神薙虚無最後の事件 名探偵倶楽部の初陣 (講談社タイガ)

  • 講談社 (2025年1月15日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784065353448

作品紹介・あらすじ

本に秘された謎、倶楽部が明かします。
「誰かを不幸にする
 名探偵なんていりません!」

圧巻推理に絶賛続出!
人が死なないミステリー

ーーー

大学の一角を占有する謎の団体〈名探偵倶楽部〉。
一員である白兎と後輩の志希は、
路上で倒れた女性にある奇書の謎を解いてほしいと依頼される。

不可解な密室、消えた寄木細工の秘密箱、突如炎上する館。
不可能犯罪の数々が記された書籍「神薙虚無最後の事件」は残酷な真相を指し示すが――。

「誰かを不幸にする名探偵なんていりません!」
緻密で荘厳な、人が死なないミステリ。



【本格ミステリ界激震!】
活殺自在に読者を手玉にとるミステリセンス ーー辻 真先
多重推理の果てに現れる新たな景色 ーー麻耶雄嵩
虚構であろうと虚無ではなく。虚無ではなく。ただ、万雷の喝采を ーー奈須きのこ
読み進めるうち、この謎に本気で挑戦せずにはいられなかった ーー今村昌弘
論理遊戯【パズラー】生まれ、戯言拳闘【メフィスト】育ち。擦り切れ方を忘れかけた、ぼくらのための物語 ーー青崎有吾
名探偵の信念と贅沢な趣向。これは、懐かしくも幸福な玩具【おもちゃ】箱だ ーー阿津川辰海
何と技巧と細工に満ちたデラックスな探偵小説世界か ーー城平京
粗削りながら燦然と輝きを放つ才能の原石。瑞々しく魅力的な多重解決ミステリをご堪能あれ ――知念実希人

感想・レビュー・書評

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  • 《名探偵たち》と《怪盗王》がすべてを賭して、遺したかったものとは一体?

    神薙虚無という謎多き名探偵を筆頭とした《名探偵たち》一行は、好敵手である怪盗王《久遠寺写楽》の館で起きた事件により、多くの者が行方知れずとなった。これは写楽の計略なのか?それとも?

    神薙虚無の活躍を記録した神薙虚無シリーズ最終巻『神薙虚無最後の事件』は、多くの読者を悲しませ、様々な仮説が繰り広げられたが、今もなお謎は解かれぬまま…。

    時は経ち、とある大学の《名探偵倶楽部》に属する男女と出会った御剣唯により、これまで明かされなかった《真相》の幕が上がる。

    感想です。
    最初から最後まで《読者への挑戦状》みたいな作品でしたね。何人もが重ねてくる《真相》に、ほぉ〜と思いながら、GW連休の移動時間は楽しめました。
    作中作となる『神薙虚無最後の事件』は作中で概要は紹介されていて、当時と現在に散らばった情報をヒントとして拾いながら、《名探偵倶楽部》の面々と謎を解くといった体験型に近い作品でした。悪くはない♪

    二作目『魔法使いが多すぎる』の文庫本発売に合わせて買いましたが、どうやら二作目は二作目でテイストが違うのかも?と本作の巻末に設けられた試し読みページで感じました。

  • なんか外連味が強いというか、回りくどいお話だった。まぁ名探偵を活躍させようと思うと、ある程度大言壮語的な感じになるのかな。
    物語のキーになるトリックには、わりと序盤で気付きました。まぁだからと言って、謎がすべて解けるわけではなんですが。

  • 初読み作家さん˙ᴥ˙

    作中作のノンフィクション小説を『名探偵倶楽部』の面々が多重推理しあう。

    ラノベ風?なのか、登場人物や会話文が厨二病すぎるし、回りくどすぎるし、強引だし、好みが分かれるかも。

    事件の推理合戦そのものは楽しめました。
    伏線もフェアなのである程度気付けます˙ᴥ˙

  • 色々な人の多種多様な推理が見れて、
    読みづらい点もあったけど、全体的に面白かった。
    「誰かを不幸にする名探偵なんていらない」っていう考えは良かった。

  • 「人が死なないミステリー」と書いてあった帯を見て、興味を持って読んだ1冊。

    実際に、神薙虚無シリーズを読んでみたいなと思わせられた。

    この本の醍醐味は、やはり、名探偵倶楽部のメンバーたちによる推理合戦。
    これがまた、面白い!!

