昭和の青春 日本を動かした世代の原動力 (講談社現代新書 2726)

  • 講談社 (2023年11月16日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784065331064

作品紹介・あらすじ

[本書の構成]
はじめに
第1章 青春の学生運動
第2章 青春の高度経済成長
第3章 青春の昭和文化・社会風俗
第4章 新たな時代を切り拓いた人物たち
第5章 高度経済成長と繁栄の「陰」
第6章 「昭和の青春」世代のこれまでとこれから
おわりに

みんなの感想まとめ

昭和の時代に生きた世代の青春を振り返る本書は、政治、経済、文化の急激な変化を通じて、当時の人々のライフスタイルや価値観の形成を探ります。著者は、団塊世代が経験した学生運動や高度経済成長、社会風俗を詳細...

感想・レビュー・書評

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  • 電気がない時代の生き方は、今になっては想像が難しい。そこまではいかないが、昭和という時代にも隔世の感がある。何せ、スマホはおろかインターネットさえ普及されていない世界。流石に固定電話はあるが、文通とか、駅の掲示板とか、そういう手段もあったらしい。駅で痰を吐く、飛行機でタバコを吸う、セクハラパワハラも緩いという時代。政治と金、テレビの作り出す大衆文化。学生運動や公害問題、オイルショック、団塊の世代、レコードやCD、万博や新幹線、ファミコン、少年ジャンプやヤンキー文化。最近では、昭和レトロブームという一部の流行りもあるらしい。分かるような、分からないような。

    本書は生活面にスポットを当てるというより、社会面が中心。主に戦後あたりからだ。

    ー この不平等な安保条約を対等にしようと動いたのが岸信介首相で、60年に改定されました。これで内乱条項が撤廃されてアメリカ軍は日本の反政府運動を抑えることができなくなるとともに、日本を防衛する義務が明確化されました。客観的に見れば、改定された安保条約は日米関係を対等にしようとする内容でした。それもあってか国会で安保改定に関する審議がはじまったときは、あまり関心を持たれていません。風向きが変わったのは、岸首相が来議院で条約批准の強行採決を行ったときです。日米安保条約という国際条約を締結するには、両国がそれぞれ議会で批准する必要があります。6月にアイゼンハワー米大統領が来日する前に何が何でも国会で批准しなければならないと焦った自民党は衆議院に警官隊を導入し、議場の前に座り込んで反対していた社会党の議員をごぼう抜きに排除し、自民党議員だけで条約批准を強行採決しました。60年5月19日のことです。
    本来、国会は立法機関なので、行政機関である警察は手を出せません。だから国会の皆備は衛視という立法機関の警察のような人たちが行っているのですが、自民党は警官隊を使ったのです。

    ー これら一連の強権的な出来事に対し、多くの人たちが「民主主義の危機である」と憤ったのです。この時は第二次世界大戦終結からまだ15年しか経過していません。ようやく日本も民主化されたと思っていたのに、逆行するような事件が議会で起こってしまった。その危機意識からみんなで民主主義を守れといって、全国からデモ参加者が国会議事堂の周りに集まったのです。世の中から大きな反発を受けた要因として、岸首相の経歴もありました。岸首相は戦時中、東条英機内閣で商工大臣を務め、敗戦後はA級戦犯容疑で勾留され公職追放されています (52年解除)。旧体制側にいた人物である岸首相が国会に官隊を導入し、批准に反対する議員をカずくで排除したことは、時代を戦前に逆戻りさせるような印象を国民に与えました。また、アメリカ軍の日本駐留が恒久的になると、53年に休戦となっていた朝鮮戦争が再発して、日本も巻き込まれるのではないかとの不安もありました。

    この内容は、詳しく知らなかったので印象的だ。いわゆる安保反対は違う文脈で理解されているように思う。

    ー 学生運動が再び盛り上がりをみせたのは60年代後半です。これは日本に限った話ではなく、先進諸国でほぼ同時多発的に発生したのが特徴です。日本では68年に大学をめぐって大きな事件が立て続けに起きました。その一つが東大紛争です。きっかけは学生たちが東大医学部卒業生のインターン制度改革を求めたことでした。その頃は医師国家試験を受ける前に、インターン制度でタダ働きをさせられたのです。

    ー アメリカやフランス、日本のほか、ドイツやイタリアでも学生運動が起こりました。
    同時多発的に学生たちの異議申し立てがこの時代に発生したのです。他方では大学生に触発されて、高校でも学生運動が起こるようになりました。都立青山高校で生徒が校舎を占拠して機動隊が導入されたのをはじめ、全国各地の進学校で同じような事態が生じました。世界的な学生運動の潮流は、日本の高校生にまで波及したのです。
    ただし高校の学生運動は、もちろんベトナム反戦運動の影響もありましたが、さまざまな旧体制に対する反発の側面が強いものでした。

