- 本 ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065353721
作品紹介・あらすじ
2023年11月24日、作家の伊集院静さんが永眠されました。
交友関係は文壇や芸能界、スポーツ界と幅広く、多くの人に愛されました。
数々の名小説を残した作家でありながら、作詞家としても活躍、『ギンギラギンにさりげなく』『愚か者』の名曲を手掛けました。
酒とギャンブルを愛し、ゴルフの腕前も一流。銀座通いも有名で、女性にも男性にもモテました。
そんな伊集院さんは生前、エッセイの中でたくさんの言葉を残しています。
「酒の良し悪しは、呑み手の心情にある」「人生というものは総じて割に合わないものだ」「理屈は、やることをやった後での無駄口の類いのものだ」「さよならも力を与えてくれる」ーー。
本書では伊集院さんが、生と死、冠婚葬祭での作法、大人の遊び方・働き方について語った言葉の数々を収録しました。
その言葉にはユーモアがありながら、その裏側には人間を見つめる深い眼差しがあります。
伊集院さんの言葉が、生活のさまざまな局面で、きっと人生の支えとなるはずです。
感想・レビュー・書評
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律義で自然体、大人の男性、ときどき胸をきゅっとさせられる。そんなお人柄が滲み出ていました。後半に向かって引き込まれた。名言集を読んで泣けてしまった。
私が今まで辿った道筋で感じてきたことと重なり、いくつか頭から離れない名言がありました。この先もそれらの言葉を頭に置き、自分の指針としていけたらと思います。
その切なさを眩しさに、自分で変換してゆかねばならない。別れの意味とは。その先はずっと長い。
向かい風も悪くはないと教えられたようでした。ありがたい言葉が沢山ありました。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
亡くなられたのは残念で仕方ないですが、人の死は残った人にひとりで生きることを教えてくれる、という言葉に出会えて目が覚めました。
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どうしてあんな早く逝ってしまうねん、伊集院さんよ。メッチャファンだったのに。。
「人は寿命でこの世を去るのである」と、本文にもあるように、いつかご自身が天寿を全うするときのために残したフレーズではあるまいな。
粋な大人になりたくて、伊集院氏の本にずいぶんお世話になった読者も多いはず。
本当に寂しい。 -
とても沁みました…
そして伊集院静さんの在り方に心が震えました。
近しい人との別離。
たまたま自分自身の境遇が重なり、この本と出会えました。伊集院さんの遺された言葉をこれから少しずつ読み深めていきたいです。 -
この方の言葉を読むと背筋が伸びる。
無骨でありながらユーモアと色気が漂う大人の男であり、哀しみに対しての向き合い方を教えてくれた。 -
〈私は、これまでの短い半生の中で、
多くの人との別離を経験してきた。
彼等、彼女たちは、
私にサヨナラとは一言も言わなかった。
それでも歳月は、私に彼等、彼女たちの笑ったり、
歌ったりしているまぶしい姿を、
ふとした時に見せてくれる。
人の出逢いは、逢えば必ず別離を迎える。
それが私たちの“生”である。
生きていることがどんなに素晴らしいことかを、
さよならが教えてくれることがある〉
「さよならも力を与えてくれるものだ」より -
時々笑ってしまう、だだっこのような文章もあって楽しく読みました。
近しい人の死の意味は、残った人が幸せに生きること以外、何もない
この文を忘れずにこの先生きていきましょう… -
折に触れ繰り返し読みたくなる言葉が詰まっている
元から好きな作家ですが、短い文章の中に込められた強い覚悟に心揺さぶられます
もういなくなったんだな…しみじみ淋しい -
昭和の最高に素敵な頑固親父の叱咤、激励の書。自分のこれからの指針、
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伊集院静氏の残した言葉と
友人達の追悼文から
どのような感じで生活してきた
のか少し理解できた
挨拶は短く
一見無駄と思えるものにお金を使え
出会ったことが生きてきた証なら
別れも同じ
最初の妻の夏目雅子との
病室から見た花火のシーンは
心に滲みた
そして治療で苦しいだろうに
いつも彼を笑顔で迎えた彼女
凄い二人
こんなパートナ いいな
著者プロフィール
伊集院静の作品





