- 講談社 (2023年4月13日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784065313961
作品紹介・あらすじ
文化人類学ってどんな学問?
黎明期の先駆者たちから、ラトゥール、インゴルド、グレーバーまで。
繰り返されてきたパラダイム・シフト(=転回)と研究者たちの「格闘」の跡をたどり、現在地を探る。
6つのテーマ(人間の差異、他者理解、経済行動、秩序、自然と宗教、病と医療)を取り上げ、
ぐるぐるめぐり歩きながら考える、文化人類学の新しい入門書。
【「はじめに」より】
「文化人類学ってどんな学問ですか?」そう聞かれると、いつも言葉に詰まる。「昔は未開社会といわれた民族を研究していたんですが、いまは病院とか、企業とか、軍隊とか、現代的な場所も対象になっています」。そんな言い方をして顔色をうかがう。納得いかない様子なら、「ただフィールドワークという現場に深く入り込んで調査する手法は一貫しています」などと言葉をたす。
うまくストレートに説明できないのは、文化人類学が何度も大きなパラダイム・シフト(=転回)を経験してきたからだ。研究対象が変わるだけでなく、学問の前提となる理論的枠組みがたびたび入れ替わってきた。その変化は、かならずしも連続的な「発展」ではない。むしろ「断絶」や「亀裂」でもあった。そこには、人類学者たちが先人の築いた基盤やその時代の支配的概念を批判的に乗り越えようと格闘してきた足跡が刻まれている。
(中略)
私たちはいったいどんな世界をつくりだそうとし、現実にどう世界を変えてきてしまったのか。それは、人類学という一学問に限らず、いまの時代を生きるすべての人にとって切実な問いである。人類学の一筋縄ではいかない旋回の軌跡をたどりなおす過程は、その問いへの向き合い方がいくつもありうることを確認していく作業でもある。
【目次】
1章 人間の差異との格闘
1 「差異」を問う
2 構造のとらえ方
3 未開と近代
2章 他者理解はいかに可能か
1 他者理解の方法
2 揺らぐフィールドワーク
3 存在論へ
3章 人間の本性とは?
1 社会から個人へ
2 形式主義と実体主義
3 近代への問い
4章 秩序のつくり方
1 法と政治の起源
2 国家と政治
3 国家なき社会
5章 自然と神々の力
1 宗教とアニミズム
2 神の概念
3 自然と人間
6章 病むこと、癒やすこと
1 災いの原因
2 医療人類学の地平
3 ケアの視点
7章 現在地を見定める
1 二分法を問い直す
2 変革と実践の学問へ
みんなの感想まとめ
多様な視点から文化人類学の深淵を探る本書は、現代社会における人間の差異や他者理解、経済行動、秩序、自然、宗教、病と医療といったテーマを通じて、学問の進化とその背後にある研究者たちの格闘を描き出します。...
感想・レビュー・書評
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後半に書いてある妖術、呪術みたいな話が面白かった。なぜ病になるのか。ということを人類学的に考えるとということが書いてある。
ほー、確かにと思うこともあれば、やっぱり科学ではなくて、宗教的な、ハウではなくてワイを問うのが、部分的に人類学の部分からもひもとけるんじゃないかなとも感じた。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
調査にふさわしい環境について、表向きには「白人の世界から自分を切りはなし、可能なかぎり現地住民と接触することにあり、彼らの集落のまっただなかにキャンプを張ってはじめて達成される(マリノフスキ)」と言っておきながら、日記には「耳を傾けていられぬほど嫌悪を覚える」とか「犬の生活も同然だ」とか書いてるの相当面白い。人間らしくて安心さえする。
「他者を真剣に受け取ることとは、その論を閉じてしまうことではなくて、彼らの経験によって豊かになった想像力に対して論を開いていくこと(インゴルド)」というのが印象に残った。 -
自然は文化や社会から切り離せして単一に定められるものではなく元来複数性をもつものである。
僕にできることは、静的な知識(≒科学)と動的な知恵(≒実践)を行き来し、自分の世界観に揺さぶりをかけて固定化した知識を更新し続けること。そのために他者との対話を繰り返すこと。
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