咒(まじない)の脳科学 (講談社+α新書)

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  • 講談社 (2025年3月6日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784065309421

作品紹介・あらすじ

なぜ、私たちは、周りの言葉にこんなに苦しんだりするのでしょう?
人を息苦しくさせる――SNSにあふれる呪いの言葉、病気にもしてしまう暗示。刷り込まれる負けグセ。
脳を中毒にする――イケニエを裁く快楽、罰を見たい本能や正義という快感。ウソつきの遺伝子がモテる。
知りたくなかった現実――男のほうが見た目で出世、女はここまで見た目で損をする。脳に備わっていたルッキズム。

私たち人間の社会は咒(まじない)でできていると言って過言ではないのです。
なぜなら言葉が、意識的と無意識的とにかかわらず人間の行動パターンを大きく変えてしまう力があるから。
人間関係や仕事、人生の幸不幸も、あなたを取り巻く社会の空気さえ。
そして今SNSがひとりひとりを孤立させ、言葉はいっそう先鋭化しています。
正義や快楽に中毒する脳そのものが、そもそも人間社会を息苦しくする装置です。
本書の役割は、脳にかけられた咒がどのようなものかを知らせ、解放することにあります。

【著者より】
本書では、ネガティブなイメージだけを扱うのではなく、ポジティブな想念を含む言葉の力についても光を当てたいと考え、あえて「まじない」に「咒」という文字を使用することにした。
私たちは物理世界に存在している生物ではあるが、認知という観点から見れば、言語の海の中に生きる存在である。
私たちは、誰かの発する音声に左右され、他者が何気なく書いた言葉を目にして一喜一憂する。励まされて生きる活力を得ることもあれば、死を選ぼうという気持ちにさせられることもある。これらは言葉の力である。現代特有の現象などではなく、古来より洋の東西を問わず、言語を用いる技術に長けた者が、意図的にその力を運用してきた歴史がある。
脳科学を中心とした知見をもとに、その力の一端を繙いていこうという本書の試みが、読者の向後に資することがあれば望外の喜びである。

【本書の内容】
序章 咒―言葉の隠された力
第1章 呪い―悪意の影響力
第2章 快楽―脳が制御できない中毒
第3章 ルッキズム―例外なく脳は美醜に囚われる
第4章 社会がかける咒―安寧のための代償
終章 咒がかなうとはどういうことか

感想・レビュー・書評

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  • テレビで時折見かける中野さん。
    これまで見た目と所作ばかりに意識が向いてしまって話の内容が頭に入ってこなかったのですが、「あの本読みました?」に出演されていた際に本書を知り、興味を持ったので図書館で借りてきました。著作を読むのは初めてです。

    タイトルの「咒」を、バイアスや先入観に置き換えると頭に入りやすかったです。
    非科学的なイメージもあるけれど、言葉や意思が自らの行動のみならず、相手や社会にまで影響を与えうるというのが主たるテーマでしょうか。
    読み進めるにつれて主軸がずれていく印象で、一冊の本として何を伝えたかったのかが分かりにくく感じました。
    また句点が多いのも読みにくさの一因ですね。

    個人的な学びになった箇所を以下に抜粋。
    「自分が発したものばかりではなく、誰かが発して自分が受けとることになった言葉も当然、自分に影響を与えているのである。毎日のように目を通すニュースサイト、記事についたコメント、フォローしているSNSのアカウント、読む本、つきあう友人など、これらのすべてがあなたに日々、咒をかけているのである」
    「私たち人間の脳は苦痛よりも、快楽に弱くできている」
    「私たちは、生物としての脆弱性から、社会性を基盤として生存戦略を立てていくほかなく、それがゆえに同種の中から選ばれるイケニエを必要とする種族であって、そうすることで社会性のもたらす恩恵を最大化しているのではないかという点には常に注意を払っておいたほうがよいかもしれない」

    とにかく読みにくかったけれど、上記のような学びもあったので星は3つ。
    本書を読む限り中野さんの考え方のベクトルは好きなので、彼女の発言などには今後意識を向けてみたいと思いました。

  • ❝願意を音声として発するということはそれだけで願望の実現に向けた一歩たり得る行為となる。❞

    目標を書き出すだけでなく「口から言葉として発して耳で聞く」ことも脳科学的に効果的です。

    毎朝目標を復唱する時間を取り入れてみます。

  • 中野信子が警鐘「イケニエへの攻撃がやめられないのは脳の仕組みに由来。あなたも制裁の快楽をむさぼる<コンプライアンス中毒>に陥っていませんか?」 咒(まじない)の脳科学 |教養|婦人公論.jp 2025年04月07日
    https://fujinkoron.jp/articles/-/16368

