正義とは何か (講談社現代新書)

  • 講談社 (2024年1月18日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (256ページ) / ISBN・EAN: 9784065345856

作品紹介・あらすじ

何が「正しい」のか、わからなくなった時代に。
プラトン、カント、ベンサム、ロールズ……2400年にわたる知的格闘。
人生や社会に関わる切実な問いを、哲学者たちはこう考えた!

法哲学の第一人者があざやかに整理し、切れ味鋭く論じる、「正義」入門の決定版!


【本書の構成】

はじめに――いま、なぜ過去の正義論を見直すのか?
序章 正義論のさまざまなパターン――本書のねらい
第一章 正義とは魂の内部の調和である――プラトン
第二章 正義とは他の人々との関係において現れる徳である――アリストテレス
第三章 正義とは相互の利益になる契約を実行することである――ホッブズ
第四章 正義とは自然権の保護・実現である――ロック
第五章 正義とは慣習によって生じた財産権規則を守ることである――ヒューム
第六章 正義とは非難が適切であるということと権利の保護である――スミス
第七章 正義とは「定言命法」に従うことである――カント
第八章 正義とは功利の原理に役立つ「かもしれない」ものにすぎない――功利主義
第九章 正義とは社会制度の第一の徳である――ロールズ
あとがき――文献案内をかねて

感想・レビュー・書評

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  • ●サンデルが紹介する正義論へのアプローチが政治的正義にばかり重点を置きすぎていて、それ以外の理解の仕方を軽視している。公人としてより、個人としての正義論を。
    ●ロールズ以前の正義論は、複数の個人や団体の間の相互行為と関係に焦点を当てているのに対して、ローズ以後の正義論は、社会全体が目指すべき政治的目的を問題としています。
    ●正義の本質は、対他性(他者との関係で問題になる)と優越的規範性(それ以外の道徳的行動よりも重みを持つと言う発想)の2つ。
    ●嘘をつく事はなぜ不正なのか? ①帰結主義によれば、相手に損害を与えたりするので不正。嘘が全体として有益な帰結をもたらすならば、不正ではないと言うことを認めるに近い。(うそも方便) ②義務論によれば、嘘をつくと言う行為自体が誠実の義務に反する。③契約主義によると、嘘を容易く許すような道徳原理は多くの人が合理的に斥けると考えられるから不正④徳倫理学では、嘘をつく事は多くの場合は不正だが、ときには愛とか友情のために許される場合もあるだろう。
    ●「プラトン」 正義とは、魂の内部の調和である。
    ●「アリストテレス」 正義とは、他の人々との関係において現れる徳である。
    ●理性と欲求と行為に分けて、①善き人(全てが○)②抑制のある人(意思の強い人)、 ③抑制のない人(意思の弱い人)、④悪しき人。それぞれ行動が同じでも内面は全く違う。
    ●「ホッブズ」 正義とは、相互の利益になる契約を実行することである

  • 九州産業大学図書館 蔵書検索(OPAC)へ↓
    https://leaf.kyusan-u.ac.jp/opac/volume/1452370

  • 淑徳大学OPACリンク
    https://x.gd/d4m25

  • 素手で格闘してる感じがはっきりしてて、一次文献との距離が小さく感じられる。

  • プラトン、アリストテレスからロールズまで9人の法哲学者の言説を紹介しながら、「正義」の正体を考えるもの。
    当然だけど法治社会となる以前から正義と言われるものは存在した。もちろん何を正義とするのか、その正義は何に対する正不正を問うているのかが時代や社会システムに応じて異なる。
    とすると、やっぱり国際的な正義って難しいよなぁ。だからこそ、それを打ち立てていく努力が求められるよね。

  • 【配架場所、貸出状況はこちらから確認できます】
    https://libipu.iwate-pu.ac.jp/opac/volume/571924

  • 高校倫理から少し深くこのあたりをまとめたものを知りたかったのでありがたかったです。

  • 正義を帰結主義、義務論、契約主義、徳倫理学に分け、それぞれの代表的な思想家を解説。

    また現代は功利主義が目立つ点を解説。

    結論はない。各主義の紹介。公正。

    読了90分

  • スミスまで読んだ。
    まとまってるから、他の本読む時の補助にしよう。

  • 東2法経図・6F開架:B1/2/2735/K

  • ロールズ以前=司法的ー複数個人・団体の相互行為と関係 以後=公法的ー社会全体・政治目的 パターン:正義=対他的・優越する規範性 帰結主義・義務論・契約主義・徳倫理学 行為/行動・行動基準・社会の基本構造・人の性格  プラトン:正義=魂の内部の調和 アリストテレス:人々の関係において現れる徳 ホッブス:相互の利益になる契約を実行 ロック:正自然権の保護・実現 ヒューム:た財産権規則を守る スミス:非難が適切・利の保護 カント:定言命法に従うこ 功利主義:功利の原理に役立つ ロールズ:社会制度の第一の徳

  • 整理され過ぎていて難しい。
    前に書かれていたことを十分に斟酌しないまま先に進むと段々と内容について行けなくなる。

    一回読み終えたので、間を見て最初から読み直してみたいと思う。
    また、その価値がある本だと思う。

  • 古代から現代の正義論オムニバスだが、薄っぺらく書かれているわけではなく、しっかりした読み応えがあった。いかんせん浅学なもので、いくつか、分かったような分からないような記述もあったけれど、これは著者が悪いのではなく自分の知識が乏しかったせいかと思う。他の倫理学の本を読む傍らの、要覧的な使い方が出来れば助かる。

  • 【蔵書検索詳細へのリンク】*所在・請求記号はこちらから確認できます
     https://opac.hama-med.ac.jp/opac/volume/480456

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著者プロフィール

一橋大学名誉教授

「2023年 『法と哲学 第9号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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