メディアミックスの悪魔 井上伸一郎のおたく文化史 (星海社新書)

  • 講談社 (2025年3月19日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784065341872

作品紹介・あらすじ

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ネットに氾濫する不正確な情報じゃないぞ
これが80年代アニメ業界の(ほぼ)真実だ!
デザイナー 永野護 推薦!!
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『少年エース』『ニュータイプ』の創刊を手がけ、
編集者として『ファイブスター物語』等の数々の名作と歩み、
角川歴彦とともにKADOKAWA経営統合までを成功に導いた
KADOKAWAの「屋台骨」を支えた男の「おたく一代記」!

マンガ・アニメ・映画・文芸……あらゆるジャンルを股に掛けて、新たなメディアミックスの技法を切り拓いてきた稀代の編集者・井上伸一郎。「おたく第一世代」として「鉄腕アトム」や「ウルトラマン」「仮面ライダー」に心を躍らせた幼少期から、伝説のアニメ雑誌「アニメック」編集部在籍時代、角川書店における「ニュータイプ」「少年エース」の創刊、そしてKADOKAWA代表取締役副社長時代までを余すところなく綴った本書は、「好きなものを否定されたくない」という「おたく」の信念に導かれたひとりの人間のライフヒストリーにして、比類なき「おたく文化史」である! 宇野常寛による解説を各章末に所収。

カバーイラスト:CLAMP
聞き手・解説:宇野常寛

*本書目次より抜粋
プロローグ 「東京国際アニメフェア」ボイコット
解 説 おたく/オタクの成熟と「社会」との距離感について

1959ー1977
少年の夢、おたく第一世代が見てきたもの
解 説 「テレビまんが」の時代

1978ー1984
アニメ雑誌「アニメック」の時代
解 説 「アニメック」の頃

1985ー2006
ニュータイプ編集部とアニメ・コミック事業部の時代
解 説 「おたく」から「オタク」へ

2007ー2021
角川書店社長、そしてKADOKAWAへ
解 説 「オタク」はいかに「歳を重ねて」いくのか?

あとがき

感想・レビュー・書評

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  • 読者のためというより
    作者のための本って感じ

  • アニメや漫画が文化として認知されるまでの歴史として面白い。

  • おたく第一世代の著者のオタク遍歴から、アニメック〜ニュータイプに至るメディアの内側や役割などなど、興味深く面白く読みふけりました。
    日本のオタクカルチャー史の一面が俯瞰できます。

  • "「クラリスは男性の理想像を反映しすぎたキャラクターではないか?」
     と質問したところ、宮崎監督は怒って、こう反論しました。
    「君は女の子のことを全然分かっていない! あの映画が何日間の話だと思ってるんだ!」
    「ルパンが3日ほど気を失っていたから、7日間の話だと思います」
    「そうだよ。どんな女の子でもね、1週間くらいは猫をかぶっていられるんです!」" p.102

    " 余談ですが、よく『ガンダム』のザクというモビルスーツがアニメで初めて描かれた量産型のロボット兵器、と言われますが、そんなことはありません。
     手塚治虫さん原作のテレビアニメ『ビッグX』(1964年8月3日)には、V3号という量産型の人型ロボット兵器が出てきます。そのエース機体が、主人公・昭のライバル・ハンスの脳を移植した、通称・ハンスロボットです。この関係は、量産型ザクとシャアが乗るシャアザクの関係に似ています。これは私の妄想ですが、富野由悠季監督は手塚治虫さんの弟子ですから、少なからず影響を受けていたのではないでしょうか。
     そして『ファイブスター物語』の主役モーターヘッドのひとつレッド・ミラージュのデザインは、このハンスロボットにインスピレーションを受けている、と永野さんに聞いたことがあります。3代に渡って、師匠と弟子の関係として、手塚治虫さんの遺伝子が受け継がれていると考えると、楽しくなりませんか?" p.142

    "「ファンタジーフェア」のころはまだ全体の方針が固まっておらず、赤川次郎さんや片岡義男さんら、当時若者に人気の作家もフェアに参加していました。ファンタジーだけでなく青春小説も混じっていたのです。" p.151


    著者が幼少の頃から摂取してきたものが紹介されていくなかで、栗本薫が摂取したであろうものが見えた気になった。著者は一言も栗本薫には触れていないにもかかわらず。

    ファンタジーフェアの件は、個人的にも初回は何だったんだろうと思っていた。翌年と印象が違いすぎたので。ふつうに手探り状態だったんだなと。

    石原慎太郎の都知事時代末期の老害っぷりは圏外から見ていたのでよくわからなかったが、業界人は相当腹に据えかねていたようだ。先に読んだ『教養主義の没落』の著者からは下に見られていた石原慎太郎。表現の自由にも階級があると信じる保守もいるとなれば、ダブスタはリベラルだけの特権ではないことになる。気をつけよう。
    2010年には都と対決した出版業界は、近ごろの表現の自由に対する圧政傾向には消極的な姿勢を保っているようで、語るに落ちた観はある。

    めっぽう面白い本だが、お家騒動を青春の1ページとしてしか見ていないのは許しがたい。戦国絵巻みたいなノリだった角川の社史よりはマシだが、やはり内部の人間の証言はそうなるしかない。当事者は誰かと言ったら春樹と歴彦しかいない。結局は他人事。
    時折ネットで轢かれた人間の怨嗟に満ちた声を見かけることがある。あれは作家にとってはもちろん、読者にとっても大きな裏切りだった。決して輝かしい青春の記憶として語られてよいものではない。

  • 今のKADOKAWAのポジションを築いた井上伸一郎氏の辿ってきたおたくの旅を綴った本。こういう個人の視点というのは興味深いエピソードの宝庫だと思う。幼少期の「テレビまんが」との関り、「アニメック」の編集をしていた頃、色々な人たちの関係性が面白い。ここ以降は、個人的に井上氏が関わってきたニュータイプ、スニーカー文庫を始めとするラノベ、角川アニメなど多感な時期に多く触れてきたので、ここに書かれているエピソードはどれも熱い。その影響で今に至るわけで感謝しかない。宇野常寛氏による本編とリンクする解説も素晴らしい。

  • こうしてヒストリー残してもらえるのありがたいし東京都との対立モードは失念していた。そして海のトリトンやヤマトガンダムなどアニメの初期から女性ファンとクリエイターがいたことをなかったことにされなくてありがたい。このあたりは語り直しが必要になると思う。

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