    SNSまで猛威を振るう言葉の力。「まじない」の力を脳科学で解き明かす! - 今日のおすすめ|講談社 2025.04.07
    https://news.kodansha.co.jp/books/20151295

    中野 信子 Nobuko Nakano | 現代ビジネス | 講談社
    https://gendai.media/list/author/nobukonakano

    『咒(まじない)の脳科学』(中野 信子)|講談社
    https://www.kodansha.co.jp/book/products/0000374356

  • 私の好きな番組「あの本、読みました?」で紹介されていたので手にしました。

    人は意識的または無意識的に多くの見方、考え方が刷り込まれ気づかず縛られているのだろうと思う。
    私は偏見などない、見た目だけで判断していないなど思わず、逆に何らか影響を受けているのかもと意識することが大切なのだと思った。なかなか難しいことだけれど、頭の隅に置いておこう、、、。

    実験内容や脳のどの部分で判断するかによって変わることなど興味深いことが書かれてあり面白かった。

    なのですが、話がとっ散らかっている感があり最終的にあれ何の話?となってしまいました。

  • んー、途中は退屈でした。

    ルッキズムとか、容姿がよい方ではなかった者からすると、当たり前に感じてることばかり。え、それで何?
    そんな社会を潜り抜けて生きてきた者からすると、読んでいてあまり楽しく感じられなかった。

    という、人間社会のいろいろな面を突き付けられる本でした。

  • 私たちの脳には、苦痛に耐えて生き延びるための仕組みが数多く用意されている。苦痛を感じれば、それをできるだけ弱め、無視して生きられる様に様々な機構が動く。けれどもやはり、快楽に耐える仕組みはこの脆弱な意思の力以外には存在しない。快楽は、身体的、認知的と、異なるレイヤーにおいて、あればあるほどよいと脳が錯覚するように仕組まれてしまっている。

    苦痛の多い場合には副音とも言うべき仕組みだが、現代社会のように多くの人が快楽を追い求めることが可能なインフラが整ってきてしまうと、途端に様相が変わってくる。抑制の機能が脆弱なのに、大量の快楽にまみれさせられてしまうという現象が起こりだす。すると、先人が後世に人間の幸福の源とも思い、よかれと思って苦労して築いてきたであろうはずの技術も社会基盤も、今度は依存症を生みだす元凶となっていまう。

    そもそも人間には快楽に抗える仕組みがない。

    快楽を自ら制限しなければ、快楽に殺される。人間はそんな時代を、自ら作り上げてしまったという皮肉な構造だ。少しでも瑕疵があれば、寄ってたかって快楽をむさぼられてしまう。攻撃の的になる。
    人は貧しいから攻撃するのではなく、快楽のために攻撃する。コンプライアンス中毒は、各人の私的な、あるいは明文化されもせず公的でもないコミュニティの基準をルールとして、誰かをイケニエとして祭り上げたときにおこる。炎上でも、差別でも、いじめでも、偏見でも、あらゆる社会的排除と関係づけられるものはこれで説明がつくだろう。

    今世の中で起こっている問題の原因が腑に落ちた。更に自らを律することを意識した。

    他に、人は容姿で人を判断してしまうことに抗えない。
       人間はルールに反する行為をした者には罰が執行されるべき。など
    世界の研究結果をもとに考察していて理解しやすい。

  • 確かに指摘されているように、人は意識的または無意識的に 多くの見方、考え方に縛られているのだろうと思う。だからこそ それがあるのを意識しながら より良い方向に修正?修整?していこうとするのが、知性というものだろうか。

  • 言葉は、古来から言霊と呼ばれるほど、見えない力が働くものである。人にかける言葉、そして、自分にかける言葉も、心のこもった温かい、希望あるものにしたいと常々願っている。
    そして、脳の働きを過信せず、心を師とせずに、しなやかに生きることを是としたい。

  • 脳科学者の著者がその知見をもとに、言葉の力が人生や社会に与える影響を分析している。快楽とルッキズムの章が特に面白かった。

  • 咒(まじない)……おどろおどろしい。
    それについて書かれている部分もあるけど、むしろ
    脳科学についての中野さんのエッセイといっていいのでは。
    一番紙面を割かれたのは「ルッキズム」についてでした。

