっと、信者からすれば私たちが学んで信じている科学の方が宗教なんだろうな。

  • 30年も前とは思えない作品。時代はこんなに変化を見せているのにカルトの手口は今も変わらない。

  • Instagramで紹介されており、カルト宗教の洗脳と脱会に興味があったので読んでみました。

    一番印象的だったのは、入信前にカルトの研修合宿(睡眠不足の疲労困憊状態で畳み掛けるように洗脳教育を受けた)に参加した大学生が、翌日大学に行くと教室全体が墓場のような雰囲気で教授も学生も死人のように感じる。といった場面。
    研修場所で感じた生気、情熱、高揚が大学にはないと感じ、さらに入信へと傾いていくのですが…
    こうやって都会に出てきた寂しい気持ちにつけこまれた若者が洗脳されちゃうんだなぁと実感したシーンでした。

    宗教の説明シーンが長くて飛ばし飛ばし読みましたが、全然知らない世界の話だったので勉強になりました。

  • ⭕️️⭕️教会をモデルとしたカルト教団の実態を描いたフィクション小説、教団の経営や洗脳方法や組織図等が詳細に描かれていて成り立ちが良く分かる。
    30年前に木枯らし紋次郎の俳優であり元参院議員中村敦夫さんが、執筆。日本を震撼させた安倍元首相暗殺事件をきっかけに再び注目。熱烈な信者の洗脳を解く事の難しさ、信者の家族側の立場になるといたたまれない気持ちになった。読みやすかった。

  • 宗教にのめり込んでいく始めから終わりまでをみた。やっぱり弱い時には人に見抜かれるのか。そういった団体に何も関わりはないが、いつも隣り合わせにいるのかもしれない。神の存在の有無は人それぞれだが、人に勧めたりする事ではないな。面白かったです。

  • ある宗教団体から息子を奪回してほしいという依頼に奮闘する探偵の牛島を中心に、様々な立場の信者を通して暴かれていく教団の醜い実態には辟易。
    なぜ頭のいい人たちがハマるのか?マインドコントロールは解けるのか?等の知りたい答えが全てストーリーに盛り込まれ、とても勉強になる。
    特に加代のマインドコントロールを解く場面では家族が強いられた覚悟と準備の壮絶さに衝撃。脱会への困難さは想像以上だったな。
    元信者の女性の「善意だけの情熱には負けてしまう」が厄介さの表れで印象的。
    探偵事務所の事務員のよねの頼もしさが息抜きになった。

  • カルト宗教の内情、子を奪われた家族の様子、経験はないけどきっとこんな感じなんだろうなと感じた。
    カルト全盛期の頃にはまだ生まれてなかったから後付け知識しかないけど、90年代のアレを経験していたらもっと感じ方変わったのかな

  • カルトの内情を詳細と信者とその家族の関係が壊れる様がよくイメージできた作品だった。

    ほんとに怖いのはマインドコントロールや矛盾ばかりの経典よりも訴訟などで成り立たなくなっても
    また名前だけ変えて何度でもやり直せるしぶとさなのかも、、

  • ⭐︎4.0
    ・未婚の信者を「シープ」と呼び、社会や家族から孤立させることで忠誠を誓わせ、団体の無賃労働者にさせる「敬霊協会」。協会に巻き込まれる若者とその家族、そして内部の者。様々な立場から見た協会の狡猾な"洗脳"の全貌が描かれている。
    ・今作は特に宗教団体の"中身"の描写が詳しくて新鮮だった。1人の若者を信者にするまでの過程や協会の内部の者それぞれの役割などが丁寧に描かれていて面白い。1人の信者に対しあらゆる役割の者が働きかけ、徹底的にマニュアル化された研修を経て少しずつ取り込んでいく。気付けば社会からも家族からも孤立し協会に身を捧げるしかなくなる。宗教としての真理が矛盾だらけで破綻しているにも関わらず、話術とマニュアルで次々と増やしていく様は恐ろしかった。

  • カルト宗教がテーマの本

    色々な立場の人の話が書かれていて読みやすい
    結構リアルで怖いけど読みやすいし、作品としても読みやすかった

    そんなに上手くいくのか??という描写もあったけど、、

  • ⭕️️⭕️教会をモデルとしたカルト教団の実態を描いたフィクション小説、教団の経営や洗脳方法や組織図等が詳細に描かれていて成り立ちが良く分かる。
    30年前に木枯らし紋次郎の俳優であり元参院議員中村敦夫さんが、執筆。日本を震撼させた安倍元首相暗殺事件をきっかけに再び注目。熱烈な信者の洗脳を解く事の難しさ、信者の家族側の立場になるといたたまれない気持ちになった。読みやすかった。

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著者プロフィール

1940年、新聞記者の長男として東京で生まれる。幼年期に東京空襲があり、父の出身地である福島県に疎開。そこで小中学校を過ごし、高校は東京に戻り、都立新宿高校を卒業、東京外国語大学に入学。在学中、演劇に興味を持ち、大学を中退、劇団俳優座に入所。

1972年放映の「木枯し紋次郎」が空前のブームになり、その後数多くのドラマで主演をつとめた。俳優業だけでは満足できず、脚本や演出でも活動したが、海外取材を基に書いた小説『チェンマイの首』がベストセラーとなり、その後の二作を含め東南アジア三部作は、国際小説ブームの火付け役を果たした。

この成果が注目を浴び、1984年には、日本最初の本格的なTV情報番組「地球発22時」のキャスターに起用され、TV界の流れに大きな変化をもたらした。数十ヶ国の海外取材での経験から、国際的視点からの政治的発言が多くなり、政界入りの要請が強くなる。

日本ペンクラブ理事、環境委員を歴任。著書に『簡素なる国』(講談社)、『ごみを喰う男』(徳間書店)、『暴風地帯』(角川書店)ほか。
ドラマ「CHANGE」(2008年)、「不毛地帯」、「仁」(2009年)、「鉄と骨」(2010年)、「まれ」(2015年)などに出演。

「2022年 『【朗読劇】線量計が鳴る』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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