変身物語 上 (講談社学術文庫)

  • 講談社 (2023年9月11日発売)
3.67
  • (0)
  • (2)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 112
感想 : 10
サイトに貼り付ける

本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

Amazon.co.jp ・本 (512ページ) / ISBN・EAN: 9784065332856

作品紹介・あらすじ

古代ローマの詩人オウィディウス(前43-後17/18年)が残した唯一の叙事詩、待望されて久しい文庫版での新訳!
内乱が続いた紀元前1世紀の古代ローマは、その一方で「黄金時代」と呼ばれる詩や文学の最盛期でもあった。その初期を代表する詩人がウェルギリウス(前70-前19年)なら、後期を代表するのがオウィディウスであり、そのオウィディウスの代表作が本書『変身物語』にほかならない。
愛する男女の往復書簡という体裁をとる『名高き女たちの手紙』、恋愛詩人としての本領を発揮した『恋の歌』といった初期作品で知られるオウィディウスは、愛を成就させるための技法を性的なものまで含めて赤裸々に指南する『愛の技術』を書いたことが一因となって、のちに流刑の憂き目に遭った。このあと後期の円熟を遂げるオウィディウスが、ローマの祝日や祭礼の縁起を説く『祭暦』(未完)とともに着手したのが、本書『変身物語』である。
ウェルギリウスの『アエネイス』と並んでローマ文学における最高峰をなす本書は、オウィディウスが手がけた唯一の叙事詩であり、全15巻から成る大作となっている。その背景にあるのは「万物は流転する。すべての形あるものは生成しつつ、移ろう」(本書第15巻178行)と表現される世界観、宇宙観であり、事実、本書は原初の混沌から秩序としての世界の創造を歌う「序詞」から始まり、「金・銀・銅・鉄」の四時代、イアソンやテセウス、ヘラクレス、オルペウスといった英雄たちの時代、そしてトロイア戦争を経て初期の王の時代に至る壮大な世界史を描き出す。
その質においても量においても他を圧倒する本書が後世に与えた影響ははかりしれない。その代表が、シェイクスピアやミルトン、モンテーニュであり、ルーベンスやブリューゲル、ダリである。にもかかわらず、文庫版で手にできる現代にふさわしい日本語訳は長らく存在していなかった。数々の名訳で知られる訳者が自身のライフワークとして手がけたこの新訳は、今後のスタンダードとして長く読み継がれていくことを確信するものである。
「上」には第1巻から第8巻を収録。上下巻それぞれに「人名・神名索引」と「地名・民族名索引」を掲載した。

みんなの感想まとめ

古代ローマの詩人オウィディウスの叙事詩は、流転する世界観を背景に、神話や英雄の物語を描き出しています。作品は全15巻から成り、壮大な世界史を展開する中で、恋愛や人間関係の複雑さも浮き彫りにします。特に...

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 『変身物語』上下 オウィディウス (岩波文庫) - 書評空間::紀伊國屋書店 KINOKUNIYA::BOOKLOG
    https://booklog.kinokuniya.co.jp/booklog/kato/archives/2011/09/post_275.html

    『変身物語 上(オウィディウス)』|感想・レビュー - 読書メーター
    https://bookmeter.com/books/478013

    オウィディウス 変身物語 (上) - 岩波書店
    https://www.iwanami.co.jp/book/b247125.html

    変身物語 上 | 学術文庫&選書メチエ | 講談社
    https://gendai.media/list/books/gakujutsu-bunko/9784065332856

    『変身物語 上』(オウィディウス,大西 英文):講談社学術文庫|講談社BOOK倶楽部
    https://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000381419

  • 面白い。「変身譚」を中心にギリシアやローマに伝わる神話・物語を次々と語っていく内容なのだが、血縁や登場人物などをたどるようにしてシームレスに次の話へと話題が移っていくという高度な語り方をしている。それのみならず、恋愛に燃える乙女の心境から血なまぐさい戦闘、人の体が獣に変身していく様まで臨場感たっぷりに語っていく表現力があって目が離せなくなる。こんな本が2000年も前に書かれていたと思うと途方もない気持ちになってしまう。人物名がとにかく多くて、全然覚えられないけど…。

    ナルキッソスやイカロスなど超有名どころの話からこの本にしか典拠がない話までとにかくたくさんの話があるが、神々、特にユピテル(ゼウス)とユノー(ヘラ)夫妻があまりに自分勝手で傲慢なことに驚く。ユピテルが逃げ惑う娘を無理やりレイプして、さらにユノーがそれに嫉妬して娘や親族まで悲惨な目に合わせる、みたいな話が多すぎる。
    でもやはりこういう神話は、神様というか超自然的な存在に世界や運命の理不尽さ・残酷さを託してストーリー状にし、何とか飲み込もうとする人間の営みなんだろうかとも思える。神には神なりの物事の帰結というものがあるが、それは人間の論理とは相いれないというのが肝心なところなのだろう。切なくとも、そこには想像力とユーモアがあふれていて美しい。
    鳥や動物、昆虫たちは、悲劇の果てに変身させられた人間なのかもしれないという数々の物語。そんな発想も、人間には理解できない生き物たちを人間の側へ引き寄せる試みであるのだろうか。それがこんなにもたくさんのバリエーションを持っているのがすごい。ギリシアの文化的な豊かさを存分に感じられた。

  • 新着案内を見て2023年10月23日図書館から借り出し。
    先に誰か借り出していて待たされたのに、本を開いた形跡がない。新本だとなんか嬉しい。ただし、学術文庫は例によって字が細かいのと、本文と訳注だけで450頁を超えるので期限までには読み終えそうにもない。
    詳細な訳注を気にしてたら進まなくなった。

  • 東2法経図・6F開架:B1/1/2752/K

全5件中 1 - 5件を表示

この本が好きな人におすすめの本

オウィディウスの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×