死んだ山田と教室

著者 :
  • 講談社
3.80
  • (7)
  • (5)
  • (6)
  • (1)
  • (1)
本棚登録 : 552
感想 : 13
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (304ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784065348314

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 山田が死んで3日めの教室。
    気分転換に席替えをしようと言う、
    空気の読めない担任の提案に、
    いたたまれなくなって声をかけたのは…山田!!!?
    山田、お前、スピーカーになっちゃったのか?

    死んだ山田の声がスピーカーから聞こえてくるって、こわっ…!
    …いや、山田と話せてみんなけっこう楽しそう?
    みんなの会話を聞いてると、山田を中心にクラスの雰囲気がめちゃめちゃいいし、馬鹿げたやりとりは青春そのもの。
    話すことしかできない山田のために、あれこれ考えてくれるみんなの気持ちが嬉しすぎて、やばい、泣きそう…。
    でも、いったいこれ、どうなって終わる物語なんだ??
    できるだけ見ないふりしてたいけど、山田の孤独を思うと辛すぎて、まだ確かに存在している友情に縋りたくなる。
    誰かに縋ったとして、その先は?

    ちゃんと生きて、ちゃんと終わりにできますように。
    そんな普通のことを、
    普通でありながら普段は考えないようにしていることを、願いたくなる。
    青春の無邪気な楽しさを味わえるけど、絶対に、面白かった〜では終われない作品!

  • 男子校を舞台に、クラスで人気者だった山田が事故で亡くなり、教室のスピーカーに魂が宿り声だけ復活するという物語。
    山田が復活したことでクラスメイトは喜び、馬鹿馬鹿しくも愛おしい会話を楽しむ姿にクスクス笑いながら読みました。この楽しい雰囲気の中に、時折感じる違和感が自然に描かれており、面白いと思った後に急に切なくなる瞬間がありました。
    話しが進むに連れて、クラスメイト達はバラバラになり、歳を取っていく中で、山田だけ時間が止まったままで、段々距離を感じるようになります。この時間の経過が、リアルに生きている者との違いを感じ、なぜちゃんと死ねなかったのか、その理由と向き合うことになるラストの展開はとても良かったです。青春の刹那を感じられる良い作品でした。

  • 死んだ山田とクラスのみんながひたすら会話する話。
    最初はこんなの男子学生みんなが受け入れるか?と思ったけど、1年経ち、卒業したらもうほとんど会いにも来ないからやっぱりそうやよねと思った。一種の墓参りなのかもと考えたら最後まで読めた。

    読む前はかなりエモい感じを期待したし、山田とクラスメイトがどう絡むか楽しみにしていた。
    蓋を開けてみるとかなり地味で、生前の山田への印象をみんながちょっとずつカミングアウトしていくけど、それも地味。
    だから読んでる間ほとんどつまんなかった。
    これを読んで自分の人生を一生懸命生きようってならないかな、そんなメッセージはなさそうだけど。オチがあれなのもなんかな、読み終わって脱力した。
    メフィスト賞が舞城王太郎や西尾維新とか辻村深月を輩出していた頃のイメージで買ったけど、もうそんな賞じゃなくなったのかな。

  • この物語はいまだかつてない摩訶不思議なお話でした。交通事故で死んだ高2の山田が2年E組のスピーカーから声が聞こえるなんて面白い発想、夏休み後の席がえ、山田が考えた配置図を見ながら後のお話を読んだことの面白さバツグンでした。クラスの皆んなが卒業してからの山田の淋しさ、そして親友和久津との友情、ラストの死の真実はあっと驚きました。一人でやるファイア山田のオールナイトニッポンの面白さそして泣かずにはいられないラストの悲しさあなたも読んで感動して下さい。

  • もう設定で優勝!
    最後どうなんの?
    止まらん、まんまと引き込まれ最強〜
    待ち受けてたラスト最高!
    好きー!ってなりました。

    仲間とバカなことばっかして
    くだらないことで笑い合って
    でも胸の内では色々あって
    やたら夜が長過ぎたりして
    そんなくり返しのような日々も
    いつかは巡り、過ぎていく。
    眩しい青春。