    自分なら、誰の意見を推理を採用するのかを考えながら読み進めました!

    続編が本当に気になる1冊でした!
    続編も近いうちに読みたいと感じました!
    是非、推理好きにはたまらない作品なので、是非おすすめです!

  • 最終的に解くのはきみなんかーい!とツッコミを入れたという。
    それすらも、どうやら名探偵の手のひらの上だったようだが。

    ある一つの事件について、名探偵倶楽部の面々が各々謎解きをする話。
    帯や粗筋にある「人が死なないミステリー」という文言には難ありとして(何しろ殺人事件の話である)
    それぞれが展開する推理は荒唐無稽なトリックも含めて面白くあった。
    ただそこに辿り着くまでの作中作の小説がお腹いっぱいになるほど厨二病全開で、白兎くんではないけど読むのに時間がかかってしまった。
    ただミステリとしては本当にフェアだったと思う。
    自分でもトリックが見抜けたので。

    予想外だったのはエピローグの展開というか、ある箱の中身か。
    それが分かった途端に鳥肌立ったので。
    正直エピローグの話はそこまで明らかにせんでもという蛇足感もあったのだが、あのラストは本当によかった。

  • 普通に大学生が主役なんだけど
    名探偵と怪盗がいるのが普通な世界だから
    これも特殊設定ミステリなのかな?
    そんな世界で最後の怪盗王の死の真相と
    名探偵・神薙虚無の実在を証明して欲しいと
    関係者の娘から依頼を受け
    大学の「名探偵倶楽部」が推理をはじめる。

    最近、この路線…
    「名探偵の存在意義を問う」とか
    「キャラ立ちする名探偵がいる」とか
    百花繚乱なので。
    とりあえず目についたものから読んでみる。
    今のところ謎解きに関しては
    どこかひとつは驚いたりニヤッとしたり
    するところがあるので
    あとは好みの問題でしょうかね。

  • 登場人物や地の文が読みにくい。
    ライトノベルとして仕方ないのかなとも思うが、どうしても妨げになっている気がする。

  • 作中の事実を元にしたノンフィクション小説の事件の真相を推理する、多重推理もの

    以下、公式のあらすじ
    -------------------------
    本に秘された謎、倶楽部が明かします。
    「誰かを不幸にする
    名探偵なんていりません!」

    圧巻推理に絶賛続出!
    人が死なないミステリー
    ーーー
    大学の一角を占有する謎の団体〈名探偵倶楽部〉。
    一員である白兎と後輩の志希は、
    路上で倒れた女性にある奇書の謎を解いてほしいと依頼される。

    不可解な密室、消えた寄木細工の秘密箱、突如炎上する館。
    不可能犯罪の数々が記された書籍「神薙虚無最後の事件」は残酷な真相を指し示すが――。

    「誰かを不幸にする名探偵なんていりません!」
    緻密で荘厳な、人が死なないミステリ。

    【本格ミステリ界激震!】
    活殺自在に読者を手玉にとるミステリセンス ーー辻 真先
    多重推理の果てに現れる新たな景色 ーー麻耶雄嵩
    虚構であろうと虚無ではなく。虚無ではなく。ただ、万雷の喝采を ーー奈須きのこ
    読み進めるうち、この謎に本気で挑戦せずにはいられなかった ーー今村昌弘
    論理遊戯【パズラー】生まれ、戯言拳闘【メフィスト】育ち。擦り切れ方を忘れかけた、ぼくらのための物語 ーー青崎有吾
    名探偵の信念と贅沢な趣向。これは、懐かしくも幸福な玩具【おもちゃ】箱だ ーー阿津川辰海
    何と技巧と細工に満ちたデラックスな探偵小説世界か ーー城平京
    粗削りながら燦然と輝きを放つ才能の原石。瑞々しく魅力的な多重解決ミステリをご堪能あれ ――知念実希人
    -------------------------

    瀬々良木白兎(せせらぎ はくと):薬学部の大学2年生。来栖志希に淡い恋心?
    来栖志希(くるす しき):瀬々良木白兎と同じアパートの隣室に住む1つ年下の後輩
    果たしてこのコンビ、名探偵になれるのか?

