- Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065342725
感想・レビュー・書評
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著者は母校の大学に在学中、総長をつとめていて、学生の間でも話題にのぼることもあったし、なんかいまだに印象に残っている人なのだけれど、そういえば本は読んだことなかったと思い、目についた本書を読んでみた。
本書はロック、レヴィナス、ヒューム、ヘーゲルらの「所有(権)論」を重ね読みするように展開される哲学的な議論になっている。
正直、哲学は専門でもなく、全然理解できたとは言えないのだが、
「《所有権》は、歴史のある段階で、個人の(場合によっては組織や団体の)自由と独立と安全とをぎりぎりのところで護る権利として措定されたはずなのに、現代社会ではそれが過剰なまでに強迫的にはたらきだして、逆にそれがその自由と独立と安全にとって足枷や桎梏として立ちはだかる、そのような場面が増えている。」との指摘は、仕事の中でも感じるところがあるし、
プラットフォームを巨大な私企業が所有することが問題とされたり、シェアリングエコノミーも注目されている中で、《所有(権)》について、考え直してみるのもいいのかもしれないと思った。 -
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だれのもの?/所有と固有/ロックの問題提示/所有と労働/糧と労働/身体という生地/法と慣行/関係の力学/所有権とそのあらかじめの剥奪/所有と譲渡可能性/人格と身体の連帯性の破棄/演戯と所有/所有をめぐる患い/解離/清潔という名の強迫/“棄却”から“本来性”へ/直接性をめぐって/空白のトポス?/形式的なものと自己関係性/制度から相互行為へ/“受託という考え方”/“共”の縮滅/共にあることと特異であること/“場所”と“死”と/所有と固有、ふたたび/危うい防具
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【本学OPACへのリンク☟】
https://opac123.tsuda.ac.jp/opac/volume/713124