    個人的に一番興味をもったのは「快楽」

    〈私たち人間の脳は苦痛よりも、
    快楽に弱くできている〉

    これだけ読むと「?」なんですが。

    〈私たちの脳には、苦痛に耐えて生き延びるための仕組みが数多く用意されている。苦痛を感じれば、それをできるだけ弱め、無視して生きられるようにさまざまな機構が動く。けれどもやはり、快楽に耐える仕組みはこの脆弱な意志の力以外に存在しない〉

    快楽は、あればあるほどよい、と
    脳が錯覚するように仕組まれている。
    一度快楽を得れば、
    その甘美さから自力で離れるのはかなり困難。

    思い当たるふしがあります。
    わが身をふりかえり、クールに生きていきたい。

  • 思考は言語でできてる。
    ・虐待をする神経回路がある※ネズミ実験
    ・脳は快楽を制御できない
     →正義中毒、制裁願望などの攻撃的な快楽
    確かに現代は、SNSや動画など(いい意味でも悪い意味でも)様々な快楽に触れられる機会が多すぎる。言葉の受け取り方と使い方が生き方になるとは言え、何が正しいかは分からない。

  • 詳細記事:https://note.com/futen_seisuke/n/n37bff44bda14
    言葉って、通知みたいにただ届くだけじゃない。こっちのOS(=脳)に「常駐プロセス」を起動して、気づかぬうちに行動や気分の既定値を書き換えてくる。SNSの一文に心拍が上がるのも、昔の褒め言葉が今の自信を支えているのも、そのせいだ。人間は「物理的に生きる生物」であると同時に、「言語の海に常時ログインしている存在」。だから世界は、論理だけじゃなく“まじない”=咒(※「呪=害意ののろい」「咒=意図を叶えるための言語・儀式。善悪どちらも含む」)で動く。ここを理解すると、「なぜ言葉で苦しいのか」にスッと腑に落ちる。

    まず、脳のクセ。脳は正義や処罰の話題にドーパミン(※快感・学習に関わる神経伝達物質)が出やすい。だから炎上は「ムカつくのに目が離せない」という最悪のUX(ユーザー体験)を生む。さらに「ノーシーボ効果」(※悪い期待が体の不調を引き起こす暗示)まである。メディアや周囲の言葉が「危ない」「効かない」と繰り返すだけで、本当に頭痛や不安が増えることがある。極端な文化状況では“ヴードゥー・デス”(※強烈な信念とストレスで生理機能が破綻)と呼ばれる心因性の突然死まで報告されている。つまり、言葉は気のせいでは片付かないレベルで、生体に刺さる。

    次に、音と言葉の二重構造。意味(セマンティクス)だけじゃない。音の並び(プロソディ)や反復のリズムは、思考をいったん止めて心身の状態を切り替える。宗教の真言・陀羅尼(※一定の音節を保つ祈りの定型)が何千年も使われるのは、意味以上に「音の効果」を人類が経験的に知っていたからだ。現代でもアファメーション(※肯定的な言葉の反復)や唱和は、脳の“発話側”回路を使って自分の無意識にメッセージを書き込む。やってみるとわかるけど、「心の中で考える」よりも「声に出す」ほうが、設定変更が保存されやすい。

    さらに、私たちの意思決定は“完全情報ゲーム”じゃない。相手の手札も、未来の天気も、上司の機嫌も見えない。不完全情報ゲームでは、「相手の認知をどう動かすか」が勝負の鍵になる。歴史上の支配者や広告、現代のインフルエンサーがやっているのは、まさに巨大な“咒エンジニアリング”。フレーミング(※枠の切り取り)と言い換え、物語の作り方、反復のテンポで、私たちの選択肢の並び順をいじってくる。そりゃ息苦しくもなる。

    じゃあ、どう解呪(デバフ解除)する?リアリティはゲームっぽく組むと扱いやすい。

    1. 入力管理=言葉の栄養制限
    タイムラインは食事と同じ。ヘイト脂質と不安糖質を取りすぎると炎症(心理的)が起きる。ミュートやブロックは防具。フォロー整理は排水。毎日摂る情報の「主食:副菜:嗜好品」をざっくり設計しよう(※主食=一次情報・長文、嗜好品=ショート動画・炎上)。

    2. 出力管理=自分への咒を整える
    独り言・口癖は常駐スクリプト。「どうせ無理」は自動実行される失敗コマンド。3行マントラを朝晩声に出すと上書きできる。例:「私は落ち着いて選べる/今日の私に必要な情報は届く/比べず、整えてから動く」。ダサく感じても効く(※“効く”は脳の仕様)。