    2人が外出からの帰途に、体調を崩し倒れこむ女性、御剣唯(みつるぎ ゆい)と出会う
    彼女は、父である御剣大(みつるぎ まさる)が著した20年前のベスト・セラー「神薙虚無(かんなぎ うろむ)最後の事件」の作中で明かされていない謎を解いてほしいそうで
    白兎と志希は、大学の「名探偵倶楽部」に所属する金剛寺煌(こんごうじ きら)等と共に、作品に秘められた謎を解こうとするが
    その真相とは

    欠陥探偵を自称する高校生探偵 神薙虚無(かんなぎ うろむ)と、天才犯罪者「怪盗王」久遠寺写楽(くおんじ しゃらく)対決を、虚無のお7馴染である「観測者」御剣大(みつるぎ まさる)が記したノンフィクションミステリシリーズ
    ノンフィクションを謳っていたが、最終作の発表の後に「神薙虚無」という人物が戸籍にも存在しない人物だということが世間に知れ渡り炎上
    次第に忘れ去られ、現在では誰も口にしなくなっている


    これを「人が死なないミステリ」と呼ばれると、ちょっと物言いを入れたくなる
    「死んでるが?」と
    真相と思われるネタバレを含んでしまうけど、「殺人事件ではないミステリ」ならまだ許容できる
    ただ、人が死んでいようが、ハートフルなミステリであるのは確か

    多重推理で日常の謎といえば、「毒入りチョコレート事件」「黒後家蜘蛛の会」なんかが有名なのでしょうけど、未読なんですよね
    やはり、古典を読んでいた方が、オマージュ部分に気づけて楽しみが倍増するのだろうか?


    2つ目の推理に関しては、誰かツッコまないのか?と疑問に思ったんだが
    当事者たちからすればツッコむほどでもないくらいに荒唐無稽だったという事でよろしいか?
    もしそんな仕組みだとしたら、外に出るときに困るし、外の景色も変わるし、それにいくらゆっくりでも気づくでしょというね

    3つ目の推理にしても、作中の伏線っぽいところが回収されていないものもあるので、他の真相があるのだろうなぁと思わせる
    まぁ、実際に本人も真相に気付いていながら、敢えての間違った推理を発表していたようだしね



    個人的な一番の着目点としては、冒頭の献辞
    「麗しの鋼鉄番長にこれを捧ぐ」という文言からは、スパイラルの小説版第二作「鋼鉄番長の密室」しか思い浮かばねぇ
    それを念頭に読み進めていたので、色々な共通点にお気づく

    亡き父のの越した文書内の謎と父の名誉
    多重推理
    死の真相

    ただ、アレは本編のシリアスな展開とは一線を画したコメディとも思える「番長の王国」という書籍の存在のギャップが面白いわけで
    「おお鋼鉄、鋼鉄番長!」の下りは歩の気持ちに寄り添っていっそう笑える

    「誰かを不幸にする名探偵なんていらない」という言葉も、ある意味でスパイラルを意識しているんだろうか?

