磯崎新論

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  • 講談社 (2024年11月7日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (784ページ) / ISBN・EAN: 9784065359860

作品紹介・あらすじ

2022年12月28日に91歳で亡くなった世界的建築家・磯崎新。
「デミウルゴスの化身」たらんとした「アーティスト/アーキテクト/アーバンデザイナー」が求めた〈見えない建築〉とは何か?
群像連載の前人未到/正面突破の決定版「磯崎新論(シン・イソザキろん)」がついに単行本化!

「それゆえわたしはここで、たとえ無謀ではあっても、アーティスト/アーキテクト/アーバンデザイナーの全領域の総体をテクストとしてまるごと扱い、自分なりの磯崎新(ルビ:デミウルゴス)像をくっきりとした輪郭で描くことを選ぶ。「シン・イソザキ論」という、庵野秀明の『シン・ゴジラ』や『シン・エヴァンゲリオン』をもじったような別名の併記は、磯崎最初期のSF的マニフェスト「都市破壊業KK」における「SIN/ARATA」という二体の分身への自己分裂に対応している。それをルビで表わすこともまた、この種の分裂状態を象徴する磯崎特有の書体の擬態(ルビ:もどき)である。「シン」は間違っても「真」ではなく、「磯崎新論(ルビ:シン・イソザキろん)」という表記はむしろ、みずから「新(ルビ:SIN)」なるもの─他者─であろうとする自覚の表現なのだ。」(本文より)

AIがまとめたこの本の要点

プレミアム

みんなの感想まとめ

作品は、世界的建築家・磯崎新の思想や作品を深く掘り下げた内容で、彼の独自の視点や影響を受けた文化についても触れています。特に、磯崎の家庭環境や初期の作品にまつわる背景が印象的で、彼がどのようにして芸術...

感想・レビュー・書評

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  • 『#磯崎新論(シン・イソザキろん)』

    ほぼ日書評 Day850

    本編だけで670ページ、さらに100ページに及ぶ巻末註と索引が加えられた大著。
    (特に建築に明るいわけでもない評者ですらその名を知る)日本建築界の巨人が2022年末に亡くなり、そこから編まれた新刊である。

    それにしても難解だ。
    一方で、ポストモダンというのは、そういうものなのだろう。
    他方、建築という "それだけで意思や思想を体現できる表現手法" を選びながら、さらに "いわば無国籍化することで一意の解釈を拒絶する言語" をも用いて自らの思想を表出するというのは、正直なところあまりに欲張りなのではないかと考える次第だが、そんな欲張りな磯崎新をこのボリュームで論じようというのも、いささか暴力的である。

    冒頭にも記した通り、本の厚みだけで書店で気軽に手にすることを拒絶する一冊であるが、一方で、親しい友人の読後感を伺ってみたいと思うものでもある。

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    丹下健三の広島平和記念館(本書ではピースセンターと呼ばれる)の敷地は、もともと墓地だった(本書の導入部に、建築中に丹下自身が撮ったという写真が掲載されている)。
    https://images.app.goo.gl/cWwqDdhzGiT6tsq57
    磯崎新も過去の破壊を繰り返したが、国立競技場のザヒ・ハディド案が結局有耶無耶のうちに排除され、「負ける建築」隈研吾案に落ち着いたことに日本建築の終わり(頽廃)を感じたとのこと。
    評者も、この国が再度自らの足で立ち直るには、改めて焼け野原になるしか手は無いのかと、丹下の写真を見て思わされるところである。

  • 磯崎新を歴史化する初の試みで、大変な労作。
    著者に心から感謝です。
    意外と読みやすい(飽きない&だれない)本ですが、図版が殆どないので少しイメージが湧きにくく、また本文だけで650ページ超えの大作なので、しっかり読み込むことはできなかったというのが本当のところ…それでも読んで良かったし、面白かったです。
    建築家としては相当恵まれた出自の磯崎新ですが、永遠に満たされない方法で創作せざるを得なかった、芸術家タイプの人だったようです。
    磯崎新というと作風からコスモポリタンなイメージですが、日本建築(和様建築?)の強烈な原体験を持っていて、それが晩年にも現れます。
    著者はデミウルゴスと表現していますが、ようするに建築家である前に文人でした。
    一般に、建築家は自作を正当化するために書いたり語ったりするわけですが、磯崎新の場合は存在論的不安(建築家という他者)から夥しい言説を生産し、それが意図せず磯崎新への批判や理解を難しくして、孤高の存在へと追いやってしまった…晩年にはある程度の決着をつけているようにも思えますが、やはり建築界や社会、国家は安住を許してくれず、最後まで自分自身と闘い続けた人だったのだと思います。建築という一種の呪いから目を背けず、引き受けて闘った人なのかなと。
    そんな孤高の文人のドキュメントが本書です。

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著者プロフィール

東京大学大学院総合文化研究科教授

「2022年 『イメージの記憶(イメージのかげ)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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