- 本 ・マンガ (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784065363324
作品紹介・あらすじ
少年少女の大量監禁致死事件…いわゆる【灰川邸事件】の真相を追う刑事・冴木仁(さえきじん)と、事件の舞台となった屋敷の主・灰川十三(はいかわじゅうぞう)に育てられた娘・蓮水花音(はすみかのん)。二人は十三が書き残した古い日誌を読んでいた。
北海道の小さな集落「蔵土(くらつち)」で育った十三に初めてできた外の友達・志満(しま)ひかり。しかし好奇心旺盛なばかりに彼女は集落の秘密を知り過ぎてしまい、ひかりに協力した警察官の祖父は事故を装って殺されてしまう。そして十三は、育ての父から警告を受ける。[一族の掟]に従うことを受け入れねば、ひかりもまた同じ運命をたどることになる…と。彼女の安全を思い、突き放すように別れる二人。
しかし、1年後。集落の[汚れ仕事]を請け負っている犬山秀二(いぬやましゅうじ)の私物を偶然見てしまった十三は愕然とする。[生贄(いけにえ)]にした子供たちの形見を、宝物のように集めていた秀二。その中に……彼女の…ひかりの…腕時計が……!
感想・レビュー・書評
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ひかりの安全を保障するため、蔵土から遠ざけた十三。しかし、犬山秀二の“戦利品”に彼女の時計を見つけてしまい──。大切な人を奪われた十三は復讐の悪魔となる。「33人殺し」の真相がいま明らかに──。
十三に突きつけられた真実は残酷だった。命令を実行した秀二の幼さが悲しいね。絵の腕前は傑出しているのに、感情の発露は幼子のよう。サヴァン症候群なのかな? 十三の言葉を受けて、その償いのためにした行動がやるせない。この結果として、十三はさらに引き返せなくなったというか。すべてが終わった後での二人の会話がね…。現代の十三は納得して死んだのかな? それとも何らかの手立てで生きているのだろうか。十三がクルミを逃がした(?)ように──。
文吾との対決は凄まじかった。ただものではないとは思っていたけど、お前が怪物じゃん! この絵面はバイオハザードとかでしか見たことないぞ! もちろんSFではないからゾンビではなく、先天的な無痛症とかだろうか。あの致命傷を受けてアクションをこなすのはヤバすぎる! ダイナミック鍬おじさんはホラー。あの飛び込みシーンのシュールさと迫力が半端ない。村民の教育もしっかり行き届いていて、殺意がすんごい。それを農具で乗り切る十三も化け物。スコップが鋭利すぎるんよ!
リッカの一族を根絶やしにする──ひかりが黄金の精神だったなら、十三は漆黒の意思を覚悟に決めたというところだろうか。リッカのネットワークが思った以上の規模だったことに驚かされた。でも、セキュリティがガバガバすぎるだろ(笑) 見届けてからクールに去る十三がカッコいい。そこからの復讐の旅路。終着点にいたのは、きっかけになったあの男だった。これですべてが終わりかと思いきや、復讐はまだ終わってはいないらしく──。いまだ謎だらけながら、どんどん引き込まれていく。新章突入とは思わなかった。これは楽しみすぎる。冴木、早く続き読んでくれ(笑)
※ここからは考えていることを書くのでネタバレ注意!
「さらわれた子どもたち」
七生は失踪した子どもたちと指紋を“あえて”一致させた=偽物の鑑定書を出していた。
つまり本当は「顔はそっくりだが、指紋や記憶が違う子ども」たちがいた。本物は“役目”を終えたら灰の川へ。子ども=別人。人の贋作? 子を生せない一族だから、さらってきて別の子どもを整形してすり替える。別の子どもはどこから? 孤児を引き取っている? クローンだとSFになってしまうが(クローン、一卵性双生児でも指紋は異なる)。
「あの男」
写真の老人か。十三が血を引いている。親? 傷までそっくりすぎる。リッカの生みの親?
「贋作ビジネス」
犬山秀二が制作し、それを売りさばいて資金にしていた。七生が管理していたが、最終的に何者かの手によって十三に届けられる。ひかり生存ルート? それともクルミ? リッカと対立しているグループがある? 屋敷はこのお金で買ってはいない。
「鈴木潤」
彼こそが一族の悲願の六花。子を生せる人間。彼は20歳なので、時系列的にはリッカ暗殺している途中で十三が見つけ、児童養護施設へ預けた? ここが曖昧になっている。蓮水花音と同い年なのは気になる。
「冴木仁」
なぜ日記を早く読まないのか。自分も何かしら関係があることに気づいている? 花音に貸した手袋が、花音が押された時の手に似てる気がする。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
相関図がもっと詳しく欲しい(笑)
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ネタバレをしたいところですが
我慢しています
www
それに可愛い♪ -
あいかわらず、ストーリー展開と絵がすばらしい。早く先が読みたい。
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