    感想の序盤でもツッコんだけど、人が死んでいるわけで
    これを日常の謎とするのは疑問だけど、誰かを不幸にしないという信念は私の好むところですね

  • 面白い。

  • とある話題作のミステリーの真相をみつけて欲しいと依頼があり、名探偵クラブの面々が各々の推理を披露する。
    各々の推理の欠点を補っていくと、そこには真相と共に暖かな愛があった。

    作中作品はいろんな意味で読みにくい。が、各々の推理を読んでいると、そんな解釈もできるのか!と、読み返しが楽しくなる作品。
    はじめは、つまらない気持ちで読んでたのに、最後にはすっかりハマってしまいました…

  • ちょっとだけ(本当にちょっと)清流院流水のコズミック的な探偵たちの推理パーティーを妄想してしまった
    舐めた読み方をしていたが伏兵が(予想通り)出てきて名推理を披露してくれたので☆4つ、面白かったので続編も予約しました
    この作品が、作中作が、名探偵俱楽部が、往年の名探偵たちが全て来栖志希の誕生の為に用意されたものだというのであれば、作者は次回作を矢継ぎ早に生み出す責任があるだろう

  • B913/コ

  • 改題前に既読だったが、うっすらしか覚えてなかったので面白く読んだ。荒唐無稽な推理合戦が楽しい。名探偵倶楽部の本当の名探偵は誰か今後が気になる。文庫の巻末に次巻の試し読みがついてるのも良かった。

  • 彼女同様に振る舞う美少女ヒロインというラノベの王道展開に安定感を感じる。
    多重推理に関しては、一番最初に主人公が披露した推理が一番面白かったと感じてしまったのは僕だけだろうか。エレベーターの謎について最も美しく説明していたような気がして。
    全体的に推理が上滑りしているような感覚に陥ったのは、おそらく事件自体があやふやだったから、というか、徹底した不可能犯罪ではなかったからなのかなと思った。『エーデルワイス』の仕掛けは館の管理者は自由にコントロールできてしまうし、そもそも自殺だとすれば事件は容易に説明できてしまうわけだし。その点をもっと厳密にして、たとえば本人では刺せない背中から刺すとか、どの扉でどの音声が鳴るかはコントロールできないとか(それだと最後の推理が成立しなくなってしまうのでもう少し工夫が必要だが)をすれば個人的には頭に入りやすかったのかな、と。
    あとは二重人格の使い方だが、二重人格は基本的に禁じ手で、京極夏彦の某作のように、なぜ二重人格が生じてしまったのかという理由の説明は不可欠かなと思う。ビリーミリガン的にスイッチしまくる多重人格ならばなおさら。
    だとすれば、二重人格を使わないで本作のトリックを成立させた方が良かったのではないかなというのが個人的な見解で、別に二重人格にしなくとも、たとえば〈当時は女性探偵が流行らなかったから〉とかいう理由で神薙虚無を生み出してしまっても良かったのではないかと思った。
    作中作で多重推理という構造は純粋に楽しめた。

  • 推理パートに入るまでの話に、全てヒントが詰まっているから、注意深く読んでいれば答えがわかるかもしれない楽しみがある。

  •  現実の大怪盗VS名探偵の攻防を描いた『神薙虚無最後の事件』の真相を『名探偵倶楽部』のメンバーが推理していく多重解決ミステリーで、怪盗王・久遠寺写楽と名探偵・神薙虚無のキャラ造詣や作中の『オルゴール館』で起こる密室殺人の謎も去ることながら、100頁にわたる解決編は読み応えがあり、導き出した真相は思わず拍手を贈りたくなるぐらい鮮やかで美しいものだった。またラブコメ要素も物語を引き立てる良いアクセントだった。

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著者プロフィール

【紺野天龍(こんの・てんりゅう)】
第23回電撃小説大賞に応募した「ウィアドの戦術師」を改題した『ゼロの戦術師』で2018年にデビュー。他の著作に新機軸特殊設定ミステリとして話題となった『錬金術師の密室』『錬金術師の消失』、『シンデレラ城の殺人』などがある。新時代本格ミステリの書き手として期待される新鋭。
本書は、2012年にメフィスト賞座談会に掲載された『朝凪水素最後の事件』、第29回鮎川哲也賞最終候補となった同名作品をプロトタイプに全面的に改稿した作品。

「2022年 『神薙虚無最後の事件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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