- Amazon.co.jp ・本 (1280ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065330722
作品紹介・あらすじ
【単行本】百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作長編がついに!殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。消えた三つの他殺体を追う刑事。妖光に翻弄される学僧。失踪者を追い求める探偵。死者の声を聞くために訪れた女。そして見え隠れする公安の影。発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。シリーズ最新作。
感想・レビュー・書評
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あえてお値段の高い単行本版で読む。
電車では立ったままでは読めないし、膝の上に置いて読むと首が痛いしで苦労しましたが、読み了った悦びたるや。
さて、これは最早巷で言われる「鈍器本」などではありません。「碑」そのものです。表紙、黒いですし。黒で縁取られ中に向かって染み込むような本文ページ!うっかり職場に持ち運んでしまった時についた傷やうっかりナンを千切った指で触ってしまった時についたと思われる脂汚れが外側に目立って仕舞い易いじゃないですか。いやそんなことはどうでも良いのですが。カバーを外すと小学生の時に使っていた緑蛍光ペンで塗りつぶしたような色合い。仮に本を見失っても、遠くから見てもそれとわかるゴツい色味です。いや、分厚さだけでわかりますねこれ。
内容ですが、レギュラーメンバー&新キャラが回転テーブルに乗っているが如く入れ替わり立ち替わり出てきます。シリーズを通して読んでいる読者は、何時もどおりにちょっとずつ交差し始めるキャラクター達や集積していく情報を存分に愉しめるわけです。ただし、今回も、そう言った「お約束」を守りつつも、巻毎に攻め手を変えてくるトリックスターぶりは健在でして。「あれ?いつもと違って新キャラが〇〇〇〇ぞ?」 そしてある意味期待を裏切るような、それでいて期待以上でもあるような、奇妙なクライマックスへ…… -
え、ええ〜〜〜〜〜〜〜!?
はーーーーーーーーーー、なるほどーーー?????????
はえ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!??!?!?
狐につままれたような、狸に化かされたような。すごい楽しく読んだけど、そ、そんなあ!?ってポカーンとしてしまうような。
敢えてなのだろうとは思うのですが、文体がすごく軽いというか軽快というか現代に寄っていて、本はめちゃめちゃ重たいのに読み進める目や手の動きは軽かったです。緑川さんもすごくイマドキの女性っぽかった。
巷説百物語読まなきゃいけない理由が増えてしまった。読みます。
百鬼夜行シリーズの(ほぼ)オールスターが全然違う目的で同じ場所にじわじわ集結していくのがまあ楽しいこと楽しいこと。盛り上がってまいりました!!!って感じで大変ドキワクでニヤニヤでした。関口くんが元気(普段の感じ)になっててよかった。基本たくましいな。
いやでもこんだけ読ませといてそんな!!!!!いやそれを含めての鵼なんだろうけども!
一番最初の創作ノオトが本当に素晴らしくて本編読んでてもずーっと頭から離れなかったです。
本編はそんな〜〜〜!!!な気持ちで星4つだけど、創作ノオトが素晴らしくて大好きなので星5つになりました。
ページ数の分、否それ以上、いっぱい楽しかったです。こんな気の遠くなるようなページ数なのに文字跨ぎが無いの本当に恐ろしい。読みやすい。ありがとうございました。
追記:
緑川さんってシン・仮面ライダーのルリ子さんなのでは?って言ってる人見かけて「ハアッ!!!!」ってなった。大叔父さんが組織から離れた緑川弘…!!!??!?ってこと!!!?!?!?執筆時期がモロかぶりだけど!!!!!!!そんなまさか!!?!?!?!? -
正直感想と評価に迷う。
中盤までのワクワクや満を持しての京極堂登場や、蘊蓄語りの数々はさすがは京極堂シリーズと手放しで喜んだ。
が、現地でリアルタイムで事件がどんどん展開するわけでもなく純粋なミステリとして読めば緊迫感が薄い。鈍器ほどの長編じゃなくてもという気がする。むしろもう少しすっきりした方がとさえ感じる。
とはいえ、蘊蓄や登場人物同士の会話で示される、陰謀論や原子力や戦争やマスコミについての警句を、現代に特化した我々世代への京極先生からの憑き物落としと捉えれば非常に有効だし、最後の最後で語られるファンサービス的な一幕もたまらないファンがいるだろう。
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【書誌情報】
『鵼の碑』
著者名:京極 夏彦
発売日:2023年09月14日
定価:3,960円(本体3,600円)
ISBN:978-4-06-533072-2
判型:四六
ページ数:1280ページ
百鬼夜行シリーズ17年ぶりの新作長編がついに!
殺人の記憶を持つ娘に惑わされる作家。
消えた三つの他殺体を追う刑事。
妖光に翻弄される学僧。
失踪者を追い求める探偵。
死者の声を聞くために訪れた女。
そして見え隠れする公安の影。
発掘された古文書の鑑定に駆り出された古書肆は、
縺れ合いキメラの如き様相を示す「化け物の幽霊」を祓えるか。
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2023/10/03読了
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鵼というだけあって、虎の部分から見る人、猿の部分だけ見てる人、蛇の部分を見る人と一つの物事を多方面から見て全体像が見えなくなっている感じがよく出てました。今、この時代だからこそ感じられることもあり、厚さのわりにはスイスイと読み進められ、内容にも満足しました。何より、最後に明かされた他のシリーズとの関連性に興奮冷めやらず、またシリーズ読み返したくなりました。 あと、カバーとカバーを外した中の本の色の差に目がくらみそうでした…。
著者プロフィール
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