    この物語は、
    死んだクラスメイトが
    教室のスピーカーに憑依して!?という
    一見とんでもないストーリーだけれど
    男子校のしょーもないノリ、愛しい青春と
    一体どうなる!?のミステリアスな展開
    おちゃらけた面白さだけでは終わらない
    想いが重なり出して心の深いところにズンとくる。
    青春時代を駆け抜けてきた人たちも皆、
    あの頃過ごした教室を、
    思い出や記憶でいっぱいにして、
    まるで青春の箱のようにいつまでも抱えているのかも……なんて思ったり。

    生きるということ、死ぬということ。
    変わっていくこと、変わらないこと。
    青い春がうつろいの風に吹かれて、
    眩しく、切なく心をかき乱す。
    抱きしめたくなる声の、
    抱きしめ方もわからずに、
    ただ胸に響くその声を、
    せめて他の誰かに聴いてほしくて
    「ねぇこの本を読んでみて」と手渡したくなる。

    著者の金子玲介さん、
    純文学の土壌から生えたエンタメみたいな美味しいとこ取りの旨みがたまらない。
    ジャンルにこだわることなく、新たなフィールドで、根も葉も自由に伸び伸びと書いていってほしい。
    これからもとても楽しみな作家さんです。

    既に続編の刊行予定もあるので楽しみ♪

    公式ホームページもすごく凝っていて楽しいので必見です!
    https://fireyamada.kodansha.co.jp
    読後のお楽しみもアリ♪
    合言葉はもちろん、読んだ人にはわかるよね笑

  • 青春が「生」なら、「死」はなんだろう。
    蘇った山田と、いつまでもバカ話をしよう。
    終わりのない青春の日々を想って。

  • ぽっかり空いた穴に気付きませんでした。
    山田とクラスメイトの日々が愛おしくて、気付いてはいけなかったラストの衝撃とどんなものにも終わりはあるのだという事実に読了後しばらく打ちのめされていました。
    青春がどんなのだったか忘れてしまった大人にこそ読んでほしい。このバカバカしさと取り戻せない日々の眩しさ、はち切れんばかりのエネルギー、それらを忘れていくということと大人になるということと。
    教室という特殊な空間に閉じ込められた青春という名のミステリを堪能しました!

  • 死んだ山田が、教室のスピーカーに憑依した!?
    そんなぶっとんだ設定とは裏腹に、前半は山田と同級生たちのくだらない話が延々と続いて、そのくだらなさにクスッと笑えてしまう。かつて高校生だった男子たちは、より楽しめるのではないだろうか。

    「もっと2Eのみんなと一緒にいたかった」という山田の願いが、山田の魂をスピーカーに憑依させたのでは、という推測でみんな納得するのだが、後半は予想に反する出来事が起こり、「これはいったいどんな形で収束するんだろう…」と気になりすぎて、ページを繰る手が止まらなかった。

    青春小説のようなノリの前半から、後半にかけて一気にミステリ風味が増してくる、そのギャップが快感!
    ぜひかつて男子高校生だった人たちに読んでほしい。

  • 設定の面白さが出オチで終わることなく最後の1文まで継続している。すなわち、ずっと面白い。青春時代特有の甘美なダベり感に決して甘えることなく、永遠に続かない故の怠惰感や焦燥感までも非常に高い解像度で描き切っていて、信頼できる青春小説だと思います。

  • 「山田、どうにかして生き返らないですかね?」

    メフィスト賞受賞の話題作だったので読んでみました。 

    読んでいると、色んな感情が湧きましたが、そのなかで一番強く感じたのは「子供から大人へ変わっていく時に感じる切なさ」でした。

    序盤は笑えるシーンが多かったけど、徐々に雲行きが怪しくなっていき… 
    みんながだんだん山田を忘れて自分達の人生を歩んでいくのは当たり前だと分かっていてもやっぱり辛かった…
    そんな中で和久津の山田への執着はすごい笑
    何が和久津をそこまで突き動かしたのか…ちょっと疑問も残ります…

    ラストも思っていたよりスピード感があってびっくりしました。
    でも、和久津にとっても、何より山田にとってもあれが一番良い最後だったのではないかなと思います。

全13件中 1 - 10件を表示

金子玲介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×