- 講談社 (2024年6月12日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (448ページ) / ISBN・EAN: 9784065353820
作品紹介・あらすじ
ニューヨーク・タイムズ絶賛!
北極圏からアフリカまで、世界のありとあらゆるところに存在する中華料理店。中国系カナダ人の映像作家・関卓中(チョック・クワン)は、地球のそこかしこに根を張った中華料理店オーナーたちの物語を4年にわたって撮影し、ドキュメンタリーシリーズ『チャイニーズ・レストラン』として発表。華僑・華人たちの食と店を通して見えてくる国際化のリアルが話題を呼び、書籍化され、いよいよ日本でも刊行。
「純然たる中華料理」は存在しない。夢を見て、あるいは生活に窮して、政権に追われて、世界中に散らばった中国人たち。彼らが作る料理は、日本の町中華がそうであるように、世界各国の味と文化の影響を受けて変化している。だが、どのような形になろうと、それは「純然たる中華料理」であるーー北米の「チャプスイ」、マダガスカルで愛される国民食「スープ・シノワーズ」、も。著者は言う。「私のメッセージは『とどのつまり、私たちはひとつの世界の住人である』ということです」
「中国系移民が新天地に溶け込むいちばんの近道は中華料理店をひらくこと。他国人が張り合えない固有の商売は、合法にしろ違法にしろ、新参者が食べていく助けとなる」
屋台や町中華からスタートし、彼らは作って、洗って、生きて、育てた。ある者は大成功し、ある者は地道に商売を続け、ある者は「子どもには教育を受けさせたい。店の跡をついでほしくない」とつぶやく。
●難民としてイスラエルにわたり、牧師になった中国人が教会でふるまう「広東風・牛バラ肉煮込み」の味は?
●なぜマダガスカルで、「ワンタンスープ」が朝食の定番になったのか?
●ノルウェーの中華料理店のシェフが”顔出しNG”の理由とは?
●アルゼンチンの大富豪が「春巻きさえ作れれば、どこででも生きていける」と豪語する理由は?
●口全体が痺れて燃える、ブラジル唐辛子を使ったアマゾン唯一の中華料理店のレシピとは?
食を通して、どこであっても生き抜く「中国人ディアスポラ」のたくましさと喜びと苦悩が活写され、私たちの前に「地球市民としてどう生きるか?」という問いが迫ってくる。世界を移り住んで育った著者は、10代を日本で過ごした。新大久保、池袋、高田馬場など、新たなチャイナタウンが誕生している日本の「最新中華料理事情」についても考察する、日本語版のための書下ろしも収録。
【登場する国々】
カナダ、イスラエル、トリニダード・トバゴ、ケニア、モーリシャス、南アフリカ、マダガスカル、トルコ、ノルウェー、キューバ、ブラジル、インド、アルゼンチン、ペルー、そして日本。
感想・レビュー・書評
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あとがきの謝甜記行ってみたいとこだ。
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中華料理店を入口とした、世界に散らばる華人のルポ。国籍とルーツの葛藤、アイデンティティなど、日本に定住した、日本ルーツの日本人には計り知れない悩みと苦労があることに改めて気付く。「日本ファースト」という危うい言葉を考え直したい。
「本当に大切なのは、自分が故郷と呼べる場所で、自分のために築いた生活なのだ」(マダガスカルの華人の言葉) -
2000年代のドキュメンタリー映画取材時の紀行録。同映画及び本書原書のタイトル "Have you eaten yet?" の方が好きだ。
華僑華人がいかにも多い東南アジアや欧米ではなく、アフリカや中南米、インドが中心。中国を離れ数十年以上経った一家ばかりで、その間の物語も中華料理の変容も様々だ。マダガスカルのスープシノワーズやペルーのチーファは国民食になっている。また、若い世代は米や加で教育を受けたり住んでいたりする。一人の中に華人を含む複数のアイデンティティが併存していたり、場合に応じてそれが変わったり。
この取材時から20年近く経った現在、このような昔ながらの中華料理店がなくなっているわけでもないにせよ、新移民が増えているのだろうと想像する。出身は広東や客家から多様化し、中国政府の存在感も強まったのではないか。 -
社会学系 料理本 読めないパターン 翻訳で社会学は厳しい。 人物像が入ってこない。
重慶大厦と併せて2/3捨てだなあ。 良く選ばないと。 -
世界中に散らばる中華料理店を巡って、食べ歩くなり、紹介するなりの本かと思ったら違った。
中華料理屋の話がないわけではないが、Chinaを飛び出して世界に暮らす華人のレポだ。そのアイデンティティとか半生とか。
世界中に中華料理屋がある。世界に散らばる華人が、手っ取り早い収入源として始めるからだ。中華料理は難しいとか言う一文がちらっと目に入ったが、だとしたらそんなに世界中にタケノコスクスクするわけないんちゃうのん。
まあ昔の華人たちが世界中で頑張っておられるのはわかったが、全く興味ないし、最近の世界に散らばっていかれている方々の狼藉がどうしても離れず、不快感しかなかったです。正直。 -
女子栄養大学図書館OPAC▼https://opac.eiyo.ac.jp/detail?bbid=2000072022
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世界のどこに行っても中華料理はある。今、私がいるこの国にもローカライズされた中華料理がある。中華料理というのは日本人の口にも合う。とにかく美味しいのだ。この地元と中華が融合した歴史にはどのような物語があるのだろうか。
この本は中華料理に留まらない。各国に侵略され、内紛で分断され、目まぐるしく歴史に翻弄されてきた中国人は昔から他の国に活路を見出そうとしてきた。そんな彼ら彼女ら、そして祖先達の軌跡を追う本なのだ。
残念ながら学の浅い私には分からない単語や地名が多く出てきた。中華料理は文字で説明されてもイメージがつかない。色々な国の都市を行ったり来たりしても追いつけない。ひとつの章でたくさんの人が登場して迷子になる。読めば読むほど混乱し、絶対あるはずであろう深みに届くことが出来なかった。
カラーの写真、そして地図。これらがあればもっと深みにはまれたのだろう。自分の浅学に残念になった本だった。 -
田舎町のおしゃべり中華カフェーサスカチュワン州アウトルック(カナダ)/イスラエルで牧師になった難民ーハイファ(イスラエル)/カリブの熱い中華料理店ーサンフェルナンド(トリニダード・トバゴ)/中華料理店を探してアフリカへーモンバサ(ケニア)/かくもたくましき人々-サンジュリアン(モーリシャス)/アパルトヘイト時代の愛ーケープタウン(南アフリカ)/スプ・シノワーズは国民食ータマタブ(マダガスカル)/中国から歩いてきた男ーイスタンブール(トルコ)/北極圏で見た呉宇森の世界ートロムソ(ノルウェー)/キューバが映す中国の幻影ーハバナ(キューバ)/大脱走ーサンパウロ(ブラジル)/アマゾンの麻婆豆腐ーマナウス(ブラジル)/インドへの道ームンバイ、デリー(インド)/ヒマラヤでアフタヌーンティーをーコルカタ、ダージリン(インド)/ラストタンゴ・イン・アルゼンチンーブエノスアイレス(アルゼンチン)/「ごはん食べた?」-リマ(ペルー)
