NO推理、NO探偵? 謎、解いてます! (講談社文庫)

  • 講談社 (2024年8月9日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (400ページ) / ISBN・EAN: 9784065353844

作品紹介・あらすじ

名探偵を自任する女子高生、美智駆(みちかる)アイは突如、推理のための頭が働かなくなる。
そこで助手の取手(とりで)ユウは、”面倒くさい小話をまじえた推理”なんていらなくない?と
推理なしで事件の解決をもくろむが……。日常の謎や旅情ミステリ、果てはエロミスまで!
推理の常道を突き進んだ女子高生探偵・アイと助手・ユウの目には何がうつるのか?
前代未聞の真相に驚愕するメフィスト賞受賞作がついに文庫化!

〈本格推理を極めんとして道を外れた者が堕ちる《魔境》ーー
女子高生探偵シリーズはその攻略に挑んだ前人未踏の裏本格レポートである。〉.
(法月綸太郎)

〈ユーモアに隠されていた数々の手がかりを、シャープに解き明かす手際はさすがの一言に尽きる〉
 坂嶋竜(文庫版解説より)

※かつてノベルス版として刊行時、本格ミステリ界に激震が起きた。
・法月綸太郎、微笑―― 第『53』回受賞作はメフィスト賞の『ジョーカー』だよね?
・青柳碧人、感嘆! 歴代すべてのメフィスト賞受賞者と、今後すべてのメフィスト賞受賞者に 
 贈る傑作(僕、受賞してないけど)。
・円居挽、憤然! やりたい放題やんけ! 不覚にも面白いと思ってしまったけど……オレもこれやりたかった!
・早坂吝、推薦! 昔のメフィスト賞では出し得なかった「最新」受賞作を見逃すな!
・白井智之、愕然! 196ページ(ノベルス版)を読むまでは舐めてました。本当にごめんなさい。

感想・レビュー・書評

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  • 究極のメタミステリ。ミステリに推理はいらないというミステリを真っ向から否定する作品でありながら、犯人当ての伏線回収は怒涛で「こういうやり方もあるのか!」と唸った。そして、最終章の“推理”はもはや異次元の領域と言っても過言ではないだろう。メタミステリは異質な作品しかないが、この作品は特にそうである。

  • メタにメタを重ねまくったメタミステリー。
    メタミスは好きなのだが、この会話文(地の文)のノリにはついていけなかった(汗)
    何か終始スベり続けてるように感じた。
    しかしメタでしか出来ないことをやろうという作者の渾身のラストは素直に凄えなと思った!
    けどこのノリはもうお腹いっぱいです…

  • 本を読み始めた人には絶対勧められないけど、なんていうか、読んでよかった!

  • 面白いかどうかでいえば面白くなかったのだが(ノリが合わない)、ラストのロジックの斬新さは紛れもなくメフィスト賞ではある。

  •  ただただ「メフィスト賞を受賞するためにやりきった!」という気概が否が応にも伝わってくるミステリー(と言っていいのか?)作品で、突然推理力を失った女子高生探偵とその助手が推理力抜きで事件を解決していく流れは良くも悪くも「そんなのありかよ!」と思わせるのに十分なパンチが効いてた。「やっぱりメフィスト賞は懐が深い…」と再認識した作品でもあった。賛否両論あるだろうけど自分はこういった作品も大好き。

  • 主人公が自身を小説の登場人物とわかった上で大暴れするメタユーモアミステリ?
    東野圭吾の名探偵の掟もそんな感じだったけどもっと掟破りな感じで新鮮な体験だった
    文庫化の際にめちゃくちゃ加筆修正して大変だろこれと思った

  • うん、この本は面白い。ミステリとして重要な推理が、この物語では封印されている。その為、「○○っぽい」様々なミステリが描かれる。ユーモラスなそれらは、しかし批評的毒が含まれ、笑い飛ばせない。そして、その細かい点と点が、一冊を貫く大推理へと展開される。作品の空気を含め、すべてが伏線。

  • ずっとつまらなくて、途中で投げたくて投げたくて、でも最後まで読んで一気に評価が変わった!最後が面白いって聞いてなかったら絶対に読むのやめてた。寒い内輪ネタ多くてミステリ好きじゃないと面白がれないのに必然的にミステリしないつくりがもったいなさすぎる、でもどうしようもない……。最終話は笑ったし驚いたしメフィスト賞らしくてとってもよかったけど、そこまでの苦難が長すぎて他人に薦めづらい。続編読もうかな、というくらいにはよかった。

  • 良く行く書店で平積みになっていたのを、予備知識ゼロで購入。読み始めてすぐ、あまりの「私に合わなさ」で、最初の20ページくらいで断念。この著者の「ユーモアセンス」は、私には合わぬ。

  • 再読 80点
    うーん、メフィスト賞w

  • ミステリーにどっぷり浸かっている人であればこの奇抜さに脱帽といった感覚に浸れるかもしれないけれども、私にはとにかく合わなかった。文体が寒かった。

  • 冒頭、催眠術師によって探偵の美智駆アイは「推理」を封じられる。だから、「推理」は登場しない。いろいろとあった謎や不可解な伏線は、事後、実はこういうことだったのだという情報開示があって、なるほど、そういうことだったのね、と納得するタイプの短篇が続いていく。
    しかし、最終話になって、改めて過去の事件が振り返られる。実はちゃんと推理で結論に辿り着けることが改めて示されて、メタ小説であることも合わせ技になって、本格(?)謎解きが始まる。その一瞬のカタルシスは、確かに間違いなく本格ミステリなのかもしれない。でも、そこまで辿り着くまでは、ラノベ調の女子高生のうにょうにょ会話に付き合わなきゃいけないし、メタ構造の文章にも付き合わなきゃいけない。でも、まあ、そうね。それを乗り越えたら、面白いと思うし、そういう作品である必要性もあるわけで、面白かった。

  • 65点:「まちがいない。どうせ、あんた地の文とやらで色々しでかしてるんでしょ?だったら出してよ、『読者への挑戦状』を」

    女子高生探偵「アイ&ユウ」=「探偵DEゆとり」がメタ構造の連作短編集で、ミステリジャンルを踏破する!と言った感じか。この作品がメフィスト賞を切望し、選考編集者はなんとかこの作品にメフィスト賞を受賞させたいと腹をくくった情景は最終話をみれば理解できる。ミステリ愛がメタ構造を通じて一気に噴出する様はとても感動的だから。
    ただ受賞に反対した人の気持ちがわかるのは、最終話にいくまでの話が正直言って読むのがしんどすぎるから。最初の4話に最終話にむけての伏線が散りばめられてるとしても、一応連作短編なのだから1話ごとの完成度、あるいはキャラの魅力度をあげていかないと最終話にいくまでに挫折してしまう。
    最後にどんでん返し的なものがあるからという理由で途中はぱらぱら読みしながらなんとか読み終えることができたということは告白しておきます。

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著者プロフィール

1981年埼玉県出身。ワセダミステリクラブ出身。『NO推理、NO探偵?』で「メフィスト」座談会を侃々諤々たる議論の渦に叩き込み、第53回メフィスト賞を受賞し、デビューを果たす。著書に『朝比奈うさぎの謎解き錬愛術』『ネタバレ厳禁症候群 ~So signs can’t be missed!~』『困ったときは再起動しましょう 社内ヘルプデスク・蜜石莉名の事件チケット』がある。

「2023年 『まだ出会っていないあなたへ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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