    3. 触媒の視覚化=願いを言語にする
    絵馬や護摩木が強いのは、願いの“型”があるから。Notion・手帳・付箋でもいい。「何を望むのか」を10~20字で可視化し、毎日見る。言語→行動の橋が太くなる。

    4. リズム技法=音のハック
    短いフレーズ+一定リズムは、ストレス時の再起動ボタン。「息吸って4・止めて2・吐いて6」とセットで唱えると、交感神経の暴走を止めやすい。推し活のコール&レスポンスが元気をくれる理屈も、ここにある(※推し活=好きな対象を応援する文化)。

    5. 文化参照を“使う側”へ
    縁切り札から南京錠のジンクスまで、人は儀式で意思決定を支える。迷信と切るより、「ルーティン」として設計し直す。試験直前のルーティン、投稿前のチェック唱和、会議前の姿勢リセット。自作の“咒”でOK。

    ここまで来ると見えてくる。世界は「論理だけで動く」でも「全部オカルト」でもない。言葉は“現実の描画設定”をいじるUIで、善にも悪にも使える。だから私たちは、加害の呪(呪詛)を拒否しつつ、ポジティブな咒(祈り・設計・習慣)を自作して、日々のラグ(遅延)とラグ(運)を味方にすればいい。SNSの嵐が止まないなら、まずは自分のデバイスに「静音モードのまじない」を。タイムラインは世界じゃない。あなたが毎朝唱える三行こそが、今日の世界の初期値だ。

    まとめ
    * 言葉は意味+音の二層で脳に作用し、行動の既定値を書き換える(ノーシーボや“ヴードゥー・デス”まで影響し得る)
    * 「呪」は害意中心、「咒」は手段中心(祈り・儀式)で善悪どちらも乗せられる
    * 人生は不完全情報ゲーム=他者の認知操作(フレーミング・反復)が強い
    * 解呪の実践:①情報の食事管理②口癖=常駐スクリプトを上書き③願いを短文で可視化④リズム+呼吸で再起動⑤儀式を“ルーティン”として設計
    * 世界は論理だけでもオカルトだけでもない。「自作の咒」で初期設定を取り戻すのが、いちばん現実的なハック

  • テレビで紹介されていたのを覚えていて、たまたま本屋で見かけたので購入。

    個別の章ごとの話は分かったような気でいて、それほどつかめていない気がするので、もう一度読み直したい。
    ルッキズムは関心のあるテーマなので読んでいて身につまされることが多かった。

    本筋とは関係ないが、急に一人称が「僕」になった箇所があり、妙に気になった。

  • 人はできないことをするもの
    死ねばいいのには自分に返ってくる

  • ● 2025年3月7日、母と新宿 紀伊国屋にあった。入口の外の風が当たるような店のド正面で「ネクサス 情報の人類史」の横に大々的に置かれていた。なんか今までと違って本格的なタイトルに表紙の写真に見えた。紀伊国屋END

  • 女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000077426

  • 我々は言葉に縛られているし、脳は全部を処理するとコストがかかるので省略するために騙されやすい。結局人は信じたいものを信じる。有限実行より不言実行の方が努力が続くという研究結果は心強い。「外見の変化が行動の変化につながる」は、ジョジョ4部のシンデレラの回みたい。

  • 中野信子さんの話は面白いし、彼女のラジオも楽しく聴いているが、どうも著書との相性は悪い。だから何?と毎回思ってしまう。タイトルとリンクしていないといつも思うのは私だけか?

  • 健康的な楽しみを見つけよう。地味でゆっくりを味わおう。
    フラクタルな世界は生まれ直し続けている。願いを口にすることで自分の好きな世界に変えてしまおう。生きていることに正直飽きているが、寿命が来るまで遊んで過ごそう。

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著者プロフィール

脳科学者、医学博士、認知科学者。1975年、東京都に生まれる。東京大学工学部卒業後、同大学院医学系研究科修了、脳神経医学博士号取得。フランス国立研究所ニューロスピンに博士研究員として勤務後、帰国。現在は、東日本国際大学教授として教鞭を執るほか、脳科学や心理学の知見を活かし、マスメディアにおいても社会現象や事件に対する解説やコメント活動を行っている。著書に『サイコパス』『不倫』(ともに文藝春秋)、『人は、なぜ他人を許せないのか?』(アスコム)、『脳の闇』(新潮社)などがある。

「2023年 『賢くしなやかに生きる脳の使い方100』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野信子の作品

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