    良いか悪いかは別として、こうしたエネルギーは令和には感じない。暴力や革命、学生運動の迫力はどこにいったのか。生活が安定して不満がない事の現れか、世の中がクリーンになったためか。あるいは無気力化、集団化が難しくなった、思想家や扇動家の不在。少子高齢化、敵の複雑化、炎上文化やエンタメの無料化によるガス抜き、分断化など、複合的な要素がありそうだ。

  • まさに「昭和は遠くなりにけり」
    たしかに昭和はめちゃくちゃに突き進んだ時代だった。
    今ならブラック、パワハラだらけの時代だったが、より良い時代を、生活をとパワーがみなぎった時代だった。
    今、それを望むべくもないが、あの時代は苦しくとも働けば働くほど所得が増えた時代だったが、今は働いても所得が増えない。ある意味あの頃より、よりブラック化しているのではないか。給料を上げず、残業代や手当をカットしながら、サービス残業をさせてる企業がまだまだ存在する。今を悲しく感じ、昭和を懐かしむ自分がいた。

  • 昭和の青春が現代に及ぼす影響が述べられる。
    まずは学生運動。私の年代よりよりも上の世代の状況がわかってくる。池上彰さんも、東京教育大を受けようとささたら受験が無くなり、慶應に入ったらストライキで授業が無くなり、奇しくも独学の基礎ができたようだ。
    あさま山荘で機動隊員がカップ麺を食べ、爆発的にヒットしたこと。1971年の銀座の三越に生まれたマクドナルドなどなど子ども時代の生活の背景が見えてくる。
    中でも、煙=豊かさの象徴と見られ、校歌にもうたわれていたというのは衝撃だった。確かに子どもの頃、工場が立ち並ぶ工業地帯に憧れを抱いたこともあった。時代の風潮だったのだろう。公害に苦しむ人が訴えて初めて世の中が変わっていくのだが。
    今の生活が獲得されていく歴史を知るという意味で面白い本だと思う。
    遠かった昭和が、目の前によみがえってきた。

  • 2025年になると、すべての団塊の世代が
    75歳以上の後期高齢者になります。

    〈本書では団塊の世代を中心とする戦後まもなく生まれた人々が体験した政治や経済、文化、生活などの急激な変容を振り返り、単に過去をなつかしんだりエンターテインメントとして楽しんだりするだけでなく、どのようにそのライフスタイルや価値観が形成されたのか、あるいはこの世代の人々はどのような要因に影響され、一方でその行動が社会にどう影響を与えたのかなど、「昭和の青春」について読者とともにたどっていこうと思います。
    もちろん昭和世代のためだけではなく、当時はまだ生まれていなかったり幼かったりした世代の人たちが昭和の世の中がどんな様子だったのか、なぜ現在の感覚では信じがたい出来事や状況が生じたのかを知り、理解するために役立つことも本書の狙いとしています〉

    とても面白かったです。
    そして思うのですが、リアルタイムで経験していて気づかなかったことが、ここで初めてわかる、ということがたくさんあるのではないでしょうか。

    たとえば、東京オリンピックと大阪万博
    今でもくりかえし映像が流れています。
    平成生まれでも、見たことない人は
    いないのではないでしょうか。
    大阪万博、すごい騒ぎでしたね。

    大阪で万博が企画された背景には、
    首都・東京でのオリンピック開催に対抗して、
    大阪でも経済的に大きなメリットのあるイベントを開催しよう
    との狙いがあったそうです。

    興味深いことに、中国でも、
    首都北京のオリンピックのあと
    経済都市上海で万博が開催されました。

    さらに私が興味深いと思ったことは
    「なぜ延べ人数で人口の半分が入場するほどの人気を集めたのか」

    〈高度経済成長期で人々が豊かになり余裕も出てきたものの、人々の余暇の受け皿となる施設やイベント、エンターテインメントが他にあまりなかったというわけです。家族で遊びに出かけようと思っても、それほど選択肢が多くはなかったのです〉

    なるほど!
    その後テーマパークがたくさんできましたが
    その前からあった遊園地も含め
    次々無くなりましたね。

    2025年再び大阪万博ですけど、どうでしょう
    後期高齢者は割引にしたらよかったかも?

  • 池上さんとはほぼ同年代(2年下)であったが、学生時代は典型的なノンポリであったので、学生運動については知らなかったことも少なからずであった。

    いつものようにわかりやすいお話であったが、こういうのを読んで昔は・・・を振り返るのが良いことなのかどうなのか。
    元旦の日に読了したのが、こういうものとなってしまったのもどうかな?の気分であった。

