ワルイコいねが

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  • 講談社 (2024年11月28日発売)
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Amazon.co.jp ・本 (192ページ) / ISBN・EAN: 9784065360200

作品紹介・あらすじ

パーカーのフードをかぶり、電柱のうしろにかくれるようにして、お寺をじっとみつけている。
あの転校生の津田アキトだ。
道をへだてたこちらまでは見えていないらしい。もっとも見えていたとしても、あたしの顔なんかおぼえているはずもないけれど。
しんせきの集まりで来たのだろうか。いや、それならば同じように黒い服を着るだろうし、かくれてながめる必要はない。
めずらしいのか?
おそうしきや法事といった風習が、前に住んでいた町とはちがっていいて、何かよほどきょうみをひかれるところでもあるのだろうか。
不審者のように目深にフードをかぶったすがたと、電柱にかくれているつもりでかくれきれていないあやしさがかえって目立ち、ちらちらとふり返る人たちがいるのにも気づいていないようすだ。周囲にはまるで注意をはらっていない真剣さがふしぎだった。
(本文より)




「うっかり自分の考えを言わないのがせいかいなのだ」と思いつつ、そんな自分を少しみみっちいとも感じている美海は、正直になんでも言いすぎて「性格が悪い」と言われている転校生のアキトと仲良くなる。

アキトは別に悪い子ではなく、少し変わっているだけだと思っていた美海だが、
やがてアキトがお寺だのおそうしきだの、不吉な場所にばかり興味を持つ様子を見てしまい胸がざわざわしてくる。


『ふゆのひだまり』で第11回小さな童話大賞、『いただきます』で同選者賞今江祥智賞、『天のシーソー』で椋鳩十児童文学賞、『満月の娘たち』で野間児童文芸賞、『夜叉神川』で児童文学者協会賞、ホワイトレイブンズ選出、IBBYオナーリスト選出選など、数々の受賞作をもつ安東みきえが描く、友情の物語。

みんなの感想まとめ

友情と成長を描いた物語で、主人公の美海は、周囲の期待に応えようとするあまり、自己表現を抑えてしまう一方、転校生のアキトは思ったことを率直に口に出す性格。彼女の行動は周囲から「変わり者」と見られますが、...

感想・レビュー・書評

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  • 美海ちゃんと幼馴染みの小太郎君の小学校に転校生のアキトちゃんがやって来た。彼女らから見るとかなりの変人。その行動、言動には驚かされる事ばかり。
    大人の自分から見たら、まあ、成長途上の子供なら然もありなんと思えなくもないのだが、小学生達には異邦人に思えるのもわかる。
    子供でも共感性、共感力の高い子もいれば、大人でもそうでない人もいる。
    それは性格的なものか、経験的な問題か、それとも個々の脳の働きの違いなのか?
    美海ちゃんのばあばが、周りのご老人達が、とても素的だ。伊達に歳を重ねていない。
    「人はまちがいもするけど、ちゃんと正す事もできるってことだから…」
    「脳の、こわさを感じる部分と楽しさを感じる部分は重なっていて…まちがえてしまうのかもしれない」等と教えてくれる。
    世の中には様々な価値観があり、それを受け入れる大切さも子供ながら学ぶ美海ちゃん。
    最後の展開には思わず涙がこぼれた。

  • 安東みきえさんによる児童文学。

    空気を読まない転校生のアキト、周りをよく見すぎて言葉のみこんでしまう主人公の美海。
    対照的な二人が距離を縮めていくまでのお話。

    美海は空気を読みすぎるところがあるが、だからといって流されやすいわけではなく、客観的に物事を捉える力がある。
    思ったこと、気になることをどんどん口に出してしまうアキトは、変わり者で性格が悪いとレッテルを貼られてしまうが、美海は反感を抱きながらも一方的な見方をせずに、理解しようと努力する。
    この年頃の子どもの友達関係の難しさがよく分かる。
    誰もが美海のようになれたらいいのだろうけれど…。

  • 美海(みみ)は人にきらわれたくない、ほめてほしいと思っている6年生

    秋田から来た、ちょっと変わったクールな転校生女子津田アキトと出会い、仲良くなる

    思ったことを口に出して行動してしまう空気の読めないアキト
    それが気が気ではないがうらやましくも思う美海

    アキトがお葬式や人の死に興味を持っていることがわかると、美海は不安に思い……

    山梨の山すその町を舞台に、自分を見つめ、相手を理解しながら友情を育む少女たちの物語

    『満月の娘たち』で第56回野間児童文芸賞(2018年)、『夜叉神川』で第62回日本児童文学者協会賞(2022年度)、2024年IBBYオナーリストに選ばれた著者の最新作、2024年11月刊

