ひらばのひと(5) (モーニング KC)

  • 講談社 (2024年7月23日発売)
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本 ・マンガ (192ページ) / ISBN・EAN: 9784065360514

作品紹介・あらすじ

独特の節で読む軍記物の勇壮な場面を、講談で「修羅場〈ひらば〉」と呼ぶーー。

泉花と泉太郎が「幻の釈台」を捜したことに師匠の錦泉は激怒する。明らかになる「最後の講釈場」音羽亭焼失の真相…。自分の道への思いを新たにした泉太郎の前に、男の後輩講談師が現れた。さわやかな美男子だが、彼の奇妙な言動に泉太郎は不審を抱く…本格「講談師」漫画、急を告げる第5巻!

感想・レビュー・書評

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  • あわや破門か?てさわぎから、大塚さんの祖母たる席亭の過去、悪魔のような新弟子の話、父の遺志で通夜で講談をぶってほしいという願いなど。最後は着物が語り手な話でしめくくられ。人でなしだけど人を惹きつける…たしかにそういうこともあるよね、と。

  • 不穏な後輩出現は長引かなくてよかった。
    あとがきにこういう人リアルに入門してくるとあって 「……」となったけど 人を惹きつける力が芸事に活かす方向に開花するならありな世界なんだろうね。
    あ。二つ目昇進おめでとうございます。

  • 席亭の過去が分かり頑なだったことに納得しました。
    それは男性講釈師嫌いにもなるでしょう…。

    旅館の後継者問題を絡めた『浜野矩随』、ぞっとする弟子の話の『畔倉重四郎』、着物が語る『安政三組盃』と物語の幅が広く楽しめました。

    きなこが可愛い。

  • 「男の講釈師が大嫌い」その理由が明かされる第5巻。


    ・『浜野矩随』(はまののりゆき)
    腰元彫り(刀剣の飾りを彫刻する職人)の二代目。先代と比べられて自信喪失、身投げを考えていると、母親から観音像を彫るように言われて……落語版も結末は2パターン。

    旅館を舞台にした跡継ぎ問題。「兄(長子)よりも適性がある」とされているのに、蔑ろにされている妹。母を見つめる娘の表情に注目。


    ・『畔倉重四郎』(あぜくらじゅうしろう)
    騒動物・大岡政談。大岡越前守をして「八つ裂きにして余りある」と言わしめた三大悪人のひとり。「悪漢」「ピカレスク・ロマン」が気になるなら必見。

    漫画監修を務める神田伯山のYouTubeで全19席が公開中。19席目「重四郎服罪」クライマックスだけでも是非。

    新しく入った前座見習いは「役者のような良い男」。しかしどうやら、愛想は良いが胡散臭い。「平気な顔で嘘をつき、人をあやつり、良心の呵責が微塵もない、人でなしのくせに人を惹きつける」……


    ・『安政三組盃』(あんせいみつぐみさかずき)
    酒乱の小町娘、津国屋お染が活躍する連続物。結末はさまざま、アメリカに渡って教師になるバージョンも。

    妹弟子へと受け継がれる鴇色(ときいろ/ピンク色)の着物を通して、女性講談師の4世代の歴史を辿るエピソード。シスターフッド好き必見。

    酒席で贔屓客に「女の講釈師は認めん」「師匠の愛人じゃないのか」と陰口叩かれても、涙は隠して笑って流してきた、元女優、にしき。

    客から「女流講談師」と侮られたくなくて、武芸物や時代物にこだわってきた、歴史を学んでいた錦月。

    夫はマジシャン、ふたりの子どもを育てながら新作落語をつくる錦風。

    そして新しく着物を受け継いだ泉花。(女流講談師としての悩みについては1巻参照)

  • 最初の2話は音羽亭の歴史と、泉太郎の間に合わなかったもの、間に合ったものについて。以降は講談の『浜野矩随』『畦倉重四郎』『安政三組盃』をベースにしたお話。
    おかみさんといい、「人の表に出さない部分、腹に一物」ということを考えざるを得ない、ちょっと恐い話が続く。面白い。
    初音ちゃんも無事に高校を卒業、大学へ進学、席亭を目指す宣言。これからどう絡んでいくのか。

  • 講談場の話に一段落。ペースを整える一冊かな。

    新作については落語でも起きてる話みたいね。

  • 最後の講釈場消滅の真相、美男の講釈師が現れるも奇妙な雰囲気を醸し出している。さまざまな人間関係と新たな門出。ストーリーに拡がりが出てきた。

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著者プロフィール

愛知県出身。
2000年、「月刊ウィングス」(新書館)の『NO GIRL,NO LIFE!』でデビュー。書店でのアルバイト経験をもとにしたエッセイ漫画『暴れん坊本屋さん』(新書館)で注目を集める。代表作に、近代日本文学を題材にした『よちよち文藝部』(文藝春秋)。ストーリー漫画では、若き女帝と侍従の少年の恋を描いた『パレス・メイヂ』(白泉社)がある。

「2022年 『ひらばのひと(3)』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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