  • 団塊の世代が生きた昭和の解説本。特に学生運動について、良くも悪くも当時の学生の熱量を感じることができた。

  • ●1947〜49年生まれ、団塊の世代。現在の3倍以上の出生率。3年間で800万人。
    ●安保改定。日本を守る義務と、日本の反政府運動を取り締まれないように。問題は、旧体制側にいた人物である岸首相が国会に警官隊を導入し、批准に反対する議員を力づくで排除したこと。これが時代を戦前に逆戻りさせるような印象を国民に与えたから。
    ●東大紛争。戦後「学問の自由はこれを保障する」と憲法に規定されたのに、大学の総長が学問の府に警察を導入するとはどういうことか。そんな反発が学生の間に生まれた。
    ●日大紛争。入学定員の3倍もの学生を入学させ、さらに20億円の使途不明金。体育会系の学生が風紀委員会みたいなことをして学生と対立。最後は機動隊。
    ●全共闘は一般の学生が離れ、基盤を失い、より過激な闘争に走るようになる。革マルと中核派の争い。革マル派と解放派でも殺し合い。30名ほどに。
    ●テルアビブ空港乱射事件。24名死亡。パレスチナでは岡本公三は英雄。
    ●オイルショック。なぜ千里ニュータウンでトイレットペーパーが売り切れたのか。全国に先駆けて水洗トイレが普及していたからです。
    ● 70年代、みんな会社で長時間働いたのは、夏はそもそも家に帰るより、空調の効いた会社のオフィスにいたほうが快適と言う理由もあります。エアコンのついている家はまだそれほど多くはありませんでした。残業すればその分残業代が出て手取りも増えます。
    ●テレビの普及に変わり、凋落していった映画産業。人気俳優がテレビに出ると映画の人気が奪われてしまうかもしれない。大手映画会社5社が協定を結び、映画に出ている俳優はテレビに出さないことにしました。これを五社協定といいます。

  •  高度成長期にバリバリやった今の70代。
     その青春時代の文化を語る。 自分もその文化たちに ちょっとだけ引っかかるので懐かしい。

  • 時代を本当に知るのはその空気を吸った当事者のみなのかも。NHK出身のジャーナリストが回想しつつ語る古き良き昭和の時代。

    半藤一利の「昭和史」に似た昭和後期の政治、経済、芸能。学生運動、高度経済成長など。

    昭和は遠くなりにけり。

  • 歴史は繰り返す。
    海外旅行では、日本が行ったものを韓国、中国と同じことをした。これは文化交流、情報量の少なさから来るもの。
    国際化が進みこういうことはもう起きないのでしょうが、面白い事実です。

  • 取り上げるテーマ自体は、昭和探求といったコンテンツのものから大きくハズレることもないが
    池上さんが当時どういった立場に置かれ、時代と付き合っていたかを垣間見れるという意味では筆者の知名度が時代を回想する一助になっているように思われる。

  • 昭和の時代は、良くも悪くも若者にエネルギーがあったのだと感じさせられた。印象に残ったのは、上皇が象徴天皇としての在り方をいかに形作ってきたか、という点。最初は色々と批判があったということは今の世代から見れば意外だが、多くの国民に愛される天皇の在り方を形作られたことに敬意を表したいと思う。

  • 歴史の教科書に出てくる昭和時代のフレーズを筆者の実体験に基づいて一つ一つ丁寧に解説してくれている書きぶりで非常に読みやすい文章だった。

  • 阪南大学図書館蔵書検索OPACで貸出状況や所在を確認↓
    https://opac-lime.hannan-u.ac.jp/opac/volume/904583

  • なんか自慢にしか思えなかった。

  • 団塊の世代が75歳になる2025年、昭和100年にあたるこの年に、昔を懐古しながら読んだ。時代が走馬灯のように巡った。

  • 現代史総復習でした。糸で縄を買うとか習ったわーー!

  • 団塊の世代が昭和を懐かしむには良いダイジェスト。知らない世代が読むには情報が足らないと思いますが、ダイジェストであらすじを掴んで詳細は別の本で学んでもらうと良いと思います。
    私は池上さん世代ではないので懐かしい部分は殆どありませんでしたが、親戚のおじさんの昭和振り返りという感じで良かったです。

  • 有り S210/イ/23 棚:13
    小坂井

  • 2025年に団塊の世代が75歳に。。
    なんだか雪崩前のような空気。
    少子化と非正規が問題だと思うのだが、それだけではないようですね。
    日本はどうなっちゃうのでしょう。

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著者プロフィール

池上 彰(いけがみ・あきら):1950年長野県生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業後、73年にNHK入局。記者やキャスターを歴任する。2005年にNHKを退職して以降、フリージャーナリストとしてテレビ、新聞、雑誌、書籍、YouTubeなど幅広いメディアで活躍中。名城大学教授、東京科学大学特命教授を務め、現在5つの大学で教鞭を執る。著書に『池上彰の憲法入門』(ちくまプリマー新書)、『お金で世界が見えてくる』、『日本の大課題 子どもの貧困』編者、『世界を動かした名演説』パトリック・ハーラン氏との共著(以上ちくま新書)、『なぜ僕らは働くのか――君が幸せになるために考えてほしい大切なこと』(監修、学研プラス)、『経済のことよくわからないまま社会人になった人へ』(ダイヤモンド社)、『20歳の自分に教えたい経済のきほん』(共著、SB新書)ほか、多数。

「2025年 『池上彰の経済学入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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