      ──おめは、えぇ子だ。

    秋田のなまはげが子どもをおどす「ワルイコいねが」が重要で効果的なモチーフになっている

  • 小6長女、完読

  • 気を使って本音を隠し嘘をつく主人公と、本音をズケズケ言って嫌われがちな女の子との交流。

    あまり児童文学ぽい感じがない。私が児童文学読むのは、単純でストレートな話運びが、ラストが意味不明になったりする小難しい大人の小説よりわかりやすく面白さがくるから、というのがあるのですが、そういう意味では大人の小説っぽい、夢うつつパートに入っていくのでちょっとがっかりしてしまいました。そういうのいいって。

    いわゆる発達障害?という感じの女の子の事がよく書けていて、主人公が戸惑いながらもその行動の意味を少しずつ理解したり好ましく思っていく、というところはとても良かったのですけど、夢うつつで見たシーンを思い返して良かったね、で終わられても、「現実的には良かったの?」という疑問が残ってしまってスッキリしきれないのでした。

  • 秋田からの転校生で空気を読まず発言する少女×思ったことを言えない少女。高学年~。

  • シンプルな設定で転校生の人間性・謎の行動・最終的なテーマが一本筋として通っていて、雑味の少ないきれいな筋立ての話だなと思いました。逆にこの要素の少なさでよく1冊分埋まったもんだなと思うんだけど、読んでて薄いとかは全然感じなかった。何らかの技巧があるんでしょうね。

  • 空気を読まずに思ったことをそのまま言ってしまうアキトはたぶん発達障害なのだろうけど、周りの人たちが診断名ではなくて、彼女独自の特長としてそのことを捉えているのがよかった。

    アキトに戸惑いながらも友だちでいることをやめない美海の中にも、流されない強さがちゃんとある。

  • うまいなあ、と言う感じ。
    読者話としては、もっと、ほんとうに悪い子が出てくるのかと思ったので、肩透かし。

  •  隣のクラスに転校して来たアキトは、空気を読まない不思議な女の子だ。友達に嫌われないように本心を言えない美海には、ストレートに思ったことを話すアキトは気になる存在だ。
     書道教室で親しくなり、アキトが死んだ人に興味があることを知った美海。アキトのことが理解できないと、祖母に打ち明ける。

  • 嫌われないよう本心を隠して周りに合わせる美海。転校生のアキトはその言動からヤバいヤツと思われていましたが、思ったことを素直に言葉にしているだけだと美海は気づきます。
    老人の死に関心を持っているらしいアキトに、疑問を持ちつつも、理解しようとしていく美海のまっすぐなところがよかった。そしてその理由がわかったとき、涙が出ました。

  • 小学校6年生の女の子。山梨県。
    秋田からの転校生。

  • 自分の思ったことを一旦のみこみ差しさわりのない言動をとる美海、秋田から転校してきたアキト(亜希人)は自分の考えを思ったまま言葉にする。美海は人に合わせる言動をとるごとに自分を失っていくことに気づく。アキトは老人の死について興味を持っている。果たしてそれは良いことなのか、なぜ死に興味をもつのか? 物語の終盤にて明かされるアキトの謎。小学6年生の二人の女の子の成長譚。それと、なまはげの意味について書かれていたが、実際にそうなのかどうかはわからないけど、なんかいいなと思った。

  • 小学6年生の美海と転校生のアキトとの触れ合いを描いた作品。
    いつも人に合わせている美海、思った事をそのまま口にするアキト。正反対に思えるけれど同じ書道教室に通い会話するうちに仲良くなる。 
    空気を読む美海とストレートな物言いをするアキトとの対比や「死」を扱っていて考えされられる。
    児童文学だけど大人でも充分楽しめる作品。

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著者プロフィール

山梨県甲府市生まれ。1994年に「ふゆのひだまり」で小さな童話大賞大賞、「いただきます」で同選者賞今江祥智賞、2001年に『天のシーソー』で椋鳩十児童文学賞、2018年に『満月の娘たち』で第56回野間児童文芸賞を受賞。主な作品に『頭のうちどころが悪かった熊の話』(新潮文庫)、『星につたえて』『ふゆのはなさいた』(アリス館)、『夜叉神川』(講談社)などがある。

「2021年 『メンドリと赤いてぶくろ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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